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Sランクとバトルして。

 そしてあたしは何故かスライム形態でボール遊びされているわ。まあいいんだけど。これあたしはキャッキャウフフしてることになるのかしら? 理不尽ね!


 まあその後は農園巡りしたりスライム館でもちもちされたり触手でペシペシしたり皆でレストランでご飯食べたりしたから楽しめたんだけどね。


 さて、楽しみと言えば遂にSランク冒険者が四人、王家の護衛から二人が集まってあたしの相手をしてくれることになったわ。


 四人と言っても一人はアイモルネーさんだけど。

 他は電撃のカーマインさん、毒殺のゾンゲさん、剣聖マヒュートさんという三人。護衛は例のニンジャさんこと冥糸のカザンさん、その後輩だという一撃拳のアンさん。この人がかなり強そうだわ。魔力自体はカザンさんに劣るけど、護衛だから近衛騎士だと思うんだけど頬に傷が有るし目付きもキツい。この人は赤い髪と瞳をしてるわね。


 冒険者たちも当然ヤバい感じね。カーマインさんは二メートルくらいあるマッチョさんで何故か上半身裸だわ。金髪をオールバックにしてヘーゼル色の瞳、そして何故かポージングしているわ。

 ゾンゲさんは身長は百四十くらいでかなり小さくて猫背で、強そうに見えないわね。武器もナイフと……暗器持ってるわね。あたしには見えてるわよ。

 最後がマヒュートさん。剣聖っていうと侍のイメージだけど見た目は普通に騎士ね。銀の長髪に銀の目だわ。ずいぶん大人しい印象で女の子かと思ったわ。


 六人相手はなかなか厳しそうだけど、Sランクが自由に技を出したら同士討ちになりそうよね。


「今日はよろしくね、楽しませてもらうわ」


「楽しませる」


「あらー、可愛い女の子ねぇ!」


「カーマイン、油断してはいけない」


「分かるわよお、強い気配めちゃするもの」


「……スライム苦手だ」


「僕の剣で斬れるかなぁ……」


 冒険者たちあんまりやる気無さそうね。まあ実際にやり始めたら本気出すでしょ。


「今日はよろしく頼み申す」


「よろしくねカザンさん、無理言ってごめんね」


「きゃー、先輩先輩、めちゃ可愛い子じゃないすかー! お姉さんと良いことしましょー!」


「落ち着けアン……」


「勝ったらもちもちさせてあげるわ!」


「ふおー、テンション上がってきたーっ!!」


 変態っぽいわ。大丈夫かしらこの人。


 改めて見ていくと、まずはアイモルネーさん、この人はかなり厄介だわ。爆風系の魔法ってかなり体を削られる。Sランクだけあって狙いは正確だしショートジャンプの魔力ラインを断てる程度の力は有るわ。正直あたしを殺せるとしたらこの人ね。

 次がカーマインさんか。戦い方が分からないけど雷撃系って昔倒したわね。……正直直に雷撃を叩き込まれると不味いんだけどこの人明らかに打撃系だわ。

 不気味なのがゾンゲさんね。どうみても強そうじゃないのにビシビシ強い魔力を感じる。トリッキーな手を隠し持ってると見たわ。

 冒険者最後の一人、マヒュートさんか。この人魔力はそんなでもないけど剣聖と言うからには弱くはないはずよね。実際に風格みたいなのを感じる。あたしは斬撃に強いスライムボディだけど甘くみれる相手でも無さそうよ。


 王国側の二人はニンジャさんことカザンさん、んー、この人強いとしか分からないのよね。何をしてくるか分からない。恐らくは王国どころか大陸でも最強クラスだと思うのよね。赤の星でもなかなか出会えない実力者だわ。この人ならマンツーマンでもあたしを倒せると思って望まないとね。

 最後に一撃拳のアンさんね。カザンさんが連れてきた時点で舐められない相手だわ。カーマインさんと同じく体術系みたいだけど、あたしに近づけるかしらね?


 全員を観察し終わったところでギルドマスターのアランさんが出てきた。試合開始かな。


 ふむ、まああたしの戦術はこうね。

 いきなり地面に潜り込む。何人か反応して強力な攻撃を放ったみたいだわ。お上手ね。無駄に魔力使っただけだけど。


 地中からストーンランスを放ちまくる。現実に一対多って不利が多そうに見えても逆に味方が多い方はフレンドリーファイアが怖くて大技は放てないし、逆に私の方は的が多いから乱射系の技でも相手にダメージを与えて相手方の足手まといを増やせるのよねぇ。

 さて、たっぷり土を食べたから姿を表してあげるとしますか。もうあたしの勝ちな気はするけど油断はしないわよ。


「ほうっ!」


「ん?!」


 この人、ゾンゲさん? 出てきたところを後ろからナイフで斬りつけられたわ!

 あたしが出てくるのを読んで攻撃を仕掛けてきたわね。毒殺とか言ってたし根暗な感じだったけど反応も行動も速い!

 それにこれは……なんか塗ってるわ!


「乾燥剤?!」


「スライムには有効!」


 なるほど、やるじゃない!

 まあすぐにクリアするけどね。


「そこを退きなさいゾンゲちゃん! エレクトリックヒップドロップ!」


「なんか飛んできたーっ!?」


 六人もSランクがいたら大技は放ちにくいのは現実だけどこういう突貫もあるわよね。味方のダメージをある程度気にしないで大技を放ってきたわ。ただお尻から飛んでくるんじゃ無いわよ!


「躱されたあっ!」


「躱さなかったら酷いことになったわよ! 幼女がお尻の下敷きだわ!」


「幼女座布団とか素敵ね!」


「誰だこの変態連れてきたの!?」


「参る!」


 うげっ、一番ヤバいカザンさんが突撃してきたわ!

 王国最強戦力が奇襲……まああたしの体物理攻撃はほぼ効かないけどね。

 って全身に糸を巻かれたわ! 速い! しかもこの糸なんか熱いわ!

 全身がスライスされる前に脱出。スライムの体を縛るのは無理ね! 焼き付いたら分かんないけど。

 脱出した、と思ったところでマヒュートさんが来たわ!


「ふんっ!」


「うわあっ!」


 銀色の閃きが見えたと思ったら次の瞬間に一瞬で全身がスライスされたわ! まあ治すけど!


「ヒール!」


「ノーダメージとか困るんだけど!」


「ノーダメージじゃないわよ! あたしにヒールを使わせたもの!」


 斬撃にカザンさんの糸より高い熱量があってスライムボディでも回復できなかったから、瞬間的にヒールをかけなかったらあたしは水溜まりになっていたはずよ。剣聖馬鹿にできないわね!

 敵の数が多いからいつまでもこの子と向き合っていられないわ。ショートジャンプで空中に!


「ライトニングヒップドローーーーップ!」


「またなんか飛んできたー!!」


 上空に回避した瞬間にカーマインさんが飛んできた! 常にお尻から飛んでくるんじゃ無いわよ! 槍を刺してやるわ!

 本気だと爆散してリザレクションが効かないから手加減しながら石の槍を刺すわ!


「あふん!」


「気持ち悪いわ!」


 同性愛はいいんだけどこの人、何故かダメージを与えていない下半身まで裸になっているのよ! ひょっとしてノクターン案件かしら?!


「私も遊ぶ。神撃」


「うわああっ!!」


 やべっ、神撃がかすったわ! 体内の魔力をごっそり持っていかれたわね。今のところあたしの方がダメージ多いか。これはあたしも本気を出さないと駄目かしらね?


「王水の霧を受けなさい!」


 体から一気に王水を霧にして吹き出す。あたし以外ではまず耐えられないはず……なんだけど、流石にSランクとなるとこの程度の攻撃は役に立たないらしい。毒殺のゾンゲさんが霧を集めて瓶詰めにしちゃったわ! 風魔法ね!


「オレは月属性。まやかしは効かない」


「まやかしでもないと思うけど?!」


「食らうっす、スターブリゲイド!」


「うおっ!?」


 アンさんから、一撃拳とか言いながら星のような数の閃光が拳の一振りと共に飛んできたわ!! これは反則よ!!

 流石に躱しきれずに体が幾分か吹っ飛んだわ!!


 これは少し本気を出して良いパターンね。


「何人か死んだらごめんね!」


「死にたくないですけどおっ!?」


 おっ、アンさん良い反応ね。まあ死んでも最後にリザレクションすれば良いわよね。行くわ。






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