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決闘になって。

 ダンジョンはもうすぐオープンできると思うのだけど、ユキメ分体たちを作って最終調整させる。スライムや強めの魔物、河童農園とか、詰めるところがたくさんある。改良を進めながら経営していけば良い、その段階まで持っていかないとね。


 ただ、学園の方が少し騒がしかったりする。やはりモンスターや亜人を排斥しようという貴族がいるようだ。その中のリーダー格と思しき人物が絡んできた。まあ学生だから遊びよ、遊び。


「私はロビー・ハチェートと申します」


「ん? なんか用?」


 ルシアは今トイレに入ってる。隙を狙ってきたつもりだろう。隙とか無いから。ルシアにはボタンサイズの超小型分体を着けてある。大きさの調整も可能だしルシアの倍くらい強いし、分体と本体は入れ換えも可能だ。ちなみに現在本体が学園に来ている。


「我々は魔物や亜人との和解を考えております。どうかお話を聞いていただけませんか」


「嘘だね。まあしれっと嘘つくね貴族は」


「嘘という証拠は?」


「宗旨変えなんてのはね、そう簡単にできないんだよ。親もいるしあんたたちが変えたって言ったから全部変わるわけないだろ」


「……単細胞のくせに」


 お、なんか不良っぽいのが聞こえないと思って言っちゃならんことを言ったね?

 悪口ってのは自分で言う分には良いけど他人が言っちゃ駄目なんだよ。まあ聞こえてない振りするか。ちなみに千里眼と同じ範囲の音は拾おうと思えば拾えるよ。うるさいから拾う音拾わない音は選ぶけどね。


「では、決闘を申し込みます。勝てばお話を聞いて(・・・)もらうと言うことで」


「負けたら?」


「できるだけ魔物や亜人との共存派を次期当主にしましょう」


「アホか。そんな曖昧な条件飲めるか。そうだね、今ここに集まってる二十五人は負けたら奴隷身分に落ちること」


「そんな、それは無理です! せめて十人が平民では……」


「とかげの尻尾かよ。舐めてんの? そもそも受ける義理がねえわ」


「くっ、では十人が平民落ち、残った者たちは貴女の聖女認定を個人的にでは有りますが認めます! 公表もいたします!」


 おっ、わりと破格な条件だね。つかあたしの聖女認定が嫌で突っかかってきたのね。それにしても大人数でこんな可愛い幼女スライムをリンチとか、その時点で恥も外聞も無いわね。まあエルダードラゴン瞬殺って聞いてたらそうなるのかしら?

 聞いて(・・・)、って言うのも解釈の問題でいくらでも言うことを聞いてもらうとも取れるのよね。

 まあでも約束破れるんだよなぁ。契約を強制する魔法術式なんて無いし。どこで破ったと判断するか曖昧だし、そもそも魂を縛る(すべ)はこの世界には無い。まあいっか。


「契約書書いて署名と捺印よろしくね。一般に落ちる十人の名前も書いて二十五人全員の魔力紋登録もしてね?」


 これなら貴族はプライドがあるから破りづらい。紙が安いからあたしならいくらでも喧伝できるしね。魔力紋は変えられないから契約違反すれば公表すればいい。目の前で魔力紋登録させないと意味はないけど。代わりに奴隷に登録させるとか逃げる手は有るからね。


 で、ハチェートっちは愚かにもこの契約を飲んだ。伯爵嫡子らしいからかなり影響力有るよね。


 そもそもあたしが決闘に負けるわけないだろ。魔王舐めんな。でももちろんせこい手考えてるよね。楽しみにしておきましょう。


 たぶんこいつらの目的は亜人の奴隷化だね。この国では亜人の奴隷化禁止ばかりか使役獣に対しても友好的に振る舞うように法律が決まってるから下手したら国家反逆罪なのは分かってるのかね。まあ緩いんだけどね、この国の法律。赤の星の方が緩いけどね。


 楽しみにしてた決闘の日。ルシアは邪魔だから来させなかったわ。そもそも話してないしね。

 中庭とかでやるのかと思ったら立派な闘技場ね。赤の星のコロシアムと変わらないけど、懐かしいわね。青い空が広がってるわ。


 ちなみにコロシアム全体に魔物封じの結界張ってるからその術式を、人間が一週間ほど全身ダルくなるように書き換えておいたわ。要らないけど見た目は元の術式に見えるように書くのが面倒だったわ。赤ノート先生がいなかったら投げてたわね。

 最近のあたしって賢くない?

 え、幻覚?

 即死の呪いにもできたんだからね? あたし優しいよねー。同じことだけどね。


「では、アザレアさん、決闘を始めますか」


「はいよー」


「始め!」


 かっこいいねえハチェート君は。でもお前終わったぞ。雑魚共は喜んでいるけど数秒後にどうなってるか。ハチェート君は初手は間違ったけど迂闊なことはあまり言わないね。馬鹿でも貴族だわ。

 コロシアムの術式が発動する。


「くくく、馬鹿め、動けまい……なんか、だりぃ……」


「なっ、これは……?」


 踊れー。ストーンランス乱れうち~。あはは、あんよが上手、あんよが上手、さすが貴族ね、ダンスが上手いのね!

ちなみにこの結界は戦闘が終わると自動的に消滅する。

 さて、終わらせますかね。正気全削り魔力の矢ー。一発で全員の脳にバラバラと命中させたから全滅ね。まあ魔力一番高くて二千五百だから余裕だわ。


「あひゃひゃひゃひゃっ!」


「ふんごー、ふんごー!」


「ぶひひー、てんしぃー!」


「がばばーっ!」


 一人ずつ正気を戻して仲間の惨状を見せて敗北を認めさせて正気を奪い直して、を、二十五人分繰り返した。録画済み。やっぱり貴族のボンボンよええな。もっと遊んでおけば良かったわねー。失敗失敗。

 聖女認定よろしくね。あ、今からでも遊べるかしら。


「ハイは?」


「くっ、不正に付き合えるかよ!」


 ハチェート君と交渉してるのに知らない不良っぽいのが噛んでくるな~。死刑。できるだけ惨たらしくストーンランスでミンチにするわ。


「な、なんてことを! この魔物がー!」


「リザレクション」


「ぐっ、ああ?」


「は?」


「あんた失礼だねえ。魔物が何だって?」


 もう数人おもらししてるわ。この人たち本当に膀胱病気なんじゃないの?


「次に臨死体験したい人~」


「神よ……」


「気軽に芦田さんに頼っちゃダメよ? 可哀想でしょ、あんたらみたいなのが億単位で頼みごとして叶えなかったら神を呪うとか神は死んだとか言われるの。神様をもっと思おうよ?」


「ゆ、許してくれえぁ……平民なんか無理だあぁ……」


「契約は守らないとね、貴族なんだから」


「すまん、ユレーズ」


 お、ハチェート君契約は守る気か? まあハチェート君の名前平民になる契約に入ってないからねぇ。そこはあんたが責任取るところだろ。こいつ貴族だなぁ。青すぎるけど。

 ちなみに顔だけは誠実そうで青い目に茶髪だ。このハチェート君は遊べそうだねえ。あ、聖女認定ちゃんと公表しなさいよ。実際奇跡見せたわよね? ただの拷問とも言うけど。


 こんな雑魚と決闘しても仕方ないのよ。あ、冒険者ギルド行こう!

 ちなみにあたしが決闘したことはみんなにすぐバレてモチモチ折檻されたわ。解せぬ。


 ルシアやイリスやカリーナやクレス君に、ソラ王子様とスノウ王女を連れて冒険者ギルドに行くよー。ちなみにだっこは王女様から順番らしい。決闘が始まりそう。人化形態だからスライムバスケットちゃうから! ちなみにスラバスだとスライムダメージが出なければ相手からスライム奪えるしインターセプトもできるよ。ダンクのスライムダメージは死ななかったらノーカウント。死んでもリスポーンするけど。だから今はあたしボール形態ちゃうからー!


 王都は、すごいにぎやかだなー。ちなみに魔力感知で分かるけど王子様たちにはニンジャが護衛に就いてるから安心だよ! そもそもあたしがいるから大丈夫だわね。でも魔力二万とかの護衛いるわ。王族こわっ! 冒険者なら問答無用でS超えね。ちなみにその人あたしの強さに気付いてガクブルしてるけど、そこは誇るべきだと思うんだよねえ。大抵あたしの強さに気付かないもん。


 えへへ、Sランクとあの人混ぜて戦いたーい! 絶対実戦経験値貯まるでしょ。ちなみにダンジョン作ってるから魔力四万超えてるわ。魔神最下位で相性が良ければ赤の星でも勝てるかも? それは無理か。青の星の魔神はたぶん武闘派の二人を除けばジルドさんに勝てないレベルだと思う。

 おっと、まずはSランクとの戦いか。うへへへ。ん? あたしは戦闘狂じゃないわよ。






 この章も閑話あと二話で終わります。ストックが全然できてないのでお待ちくださいね。




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