story13.お別れ
story13.お別れ
:登場人物:
・レオン,ユリア&アベル,シェミリー
・凜白騎士団
「いけません!お嬢様人間になっては妖精としての全てが無くなり本当にただの人間になります!」
「構いません…この子達と居る為に種族は関係ありません……私は…私はこの子達の母親代わりです!人間になればあの家と自然に縁は切れます。家紋が消えた者はもう二度と戻れない…再度焼き直す事も種族を戻る事も認められない許されない。今まであった事の何もかもが無くなる…そうすれば貴方がここに来て私を連れ戻す事も、母様が私を連れ戻す気にもならない。これ以上私に戻る様説得するならば…その時は」
「お嬢様!!王妃様に反抗なさるのですか?!いい加減になさってください!人間にはさせません。さっさと帰って頂きますよ!」
「お主はしつこいな……その王妃とか何とかがどうとかは俺には分からぬが、シェミリーの意見を尊重するべきであろう?さっきから聞いておれば、ただお主がその王妃とやらの事怖いだけでは無いのか?もしその王妃とやらがお主らの上ならば……当然シェミリーもお主らの上。王妃様の絶対命令とかがあるのであれば、お嬢様の絶対命令もあるだろう?本人が嫌と言っているなら身を引くべきだ」
「うるさい!!貴様さっきから口出しをしやがって!何様のつもりだ!」
「そっちこそ何様のつもりなんだ?」
そうアベルが言い放った途端何かが吹き飛ぶ盛大な爆音が聞こえた
「っ?!なっ……確かあそこは騎士団共がいる場所……まさか雇ったあいつらやられたのか!?」
「け……剣しかあの人達持ってなかったのになんでこんな大きな音…?」
「お兄ちゃん…!きっとこの人の連れて来た仲間だよ……仲間の人が爆弾とか持ってたんだよ」
「あんな素人で俺達止めれると思ったとか舐められたもんッスなぁ」
「あぁ……全くだ。深紅騎士団は血の気が多いから今全員お前の仲間全滅させられてしょうがなくアンリーナに頼み治療を受けさせているが、俺達を舐めてもらっちゃ困るな。侵入者さん?」
「クソッ!!」
「後ろ……隙があるな」
ーーーーーーーー
ーペルギール家会議室
「意外と弱い系だったなこやつ…さてアルト、どうするか決まってるのか?」
「特には決まってないな。そうだな……色々考え所があるのだが……」
「あ!ダンチョー!良い考え俺あるッスよ!」
「嫌な予感しかしないが…聞くだけ聞いてやる」
「地下牢に吊るしあげるんッスよぉ〜♪」
「それだけですか?ツキ」
「おおう〜」
「……そうですねツキの提案、僕良いと思います。だけどそれに少し付け足して色々吐くまで拷問するんですよ…フフ…フフフ…」
「ライヤ……お前凄い悪い顔してるぞ」
「!……コホン……失礼、つい想像したら楽しみ過ぎて」
「まぁアルト、コレは良いんじゃないか?お許し頂けると思う」
「そ、そうか?拷問の時点でアウトの気がするんだが……」
4人で悩んでいると足音が聞こえてきた。少々早歩きの足音が近付いてきて部屋の扉が開いた
「はぁ……はぁ……アンリーナ戻ってまいりましたぁ…はぁ……はぁ……」
「ん、おかえりッス!アンリーナ」
「もぉ……大変でした…最後の子供達に関しては手の焼くことが少なかったんですが…治療に結構体力持ってかれて…」
「すまないな……大変な事を任せてしまって」
「いえ、逆に申し訳ないです……持ち場に戻った途端不意をつかれて気絶してしまって…気が付いた時には終わってただなんて」
「そう深く考えなくていい、全員怒ったりしてない大体相手が卑怯過ぎたんだから」
「ええ、そうです。アンリーナが深く考える事ではありませんよ」
「まぁ…暴食のこいつが元々悪いんだ。気にし過ぎると変なストレスとかになるぞ。忘れれるなら忘れろ」
「……はい!」
「さて、5人揃ったことだ……あの侵入者への対応よりまず先にあの子供達へ今後の対応だ」
「アルト、ちょっと考えよう。あの妖精の子が拒否をして誰一人とも逃がさずこちらで確保した。としたらあっちは動きが止まる可能性だってあるぞ?」
「そうだが…しつこい人程諦める事はない、今度は外、家の周り、家の中でしばらく見張ってみよう。多分出して来たあいつらはただの手駒弱いのも当然だろう。もし強いやつが出て来るなら放置と言う訳にもいかないだろう。」
「そうッスよねぇ〜…放置してたら大変な目にあってるかもしれんしぃ」
「じゃぁ明日から再度護衛につく訳だが、家の中はあえて子供慣れしているアンリーナ、ツキ、2人に任せよう。ライヤは外の方で団員達と護衛、俺とマキは家の周りで団員達と護衛。ちょっとやり過ぎかもだが、これで一応は完璧だろう。」
「そうですね。あとは侵入者への対応ですね」
「そうだな、じゃぁ次は対応についてだが……」
ーーーーーーーー
ー夜、双子兄妹とパートナーの寝室
『………ネ……ューネ…アリューネ!今すぐこちらに帰って来なさい。』
「っ!…家紋が私の手にある以上…あの人の何もかもから逃げられない…このテレパシーからも逃げられない…使用人が来た時点で場所は特定された。迷惑をこれ以上かけれない…もう行くしか……ない。」
ベットから抜け出して起こさないよう静かに着替え始める。
着替え終わり兄妹を優しく撫でてから小さく呟く
「ごめんね…レオン…ユリア…これからもずっと一緒に居られない私で…ごめんね…アベルくんもごめんなさい…私の分まで2人を宜しくね…ばいばい」
次回へつづく・・・