story17.持ち主の想いのお陰
story17.持ち主の想いのお陰
:登場人物:
・ローイズ・ブルッシェル
・アルジェ・ペルギール
・七奈月 鏡花
・ユリア&シェミリー
・凜白騎士団
ーーそんな一方ペルギール家では
「メイド長!出血量が多過ぎて止まる気配がないです!」
「メイド長!傷口が大き過ぎて出血が止まらない感じです!」
「め、メイド長…どうしましょう…治るどころか悪化してる気がしてきます…」
「こ、このままでは大量出血で死に至ってしまうかもしれません…!」
「そう言われても私もメイド長を長年やっているがペルギール家でここまでの重傷者を受け持った事は無いんだ…私達ルル以外は少しのヒールでも使えない以上、役に立てるのは軽い傷等に薬を塗ったり包帯巻いたり…些細な事しか…ルルは今七奈月様と一緒にレオン様とユリア様の宥めをしてくれてる…ここに呼んで来る訳にもいかない。一体…どうすれば…どうしたら治療が開始される…?」
「!…大変です!!心拍数が低下しています!」
「っ!一体どうすれば、とにかく止血に頑張ること!一瞬でも止まった隙に薬を塗ってみましょう!」
「分かりましたメイド長!」
「皆さん!絶対この仕事失敗は許されませんよ!」
「はい…理解しております…」
数十分が経過し…無事止血が終わり
「止血…無事成功…」
「で、ですがメイド長…心拍数が増えません…!心拍数が増えない事には治療が開始されることは無いんじゃないのですか?!」
「心臓自体に何かしらでショック与え戻らす…心臓マッサージがいいところだろうが…心臓マッサージをしたらまた血が出て来る…何か…何か身体に何もせずショック的なものを与えれれば…心拍数も上がるはずだ」
メイド達全員が顔を暗くし考え始めたその時勢い良く部屋の扉が開く
「ダメです!ユリアちゃん!ルルさんの元に戻りましょう!」
「っ!…シェミリー……どうしてこんなにボロボロなの…会った時より…何もかもボロボロだよ……私のわがまま聞いて…お揃いにしてくれた…シェミリーの…綺麗な髪も…短くなって…形歪で…もう…シェミリーじゃないみたいに…何もかも…ボロボロ…」
ショックを受け苦しい表情のままシェミリーに近づくとシェミリーの手を握り、涙を流しながら話し続ける
「このまま死んじゃうの…?いなくなっちゃうの…?そんなの…嫌だよ!パパとママ…いなくなって…シェミリーいなくなっちゃったら…お兄ちゃんもアベルも悲しむよ…私悲しいよ…お願い…目を覚ましてよ…」
《シケツカクニン。シンタイソンショウ96% ヒンシジョウタイ/ソノタソンショウ72% ジュウショウジョウタイ/コレヨリチリョウヲカイシシマス》
「心拍数を見る為に置いた機械が…喋った…?モニターに字まで出てる…」
「この…声…シェミリーと会った時に家の中で急に鳴り出した妙な出来事の声とおなじ…あの時はテレビから声が聞こえて…」
「!…シェミリーさんの傷が無くなってる…髪まで元通りに戻ってる…」
「よ、良かった…無事全て成功…」
「ん…んん…?」
「シェミリー!」
「ユリア…」
「良かったぁ〜っ!」
「…ユリア…ごめんなさい勝手にいなくなって」
「良いの…いなくなってビックリしたし…悲しかったけど…無事…戻って来てくれたから…良いの!」
「…ありがとう…アベルくんとレオンにも謝らなきゃね…」
「えへへっ…そうだね」
「メイド長…私達全員が頑張った甲斐がありましたね…」
「皆…金賞よ…」
ーーそんな中ローイズ達はと言うと
「はぁはぁ……」
「キリがねぇな…どこ見てもまだ敵ばかりだ…」
「はぁはぁ……ルジェ…私もう無理…」
「はっ?!体力無さすぎだろ!そんなんでおじさんの後継げると思うなよ?!」
「ウッ……だって私運動は苦手で…戦闘時いつも後ろから強化回復しか…」
「!…来るぞ!」
「ふぇっ?!」
アルジェは敵をすぐ気絶させたが…ローイズは突然の事と息が荒くなり体力が尽きているせいで反応が遅れてしまい、「もうダメだ遅い」と思った瞬間、なんだか後ろの敵達が何人も吹っ飛んだり叫んだりと騒がしい
「な、何?!」
「!…ローイズお嬢様もう大丈夫です。ローイズお嬢様は私達の後ろにお下がりください。来るのに時間かかってましたが、無事…着いたようですね。」
「ふっ…豆粒にしか見えない程居た敵がもうこんなにも減ったか…流石、あの超絶スパルタ鬼教官に大絶賛されただけあるな。ツキ」
「私達も行かねば手柄取られそうですね。団長」
「そうだな。」
3人も前の方に進み敵を拾い蹴散らしていく
「ルジェとこの騎士団って…チーム力あって…実力あって…如何なる時も対応するの凄い。うちの騎士団にも見習わせたい」
「ペルギール家の自慢だからな。……アンリーナ…?お前は一旦休憩か?」
「……へっ?!あ、いえ!私も行きます!」
アンリーナも前の方に進み参戦しに行く、するとライヤが声を掛けて来た。
「アンリーナ、あれ程戦闘時は…」
「わ、分かってる…!分かってる…から」
「ライヤ仕方がないだろう。アンリーナはあいつにまだ想いあるんだからな。まぁあいつはどうか知らないがな」
「3人共!私語は慎め!」
「「「はい!」」」
時間に経つにつれ減っていく敵と体力、手強いやつもいれば手弱いやつもいた。
そして敵を全員倒し残るは当主である女
「へぇ、アンタがシェミリーちゃんのママっすか…悪そーな顔してんなぁ。友達いる?」
「はっ?!うるさい小僧!貴様わざとハブいてやったというのに何故来れた!お前が来なければあいつらで倒せた!」
「…それはっすねぇ」
ポケットから物を出し見せた
「早く来てとか何の想いかは分からないけど、この物の持ち主の想いがあったからそのお陰っすかねぇ。」
「っ……まぁ良い!!わらわの勝ちは確実だ!貴様らにわらわは倒せんからな!!」
「はぁ…もうそう言うの良いから、最後の最後まで黙っててあげようって思ってたんだが、当主であるくせに弱っちぃんだってな?言葉遣いと風格とかから強い感出てたんだろうが、どうもおかしいんだよ。こう言っちゃあれだが、強いならたった少しの事でシェミリーの命はなくなっているんじゃないのか?なのに微かに息があるって事は…運ばれる前の感じを見ても刃物使われてるから…自慢出来る程強くだろ?」
「っ……!」
「図星…か」
「え、あんなに威張ってたのに弱いの??恥ずかしくないんです??」
「う、うるさい!!」
「確かに刃物等凶器を使えばか弱い方でも使えますから…実際に他国の事件でか弱い女性が家庭菜園バサミで旦那さんを…って言うのが過去にありましたね」
「俺達確かにお前に腹立ってるが唯一の肉親を消す程鬼じゃないんだよ。謝罪とこれからはシェミリーに近づかないって約束して頂ければそれで良いんだよ」
「……わ…悪かった…申し訳ございません…でした…これからは一切近づきもしません…」
「ちょっと…なんでこんな後半穏便な訳。ねぇルジェ、さっきの私の動いた意味は??」
「良いだろ。俺だってこうしたって、おじさんならこうするだろうし、穏便な解決する事もおじさんのしている事だ。ただそれをしただけ」
「……なんか納得しないけど…今回は穏便に出来たって事だよね」
「今回は…な。いつ死人が出てもおかしくはないからな」
ーーそんなこんなで何故か穏便に事は済み 翌朝、ペルギール家
「ルジェ〜〜っ!!」
「なんだよ」
「ねぇ!!ここ行こうよ!!ここ!!」
「は?ニュースの切り抜き?」
「ヤバいよヤバいよ!!これ鏡がさ鏡がさ!喋って動いてとかするんだって!!会ってみたくない?!絶っっっ対面白いよ!」
「鏡…?白雪姫ですか?」
「シラユキヒメ…?」
「あ、白雪姫と言うのは、童話と言う種類のお話で、その白雪姫で喋る鏡が出て来るんです。それかなぁ…って」
「ん〜…よく分からないけど…違うかなぁ?」
「多分…違いますね。」
「はァ……つい前日にあんな事あったってのにそうやって違う事に興味持って行こうとかやろうとか…」
「鏡も興味あるけど〜…気になる事がね…」
「なんだよ」
「その鏡は超絶美少女が持ち歩いてるって話があるの!!すっっっっっごく会ってみたいじゃない!どれぐらい美人なんだろぉ〜♡すっっっごく綺麗なんだろうなぁ〜♡」
「またくだらねぇのに興味持ちやがって…ちびっ子はもう俺はこりごりだぞ。それに行く気ないぞ」
「うっそぉ〜行こうよ行こうよ!」
「そもそも鏡が喋って動いてなんて有り得る訳ないだろ」
「本当なんだって!本当なんだって!!」
「とにかく俺はもう動く気ないんだよ。1人で行け行け」
「ちぇぇ…」
「でもローイズさん、まず何処に現れるかって知っているんですか?」
「え?いやぁ〜…えっと確か…えっと…隣の国ぃ…だったかなぁ??」
「知らねぇんじゃねぇか」
「え、えっと…えっと……あ!思い出した!隣国の隣国だから……」
「は?!お前セシリア王国行く気なのかよ!」
「だ、だって会いたいし!喋りたいし!」
「結構遠いぞ?!」
「分かってるけど…分かってるけど……会いたいから…」
「もう好きに行ってくれば良いだろ…俺は知らねぇからな…」
「ルジェもやっぱり行くの!!」
「はぁ??」
「その方が心強いし」
「もう行くしかないですよ。アルジェさん」
「はぁぁぁぁぁぁぁっ…」
「よし行くぞぉ〜っ!!おーっ!」
「もう…もう勝手にしてくれ………」
「あはは…大丈夫ですかアルジェさん…」
ニュースにも載る少女、鏡に会う為に隣国の隣国へ出掛ける事になった3人、会いに行った現地では何が起きるのか…もしかしたら…危ない事件に巻き込まれたり…?
そしてまた新たな人に会いに行こうと思う何事にも興味津々なローイズであった
次回へつづく・・・