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ローイズの野望  作者: 水薔薇姫
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story15.情報通りに

story15.情報通りに


:登場人物:

・ローイズ・ブルッシェル

・アルジェ・ペルギール

七奈月(ななづき) 鏡花(きょうか)

・ルル・フェイリア

凜白騎士団(りんぱくきしだん)

・レオン,ユリア&アベル


「………だ」

「なんですか?大きな声で、お願い致します。」

「何が目的でそやつの事を知りたがるんだ!」

「そやつ?……家族の事をそんな呼び方…されたくないですね。知っているのでしょう?教えてください。」

「っ……1度許可したのは私……これも自業自得、話そうではないか…私の知っている限りとなるが、許しておくれよ。」

「あ、いえ、過去話とかは結構ですので…インフェルア家の場所を教えてください。」

「そうか…家の場所か…聞いた事はあるじゃろうか…「真の禍森」と言う…薄気味の悪い程度じゃ済まされない。常に森全体が真っ暗でライトを照らしても前は見えぬ道…暗い中で1歩…1歩と進みやっとの思いで明かりの灯されている場所に出たと思えばそこは崖…崖の下にある大きな歪み、あの歪みは例え鍛え抜かれた人でも精神を狂わされるだろう…それ程の狂った歪みが出来上がっている。そして迷い込んだ奴らなどは足を無い道へと進み出し始め横から食べ物に飢えた大きな魔物に食される。そんな情報の森を聞いた事あるじゃろか」

「えぇ…まぁペットになる前は森等のそこら辺に詳しい事をしておりましたので…存じてはいます。」

「で…インフェルア家はその崖の先にある森に建っておる。インフェルア家の者であれば裏道で出入りしているそうだが…あいにくな事私はその道を知らない。これ以上は役に立てぬ。リューネに…出会うのなら伝言を頼みたい…良いかの」

「…本当に会えるかは分かりません。ですが聞いておくだけでも」

「そうか…じゃぁ…リューネに…「謝って済むことではないけど今まで、そしてあの時は申し訳なかった。すまなかった。あの時嫌いな村なのに人を呼んで来てくれてありがとう。」と伝えて欲しい…もう私はあの子と合わせる顔がないからな…」

「…分かりました。会いましたら伝えておきます。」


ーー村の前に戻り


「ん?長かったな。どうだ分かったか?」

「はい、ではこれから皆さんには頼み事をしたいのですが…構いませんか?」

「何〜?全然良いけど力仕事は苦手だよ…?」

「いいえ、そんな事頼みませんよ。まず捕らえたインフェルア家の使用人を引っ張り出して…目的地に行きたいと思います。」

「あの人を引っ張り出す意味はあるのですか?」

「あるみたいですよ。どうやら裏道知ってる可能性が高いそうで」

「裏道っすかぁ…あいついります?」

「え?でも騎士団やお2人は知らないと思いますが…今から行く森は危険で裏道を頼るしか…」

「あっはは、大丈夫っすよォ!あいつ連れて来てもすんなり教えるとは限らないっすからね。それに安全の楽な一本道より険しい苦の一本道の方が良いと思うし」

「ツキ、貴方またどこからそう言う言葉覚えてくるんですか」

「なんだよぉいいじゃないか、俺って博識ってやつ?」

「ツキが博識か…この世も終わったな…」

「お前が博識だなんて似合わないな」

「そうですね。ツキが博識になれるとは到底思えません。スーラヴィ学園で小中高テストの点数悪かったですからね」

「32点だもんな」

「確か2点取った事あったな」

「最高点数で今まで高かったの39点ですからね…勉強を4人がかりで教えてもこの点数…なんて嘆かわしい…」

「悪かったッスねっ!でも0点はとってないっすから!」

「ん〜そこの問題かなぁ…あはは……」

「お前達じゃれあってないで良いから行くぞ。」

「あ、はい。お坊っちゃま申し訳ございません。只今行きます。」

「ツキ…迷子になるなよ」

「マキ大丈夫っすよ。そんなに子供じゃないっすから」


ーー森の中


「ん〜ダメ、ファイアーライトも効かない」

「何しても暗いのは本当みたいですね…対処法知らないようで教えてもらえなかったですし…」

「それにしても誰がどこにいるか分からないのは痛いな…」

「本当だね…これじゃ無闇に前行けないかも」


そんな時パァーっと明るくなる。

驚いてみんな一斉に光の方を見ると…


「え?え?…わ、私なんか変な事しました…??」

「アンリーナ…なんで照らせた…?」

「シャイニングフラッシュならいけるかと思って…今点滅無くして出してるだけで…」

「その手が…これで前に進めるな」

「アンリーナにはいつも驚かされる…助かる。ありがとうな」

「お坊ちゃまの助けが出来光栄です。私なりに役に立てる所は役に立とうと思っておりますのでなんなりと言って頂ければと思います。」

(な、なんか悔しい…シャイニングフラッシュなら私でも使えたのに…私が出してたら私がありがとうって言われてたのにっ…ぐぬぬ…)


ーー 一方、双子達は…


「ねぇアベルはお兄さん達とどこ行ったの?」

「アベル様はお坊ちゃま達とお散歩に行ったんですよ。」

「えぇ〜!お散歩私も行きたかった!」

「ルルさん…!逆効果じゃないですか…!」


鏡花がコソッとルルに耳打ちをしそれにつれてルルも耳打ちで返事する


「お…おかしいですね……私の経験上お散歩でそんな反応するお子様は居なかったのですが…」

「なんとも言えないですけど…とにかく皆さんが帰って来るまで貫かなければ…」

「そうですね…いつ帰ってくるのか分からないですが…頑張りましょうか…」

「ええ…」

「アベルは散歩に行っちゃうしシェミリーは急にいなくなっちゃうし…このままアベルまで帰って来なかったら…私達2人っきりかなぁ」


自分のパートナー兼今の母親が突然姿を消して、今度は兄のパートナー兼今の父親が居なくなってしまったら2人っきりの寂しい日々を暮らす事になるかと考えたのかユリアは大号泣し始めてしまう


「うっ……うぐっ…うぅっ…」

「ユリア様、落ち着けないかもしれませんが、落ち着きましょう。もしアベル様が無事シェミリー様を連れて帰って来るかも!と言う自分の嬉しい考えを少し持ってみると良いかもしれません。」

「シェミリー…帰って来るの…?」

「それは分からないですが……もしもです。帰って来たら嬉しいでしょう?」


そう言って微笑みかけるルル、その言葉にパァーっと明るい笑顔でユリアが口を開く


「!……嬉しい…!!パパとママのこれからの分までまた4人で楽しく幸せに暮らすの!」

「ええ…それじゃぁ一緒に信じて待ちましょう。アベル様がお散歩中にシェミリー様を見つけて帰ってくださる事を」

「うん!」

「……ねぇ…お姉さん」


鏡花に近付いてレオンが話しかけてくる


「ん?どうかしましたか?」

「アベル…散歩になんて行ってないでしょ?」

「え?…あ、いや、その、な、何言ってるの??アベルさんはお散歩にアルジェさん達と行ってて……!」

「騎士団のお兄さん達連れてシェミリー探しに行ったんでしょ?何で隠すの、アベルとシェミリーは僕とユリアの大事な家族の一員なの。その家族の事で隠されるの僕は嫌なんだけど」

「……申し訳ございません…アベルさんからルルさんも私もキツく口止めされておりまして…アベルさん曰くお2人を危険な目に合わせない為に置いて行くという事があり……口止めを私達に申し出たそうで…」

「アベルの事だからそうだろうなぁとは思ったよ。シェミリーもそうだけど…アベルもシェミリーも…僕達に何も言わず背負い込んで…それが親の役目なのかな…お父さんお母さんもずっと何か背負い込んでたのかな」

「…子供の為に…その理由でどこのご家庭も御両親は辛くても頑張って…御両親は我が子の幸せな顔や笑顔等を見るだけまた頑張れるんですよ。私の両親はレオンくん達より私が小さい時に亡くなってしまったので…本当にそうかは分からないですけど…ね。」

「お姉さんの…お父さんお母さんも誰かに殺されたの…?」

「親戚の養子に引き取って頂き育てて頂いた方のお話では…私の両親は交通事故にあい亡くなってしまったそうです。その交通事故の時に私もいたそうなんですが…私は両親に守られて無事に生き残った…そう聞きました。レオンくん達みたいに両親の顔も声も覚えてません。ただ…葬式の時両親の事を認識もよく出来てなかったのに、今の義両親のお母さんに抱かれながら…一日中…泣いてた様な記憶があります。」


レオンは分からない言葉が多々あったけど悲しい目と声で語る鏡花に

両親の声、顔覚えいて一緒に物心がつくまで暮らしてた自分達とは比べ物にならない程

辛い過去だと言う事を理解し俯いてしまう


「…俯かなくて大丈夫ですよ。申し訳ございません。レオンくんにこんな話してしまって、今話した事は気にしないでくださいね。」

「…うん…」

「アベルさん達帰ってくるまで遊んだりして待ってましょうか」

「うん」


ーーそして進みに進んで…


「…妖精…だよなシェミリーって」

「そ、そうです…妖精…なんですが」

「妖精貴族の家にしては禍々しいんだが…」

「禍々しいですね…ここで本当に間違えないんですか…お坊ちゃまそれでどうしましょうか?どこから入ります?」

「さぁ…分からん…真正面からかどこからか」

「お、ここになんか書いてありますよぉ〜」

「あ!コラ!ツキお前またウロウロと!」

「キャーダンチョーコワーイ」

「まぁ落ち着け…あいつだって戦闘時とかはまともなんだからよ」

「アレ坊っちゃまヒドイですね俺の事そう見てたんっすか」

「通常があれじゃ戦闘時とか新人が驚くのも無理ないよな…」

「本当にですよ。驚かない新人なんて居ませんでしたし」

「あはは…ツキは通常と戦闘時で多いなギャップ差あるから…でもここで止まってちゃ時間の無駄無駄!はい、みんな突っ込まないと!」

「そうだな。時間の無駄で俺達がこうしてる内に何かあったら大変だしな。」

「うん、じゃぁ真正面から入ってここの主がいる場所に…」


突然言葉を遮る様にツキ以外の人達の足元へ魔法陣が展開された


「?!…ま、魔法陣?!なんで急に」


他の人が口を開く隙も無い速度で魔法陣の中に引きづり込まれていく、そして完全に引きづり込まれる前にアンリーナがわざと何かを投げ落として行く…


「ん〜…坊っちゃまどうしましょ、ここインフェルア家の本邸じゃ…あれ…坊っちゃま?みんな?おかしいな…さっきまであそこに居たんだけどなぁ。ここの家の中からも外からも気配も魔力も感じられないし、どうすっかな、急に1人っすか。はぁ…どこ行くぐらい教えてくれたってなぁ良いのに、アンリーナでさえ教えてくれないってなんなんだよぉ…」


ぶつぶつと独り言を言いながら帰路を目指しながら歩いて進んで行ったら…ふと何かが光ってるのに気付き近づく


「ん?えっと確かここら辺キラって…ここ草高ッ!手入れして無さすぎ」


光ってた場所や周りをガサガサと探す


「あ、見っけ!あれ…コレって……もう捨ててるかと思ったけど…まだ持っててくれたのか」


そう言って何かを持って少し悲しそうな顔をする。

一体何が落ちて居て、その物はツキに何を伝えれるのか…?

ツキ以外の人達は魔法陣でどこに連れていかれたのか


次回へつづく・・・

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― 新着の感想 ―
[一言] シェミリーちゃんはいい子だし、双子ちゃん想いだし、代わりだけど家族として凄く良い支え、とてもとてもいい子なのに……なんでそこまで嫌うんだって思う… ところでみんなはどこ行ったんだ???σ( ̄…
[一言] え、何、何??ツキさん??何持ってるの?? 待って魔法陣に連れ去られて大丈夫なの??大丈夫じゃないよね?! うあああっ…ふあんだぁぁぁ
[一言] 聞き出せたんだ!!良かった…… だけど急に魔法陣出て来て引き釣りこまれたってことは周りに人いたって事? アンリーナちゃんは何を落としてツキさんに伝えるんだろう…… もし伝わらなくても誰か人が…
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