story20.帰国の時間
story20.帰国の時間
:登場人物:
・ローイズ・ブルッシェル
・アルジェ・ペルギール
・七奈月 鏡花
・マリン・フィルミーオ
・キャエル・ビュランティス
ーー翌日
4人はキャエルの見送りをしていた。
「もう少し…居なくていいのかしら?」
「大丈夫。それに…これ以上居たら迷惑をかけてしまうかもしれない…」
「大人びてるね〜…でも大人の人ついてなくて大丈夫?」
「うん、意外とすぐそこみたいな感じだから」
「あらそうなの?でも気をつけるのよ。幼い少女は良い餌食って思われてもおかしくないのだからね。何かあればすぐ近くの大人に助け…求めるのよ。良い?」
「うん、お姉ちゃんわかった」
「それにロリコンにも捕まらないようにね…何があるか分かったものじゃないから」
「本当は私達がついて行きたいんですが…何せ道をよく知らないので逆に迷子になって迷惑かけてしまうかもしれませんね…」
「大丈夫、私達そのお気持ちだけでもすっごく嬉しいよ!」
「そうじゃな…それでは皆様この度は多大なるご迷惑をおかけ致しました…そして1日お世話になりました。またご機会があれば来させて頂きます。その時には私もエルも断れる力を付けて何があっても嫌なものは嫌、無理なものは無理…そうハッキリ言えるように頑張ります。まずはハッキリバッと断れる練習を帰宅したら練習します。」
「練習して急につける事は難しいです。最初は時間をかけて断り、断る事を慣れればきっと勇気も自然とつくはずなので徐々にでいいと思います。」
「なるほど…わかりました!」
「…それじゃぁお姉ちゃんお兄ちゃんばいばい、また来るね!」
「えぇ、気をつけるのよ。」
「ばいばい〜元気でいるんだよ〜」
「さようなら」
「…ルジェ」
「…すれば良いんだろ。じゃぁな」
4人(1人除いて)は笑顔でキャエル達を見送りし、街を観光し始めた。
「ここはガラス細工の店、この店で作られる細工は複雑な大掛かりの細工も丁寧に1つ1つ作られているのよ。」
「お気に召した物はございましたでしょうか?もしお気に召したものがない場合はオーダーとして新しく作る事が可能です。」
「ふぁ〜〜……おい…まだかよ…」
「まだですよ!来たばかりなんですからじっくり見させてくださいよっ!」
「そうそう!ルジェも見ればいいのにさっきから欠伸ばっかり!」
「これだから女の買い物とかは長いんだよ…ったく……」
「なんで早く寝なかったのよ」
「早く寝たっつの……寝たけど少々嫌な夢をな。」
「……心当たりあるけどあえて言わないであげる」
「ありがとよ」
「えぇ〜迷っちゃう…どうしよう〜」
「これもいい…あ!でもこれも良いですね!…でも…あれもいい…」
「どれも一緒だろ…」
「本当貴方昔っから変わらないわね。ガラス細工の良さ分かってる?」
「逆に聞くが分かってると思ってんのか?」
「思ってないわ」
「ルジェ!これとこれどっちがいいと思う??」
「どっちも同じだろ」
「同じじゃない!!どっちが良いと思う??ねぇ」
「はァ?自分で決めろめんどくさい」
「ちぇっ」
「決めた!すみませんこれくださーい」
「ん〜…私これください」
「決まったようね」
2人は欲しいものが決まったようで会計を終わらせ次の場所へと移動
「はい、次ここ」
「何…?ここ……」
「ふふっ♪武器屋♡」
「え?!なんで?!」
「なんで武器屋になんか…欲しいものでもあるんですか?」
「あら?使わないの?」
「私武器より魔法…」
「私は戦力外ですし…」
「結構長い間営んでそうな場所だな。」
「かれこれ23年だとか…いつも故障したらここにお世話になってるの、私イチオシの武器屋よ」
「ふーん…あの特注ガトリングをか…」
「そうよ!とぉっても腕利きなんだから」
「え?が、ガトリング?」
「こいつの愛銃だ。」
「あれは使いやすくて気に入ってるの」
「いやいや…こんなにスタイル良くって細い綺麗な人がガトリングなんて物騒なもの…!しかもあれって重いですよね?!持てる訳が…」
「そう思わせて恐怖与えて楽しむのがマリンだ」
「結構サイコ的な性格だよね…」
「それにごりr」
アルジェがなにかを言い始めた途端
マリンがすかさず背後に回り首を絞めはじめる
「ちょっ…ちょちょちょ!!!マリー!ストップ!!ストップ!」
「ふふ…ルジェ?何か言ったかしら?」
「ごめっ…っぐ……ゆるs…ごめっ…ごめん…」
謝ったと同時に手を離し元いた場所に戻り何事も無かったように振る舞いだす
「あらどうしたのルジェそんな顔して〜」
「ゴホッ…ゴホッ………あ゛…ァ゛~…テメェ…」(ほんっっっとコイツだけは敵に回したくねェ…色んな意味で…)
「大丈夫…?ルジェ…」
「息出来ます?」
「出来なかったら俺逝ってるだろ…」
「大丈夫ですよ、アルジェさんなら生きてそうですし」
「俺は一体なんだと思われてたんだろうか」
「あはは…まぁせっかく来たし入ろ…?」
武器屋に入り飾ってある武器達をじっくり1つずつ見るが…
ローイズと鏡花は良さ等が理解出来ず頭がパンクし始めた
「う…うぅぅ〜……全く分からない…全部…全部同じようにしか見えない…」
「同感です…全部同じようにしか見えないしただ持ち手が変わっただけなんじゃとか、そんな事しか入ってこない……」
「アッハッハッハッハッ!お嬢ちゃんうちの武器達は深く考えず見てくれて構わないよ。そうだ、なんならどれか握ってみるかい?」
「握る…?でも私魔法しか出来ないし…剣とかなんて…学校の得意分野調査訓練で1回だけやったきりで…」
「私…銃刀法違反になっちゃう…」
「じゅ……じゅうとうほういはん?なんじゃそりゃ…」
「私の国では銃や刀を持ってる人がいたら違反者って事で捕まるんですよ。器物損壊罪とかはありそうなのにそれは無いんですね。」
「え、えぇ…まぁ……武器や魔法ないとここ…いざとなったら生きていけないから…」
「マリンちゃん右のお嬢ちゃんは他国者なんかい?」
「えぇ、おじさんこの子はニホンって言う国から来た子でして」
「ニホンか…聞いた事ない国だ。まぁそっちの国ではそうかもしれないが、ここはじゅうとおほういはん?とか言うものなんてものはない。大丈夫なら握ってみるだけ握っていきなさい。素振りとかも可能だぞ。」
「は、はい」
「少しだけ…なら……武器も触ってみようかな…」
「じゃぁついておいで」
そう言って案内されたのは地下の部屋
武器が沢山あり剣,銃,弓…などなど武器が揃いに揃っている。
「色々ある、好きなのを手に取って試してみるといい」
「ん〜…これは?」
「それはメリケンサックだな。」
「マジモン初めて見た……これって…尖ってるもの…なの…?」
「う〜む…まぁ製作人でそれは変わるからなぁ。おじさんはたまたまそれだったんだよ」
「これ鬼ヶ島の鬼さん持ってるやつ!!」
「イズそれは金棒って言うのよ」
「あ!!これ怖いヤンキーとか持ってそうなやつ!」
「例えが全くわからんがそれは釘バットな」
「あ!おっきい剣」
「大剣よ、ほとんど合ってるけど」
「あ!私の大好きなゲームキャラが使ってたやつ!サ終しちゃったけどぉ…」
「なんの事か全く分からない事ばっか言うな?それは鎖鎌な」
「これは!お姉ちゃんが良く使うやつだ!」
「ハルバードよ」
「な、なにこれ……」
「刺股だ、基本的には防犯や警備等の武器だから…俺の知る限りでは攻撃に使うやつはそうそういないな。いい加減決めろ」
「うーん…じゃぁ…私…これ使う」
「短剣ね。試しに使ってみましょうか」
「……鏡花はどうs…そんな自信満々な笑顔で鎖鎌見せられても……分かった…それな…」
「はいっ!」
ーーそして小1時間…
「もう…無理…魔法がいい…」
「わ、私の推しはこんなにややこしい武器を…使ってたんだっ……」
「も〜根性ないわねぇ、魔法使えなくなったらその時どうするのよ」
「泣き寝入り…する」
「おしがどうとか訳分からん事言われても知らんがな。このまま何も出来ずでいいのかよ」
「流石に武器は…無理です…魔法ならいけるのでは…」
「ほぉ?じゃぁ手に意識を集中させて火出してみろ」
「へ?は、はい」
言われた通り手に意識を集中させてみて火を出そうとする…が一向につかなかった
「これで毎日練習して火出なかったら諦めろよ?諦めて武器しろ。教えてやるから」
「はぃ……」
「さ、失礼して後は2人の練習時間としましょうか」
「「えっ?!?!」」
ーー結果練習をいっぱいして翌日
「もう帰る日なのね。もうちょっと鍛えがいあったのに」
「ヒッ…練習や訓練は嫌だけど、マリーに会いたいからまた来るね!」
「ええ、是非。おもてなしするわ」
「悪いがマリン、少し耳貸してくれ」
「え?えぇ」
アルジェはマリンを引っ張り少し遠いところで何かを話している
「なんでしょうか?」
「練習や訓練の話だったらどうしよう…泣く」
「それは嫌です…」
「でも…今日でここ終わりかぁ…また来たいなぁ……また機会があるし、その時はレオンくんユリアちゃん達も誘おうかなぁ…」
「良いですね!そうしましょう!」
「良いよね!そうしよう!」
「そう言えば私…マリンさんの戦闘時見れるものなら見たかった」
「あはは……マリーって基本的にそういう事に性格はサイコ的な感じだけど……戦いは呑気に紅茶飲みながら観戦したい派だから……仕方がない」
「でもどんな感じかは気になります…うーん…」
「例えだけどそうだなぁ…支援なしで2049ぐらいまでなら殴り込みに来てもマリー1人で一掃出来るよ。あのガトリン普通のガトリンと全く違うんだよねぇ」
「ェ゛ッ゛」
「凄いよね〜私なんて援護しか出来ないもん」
「あ、あの…そ、それガチ…ですか」
「本当だよ」
「怖…」
「大丈夫、私も怖い」
その時話が終わったようでアルジェとマリンがこちらに向かって歩いてきた
「あ、話終わったみたいですね。」
「ん?あぁ、まぁな。さて帰るぞ」
「そうだね。マリーバイバイ、また会おうね!絶対また来るよ。でも来れなかったらごめんね…今まで通り手紙は続ける!だから安心して」
「あらありがとう。楽しみにしているわ」
「楽しみにしてて!手紙だけは忘れた事ないんだから!」
「確かにそうね。それじゃぁ元気でね。もしかしたら私の方から遊びに行く時があるかもしれないわ。」
「本当?!待ってるね!」
「ええ」
「よしルーラ!!」
「「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ゛」」
「……あの子ルーラだけは本当に下手くそね…大丈夫かしら」
そして…3人はオルピルナ王国へと帰って来た。
鏡花は楽しい時間が終わってしまった事に少し残念さを感じ翌日の朝…ソファーにぼーっと座っている
「楽しい時間でしたけど…あっという間でしたね」
「あぁ、そうだな……それは良いが…座るソファーの場所が違うだろ!」
「ええ!!この仕事部屋のソファー気持ち良いんですよ!私にください!」
「断る。それ無くなられると困る」
「ちぇぇ……」
「それと呑気に飲み物食べ物用意して寛ぐな。」
「それよりそれより!ローイズさんっていつどこで跡継ぎの事してるんです?」
「さぁな?俺も分からん。たまに「少し勝ち目見えてきた」とか言ってるし…してるんでろうな多分」
「うーんそうですか」
「……ふー…今日はここぐらいで良いか…」
「終わったんですか?!じゃぁ約束のブツください!」
「約束のブツ?約束なんかしてねぇだろ…」
「え!ヒドイ!!「俺は食わないから鏡花お前に冷蔵庫のパルエケーキあげるぜキランッ」って言ったのに!」
「言ってねぇよ。キランッてなんだよ」
「アルジェさんヒドイ!もう食べてやるんだからねっ!!!」
そう言った後に鏡花は勢いよく立ち上がり部屋をダッシュで出ていく
「なっ?!ちょっ!!!待てっ!!!!」
勢いよく出た瞬間メイドとぶつかりそうになり立ち止まる
「うぉっ…悪い、見てなかった。大丈夫か?」
「えぇ、大丈夫です。」
「それなら良かった。ところでこっち側にメイドが来るのは珍しいな?何か用事か?」
「実は……」
「…察した。奥の部屋に移動しててくれ俺が対応する。」
「はい」
次回へつづく・・・