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ローイズの野望  作者: 水薔薇姫
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story22.囚われ少女の鎖の外し方

story22.囚われ少女の鎖の外し方


:登場人物:

・ローイズ・ブルッシェル

・アルジェ・ペルギール

七奈月(ななづき) 鏡花(きょうか)

・マリン・フィルミーオ

・シェミリー


ーー5分後


流石に終わらな過ぎて痺れをきらしたローイズが2人に声をかける


「ねぇ2人共、いつもみたいに場所が誰かの家とかなら良いけど、ここパーティー会場なの覚えてる?それにお互い言い争いしにここ来た訳じゃないんだし一旦保留でパーティー終わってから話…してもらっていい?」

「え?え……えぇ…そうね。」

「……そうだな」

「あ、やっと終わった」

「良かった。これで社会交流の勉強がちゃんと出来る」

「にしてもアルジェさん本当に私来た意味あります?」

「あぁ、なかったら連れて来ない」

「連れて来られない方が良かったです。私今日本当ならレオンくんユリアちゃんと遊ぶ気でいたんですよ!」

「いつでも遊べるだろ、いつもあいつら地下の訓練所にいんだからよ」

「え?!あの子達遊びもしないで頑張ってるの?!」

「鏡花や暇を持て余した使用人達が声かけない限りずっとやってんだよ。」

「まだ幼いんだからいっぱい遊んでおくんだよって言ったのに…」

「レオンくんユリアちゃんって誰の事かしら?」

「あ、森であった双子の兄妹でして、凄く強いんですよ。」

「イズとは互角って感じなの?」

「ううん、実力で言ったら微妙な差があるよ。対決?した時下手すれば負けてたし…」

「まぁ今ならイズは即やられるだろうな。最近3つぐらい新しいの覚えたみたいだしな」

「あらあら、そんな子がいるのね。どんな子かお会いしてみたいわ。ちなみに出会った森ってどこなの?」

「あ、えっとあのねマリー…!えっと…あの人が次々にいなくなっちゃう森で…あの」

「人が次々にいなくなっちゃう森なんてあったかしら?私が引っ越す前はどの森も悪い噂や話なかったし…」

「そ、そうだった…!え、あ、えっと…あの……あの…」

「小さい頃お前がよく花を見に行ってた森だぞ。」

「サクランカ?」

「あぁ」

「あれ大きくなって調べて分かったけど珍しい花らしくって驚いたわ〜、引っ越す時あの花見れないのは嫌だからあの森の所有者さんに1本だけ貰っていいか聞いたのよね〜ルジェが」

「まさかのパシられてた…」

「サクランカ…?」(そんな花確かない…海外にも咲いてないし…ここ特有のみたいなの…?)

「もしかしてその〜……サクランカ?って言うの…マリーの部屋にあった植木鉢に入った花…?」

「えぇ、そうよ」


花の話をしていると後ろからアルジェのお父さんが来て口を開く


「お、おぉ!!マリンちゃんではないか!中学生以来か!大きくなったなぁ〜!立派なレディになって!よく来てくれた!嬉しいよ!」

「おじ様お久しぶりです。お怪我をなされたとイズの手紙でお聞きしておりましたが…御元気そうで何よりです。本日はお招き頂き誠にありがとうございます。残念ながらお父様とお母様は国を離れる訳にはいかない為私だけでの出席となってしまい申し訳ございません。」

「そうか…お2人にも会いたかったんだが…なかなかそうもいかんか…怪我か?軽傷だったからすぐ治ったよ!バリバリ元気!」

「もし一日だけでも空けれる時があればこちらへ顔出しをするそうなのでその際は宜しくお願い致します。そうでしたか、それは良かったです。ですがもしかしたらまだどこかで残ってる可能性がありますのでお気をつけくださいませ」

「はははっ!もちろんだよ!そう言えばお子さんはどこだい?姿が見えないが」

「お会いになりますか?」

「あぁ、もし大丈夫なら会ってみたいね!マリンちゃんの子だからとっても可愛い事間違いないさ!」

「ふふっ、とっても可愛いですよ」


そう言った後微笑みマリンは奥の部屋へと向かう


「……いやぁ…やっぱりマリンちゃんはいつ見てもべっぴんさんだなぁ……月夜に咲く一輪の華のようだ…小さい頃は本当にお人形の様に可愛かったが大きくなるとこうもべっぴんさんになるとは……引っ越しちゃった事が残念だよ。」

「あれ?今思いましたけどマリンさんのお子さんどこで知ったんですか?」

「実はな!アルジェが俺帰って来て早々部屋入って来てその事知ってな!子供の話だけかと思ったらコイツ未だにひきd」


次の言葉を言う前にアルジェが父親の口を塞いだ


「ふぁんふぁ、ふぉふぁいふぁふふぁふぃふぉふぁ?」

(訳:なんだ、お前恥ずかしいのか?

「んなわけねぇだろ!余計なこと喋んな!」

「おじ様おまたせしまs……また親子喧嘩ですか?」

「いやなんでもないさ、おぉ!可愛いなぁ〜!」


2人が話始めた時トントンと肩を叩かれ鏡花は何かと思い隣のローイズを見ると小声で囁かれる


「昔からの仲に途中からの私入り込めないから参加者さん達に挨拶等してくるね。パーティー終わったらどんな感じの内容話してたとか教えて」

「あ、はい、分かりました。」


小さい声につられて同じぐらいの小さい声で答え、聞こえたようでニコリと笑ってから去って行く


「特にこの目!小さい頃のマリンちゃんにそっくりだ!可愛いなぁ〜お名前はなんて言うのかなぁ〜?」

「べである…」

「ベデアルくんって言うのかい?」

「ちがう…」

「ありゃりゃ?違うのかい?」

「ヴェディアルって言うんですよ。小さい子だと発音が難しいでしょうからベデアルになっちゃうんです。」

「なるほど、ヴェディアルくんって言うんだね、かっこいい名前だね〜」

「ぅん…」

「あ、知らないおじさんと急に話しちゃったから怖くなっちゃったかな?ごめんね〜…やっぱりおじさんは嫌われやすいかな?俺が女性だったらワンチャンだったと思うか?」

「思わねぇよ…」

「!……ぱぱ!」


姿が少々変わってて確信が出来なかったのか

声が聞こえた途端マリンの腕の中でジタバタ動きアルジェの方に行こうと暴れ始める


「あ、ちょっ…まっ…!分かったから…!落ちちゃうから大人しくして…!」


マリンに言われ大人しくなったが、アルジェの方に両手を広げ嬉しげに言う


「ぱぱらっこして!らっこ!!ぎゅーってらっこして!」

「は?やd」


「やだ」と言おうとした…が今にでも「あ゛?」や「しないと殺す」等と脅して来そうなきつい目付きで見てくるマリンの圧に負けてしまう


「わ…わぁったよ…」

「良かったわね〜ヴェル〜抱っこしてもらえるわよ〜」

「あ、マリンちゃんパーティー終わったら国に戻るのかい?」

「えぇ、そうですね。」

「もし大丈夫なら2日間ぐらいうちに泊まっていきなさいな。」

「……そうします。久しぶりにおじ様おば様とお話をしたいですしお邪魔させて頂きますね」

「そう言えば話し中邪魔しちゃったが、私が来る前なんの話してたんだい?」

「サクランカの話だ。」

「あの花かぁ…でもなんで急に?今はあそこの森環境悪くなったから木と草以外は無いはずだが…」

「レオンくんユリアちゃんの話になってマリンさんはお2人を知らないので説明してたらその話になったんです。」

「あぁ…!なるほど…と言うかここに居て喋ってる暇ないんだった。鏡花ちゃんこっちおいで」

「え、あ…はい」


歩く後ろを着いていきステージのような場所に立つ、そして皆への紹介をし始める

その一方、聞く必要のない為アルジェとマリンは飲み物や食べ物がある机の前で会話をする


「お泊まりなんて私が引っ越す前に3人でした以来よね。」

「急になんだ」

「懐かしいなぁって思って、それだけ」

「あそ」

「……なんで私まで引っ越す必要あったのかしらね。お父様お母様は引っ越さずここに留まる事出来ないなんて分かってたけど、私も着いていかないといけない…そんな理由1ミリもないのになんでかしら」

「さぁな…お前の両親じゃねぇしそこは分からねぇよ。」

「昔から書斎こもってばっかりで遊んでもらった大人と言ったら使用人やおじ様おば様…ルジェのところの使用人ぐらい…全て使用人に託して私とはそんな関わってくれなかったのに引っ越す時は「今までマリンにいっぱい接してあげたんだから言うこと聞きなさい」って言って来て…」

「正直俺はそんな環境じゃないからな…なんて言葉選べば良いか分からんが、これだけは言えるな。お前は1人じゃないんだし吐きたければ吐けばいい、俺とイズが聞くからよ」

「そこまでじゃないから大丈夫よ」

「大丈夫な奴がいきなり思ってる事吐きやしねぇよ。」

「…それもそうね。急にこんな話しちゃってごめんね。」

「別にいい。気にすんな」

「ところでこの前こっちに来てくれた時に帰り際された件だけど」

「あ?」

「今度はちゃんと内容聞かせてもらうわよ?一体何を聞きたかった訳?」

「ヴェディアルはお前と誰の子だって聞きたかったんだよ。男との関係が全くないお前が子供持つとか…おかしいからな」

「あぁ〜…それね。逆に誰だと思う?」

「分からねぇから聞いてんだよ」

「じゃぁ秘密。一生考えてれば良いわ」

「んだよそれ…これでも結構考えたんだぞ」

「ヴェルが大きくなれば父親分かるんだから別に良いでしょ」

「父親に似るからとかって言いたいのか?」

「えぇ、多分主に性格とか似ると思うのよね」

「それまで待ってられるか…まさか父親がうちの父さんじゃねぇよな…?」

「は?んな訳ないでしょ、遂にバカになったの?」

「…じゃぁ誰だよ」

「…はぁ…言わなくたって分かるでしょうに…父親は」


マリンが答えようとした瞬間、鏡花が戻って来た。

大声な鏡花の声と声量抑えめに喋ってたマリンの声が被さり見事に発言はかき消された


「戻ってきました!………ってあれ?お、お話中でした…?!ご、ごめんなさい…お話中とは知らず大声で…!しかもヴェディアルくん寝てたのに…大声で…」

「大丈夫よ、まともな話してないから、それにこれぐらいの大声で起きる子じゃないから安心して」

「そう…ですか…?」

「えぇ」

「それなら良かったです。そう言えば今日はもう終わりらしいですよ?」

「…珍しいな。いつもは数時間とか続くって言うのに」

「なんか今日は急遽ここで終了って話になったみたいで」

「トラブルかしら?」

「さぁな、終了なら終了で帰るか…」

「…そうね…長居してても私達は追い出されるでしょうからね。」


ーー会場を出て外へ


「貴方達歩きでここまで来たの?」

「いや?歩きで行こうとしたら止められたからな。」

「私馬車で来たよ〜」

「あらイズ、追い出されたの?」

「追い出された」

「あらあら」

「みんな歩きで帰るの?」

「迎え呼ぶのめんどくせぇしそうしようと思ってる」

「ちょっと待ちなさいよ!あんた良くても私とキョウカは長距離歩きに適してない靴なのよ?」

「私はピンじゃないですし…低いので大丈夫ですけど……多分マリンさんのはピンですし…歩きは少々危険では…」

「そう言われても呼ぶのめんどくせぇし…」

「呼べ、それか移動魔法でも出せば?」

「チッ…」


結果魔法は出来ない為迎えを呼び帰宅した。


「久しぶりに来たけど変わってないわね。変わっててもメイドと執事達が見覚えのない人達多いわ…」

「今昔から残ってる使用人と言えば妄想狂と性癖歪みぐらいだぞ」

「そう…ミルアさんとネロさんだけ…」

「誰も名指ししてませんけど…??」

「でもあの2人相手見つかったの?」

「あれ?ちょっとマリンさん?聞こえてないフリですか?」

「見つかる訳が無いだろ…見合いした所ですぐボロ出んだからよ…」

「良い人なんだけど極度の妄想癖と性癖が普通じゃないから……」

(ダメだ聞こえないフリだ…都合のいい耳…)「と言うか私その2人と会った事あります?名前聞き覚えないんですが」

「ミルフィア・フェーパン、ネイリン・ゼスティロこれなら聞き覚えあるだろ」

「メイド長と執事長じゃないですか…え?全然そんな風に見えませんよ?メイド長はお淑やかでお綺麗な女性ですし、執事長は頼れるお兄さんみたいな男性ですし」

「猫かぶってるだけよ。ボロが出ないようにね」

「実際ヨダレ垂らしながら妄想する妄想狂と相手に性癖全開の接し求める性癖歪みだからな…」

「おじ様おば様は2人の事なんで採用したのって聞いたら」

「「気に入ったから」」

「あ〜…気に入ったんですか…」


ーー数時間後


寝ていたヴェディアルを起こし4人共順番に風呂に入り終わり

アルジェを除き3人は夜ご飯迄の時間オセロやトランプをしながら時間を潰していた。


「あ〜……揃わないなぁ…」

「はい、7と6だからまた元に戻しましょ」

「次ヴェディアルくんだね」

「ん、えっとね。これと…これ!」

「お!すご〜い!揃ってる!」

「じゃぁ揃ったからもう1回ね。」

「もういっかい?」

「えぇ、もう1回引けるわよ」

「んとね……これと…これ…」

「揃ってるからもう1回出来るわよ」

「やっぱり小さい子供は記憶力がいいなぁ〜……私全然覚えれないや」

「そんな気にする事ないわよ。」


遊んでいると扉をノックする音がし開いた

入って来たのは使用人でご飯が出来たと言う知らせに来たようだ


「失礼します。夜食の御用意が出来ましたのでお食事の際は食堂迄お越しくださいませ」

「あ、はい分かりました。」

「分かりました。ありがとうございます。」

「ごはん!」


ーー食堂


「ほわぁああ〜!ままハンバーグさんのなかにチーズさんはいってる!」

「ん?…そうね。チーズさん入ってるねぇ〜熱いから食べる時はふーふーするんだよ?」

「うん!」

「アルジェさん」

「なんだ」

「どうして子供って無邪気なんですかね可愛い」

「穢れをまだ知らない純粋な心持ってるからだろ。知らねぇけど」

「ん?なんの話かしら?」

「なんでもねぇよ」

「そう…ヴェル熱くない?大丈夫?」

「うん!」

「そっか良かった。」

「あ、そう言えばマリンさんいつぐらいに帰ります?」

「そうね…明日の朝にでも帰った方迷惑にならないかなって思うのだけど」

「う〜ん…せっかくですからしばらく居てはどうです?帰るとなるとヴェディアルくんがだだっちゃうでしょうし」

「…そうね。イズ達がこっちに来てしばらくの間居たのに私が居ないのはちょっと…あれよね…」

「母さんもお前に会いたいだろうし話す事もありそうだし最低でも1週間は居ればいいだろ」

「私はいつまででも構わないからヴェルが帰りたくなれば帰るわ」

「あそ」

「決まりですね」


その後夜食を食べ終えマリンとヴェディアルは部屋に丁度いい部屋の空きがなく鏡花の部屋で寝る事となった


「ごめんなさい。急に来ちゃったからここで寝る事になって…」

「全然!逆にこんなおっきいベットに1人って落ち着かなかったんですよね。狭めの普通のベットで寝てたので」

「このベットは慣れてない人からしたらちょっと落ち着かないのね…」

「そうなんですよ〜…私の国ホテルって言う建物あるんですけどそこでもここまで大きいベットってなかなか無いから本当驚きました。」

「ほてる……どんな建物なの?」

「ん〜…そう…ですね〜…外見はなんて言ったら分かりませんがどんな事してるかって言ったら宿屋みたいな感じですかね?」

「泊まれる場所なのね…!」

「はい、にしても申し訳ないです…私のサイズの服でYシャツしか入るものがなくって…キツくないですか?特に…胸の部分とか…」

「大丈夫よ」

「そうですか…?じゃぁ良いのですが…」

「ヴェル窓見てないでもう寝る時間よ寝ましょ?」

「なんか部屋入って急にカーテン開けて窓見始めましたけど、何かあるんでしょうか?」

「分からないわ……ヴェル〜」

「ヴェディアルくん〜」

「……わぁ〜…ようせいさんだぁ〜!きらきらしてる…」

「「えっ???」」


偶然にも声が揃ってしまったが多分お互い発言した意味は違うだろう

ヴェディアルが窓に釘付けで妖精だと言うものを見ているようで目をキラキラさせている。

その妖精と言う子は微かな視線に気付いたようで窓の近くまで近寄ってきた


「わっ…ようせいさんがこっちきた…!」


窓の近くまで来たのは鏡花ならば対面した事のある妖精だった

ベットに座っていた鏡花は立ち、窓まで歩き鍵を外したら窓を開けた


「ちょっ、ちょっと…!シェミリーさんこんな時間に出て良いんですか…?!寝かしつけあるんじゃ」

「こんばんは〜、大丈夫ですよ。あの子達20時就寝なので」

「早っ!…今21時…」

「ようせいさんようせいさん!」

「はい、なんですか?」


ヴェディアルの呼び掛けに笑顔で返事をして返す


「どうしてこんなじかんにおさんぽしてるの?」

「ん〜…寝る前の散歩って感じかな」

「いいなぁ…ぼくもとんでみたい…!おさんぽしたい…!」

「ダメ、この時間の散歩は危ないから明るい時間に散歩しましょう?さ、寝る時間よ寝ましょ」

「はぁーい」

「…シェミリーさん明日の10時辺りにそちらお伺いしてもいいですか?」

「えぇ、良いですよ。是非お越しください♪それでは良い夜をおやすみなさい」

「気をつけて帰るんですよ?おやすみなさい」


シェミリーを見送って鏡花は窓と鍵を閉めてカーテンをする。


「それにしても…このヴェディアルくんの持ってるぬいぐるみ可愛いですね〜…マリンさんのですか?」

「えぇ、誕生日プレゼントでの貰い物よ。」

「ご両親からですか?」

「いいえ、違うわ。誰から貰ったもらってないはどうでもいいとして…早く寝ましょうか」

「あ、はいそうですね」

「おやすみなさい」

「はい、おやすみなさい」


ーー数十分後


(寝れない…わね……)


ムクッと起き上がり寝ている2人を起こさないよう静かに部屋を出る

外で星でも見ようかと思った時声が聞こえる。


「お前やっぱり寝れなくって寝不足だろ」

「!……ルジェ…起きてたの…?」

「まぁな。やる事あるからな」

「そう…」

「…はぁ……いい加減ファンデ落としたらどうだ?隈と顔色悪いのファンデで隠してイズ達騙せても俺は騙せると思うなよ?今日パーティーでネガティブ思考が出たのも、いつもなら俺が理解してなければ場所関係なく大声で言い返してくるお前が声量抑えてたのも寝不足からの疲れが取れないのと体調不良が来てるんだろ?」

「…流石産まれた頃から一緒なだけあって騙されてくれないのね。」

「早く取ってこいよ肌荒れるぞ」

「…いくら色々な私の表情とか見てて大丈夫だとか言われても、この隈と顔色悪い顔を見せる訳にはいかないわよ。特に相手が元婚約者なら尚更」

「じゃぁ寝る時ぐらい取れよ?鏡花やヴェディアルに見られたくないなら違う部屋で寝ればいい」

「そうするわ。ねぇ、寝る前に一緒に星見ない?」

「拒否権なんてないんだろ。」

「もちろん」


ーーベランダ


「…まだイズと出会う前の小さい頃に2人で親に黙って夜更かしして星見た以来ね。ここは」

「そうだな。まぁ結局数十分後に見つかって怒られたのがオチだがな」

「私が引っ越してあっちで過ごしてもう数年経って…この前久しぶりに会った時2人共変わってなくって安心したわ。」

「俺はお前が変わっててショックだったけどな。髪染めてカラコンして心の底から笑ってない笑顔……あの時からファンデで隠してたのだって知ってたが、イズと鏡花の前で指摘する訳にはいかなかったからな。」

「……ルジェ今の私嫌いでしょ」

「あぁ、嫌いだ。自分を偽って新しい自分が生き苦しくなってるマリンは見てたくもない。」

「…あっちの国では…元の私の髪色目の色じゃ…許されないらしいの…どうやら国民全員が嫌いな色で敵国の国旗にその色が使われてるから…らしいわ。だから反対しても親が無理矢理変えたのよ。国民からの評価を良きものにするには娘の髪と目が変わっても良いって事みたい。しかも私の何もかもが否定されて無理矢理変えるよう言われたの。喋り方とかは変えれなかったけどね…」

「……じゃぁお前だけこっちの国に戻って来いよ。荷物まとめてさ、こっちなら国王も国民も全員がお前の全部受け入れる。例えお前が子を連れて戻って来てもな」

「…ほんっと…あんた大っ嫌い…そんなんだから嫌われるのよ…」

「はいはい…そうだな。パーティー会場で言った通りお前は1人じゃないんだからよ。無理に抱え込むな。たとえ他の皆が離れて行こうが俺はずっとマリンの傍に居るからな」

「…ぅんっ……」


マリンは今まで否定されて続けて来た数年間で優しい言葉等は一切貰えなかった為か長い間にかけて囚われ続けていた鎖が外れたように泣き崩れ

マリンは満足のいく迄泣き続け、終わるまでずっとアルジェは隣に居続けた


次回へつづく・・・

後書き失礼致します。

今回は読んで頂けた通りマリンが主なお話であり、今の国に引っ越してからは縛られる日々…

ただ両親から国民の評価を上げ良きものにする為の道具のように使われ、囚われ続けた日々で本当の自分で居られなくなったマリンを開放する為のお話となっております。


開放して自分らしく生きれるようになったマリンが居なくてはこれからのお話が進まないので今回開放話となりました。

その為皆様にはいきなりの事ですが「アルジェとマリンは産まれた頃から一緒だった事」「アルジェとマリンが元婚約者だった事」が明らかになった訳ですが、そちらに関しましては後書きにて一応御説明させて頂きます。


まず「アルジェとマリンは産まれた頃から一緒だった事」ですが、その理由と致しましては2人の母親が同じ病室で意気投合して仲良くなったのと出産時期が同じ日だったと言う2つがあり、産まれた頃から遊んだりしていたと言うことになります。ちなみに2人の誕生日同じです。


次に「アルジェとマリンが元婚約者だった事」ですが、お互いの両親が話し合った結果小学2年生程から2人は婚約者になったのですが、マリンが引っ越す事になりオルピルナ王国の掟「婚約している者同士のどちらか片方が他国へと過ごす事となればお互いの意思関係なく婚約は破棄となる」に従い破棄となりただの幼馴染になったと言う経緯です。


文句や意見、ご質問等は私のTwitterDMかタグでお願い致します。


長文失礼致しました。

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