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ローイズの野望  作者: 水薔薇姫
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story23.幼馴染としての祝福

story23.幼馴染としての祝福


:登場人物:

・アルジェ・ペルギール

七奈月(ななづき) 鏡花(きょうか)

・レオン,ユリア&アベル,シェミリー

・マリン・フィルミーオ


ーー翌日早朝


ペルギール家の使用人の1部はフィルミーオ家に来ていた。


「もしもし、ネロです。お嬢様の御洋服ヴェディアルくんの御洋服はメイド達が全部まとめそちらに向かってます。我々は如何致しましょうか。……かしこまりました。」


指示を受けイヤホンマイクを切る

少しばかり溜め息が出てしまうが、すぐに微笑してしペルギール家の執事達に声をかける。


「やるか……力にとても自信がある方はベットとタンスで分かれ数名で持ってください。力に自信がある方は机と椅子を2人で持ってください。力に自信があまりない方は植木鉢を、この花はお嬢様のお気に入りの花なので絶対に割って枯らさないように。その他の方々はヴェディアルくんのおもちゃを、それでも仕事がなかった方々は応援側へ、残り1時間30分です。この時間の前には到着出来るよう協力し合うように、以上!」


使用人達の頑張りのおかげで無事マリンの起床前に家具等の移動が終わり朝6時30分を迎えた。

起床したマリンは部屋の状態を見てアルジェがいる書斎へと向かった。


「…ルジェ」

「あ?んだよ。」

「起きたらタンスやら服やら机やら私とヴェルの物が全部あったわ。私自身で運ぶって言ってたのにやったでしょ…ありがとう」

「二度とあの家に戻りたくないだろうし頼んだんだよ。ってかその礼言うなら俺じゃないだろ」

「分かってるわよ。ネロさん達が運んでくれた事ぐらい…だけど指示を出したのはルジェでしょ、だから言ったのよ。それに夜の礼もあるし、じゃぁ御礼して来るから」

「行ってこい行ってこい」

「……おぼっちゃま、お嬢様のお髪は如何致しましょうか…目はカラコンで取り外し可能なので戻る事は可能ですが髪は染め直さないと戻りません。」

「そこなんだよな…マリンのあの髪色は染めて出せる色じゃねぇんだよな…」

「あの綺麗な透き通った色は染料でどうにかなるものではないので…ちなみにミルアは魔法に頼ってみるのも手だと思うんです。」

「そう言っても身近に魔法に口うるさい程詳しいやつなんて」

「えぇ…そうなんです…よね…」

「「……」」


勢いよくアルジェとミルフィアは目を見合わせる


「「魔法に口うるさい程詳しい人いた」」


2人は当てはまるとある人物を思い出し声が揃った。

そして早くも時間は経ち約束した通り10時に4人宅に着く


「え…髪色を戻すような事が出来る魔法?お兄さんそれ地毛じゃなかったの?」

「俺じゃねぇよ。あるのないのか教えてくれ」

「本当に効くかは例の使用方法に書いてなかったから私もお兄ちゃんも分からないけど…修復魔法を改変して作られた復元魔法ならあるよ。でも髪色だったら元の髪色が分かるものがないと…」

「それって髪実物か?」

「ううん、写真でも良いよ。色さえ分かれば試しようはあるし」

「ちなみに写真がない場合はその直したい人が髪色を覚えていれば思い浮かべてくれるだけで出来るよ」

「へぇ〜……ちなみに出来んのか?2人は」

「出来るよ!」

「無償ではやらない。バイト代ちょうだい」

「チッ…なんだ言ってみろ」

「新しい魔法の本欲しい」

「は?!1週間前にやっただろ」

「全部覚えちゃったの」

「そういうことだ」

「魔法やるぐらいならドリルやれこの前渡したろ。普通ならお前ら小4の年齢だぞ」

「ぜ、全部やったし?」

「全部やったよ!」

「ふ〜ん…じゃぁ復元終わった後に見せてみろ。全部出来てたらバイト代で好きな魔法の本買ってやるよ」

「ウッ……」

「うん!分かった!」


ーー数分後


「凄いわね…ここまで元通りになるなんて…小さいのに本当に凄いわ…2人共ありがとうね。」

「んふふ、無事成功で良かった。失敗しちゃったらお姉さんの髪がおかしくなるところだったから…それよりお姉さんお髪綺麗だね!なんかお空の色みたい!おめめの色もお空の色みたいですっごく綺麗!」

「ふふっ、ありがとう」

「悪いな。ありがと、んで…ドリル出してみろ」

「うぐ……はい…」

「はい!アベルにね。やり方だけ教えてもらって後は自力で頑張ったの!」

「そうか、じゃぁ最初にレオンのから見るとするか」

「エッ」

「お兄ちゃんすごく頑張ってたもんね!きっと満点だよ!」

「そ…ソウダネ…」

「アルジェさん…これ…小4のドリルですよ…学校行ってない双子ちゃんには難しいんじゃ…」

「行かない代わりにドリルをしっかりやるって言う約束だからこれぐらいは良いだろ別に」

「そうなんですか…」


そう言って椅子に座りペンを持ちドリルを開くアルジェ

それを見てヴェディアルはシェミリーから紙とペンを貰ってアルジェの隣の椅子に座る


「ヴェル?紙とペンなんて持ってどうしたの?」

「べであるもぱぱと同じことしたい…でも今きづいた…べであるの紙まっしろ……ぱぱの紙ぎっしり…」

「真似したいの?」

「うん…」

「真似しなくたって良いぞ。遊んでろ」

「はぁい…」

「今レオンくんとユリアちゃんは採点終わらないと遊べなさそうですね…どうしますかマリンさん」

「ん〜…どうしましょうか」

「お悩みでしたらこれから一緒にレタス取りに行きませんか?丁度植えてたのが出来たのでこれから取ろうと思ってたんです。」

「レタスさん!!とる!とる!」

「お、なんだ?ヴェディアルくんはレタス好きなのか?」

「だいすき!」

「この年齢なら肉だったりおやつだったりとそこら辺が好きだろうに変わった子じゃな」

「じゃぁ一緒に取りに行こうか、御洋服は汚れても大丈夫?」

「大丈夫!」

「そっか、良かった。」


そう言いシェミリーとヴェディアルはレタスを取りに庭の方へと出て行く

それと同時にもう既に終わったようでアルジェが口を開く


「ユリアには本買ってやれるがレオンには買えねぇな。」

「うぅぅぅ……で、でもユリアには買って僕には買わないの不平等だから…ユリアも……」

「おかしいなぁ?俺は全部出来てたらって言ったはずだが?」

「うグッ……じゃぁ僕には一体何くれるの」

「1,2,3年生のドリル」

「意地悪!!」

「…じゃぁ2人に問題だ」

「なぁに?」

「…な、なに」

「93×47は?」

「4371」

「…レオンは?」

「140…」

「足してどうする。ユリア正解な。とにかく1,2,3年生のを必ず全部やるんだな。間違っててもいいやった事に意味あるからな。全部やれてたら今日の1冊分も含めて本2冊買ってやる」

「うぐぅ……2冊買ってくれるなら…頑張る」

「…んじゃぁ俺は帰る。」

「ばいばぁ〜い」

「あらもう帰るの?」

「当たり前だろ俺はただお前の髪元に戻す為に来たんだからよ。そのついでにドリル見ただけだ」

「え、それならヴェディアルくんが戻って来てから帰りましょうよ。帰る場所同じですし」

「そうね。私これから1度戻ってヴェルを任せてから少し用事あるし」

「みんなもう帰るのか?これから昼食でも食べて行けば良いのに」

「昼食!シェミリーさんの料理1回だけでも食べてみたかったんですよね!!頂きます!」

「そうか、お二人さんはどうする?」

「私はどうしても外せない事だから御気持ちだけ頂きます。でもヴェルも残って食べたいでしょうし…」

「それなら私が帰宅時に一緒に帰りますよ。」

「そう?なら…任せるわ。ごめんなさいね…」

「大丈夫ですよ!御安心ください!」

「俺も帰る。確認作業とかあるしな」

「分かりました。」


そうして昼食を御馳走になった鏡花とヴェディアル。


「ご飯美味しかったね〜」

「うん!」

「お口に合うか心配でしたが…心配する必要がなかったようで安心しました…」

「シェミリーのご飯は美味しいから相当な偏食家とかじゃない限り口に合わない訳が無いよ!」

「偏食家って…偏食家じゃなくても口に合わない人はいるぞ?」

「む、アベルは口に合わないの?」

「いや!そういう訳じゃない!シェミリーのご飯はすごく美味しいぞ!!」

「どれぐらい」

「え、そ、それは…」

「どれぐらい美味しいの!!」

「お、お店に出しても良い…ぐらい…」

「違う!どれぐらい美味しいかの大きさを表して!」

「お、大きさ?!…えっと…その……この国の大きさ…ぐらい…」

「んふふ…むふ〜」

「いつもこんな感じなんですか?」

「そうですね…いつもこんな感じですよ食後は…あ、よろしければ食後のデザートいかがですか?実はケーキを焼いたんです。食べて行きませんか?」

「あ!良いですね!アルジェさん残念ですね〜残ってればケーキ食べれたのにっ」

「ケーキはままのよりおいしいの?」

「…ん〜…ヴェディアルくんがどう感じるかだね。ママのより美味しくなかったらごめんね」

「ご飯が美味しかったからデザートも美味しいって保証付きですから大丈夫ですよ!ランキング化したら2位になるかもしれませんけど…」

「シェミリーのご飯とデザートの方が世界一美味しいんだから!」

「人それぞれじゃからな……なんとも言えんわい」

「ユリア…味覚はそれぞれだからさ……」

「むぅぅ……シェミリーが1番だもん……」

「…ユリアありがとうね。そう思って言ってくれるの凄く嬉しいよ。」

「…うん…」

(それにしても…アルジェさんはこれから書斎にこもるだろうけど…マリンさんが外せない事…かぁ……なんなんだろ)


ーーその頃


マリンはミルフィアとネイリンの2人と街を歩き国民に話を聞いていた。

今は丁度話を聞いた人数が6人目程である

店の扉を開け中にいる女性に声をかける


「お久しぶりです。マヤおばさん」

「……!?…ま、マリンちゃんじゃないかい!すっかりおっきくなって…!いつ帰ってきたんだい?」


カウンターで座っていた女性は立ちあがりマリンの方へと歩き今にでも泣きそうな笑顔でマリンの頭を撫でる


「昨日パーティーがありましたのでその時に…もうあの国には疲れましたので」

「そうかいそうかい……久しぶりに顔を見れて嬉しいよぉ…ままっ!今日は例の件で来たんだろう?お茶と軽いお菓子しか出せないけど上がってって!ミルアちゃんとネロくんも上がって上がって!」

「「お邪魔致します」」

「お邪魔します」


3人は店の奥に入り案内されたソファーとテーブルのある部屋へと入る

数分後、女性がお茶と菓子を持って入って来テーブルの上に置いてから自分も座り口を開く


「それにしても…例の件には家も困ってたんだよ…もう心配で寝れないよ…」

「今マヤおばさんで6人目なんですが、皆様たった少し目を離したりした時にと聞きましたが…」

「そうなんだよ…本当に困ったものだよ…これじゃ息子に会わせる顔がないさ…明後日には帰って来るって言うのに…」

「確かマヤさんのお孫さんは14歳でしたよね?」

「14歳で間違いないよ…今は長期休み中で息子が他国へと仕事に出た為私が預かっていたの」

「…主に13〜15歳のお嬢さんが拐われている…という事ですか」

「でもネロさん…それですと1件だけ18歳の方が拐われているのはおかしくなりますよ?」

「そうですね…執事長の言葉はちょっとおかしくなりますね…」

「18…どこの子が拐われたんだい…?」

「リンさんのところです」

「なんだって!リンさんのお孫さんって言ったら…国民の中での美人ランキングを作るとしたら1位に輝くであろう…あのお孫さんじゃないかい!!もしかして犯人は顔判断で誘拐してる危ない奴なのかい…?」

「さぁ…?そこまではちょっと…」

「ところでマヤさんお孫さんが拐われた時何か聞いた…とか見たとか…ありませんか?」

「う〜〜ん…ないねぇ…」

「そうですか…」

「今のところ手がかりになりそうな事…ないですね執事長…」

「まぁ…仕方がないな…拐ったやつは形跡とか残してないだろうから」

「役に立てなくって申し訳ないねぇ…」

「いえ、そんな事はありませんよ。お話をして頂けただけで嬉しいです。」

「私達はこれから本格的に怪しい所を調べたりしますので此処で失礼しますね。」

「そうかい…3人共もうちょっと居てくれてもいいんだけどね…あ、マリンちゃん」

「はい?なんでしょうか」

「戻す戻さないは2人の自由だけど…戻す場合昔からいる私や他の人達は泣いて喜んででも盛大に受け入れるからね。」

「…はい。分かりました。それではおいとましますね」

「またいらっしゃいな」


店から出た3人は国の隅にある林に向かって歩く


「まずはこちらですね…最近夜な夜な変な叫び声が聞こえるとかで皆さん困ってるんですよ」

「ちなみにネロさんとミルアさんちゃんと持ってますよね…?」

「そうですね〜…何も持ってないんですよ」

「私もです。何も持ってなくって〜…」


2人はそう言うと背中に手を回し始めた


「持ってますよね??絶対持ってますよね?大丈夫ですよね??」

「「多分」」

「本当なんでおじ様おば様はこの2人雇ったんだ」


なんやかんや言いながらも林の中に入り奥へ奥へと進んで行く


「本当にここ怪しいの?何も無いわよ?」

「木だけ…ですね」

「触手とか出て来そう…ちょっと燃えてきた」

「ネロさん????燃えないでください、今真面目にやるところですよね???」

「触手出て来たらお嬢様が捕まってあれやこれやとされてしまってえちちに…」

「服の中に触手を1本2本と次々に入れられてにょろにょろ動かされて感じてるお嬢様ですか…そそりますね…」

「その場合やっぱりいやだいやだと嫌がって頂かなくては…」

「いやだいやだやめてやめてと訴えても触手の動きは止まらずにょろにょろにょろにょろと進んで行き終いにはイかされてしまうんでしょう…」

「良いですねぇ〜っ♡♡お嬢様!そういう事なので触手が居たら捕まっ…」

「「お嬢様?!先に行かれては困ります!!」」

『妄想狂と性癖歪みの話に付き合ってる暇あるなら進んだ方がマシなのよ!!』

「「そんなぁ〜っ!待ってくださいお嬢様〜!!」」


ミルフィアとネイリンは駆け足でマリンに追いつこうと歩く

そして追いつき一緒に歩いているとあるものに目が止まる


「お嬢様、あちらに子供が」

「ん?……あ、本当だ…いくらなんでも日沈みが遅い7月だからと言って子供を親は放置してて良いのかしら…」

「そうですよね…親としての自覚はあるのでしょうか…何か事故などがあった場合親の不注意も事故の原因ですし…」

「……それにしてはおかしいのでは?」

「あら、ネロさんなんでかしら」

「いくら親が放置してたとしても見た目5,6歳の子供がいつ危険が来るか分からない場所に来ないと思うんですよね〜……判断つけれる歳でしょうし…」

「まぁ…それが本当にそうだとすれば…あれは今回の事件に関係ある人物、幻覚…って線が有り得そうですが…最近事件を起こす輩達は子供利用し過ぎでは?」

「ちなみに全国の調査結果では最近よく見かける子供を利用した悪行の合計は約480件、去年は約350件だったのだけど130件増えているって事ね。中には子供を売り飛ばしたりなどのオークション、一般的な誘拐してお金を取るや気持ちのいい話じゃないけど女の子は複数人男性に無理矢理…とか」

「基本的に女性と子供を対象として狙われてますからね……」

「ちなみにオルピルナ王国は治安は良いし、そんなに頻繁って程事件発生は有り得ないのだけど…たまにいる奇行に走ったりする人達が事件起こすせいで起きるって感じかしら」

「まぁその話は後ほど早く進んで調査を進めないとですね。」

「そうですね…行きましょうか」

「えぇ」


ーー数十分後


子供は犯人が調査に来た3人を罠に仕掛ける為のクオリティ高い人形だと言う事が分かり

安心し奥へと進んでいるが、人の気配でさえしない道が続いている。


「…おかしいですね…人形があったのなら誰かはいるはず…なのですが……気配がしません。」

「かれこれ40分程は居そうですね…もう既に全部の場所は探したはずです。なのに居ないって…諦めた方がいいですね」

「叫び声聞こえるって言うのは嘘…なのかしら」

「ここは諦めて次行きましょうか」

「その前に…次の場所は結構歩くので一旦帰って着替えましょう。」

「そうね」


そうして3人は一旦ペルギール家に帰り着替えを済ませた。

いざまた出掛けようと言う時ヴェディアルに見つかってしまう


「まま!もうようじおわったの?じゃぁおえほんよんで!」

「…ヴェルごめんね、一旦着替える為に帰って来ただけだからまたこれから出掛けるの。お絵本は用事が終わったら必ず読むから待っててね」

「そ……そっかぁ…うん…待ってる…」

「帰りにヴェルの欲しいもの買ってきてあげる。なにか欲しいのある?」


そう言ってニコッと微笑むとヴェディアルは少し俯きすぐに顔を上げて返答する。


「ままがぶじにかえってきてくれれば…べであるなにもいらないよ…」

「そっか、じゃぁ無事に帰って来れるように頑張ってくるね」

「うん、きをつけてね…」

「ママがいない間はメイドさんや執事さん、キョウカの言う事聞くんだよ?」

「うん」

「行ってくるね」

「いってらっしゃい…」


ヴェディアルの頭を撫でて外に出てしばらく歩くとミルフィアがクスッと笑い先程の会話の話をする


「ママが無事に帰って来てくれればヴェディアル何もいらない……ですか…可愛らしいですね。お嬢様の事がそれほど大好きなんでしょう…」

「父親に似たのでしょう。坊っちゃまはあぁやってどうでもいい態度取ってますが本当はお嬢様の事凄く大好きですから…」

「そうですね、そこの部分が強く似たんでしょうね」

「……2人共気付いてたのね。まだ誰にも言ってないし、親にでさえ聞かれても知らないフリでいたのに」

「まぁ…私とメイド長はお2人が産まれた頃からずっとおりますので、それぐらい察せますとも旦那様と奥様も気付いております。」

「うちの両親は分からなかったのに…それもそうね…おじ様おば様ネロさんとミルアさんは私と遊んだり話したりしてくれてたからね。それに見てくれてたから…当然の結果ね」

「ただ坊っちゃまは自分の子だとは分かってないようです。おかしいですね…お互い了承を得てではないんですか?」

「あぁ……それはそうよ。」

「もしかしてお嬢様が寝込みを…!」

「ミルアさん??どうしたらそうなるの??ただ単にそこの記憶が消えてるだけなの、本当知らない人から貰った薬入りのクッキー食べるからこうなるのよ」

「知らない人からだっての分かっててもスイーツとかお菓子だと食べてしまうのは坊っちゃまの悪い癖ですからね」

「そ、それであの人理性なくなって今こうなってる訳」

「父親は坊っちゃまだって言わなくて良いのですか?」

「良いのよ。ルジェはイズと結婚した方が幸せになれるから、私と結婚すればいくら好き同士でも冷める時なんてあっという間に来るのだから、これで良いのよ。異性としての好きと友人として好きな同士であればルジェの方がイズの魅力に気付き本当の好き同士になれば…長続きするかもでしょ?」

「ですが…!坊っちゃまはお嬢様の事を今でも…」

「お嬢様もそうではないのですか…?もしかして坊っちゃまの事お嫌いに…」

「嫌いになんてなってないわよ。今でも大好きよ」

「でしたら…どうしてあんな事言ったんですか…」

「大好きだからこそ…私と一緒じゃなくても幸せになって欲しいって思ったのよ。幼馴染であり婚約者って言う関係で居るより幼馴染として…居た方が良いと感じたのよ。だって2人に私は邪魔者、だから…私は引っ越して自動的に婚約解消なったのを後悔してないわよ。逆に幼馴染としての祝福をしなきゃなって思ってるわ」

「「お嬢様…」」

「お嬢様やっぱり後悔をなされているんじゃ…」

「祝福とおっしゃってますが、いざ式場等を目の前にすれば祝福どころじゃないのですよ?婚約者の関係は戻せなくてもお気持ち等だけでもお伝えに!」

「…さ、ネロさんミルアさん。日が暮れる前に後2件ぐらい調査しに行きましょ」


そう言って微笑み2人の方を向くが笑顔を浮かべた顔には少しの水滴が頬を伝って零れ落ちていた


次回へつづく・・・

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