story12.親子
story12.親子
:登場人物:
・レオン,ユリア&アベル,シェミリー
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一方その頃、ある城の一室…
「……それで貴方達収穫は?」
「はい、王妃様私共が調査してみた所お嬢様は妖精の森にはおりませんでした。」
「なんだと?わらわはちゃんと妖精の森に置いて来たはずだ」
「妖精の森の村長に聞いた所魔王軍から襲撃を受けた時以来から姿を見ていないとの事でした。そして妖精の森周辺を我々で探してみました。」
「ほう?聞かせてみるがいい」
「お嬢様は妖精の森と遠い距離にある森にお嬢様がいたであろう形跡がありました。その後森に近い所に国がありこっそり調査してみた所お姿は変わっておりましたが…お嬢様を発見致しました。」
「なんだと?!それでどうだった!」
「お嬢様はどこの輩か分からぬでかい犬とちびっ子2人と一緒に居るようです。」
「ならば連れて来い!犬や子供如きに手こずったりはしないだろう?行け!」
「御意」
「…王妃様こんな手間のかかる事をするんだったら最初からお嬢様を捨てず育てれば良かったのでは」
「それに関してはわらわも後悔している。幼い頃にいくら技等を仕込んでも上達しないただの役立たずと判断した事がダメだった」
「それにしても今になりお嬢様が超治療型に属していたと判明するなんて」
「しかも…我がインフェルア家で初代様以来の超治療型だったなんて……手放した事に後悔している…すごくな…」
「王妃様は治療型止まりなのに…一体どうしてでしょう…」
「…あの子には産まれつきの何か才能があった…そうハッキリとは言えないが…そうに違いはない…勉学でさえも出来ないあの子が独自に得れる訳が無いからな」
「ですが、王妃様?今更捕まえて戻って来いと言うのは流石に私達都合が良過ぎるのでは?お嬢様からしたら自分を捨てた母親ですよ?」
「そんなの心配いらない。リューネはわらわの子供、あの弱気者がわらわの言葉に逆らえる訳なかろう」
「……そうでしょうか…まぁ私はこれ以上クビは突っ込みません」
「ふっ、相変わらずの性格だ。本当につまらんやつだ」
「つまらないやつですが?」
「そう言う性格もとことんつまらん、だが嫌いではない」
「それはありがとうございます。」
「さぁ……リューネ…お前の帰りを母様は今から楽しみだぞ…フフッ…」
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「?!…気のせいかな……今何かが…」
「ユリアどうしたの?」
「ん〜……今なんか変な悪寒して…」
「そんな格好してるから冷えたんじゃろ」
「違うもんね〜本当に変な悪寒したの〜」
「きっとなんかあるんだよ。」
「騎士団の皆さん大丈夫なのでしょうか」
「大丈夫だと思うがな」
「ん?またあのお姉さんがどこか行った……」
「頼まれ事ではないですか?」
「大変だよね〜見る限りお姉さん以外女の人居ないし」
「塀の所にいる人達の中にも女の人居なかったもんね」
「うんうん、それにしても動き全くないなら勘違いとかじゃないのかな?」
「油断してはいけないぞ、敵は相手の少しの油断だとしてもその油断した所で狙って来るんのだ。何度も訓練…特訓の時に言ったはずじゃが?」
「そうなの?アベルその時伝わりやすい言葉じゃなかったから分からないや……シェミリーの言葉なら分かるし覚えてるけど……」
「……まぁいいわい。覚えておく事だな。良いか忘れるんじゃないぞ?」
「は〜い」
「うん、分かった」
「大体お主らはもっと訓練特訓が必要が必要なみなのじゃぞ?今日はしないの……?!」
言いかけたその時分からない何かの気配…視線…何かを目標に軽くある殺意を家の中に感じ取る
「……姿を見せてもらおうか…」
「あ、アベル?」
「ど、どうしたの急に…」
「子供達やシェミリーが気付かなかったとしても俺は騙せんぞ、小賢しい真似してないで出て来い」
その瞬間先程迄何も無かったただの空間から人の姿が現れる。
「貴様何故この私の存在を感じ取れた…今までの現すまで気付かなかった愚かな人間共とは違うな貴様は、人間…なのか?いや、人間なのはそこのチビ2人…か」
「お主こそ人間ではなかろう?」
「あぁ、そうだよ。そして私は確かにここに攻めに来た。だけど戦闘する気は無いさ、そう……リューネお嬢様を差し出してくだされば手荒な真似はしないし、外に居る仲間に指示は出さない。」
「リューネお嬢様…じゃと?そんな名前の奴はここに居らぬ!」
「っ……?!」
「リューネお嬢様」その言葉を聞いた瞬間シェミリーが青ざめガタガタと体を震わせ始める…
「シェミリー…?!どうしたの…か、顔…青いよ…体…震えてるよ!…シェミリー…どうしたの…!」
「…これは随分と変わりなさっておりますね……ですが、我がインフェルア家の者である証としてその右手にある家紋…手袋でお隠しなさっておりますが、そちらを見ずともその綺麗な白髪…綺麗で透き通った美しい薄紫色の瞳…1発で分かります…一目瞭然なのですよ。」
「名前の無かったシェミリーがリューネとか言う名前ある訳ないじゃん!!お兄さん嘘言わないで!」
「嘘ではありませんよ…勝手に名前を付けたのは貴方達です。お嬢様はシェミリーなんて言うダサい名前お似合いになりません。」
「っ!ダサくないよ!!リューネって方がダサいし〜っ!!!」
「なんだと?!王妃様が付けたお名前がダサい?!お嬢様にお似合いなとても素敵なお名前だ!!」
「ダサい!!超ダサい!!シェミリーはシェミリーが似合うから!!」
「な、なんだと……王妃様が真心込めて付けたこの美しく素敵な名前をダサいと侮辱したな!!!リューネお嬢様はどんな手を使っても渡して頂く!王妃様の御命令だ!!」
「うるさいうるさいうるさい!!!!シェミリーは…シェミリーは渡さないんだから…絶対渡さない!!」
「ならば二度と口を開けなくするまでだ……サンクションズ・ファングズ!!」
「!…家の中で攻撃してくるなんて何考えてるのお兄さんは!シールド!」
「…こんな狭い家の中じゃ両方が不利だ。1回外に出ようではないか、そこで受けて立とう。のぉ?レオンよ」
「僕達が勝てるなんて正直このお兄さん相手には思えないけど…受けて立つよ…」
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「ここならば弱っちい剣士共に邪魔されない。思う存分やり合おうか、まぁ…こんなチビ2人に負けると思えないがな」
「僕達はいつでも準備出来てる!来るなら…来ていいよ」
「子供だからって手加減はしないからな!」
「上等!!僕とユリアも本気で行く!負け惜しみ等はしない!絶対にね!」
「子供だからって甘く見ないでよ!少しぐらいお兄さんに抗えるんだからね…」
「その威勢もすぐ散る癖に生意気なっ……ジャッジメント・オブ・トルース!」
細い線のような物が2人に向かって勢いよく飛び出して行く
(バリアも…シールドも絶対効かない…!なら…私は取得したてだけど…実戦に使えるかは確認するのに丁度いい)「アイオン・ウォール・ウォール!」
(?!……いや……まぐれ…まぐれに決まっているあんな子供にあれは取得困難のはずだ…動揺するな!反撃だ…)「防いだみたいだがな、子供が防いだ所で耐性率はだだ下がりなんだよ。カウンテラタック・ブレード!」
(今…一瞬だけど動揺…した?僕の勘違い…?いや考えてる時間はない…防がなきゃいけないんだ)
「きゃっ?!」
攻撃の勢いに押されユリアはしりもちをついてしまう
「やはり子供は子供ですね。子供らしくおもちゃで遊んだり外で走ったりして遊んでいればいいものを……可哀想な子達ですね」
その瞬間を見てクスクスと笑みを浮かべ睨んでくる。
「!……可哀想とか言うな!!笑うな!!僕達を笑うな……」
「事実でしょう?そっちの方から挑んで私の弱い攻撃にやられるようじゃ……強がりもいい所」
「つ、強がりじゃないもん!!!最後まで挑まないと結果は分からないんだよ!私達が勝てるなんて思ってないけど最後まで挑戦するべきじゃない!」
「無理無理。これ以上やっては弱いものいじめ…とか言いますから何十年何百年も挑むのが早かったんですよwそれに強がり以外の何がある?じゃぁ答えてみてくださいよ…無理ですよねぇ……無駄な足掻きで邪魔なんか無理でしたね。それではリューネお嬢様行きましょうか」
「っ!!…嫌です!もうあそこには帰りません…!私は…リューネはここで暮らすと母様に伝えてくださいっ…!!」
「無理ですよ。必ず帰って頂きます。」
「嫌です…!私はもうあそこに帰りません!」
「ダメです!!絶対に帰って頂きますよ!王妃様がおっしゃられた事は必ずしも実行する。それが私達です。」
「私は……嫌です…帰りません…ここがいいんです…あんな家に帰るぐらいなら私は人間になります!」
「なんですって……人間にっ?!」
次回へつづく・・・