story21.私達は何しに来たの…?
story21.私達は何しに来たの…?
:登場人物:
・ローイズ・ブルッシェル
・アルジェ・ペルギール
・七奈月 鏡花
・マリン・フィルミーオ
「ん〜!ふぉのふぇーふぃひょいひぃ」
(訳:このケーキ美味しい
「あれ…アルジェさん?顔暗いですよ?それにただでさえ目付きが少々怖いのに更に怖くなってますよ」
「余計なお世話だ、それよりそっちに行っててくれ」
「え?なんでですk」
ガチャと扉が開く音がしそれと同時に鏡花は奥の部屋に押される
「な、なんなんですか…急に押し出して…ケーキが落ちる所だった…」
ケーキが落ちてない事を確認し振り向くとペルギール家の使用人全員が部屋の中に居た
「あれ、皆さん休憩部屋ここじゃないですよね。どうしたんですか?ルルさん説明してください。私全く状況掴めないです。」
「実は…本日突然お客様がいらっしゃる話になったもので…」
「お客さん…ですか?でもいつもお客さん来る日でも皆さんお掃除とかやってくださってたじゃないですか」
「普通のお客様じゃないんですよ…結構手のかかる厄介な方でして、使用人全員が迷惑しているんですよ…この前だなんて掃除したばっかりの廊下にゴミ散らかされたので…」
「うわぁ…迷惑なタイプですね…」
「使用人全員会いたくない人物ナンバーワンです…」
「それはそうでしょうね…でもなんでアルジェさんが対応するんです?」
「旦那様が居留守を最近使い始めたからですね」
「居留守って…まぁ…あの人なら居留守使ってアルジェさんに任せそうですね…とにかく私は皆さんと一緒にここ居れば良さそうですね」
「えぇ、そうです」
「でも流石にこんな面倒くさい客の相手任されてアルジェさん怒りません?」
「おぼっちゃまなら褒美にスイーツあげとけば大丈夫です」
そうルルが言うと他の使用人全員が「うんうん」と頷く
「皆さん自分が仕えてる家の息子をなんだと思ってます???」
ーー数十分後…
「あー!嘘〜…角が取られた…」
「ナナヅキ様意外とお弱いですね。さっきまでの威勢はどうなされました?」
「うっ…うぅ……このままでは負けてしまう…どうしたら…」
「これは執事長の勝ち確でしょうか」
「えぇ!!そんなぁ…!」
「ナナヅキ様、よそ見せずこれからどうやって私に勝とうか考える事を優先する方がいいですよ?」
「むむむ……どこか多く取れそうな場所……」
執事長と鏡花がスイーツを賭けてオセロ勝負をしているそんな中扉をノックする音が聞こえ扉が開いた。
「おい、帰った……ぞ…って何やってんだお前ら…」
「あ、ぼっちゃま今執事長とナナヅキ様がスイーツを賭けてオセロ勝負中です。」
「は?急になんで」
「今度新しく出る新作スイーツの話をしていたらナナヅキ様が食べたいと言いましたので、ナナヅキ様が勝てば執事長がスイーツを奢り執事長が勝てばスイーツの件は無しと言う話が出た結果です。」
「ふーん…今優勢なのは?」
「執事長が優勢ですね。」
「これ執事長が勝って終わりだろ。」
「そうですけど形勢逆転あるかもしれないじゃないですか」
「まぁ…それもそうだな。」
「あ!そこはダメです!沢山黒に染っちゃう!」
「だからこそ選ぶんですよ。」
「あぁ!…私が頑張って染めた白がぁ!」
「……あれで形勢逆転あると思えないんだが?」
「そ………そうですね…」
「はい、全面黒で私の勝ちです。残念でしたね…?」
「残念無念っ……くっ…」
「終わったか?」
「おぼっちゃま居たんですか、終わりました」
「居たわノックしたろ気づけ」
「全然気付かなかったです。今後も気付かない様気をつけます。」
「気付く様気をつけろよ。まぁそれはもうどうでも良いとして…鏡花ちょっと着いてこい」
「え?なんでです?」
「今夜パーティーがあるんだが、どうやら父さんが鏡花も連れて行きたいらしくってな。だからドレス選びだよ」
「私行く必要あります…?」
「さぁな、父さんが考えてる事は未だによく分からん。何にせよ行くぞ」
「あ、はい」
ーー倉庫
「これぐらいしかないがこの中から1着選べ」
連れてこられた倉庫の中には数え切れない程沢山のドレスが干してある
「えぇ……こんなにいっぱいある中1着って…難しい事言いますね…」
「そんな重く考えなくてもどうせすぐ決まる。まずは一通り見てこい」
「そんなもんですかね…?とにかく見てきますね。」
「あぁ」
鏡花は歩いて見て回り始めた途端、好みのものでも見つけたのか手に取りアルジェの方に歩き出す
「アルジェさん!これにします!」
「…やっぱりすぐだったろ」
「あ、そうですね…」
「んで、それか?まぁ鏡花らしいもん選んだな。」
「そうですかね?私らしいですか?」
「特にあまり飾りついてないシンプルな青ドレスは相当鏡花らしいぞ?」
「ん〜私結構シンプルなものや青系好きですから、そう言われればそうですね〜…あ、パーティーって事は…髪とかもいじる系ですか?」
「そうだな。派手にやらなくても巻くだけ巻いて参加する人いるし、そんなに変えたくない場合は巻くだけでも良いんじゃないか?」
「でも…それはそれでちょっと物足りないですね…」
「…じゃぁ編み込みするか?」
「あ、編み込み良いですね。編み込みしようかな」
「ここで話してても仕方がない、戻るぞ」
「はい」
ドレスを選んでから時間はあっという間に過ぎ
パーティーへ向かう準備が終わった鏡花は別室で待っていたアルジェの所に行く
「アルジェさんお待たせしました〜……って…誰ですか?」
「あ゛?」
「嘘です冗談です。アルジェさん結構服装変えてちょっと髪いじるだけで変わる系なんですね…ここまで別人に見えるとは」
「まぁ良い準備が終わったなら行くぞ。父さんなら先に行ってる」
「先に行ってたんですか、それなら早く行かないとですね…」
ーーパーティー会場
大きなシャンデリア、広くキラキラと輝いて見える会場、高級そうなカーペットの敷いてある階段や通路、豪華な食事がずらりと置いてある机、着飾った男女がグラスを手に喋ったり等の交流をしている。
そんな漫画やアニメ等でしか見た事のない光景が目の前に広がっていた。
「わあぁ〜っ!本当にこういう所あるんだ!色々見て来て良いですか?!」
「…良いがあまりはしゃぐなよ。迷惑かけるから」
「子供じゃないんですから大丈夫です!はしゃいで迷惑を人様にかけた場合はエンコします!」
「え、えんこ…?」
「いやエンコは嫌なんで切腹します!」
「せ……せっぷく?」
「アルジェさん切腹もご存知ない?!」
「異次元語言ってるようにしか聞こえん」
「切腹って言うのは腹を切る事です。」
「そう、例え迷惑かけたとしても切腹とエンコ?しなくていいからな」
「そうですか…?ん〜…そうかぁ…」
鏡花とアルジェがあれやこれやと話をしていると突然横から聞きなれた声に話しかけられた
「あれ……ふ…2人も来てたの?」
「え?」
振り向いた先にはパステルピンクと白の可愛らしい飾りがいっぱいなドレスを着てポニーテールハーフアップの髪型をしたローイズが立って居た
「ローイズさん!とても可愛いです…!いつものドレスも髪型も可愛いですが…これもまた可愛いです!」
「わぁ…!ありがとうございます…!」
「確か来れないんじゃなかったか?」
「あ、うん…そうだったんだけどこの前やった跡継ぎの試験で…まだアリゼルには勝てないけど良い成績だったから社会交流で参加しなさいって言われて、来れるようになったの」
「ふーん……何点だったわけ」
「アリゼルが82,61点で私が70,49点…だったかな…」
「前回42とか言ってたし結構上がったな。確か95~100を3回取れば1次突破だっけか?」
「うん、この調子だと行けそうな気がするんだよね…本当に行けるかは私の努力次第なんだけどね。とにかく1次突破して2次突破して最終も突破して跡継げたら良いなぁって思ってる」
「跡継ぎになるの厳しそうなご家庭ですね…」
「本当…イズは自由気まま過ぎて跡継ぎになる事が野望だっての忘れるわ…」
「言われれば思い出しますけど、ね」
「ふ、2人見てないだけで私は裏でいっぱい頑張ってるから!!」
「知ってる」
「それにしてもローイズさんがいるなんて驚きました…」
「私も2人がいてビックリ、ルジェはまぁ…連れてこられたんだろうなぁって思うけどまさかキョウカいるなんて思ってなかった」
「ですよね〜…いないって思ってて当然なんですよね〜…」
「そう言えばマリーとはもう会った?」
「まだだが…あいついるのか?」
「うん、来るって手紙に書いてあったから」
「…そうか」
「あれ?アルジェさんどこ行くんです?」
「御手洗い?」
「忘れもん取りに行くだけだ」
「そうですか…」
「何忘れたんだろ…」
「さぁ…?」
「ここで待ってるのも退屈だから、あそこのスイーツ食べない?」
「良いですね!食べましょう!」
スイーツがいっぱいある机へと移動し雑談しながら食べていると囁き声で声をかけられた。
「面白そうな話してるわね…私も混ぜてくださらない?」
「ふぇあ?!」
「ひゃっ?!」
「ま、マリー?!」
「び、ビックリしました……急に驚かせないでください…」
気付けばいつの間にか後ろに居たようでニコニコと笑顔でマリンが立っている。
「2人共良い反応ねぇ〜♡」
「わ、私達の反応の前にマリー…その格好は露出度高過ぎじゃ…?」
「ん?そうかしら?」
「結構高いですよ…」
肩出しにロングスカート片方の切れ目から見える生足の魅惑は強いらしく参加している男性は全員マリンに目線を向けている。
本人はその事に全く気付いていないようで平然としている
「なにか足までぐらいの長い羽織ものを着た方がいいよ…!」
「なんでかしら?」
「そ、それは目線とか格好問題とか後々に何が起きるか分かりませんし!」
「別に着なくても大丈夫じゃない?」
「え、で、でも」
「ですが……」
2人がどうしようかと困っている所忘れものを取りに行ってたアルジェが戻って来た。
「あ、戻って来た…」
「アルジェさん〜こっちです〜」
鏡花が手を振りアルジェに場所を教えた直後
今まで見た事ない程に驚いた顔をし小走りでこちらに向かってくる
そして到着後即手に持っていた上着をマリンにかけ肩を掴み向き合う
「ちょっと何よ。これいらないわよ。寒くないし」
「お前はほんっっっと昔から…!あの時の事忘れたか?!」
「あの時ってどの時よ」
「…まぁ思い出させるのも…って感じだから覚えてなくても構わないが、ドレス選びぐらい考えろ」
「考えてこれよ?可愛いでしょ?」
「これが可愛いドレスに見えてんのか?お前の目には、あ゛?」
「可愛いものを可愛いって言ってるのだから良いじゃない」
「露出度の高い際どいドレスの何処が可愛いんだよ。10文字で語れ」
「10文字なんて無理よ1000文字程…」
「感じ取ってどう思うかは人それぞれだがな。これに関しては可愛いって言うやつお前ぐらいだぞ?」
「じゃぁ可愛いじゃなくてなんだって言うのよ」
「……ローイズさんあれいつ終わります?」
「どちらかが折れるまで続く。たまにルジェがブチ切れて別室に連れてかれて1時間ぐらい説教されてマリンが足痺れて帰って来る」
「ちなみに内容は?」
「さぁ?私様子見たくても社会交流の勉強の為に抜け出せないから」
「それもそうでしたね。」
「うん、止めに入っても止まんない2人だし抜け出せても放置するかな。」
「放置するんですか…」
「本当にあの2人どっちかが折れないと終わんないんだもん」
「なんか今のとこアルジェさん優勢ですね。」
「ルジェが優勢なんて早々ないから珍しいなぁ今日……」
「ところで私達…なんでここ来たんですっけ」
「……少なくとも私は社会交流の勉強に来た」
「私は連れて来られた身です」
「……そっか」
「……はい」
((早く終わらないかなぁ……))
次回へつづく・・・
後書き失礼します(⁎-௰-⁎))"ペコ
多分記憶が正しければ1週間程前ぐらいに私水薔薇姫のTwitterを開設させて頂きました(๑•ω•๑)♡
私の作品を見てくれて応援してくれている友人達からTwitter始めたら良いよと強く念押しされてこの度作りました。
投稿ツイートや時々番外編も挟んで「ローイズの野望」を投稿して行こうと思っていますので、稀にTwitterにて皆様の見たい番外編の御要望集めもツイートするかもしれません。
その際は是非とも御要望をお送りくださいませ♪
Twitter初心者の未熟者ですが友人達から御指導して頂きながら使用していきます。
そして皆様にもっと「ローイズの野望」を楽しんで頂く為に何事も受け止め改善に繋がれるよう精進して参ります。
これからも「ローイズの野望」共々宜しくお願い致します(* ᵕᴗᵕ ))