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王族に呼ばれて。

 ダンジョン作りは本体が進めてるから分体あたしは常に本体と交信しながらルシアを見守っているわ。本体がダンジョンに隠ってるのはルシアたちには忘れられがちね。まあダンジョンができたらみんな喜ぶはずよ。今のうちに水着の手配とかさせておくわ。イリス分体には食料とか家具とかを確保させる。王都は好景気になりそうね。

 不埒な冒険者とか青の星の方が多そうだからできるだけ深く掘るし、スライムしか通れない通路とか河童しか通れない水路とか作りまくるわよ。コアルームはまだ発生してないけど時間の問題だわ。あたしの魔力が莫大すぎて怖いわね!


 資金調達はドラゴンを二、三体狩ったりオリハルコンインゴット合成してオリハルコンソードとか作れば王侯貴族が湯水のようにお金を使ってくれるわ。うふふ、出所は分からないようにイリスに幻覚を使わせてるわ。


 とりあえずリゾートコース、冒険者コース、ナイトメアコースの三本は作るとして、……イリスの分体はコアができなくてもリスポーンするのね。あたしの分体もあたしの魔力があればリスポーンするみたいだわ。クレリンたちも大丈夫ね。名前さえ付けとけば。


 駄目だわ、ダンジョン作りが楽しすぎる。学園に意識を向けないと駄目よね。どうなってるの分体あたし!

 やっぱりルシアが首席よ、本体あたし! やったわね!

 ルシアがわりとすらすら入学生代表答辞を読み上げてちょっとムカつくわ。あ、在校生の代表祝辞は第一王子様だったらしいわよ! ちなみに同学年にも第二王子様とか第一王女様とかいるわ!

 なにそれ楽しそうね! こっちも楽しいけど後で合成して記憶共有しなさいよね、分体あたし!

 分かってるわ、本体あたし!

 今はサリナ学園長とかいう赤毛の美人が長々と話してるけど学園生はみんな平等だとか言ってるわね。貴族も王族も平等らしいわ。まあたぶん建前ってやつよね。この人も王族らしいわ!


 で、ルシアはいきなり呼び出しを受けたわ。在校生代表を勤めたクモール・メイシャー王子様ね。第一王子だけど側室の子供だから嫡子では無いらしいわ。王族を落とし穴にストーン、とか楽しそうね! あ、カリーナが着いてくるみたいだから無理だわね。悪い人じゃないことを祈りましょ。王子の正気度をチェックするのも無理そうだし。


 なんかサロンとやらに連れてこられたわ。貴族も平民も扱いが変わらないとか言いながらこういうお金がないと使えない施設を置いてるのはどうなのかしら? まあルシアがお金に困ることなど無いけどね。いざとなれば国宝級装備も出せるわ。


「やあ、ルシアさん、よく来てくれたね」


 王子様は銀髪に碧眼よ。かなりかっこいいわ! あたしわりと銀髪とか好きよね。ルシアもさすがにもじもじしてるわ。ルシアも年頃の女の子なのねぇ。

 後ろに控えてる二人は王子と王女だわ。ルシアと同級生だから紹介するつもりみたいね。

 ソラ・メイシャー様とスノウ・メイシャー様だって。白雪姫ね! めっちゃ可愛いわ!

 銀髪に蒼い眼なのは三人とも共通なのね! どうしよう、写真はなんで無いのよ! あ、魔道具屋に画像記録装置が有るらしい! 買うのよ分体! ラジャー本体!


「君とクレスにはしてやられたよ。嫡子なのに三位……残念王子とか呼ばれそう……」


「ソラは実技を頑張れば良いのさ。まあルシアさんの使役獣が強すぎるけどね」


「それ実質実技も勝てないって言ってるから。ドラゴンを召喚できて喜んでた自分を殴りたい」


 ずいぶんとフレンドリーな王子様だな、ソラ様は。見た目はショタだし。でも友好的で良いわね。スノウ様も目をキラキラさせてるし。う、まぶし! ちょっと低身長だけど胸は大きいわ。その部分はルシアの敵ね! スライムにとってはぷるぷるするものは仲間よ! ちなみにスノウ様とクモール様は同じ母親らしいわ。ソラ様と双子じゃないのね。むっちゃ似てるけど。


「ルシアさんはハイエルフだからエルフの王族の血が入ってるはずだけど、他国の王族を平民扱いする貴族もいくらかいるんだよね。そういうのいたら決闘とかしてぼこぼこにしちゃってね。うちは亜人差別禁止だから」


「他の種族の人に頼るんじゃ情けないよ兄さん」


「まあ私がその場にいれば対処するけどね」


「お兄様は未来の宰相候補だから凄く目端が利きますから安心ですわよ!」


 お、スノウ王女様元気キャラだわ。可愛いわね~。お友だちになって欲しいわ。でもモンスター大丈夫なのかしらこの人たち。少し聞いてみようかな。


「すみません、王族の方に直言する無礼をお許しください」


「ん、何かな。アザレアさんだっけ。学園ではそんなに気張らなくても良いよ」


「あたしは魔物ですが?」


「あんまりそんな感じしないし大丈夫だよ、私たちはね。召喚した魔物を大事にできない人はクズ扱いされるしね」


 んー、このクモール王子って嫡子じゃないとか言いながら三人のリーダーみたいな感じだわね。信頼されてるんだわ。それにあたしがリザレクションを使える情報は知ってるはずなのにそこには触れなかったわね。あたしを守ろうとしてるんだとは感じるけど。

 まあ直言して構わないなら聞きましょうか。


「この青の星では魔物の召喚がどう扱われているのか気になりまして。教えていただけないものでしょうか」


 うーん、あたしならこの三人を瞬殺できるからちょっと上からになってる気がするわ。まああたしも魔王だから良いんだけどね。


「はっきりと言うなら、召喚は魔力の無駄だと思うよ。青の星の魔物を使役すれば済むはずなのに何故か赤の星から誘拐するようなことをしているんだからね。私の使役獣はデーモンなんだ。子供でね、最初は凄く泣かれた。……私たちのしてることは最低だと思ったね」


「そう思ってくれる人がいるのは幸いですわ」


 う、うーん、このクモール王子様、名前はアレだけど凄く理想的な王子様だわ。逆に恐くない?

 赤の星の魔物の方が強いから召喚が全くメリットないなんてことはないのよね。理不尽な誘拐なのは事実だけど、あたしはあんまりルシアに誘拐されたとか感じてないんだわ。今や友達感覚だし。でも召喚は誘拐とあたしが言ったことが情報として伝わってるんなら怖いわね。逃げも隠れもしないけど。


 そのあとホームルームが始まるので一旦解散になったけど、ソラ王子様もスノウ王女様も成績優秀だから同じ教室、Aクラスなので仲良く喋りながら教室に向かう。あたしも何故か普通の女の子のような扱いだわ。スノウ王女様はずいぶんとあたしの容姿が気に入ったらしく交渉の結果抱っこされて運ばれてるわ。ちなみに二人の使役獣はドラゴンとかペガサスなので教室には入れないらしい。あたしはルシアのなのだけどスノウ王女様に人間形態だけどもちもちされながら運ばれてるわ。ぷるるん。


 ちょっと分体あたし! なにうらやましいことしてるのよ!

 本体あたしだってダンジョン作り楽しんでるじゃないの!

 こっちは仕事なのよ! あたしも可愛い王女様ときゃっきゃうふふしたいわよ!

 やーい本体、悔しかったら早くダンジョンオープンするのねー! ベロベロー!

 きいぃー! 悔しいー!!


 ダンジョン建設が急ピッチになった瞬間である。スノウ王女様と水着でスパできゃっきゃうふふしてやるわ。覚えてなさい分体!

 ぬぬう、その時はあたしが王女様を案内してやるわ!

 きいぃー! そんなの許すわけないじゃないの! 分体合体してやるわ!

 まあそれなら二体とも一体になって楽しめるけどね。

 何を上手いこと言ってるのよ! 分体には楽しい記憶なんか与えないわ!

 主導権奪ってやるー!

 駄目ね、自分と喧嘩するとどこまでも泥仕合になるわ。まあ王女様ときゃっきゃうふふは二人で楽しみましょう。仕方ないわね。


 カルさんがいればもっと楽しいのに、ね。カルさんは赤の星で楽しんでるかな……。赤の星のあたしの分体に期待だわ。

 おっと、コアができたみたいだわ。アザレアダンジョン青の星支店、開店ね。






 次回、インテリスライム色々考える。


アザレア「ほら、あたしってもともと賢いじゃない?」


カリーナ「あはは、面白いジョークだな」


アザレア「ちょっ、目が全く笑ってないわよ!?」


ルシア「アザレアにはストッパーが必要だと思うぅ」


イリス「無理。いない」


アザレア「そもそもあたしより強い人ってだいたい悪のりするわね。止めるのはブレイズさんくらいかしら。あの人もたまに悪のりするけどね」


カリーナ「関係ないけど魔神級を滅ぼす力が欲しいわ」


アザレア「殲滅される?!」




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