story18.MirrorGirl
story18.MirrorGirl
:登場人物:
・ローイズ・ブルッシェル
・アルジェ・ペルギール
・七奈月 鏡花
・マリン・フィルミーオ
ーー翌日の朝、鏡花の部屋
「ん〜〜っ!……今日も天気良い〜♪…」
カーテンをずらし窓を開け外の景色を眺める。
ふと少し奥の光景に目が行く
「…騎士団の皆様は本日も朝早い……既に訓練中…」
早い事で私がここに来て多分もう一週間程以上は経っている。
正直何故ここに来てしまったかは分からないけど、あそこに居た時よりは100倍…100000倍ぐらいは楽しいゆったり生活が出来ている。
周りが私いなくなってどうなってるか気になる…多分…捜索届け出されてそう。
あっちに居た時には味わえなかった感覚ここでいーっぱい味わった。
つい先日…と言っても昨日。昨日はシェミリーさんの実家に凸ってわーぎゃーとしてたってアルジェさんが疲れ気味に言っていた。
惜しいこt…幸い平和に話を済ませたようで、重傷者などいない状態で全員無事帰宅。
正直ガッチガチのバッチバチ起きるんじゃ…なんて少し期待してたんだけど…そうはならなかったみたい
「はぁ……もう少し異世界らしいドキドキハラハラが欲しい!それこそ漫画とかでよくある地面が壊れるぐらいの激しい戦闘とか…ってある訳ないかぁ……ほとんどここの国ほのぼの系だし、騎士団の方達はいざの時とか…護衛で鍛えてたりするけど、そのいざって少なくない?でもこれもまた一興大体絶対この世界線恋愛系強い気がするし、いやぁ〜ツキさんとアンリーナさんなんかそれらしかったけどまさか本当に関係があったなんt」
独り言をぶつぶつと言っていたら突然スマホが鳴り出す。
「そう言えば…手荷物も一緒にこっち来ちゃったの忘れてた…ってか今鳴った?!もしかしたら使える?!」
急いで駆け寄りスマホを取り出し電源をつけ試しにSNSでも開いてみる
「ん〜…ここに来てから全くいじってなかったから使える使えないの判別してなかったんだよね……あ、あれ?TL更新出来た…意外と…使える?まさかぁ〜試しにつぶやいて送信されるか見てみよっと」
ただの偶然だと思ってつぶやいてみる
「……やっぱりダメだよね。う〜ん〜…変なの…鳴り出すなんて、このスマホ古いしおかしくなったのかも、ありえるなぁ…」
スマホをしまって寝間着から私服に着替えようとした時コンコンと扉を叩く音が聞こえた
「はい?」
『おはようございます。ナナヅキ様』
「おはようございます。何かありましたか?朝ご飯の時間はまだかと…」
『実は本日お出かけなさるとお聞きしまして…お早めに朝食をと思い…』
「え?!」
『ローイズお嬢様がセシリア王国へ行くと…』
「あ、あれって今日なんですか?!」(うっそぉ……後日って今日だったの?!)
ーー食堂
「あの…出発今日だったんですね…」
「俺もさっき知った。」
「ですよねぇ……」
「まぁ…無理もない気がする。イズは多分そのニュースに載ってた少女の他に会いたいやつがいるからな」
「元カレとかですか?」
「どういう聞き方してんだ。逆だ逆」
「性別が逆と?」
「そうだ。マリン・フィルミーオって言う奴なんだが、これはもう厄介なイズと俺の幼馴染でよ」
「まだ居たんですか幼馴染」
「まだってなんだよ。まぁとにかく厄介な性格してるんだよ。でも根は悪いやつじゃねぇし、優しいやつだから安心しろ」
「何が厄介なんですか?気になります」
「会えば分かるんだが、まぁヤバいやつだぞ」
「はぁ…?ん〜?何がヤバいんですか」
「それは会って自分の目で確かめる方がいい」
「雑ですねぇ」
ーー2人で話をしながら朝食を済ませ家を出て合流し
「さぁ!行くわよ!!目指せセシリア王国へ!一気飛びぃ!」
「はァ……ため息しか出ない…」
ーーセシリア王国
「わぁぁぁぁ〜っ!!!!!え!すごいすごい!!民家でさえ立派!!セシリア王国ってオシャレ!」
「そうか?めっちゃ居ずらいけどな」
「あるアルジェさんは分かってないですね〜っ!私の国ではこれをオシャレな場所と言わずしてなんて呼ぶんですかって感じですよ!」
「これがオシャレなんて鏡花の国は面白い国だな。」
「だって見てくださいよ!!このオシャレなレンガの建物!レンガの通路!家の傍にある花壇に埋められた綺麗な花達!旅行気分〜っ」
「よく分からん。とにかくイズ、まずどこ行くんだ。」
「ん?マリーに会いに行くよ?」
「あそ、じゃぁ歩かないとな。」
「はぁぁ〜っ…オシャレで素敵だなんて…ロマンチック…♡」
「あはは…キョウカ…変な方向行ってる」
「オシャレで素敵でロマンチック…なぁ…ヤバい俺には本当に良さが分からねぇ。そこに突っ立ってたら鏡花置いてくぞ」
「え!酷くないですか?!待ってくださいよ!」
ーーまたまたまた移動しフィルミーオ家応接間
応接間に待機中。
ローイズはニュースを詳しく読んでおりアルジェは出されたコーヒーを飲み、鏡花は茶菓子を頬張っている。
「もぐもぐもごもごむごむご!」
(訳:この茶菓子美味しいですね!
「キョウカ…はしたないです…せめて飲み込んでから…」
「その茶菓子はセシリア王国限定に生産されてる茶菓子だ。餅生地で中身はホイップクリームとチョコソースだから手の汚れ気をつけろよ。」
「ふぁぃ!」
(何言ってるのか伝わるの謎なんだけど…一緒に住んでるから…?)
「イズ、紅茶冷めるから早く飲めよ」
「あ、うん、分かってるけど…一応何処にいるかって分かっておかないと」
その時扉が開き人が入って来る。
入って来た人はとても綺麗で黒髪ロング赤色の瞳、スタイル完璧で立ち振る舞いも完璧、可愛い等の言葉ではなく美しい綺麗が当てはまる女性。
まさに高嶺の華のような絵に描いた美人
「?!」
予想の何倍も上の人物が出て来て茶菓子を喉に詰まらせてしまう鏡花
「キョウカ?!大丈夫!?」
「ん、んグッ…ふ、ふぅ…だ、大丈夫…です」
「ようこそお越しくださいました。遠路はるばるこちら迄来てくださって感謝感激でございます。本日は突然の事で良きおもてなしが出来ずあったお飲み物と茶菓子の2つの小さなおもてなししかお出し出来なくて…誠に申し訳ございません。」
「??????」
アルジェの言ってた一言とは真逆でヤバいの言葉の意味が見つからない。
尋ねようと思いアルジェの服を引っ張り耳打ちをする。
「ど、どこがヤバい人なんですか…!美人で綺麗で美しいし、凄く語彙力の低下する程の方なんですけど…!」
「俺が言ってるヤバいは日常的じゃない。戦闘時だ安心しろ」
「あ、安心しろって…安心所ないですよ…!」
「?…どうなされましたか?何がございましたでしょうか」
「あ!い、いえ!な、何も」
「確か…貴女様はニホン…と言う所から来た?」
「え、あ、は、はい!」
「まぁ…緊張なさらないでください。リラックスしてくださいな」
「マリー、話を遮って悪いのだけど、本題に移って良い?」
「…ふふっ、良いわよぉ〜っ隣失礼するわね」
ローイズの隣に座り本題に移り出す
「確かMirrorGirlの話よね」
「MirrorGirl?」
「あら、イズってば知らないのかしら。鏡を持っている少女って言うのは長いから略してMirrorGirlと言われてるのよ。」
「鏡を持っている少女の「鏡」「少女」を取って合わせたのか」
「そうそう♪あっくんってば分かってるぅ〜っ」
「あっくん言うな」
「あら〜っ?まぁだまんまにあっくん言われてるんでちゅか〜?あっくんかわいそうでちゅねぇ〜」
「その喋り方腹立つっつてんだろ」
「怖い怖い〜♪」
「えっと…マリー…それでなんだけどその子ってどんな子なの?ニュースに載ってたのじゃ写真なくって…それに何処に居るのかも…」
「ん〜…噂じゃ路地裏とかが多めだって話だけど、まずまともな目撃情報が無いから確証はないし、本当に存在してるかも確証が無いの、1つの話では疲れた労働者が疲労で幻覚を見て…噂が流れて行った。その線が多いとも言われてるわ」
「う〜〜ん〜……」
「実際見たかもしれないって言う報告が出ているのは必ずと言って労働者達からよ」
「結局は存在もしない少女の目撃が拡大して行ってありもしないものを見たと言ってる輩が多いってのが事実だろ。」
「そうとも言いきれないのよ。不思議な現象とかザラだし」
「でも確実な目撃情報…ないんでしょ?もし見つからなかったら私つまらないなぁ…ん〜……」
「見つからなかったら旅行に来たという事にしましょうか」
「えぇ〜っ」
「…不満?」
「見つけたい〜っ」
「ふふっ、イズは相変わらず可愛い〜っ♡中等学校以来だとやっぱり懐かしいわね〜」
「高等になる頃にはマリーこっちの国に引っ越ししたもんね。確かおじさんのお兄さんがここの王様やってて、そのお兄さんがそろそろ代わりをってなって〜…おじさんが引き受けてそれに着いてったから…」
「……ん???あれ高校生…じゃないんですか?」
「もう卒業したからな。」
「え??え???」
「オルピルナ王国は16歳で成人になるの、だから15には小中高卒業なの、キョウカの国は違うの?」
「え、うん……てっきり高二辺りかと思ってて…でもなんで毎日家居るのかなぁとは思ってたけど…そういう事なんだ」
「本当にイズ可愛くなって〜っ」
ローイズに抱きつきほっぺすりすりをするマリン
「マリーは昔よりももっともっと綺麗になってて羨ましいよ〜っ」
「そんな事ないよ〜っ」
(仲良いなぁ…流石幼馴染)
少女の話の他に話をしていた最中扉がまた開く
(ん?使用人さんかな?)
そう鏡花は思ったが出て来たのはまだ3,4歳ぐらいの男の子
「男の子…使用人さんのお子さん?」
「3,4歳ぐらいっぽいな」
「もしかしたら今預かってる友達の子…はないですよね」
「!…」
男の子はなにかに気付いたのかパァーっと明るい笑顔でこちらに走って来、マリンの傍に近寄る
「まんまらっごらっご!」
「マリーの子なの?!」
「養子か?」
「失礼ね。実子」
マリンの子供だと言う子をマリンは抱き抱える
「え、え、私初めて知ったよ?なんで手紙で教えてくれなかったの?祝福したのに…!それで旦那さんは?どんな人?結婚ってしたの??」
「結婚しても居なければ旦那も居ないわよ。だって、誰との子か分かってないんだもの」
「え?でもそのあの…こ…子供…赤ちゃん出来たって事はそのあれっ…あのっ…あれをし…したって訳で!」
「ふふふ、可愛い、イズは昔からそういう話恥ずかしいの変わってないね。誰との子か分からなくてもこの子は私の子だから正直どうでもいいわ。旦那が誰であろうと、でもまぁ…嫌いな異性との子だけは嫌かなぁっ…て感じ」
「そ…そっか」
「今ってこの子いくつなんですか?」
「3歳なったばかりなの、言葉も覚えたてでつい最近1人で歩けるようになってね」
「つまりマリンさんの年齢が17とすると14の時に?」
「そうね。」
「別に隠すことない事を隠してたんだな。」
「イズはともかくルジェは興味ないだろうからイズに言いたくてもイズってばすーぐルジェや私に色々出来事話すからあえて…ね。」
「俺は妊娠出産の報告しても興味のない男、そういう風に見えてるんだな。んなわけねぇだろ」
「ルジェは友達の彼女出来た〜報告とか聞いても「あそ、んでそれが何?」だったじゃない。どの口が言うのか教えてもらいたいぐらいね。」
「あ゛?そう言うけどな。マリンお前だって女友達が彼氏出来た報告したら「へぇ、そうなの。それがどうしたのかしら?」って言ってただろ!お前は人の事言える立場じゃねぇんだよ」
「そんなの記憶にないわ。誰かと間違えてるんじゃないの、私は事実を今言ってるだけよ。事実だって受け止めれてないのかしら」
「は?」
「ま、待って2人共…これ以上は子供の教育的に良くないから抑えて…!」
「…イズが言うなら仕方がないわね。それに確かに教育的面で良くないし」
「うん…そ、そうだよ」(よ…良かったぁ…昔から仲良いけど仲良過ぎるせいか2人は言い争いや喧嘩が多過ぎるんだよね…)
「えっと…あの少女の件は…」
「あ…そうね。よく目撃情報らしき報告が多い場所に案内するわ。」
「…?…みゃんみゃおりぇきゃけ?」
「うん、少しの間ね。」
「ぼきゅ…おりゅしゅばん…?」
「…ごめんね。危ない所とか行くかもしれないから…ね。」
「…わきゃっら…」
「ごめんね。おもちゃかお菓子買ってくるからね」
そう言っておでこにキスをし抱っこからおろしソファーに座らせる。
「使用人さんにここに居るって伝えて部屋に来てもらうから良い子でここに座ってるんだよ?」
マリンの言葉にこくりと頷く
心配ながらも危険な所には行かせたくない思いを抱えながら3人と一緒に部屋を出る
ーーそして路地裏
「ここよ。ここでよく見かけられるわ。」
路地裏に到着し立ち止まって待ってみる。
「そう言えばマリー、あの子は名前なんて言うの?」
「え?あ、な、名前ね……」
名前を聞かれて少々動揺したマリンに鏡花はなぜ動揺したのかを不思議に思い少し考えてしまう
(キラキラネーム…ではないよね。だってここの世界は多分みんなカタカナだから漢字なんて名前に入れないだろうし…付けてない…でもなさそうだし…)
「ヴェディアルって名前にしたんだけど…長いからお父様お母様使用人の方々私はヴェルって呼んでるの。」
「ヴェディアルくんかぁ〜っ、カッコいい名前だねっ!」
「ありがとう」
(私の気のせいかな…あの子の名前…アルジェさんの名前の3文字は入ってるけど…偶然?それとも好きな人の名前入れたぁみたいな…?)「あの、失礼かもしれないんですけど、マリンさんってアルジェさんの事好きなんですか?子供の名前に3文字アルジェさんと同じ文字入ってるから…そうなのかと」
「そんなわけねぇだろ。偶然だろ偶然」
「偶然ですよ偶然。これ良いなぁ子供に付けたいなぁって思って考えてたのがたまたまそうなっただけなので、私がこんな口の悪いトゲトゲ男好きになるかって感じですよ。顔面とかスタイルは良いけど性格と口調に難アリ」
「あ゛あ゛?」
「まぁまぁ…ルジェ…!」
「あ、ご、ごめんなさい…なんか事実と違う事聞いちゃって」
「構いませんよ。お気になさらないでください。そう思われるのも無理ないですから、お父様お母様にもそう聞かれたので」
「は、はい」
「ん〜……マリー今の所人影なんて見えないよ?」
「疲れてないから…?」
「結局は嘘の話って言うオチなんだよ。」
「でも…なんでこんな暗い場所なのにその人達は鏡を持った少女って…分かったの?こんなに暗かったら人居るかもって言うぐらいしか見えないし、ましてや鏡を持ったなんて…まるで近く迄その子が来たかその人が近付いてったから分かったみたいな…嘘の話にしてはそんな事…ある?まず嘘だとしたらなんで」
「鏡を持った少女なんて言う少女話をでっち上げたか…でしょ?確かにそれもそうよね。鏡を持った少女が出た…と言って話題になって広がって行くかって言ったらまず広がらないでしょうね。」
「じゃぁなんで広がったの?」
「…それは簡単よ。その少女によって人が消えたから」
「人が消えた…んですか?」
「実際に一緒に居た人がその少女の鏡に引きずり込まれて消えた。そう語ったから広がったの、その話はこちらで調べたけど事実よ」
「じゃぁ居る…って言う事?」
「…家に居た時は正直に言えなくて嘘を吐いていた部分があるけど、実在するわ。MirrorGirlは人に害を及ぼす可能性がある少女としてね。実際に彼女が起こした事はとても善とは言えない行い、だからイズが思ってそうな事は出来ないわ。」
「え!!…お友達になれない?!」
「…はぁ…無理よ…もうイズってば」
「残念…」
「後基本的に目撃は夜が多いわ。夜にもう一度来てみましょう。見つかったら悪いけど上に行ってもらわなきゃいけない。これ以上街と国民に被害を出させないようにする為にも」
次回へ続く・・・
後書き失礼します。
1ヶ月投稿が出来ず申し訳ございません!リアルと執筆を両立させながら頑張っていたらいつの間にか1ヶ月…
お待たせしてしまい本当に申し訳ございません…>_<…
今回は皆様に秘密にしてたローイズとアルジェの大大大好きな幼馴染マリン・フィルミーオちゃんの登場です♪
これからちょくちょく出るのでマリンちゃんも何卒宜しくお願い致します♪
19がそろそろ完成しそうなので、来週にはあげれたらいいなぁって思ってます。お楽しみに( ᵕᴗᵕ )