表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/72

王都に着いて。

 PVが増えております。有り難う御座います!

 よろしければブックマークや評価をお願いします。ネタはだいぶたまりました。このお話長くなりそうです。

 ルシアは無事に昇格試験を終えて、あたしたちは次の町、サンスリーに向かった。そこで正式にCランク認定を受けるらしい。一流冒険者の仲間入りだ。


「ううう、うえええぇ……」


「ちょっと、ルシア泣きすぎよ!」


「だってぇ……万年Fランクで食べるのも困ってたのに一流冒険者の仲間入りだなんてぇ……」


「Cで一流なのねぇ」


「Cからは試験を突破しないとまず上がらないからな。天海嘯(そらつなみ)を単独で抑えるとかすれば特例は有るが」


「あたしの力を加味すれば」


「駄目だからな? それはさすがにルシアのためにならん」


 なんだ、残念ね。まあルシアなら頑張れば数年でSに行くでしょ。基礎的なスキルは高いのよね、この子。回復魔法も教えたらグレーターヒールやキュアオール覚えちゃったし。基礎魔力が低すぎただけでスキルや魔力感知は種族特性で一流なのよね。

 そもそもマンティコア並の敵を単独撃破でCって、考えてみるとかなり厳しいわね。まあ普通はパーティーで挑むらしいけど。


「そろそろサンスリー砦町ですね。次のフォーシーを越えればメイシャー王国の王都、ウーゴですよ」


「クレス君って解説役似合うわ……」


「何か言いました?」


「何も言ってないわ。幻聴ね」


 全くあたしの周りの人は幻覚や幻聴が多すぎると思うわ。幻覚フィールドでも張られてるのかしら?

 這い寄る混沌の称号のせい……では無いわね。あたしが酷いだけね。


「ルシアは今までどんな暮らししてたのよ。スライム並みに弱いっておかしいわよ」


「モリー……田舎では部屋にこもって本ばかり読んでました……病気だったので……」


「部屋がダンジョンになりそうね……。ダンジョンメイカーのスキルが無いと魔力が逆に逃げちゃうのか……」


 それでもおかしい弱さだけどね。病気だったってことは体質のせいとかも有るのかも。前世のあたしも体質には苦しめられたものね。

 ルシアを助けられて良かったわ。自分のトラウマが一つ解消された気がする。


「ううぅ……」


「嬉しいときは笑うものよ、ルシア」


「はいぃ……アザレア……有り難うぅ」


「おかしな子ね、魔物にお礼なんて」


 残酷スライムには過ぎた評価だわ。あたしもまだまだ魔物になりきれてないのね。


「アザレアは聖女。みんなを救う」


「かなり酷いけどね」


「それも事実」


「なによぅ! イリスもカリーナももっと素直にあたしをほめなさい!」


「もちもち感は素晴らしい」


「イリスはもちもちしすぎよ!」


「もっちゃりもっちゃり……」


「ルシア! イリスが移ってるわよ!」


「お、これはなかなかのもちもち感だね」


「カリーナももちもちするんじゃないわよ!」


「僕も……」


「させるかぁ! クレスはムッツリね! ムッツリクレス!」


「そんなぁ」


「くあああぁ」


「スカイはあたしがもふる! もっふもっふ!」


「もふもふもいい」


「スカイは私のだからね? もふもふ」


「きゅあああぁ!」


「僕ももちもちもふもふしたいよぉ……」


「きゅうううぅ」


「え、良いの? もふもふ」


 あら、スカイったら優しいわね! あたしをもちもちしたら殴るわよクレス君。男はみんなエロイのね! まあたまにはもちもちして良いけど?


 そんな風にスカイに乗ってみんなで移動したわけだけど、もちもちされたりもふもふしてるうちにあっという間にサンスリーに着いたわ。スカイとはしばらくお別れね。もふりたりないから名残惜しいわ。


 サンスリーの町並みは今までと違って少しゴツゴツしてるわね。要塞だわ。ここからは王都まで天海嘯(そらつなみ)対策で要塞ばっかりらしいけど。

 やっぱり普通のファンタジー世界とはだいぶ違う気がするわ。他の世界なんて物語でしか知らないけど。前世ではそんな本ばかり読んでいたわね。ルシアと変わらないわ。SFとか書いたらこの世界の人も読むかも?

 ホラー好きだったのよね。書こうかな?


「おめでとうございます、ルシア様、本日よりCランクに認定されます」


「やったぁ!」


「おめでとう、ルシア!」


「おめでとう」


「おめでとう! ルシアさん!」


「よく頑張ったわね!」


「わたしぃ、アザレアに出会えて幸運だったぁ……」


「まあ、それなら良かったわね!」


 まあCで終わらないと思うけどね。実力的にはA超えそうだもの。ちょっとチンピラ貴族とか絡んでこないかしら? 絡むなら泣かせてみたいバカ貴族。天下を取れそうな俳句ね!

 俳句を詠んだら介錯されるかしら?


 周りの冒険者たちは普通にルシアを称えてくれてるわね。良い人たちがいるじゃないの。まあ王都に近付くと雑多な人が増えそうだけど。

 おっと、敵意もいくらか混じってるわね。まあそう来なくてはあたしが面白くないわ。スライムに変形してみよう。


「スライムはやっぱり最高よね!」


「え、なんでスライム形態にぃ?」


 それは悪意を向けてくる奴らを挑発するためよ! 言わないけどね!


「特別にもっちゃりさせてあげるわ!」


「やったぁ!」


 ルシアにもっちゃりされながらギルドを出る。キメラゾンビ退治は緊急依頼だったから報酬をけっこうもらえたみたいよ。小金貨で一枚くらいだけど、青の星でも大金だわ。

 天海嘯(そらつなみ)の後は物価は下がるみたいだから豪遊しても余るわね。

 悪意を持ってる奴らはもちろん簡単に釣れたわ。……ルシア、もっちゃりし過ぎよ! 縦に横に伸ばされてるわ! 痛くはないけどね!


「おい、そこのチビエルフ」


「何ですかぁ?」


 ん? なんかルシア、敵が来てるの分かってたみたいな反応ね。しかも雑魚なのも分かってるみたい。かなり感知力が成長してるんだわ。これは見ているだけが楽しそうね!


「こんなモヤシがCランクだとよぉ!」


「何か不正したんだろーよーおー」


「お詫びに酒でも奢ってもらおうぜいぇいぇ!」


「酌もしてほしいんだな。その後はしっぽりみんなで楽しむんだな!」


「楽しみじゃーん! じゃじゃーん!」


「お前らしゃべり方治せよ……」


 なんか変なグループだわ。ルシアはどうするかしら? ん? あたしを掴んだわ!


「スライムパーンチぃ!」


「べぼっ!?」


「おいいい!!」


 ルシアの奴、あたしで五人組のリーダーの二メートルくらいの男にパンチしたわ! あ、あたしがこいつらを釣ったのが分かってるから復讐?! やるようになったわね! Cランクになったから?!


「スライムパーンチぃ。パーンチぃ。パーンチぃ。パーンチぃ」


「ちょまっ、るしあ、うぼっ、あぱっ!」


「あっぎゃーあーぎゃーあー!!」


「ぼへええええっいぇっいぇっ!?」


「ぐらああああああなんだなーっ!!」


「ぐえーじゃーんッじゃーーんッ!?」


「ちくわ大明神」


「しゃべり方……ガクッ……誰だ今の」


 全部一人で伸しちゃったよ。なんか可哀想だから埋めとくか正気を抜くか迷うわ。楽しかったから衛兵に突き出すだけでも良いけどね。


「ルシアはずいぶん強気になったね……。まあ良いけどさ」


「育てすぎたかしら?」


「あ、衛兵さん呼んできますね!」


「クレス君のパシり具合が酷いわ」


「悪いやつ、遠慮いらない。えらいルシア」


「えへへぇー、やりましたぁー」


 これルシアにあたしの狂気が伝染してたりしない? 魔力ってかなり精神に作用するものね。う、うーん、ところでなぜあたしで殴ったのよ。別にダメージ無いけど。触手で二、三回お仕置きしたけど嬉しそうだわ……。


 あたしたちはそのままフォーシーの町に向かい、そこで一泊して王都に向かうことにした。この辺りはどこも天海嘯(そらつなみ)に備えて防備を固めてるから石畳や石壁ばかりで、ゴツゴツしてて可愛くないわ。

 ルシアのCランクのお祝いに依頼の報酬で贅沢して、翌日もうきうきとした足取りであたしたちは王都に向かう。


 やっと到着した王都。ここではどんな物語があたしたちを待っているのかしら。


 なんか成長したルシアがあたし以上に争乱を巻き起こしそうで心配ね! あたしは今回は酷くなかったと思う!






 次回、学園に行くわよ。

 酷いスライムがもちもちされまくるわ。いつものことね。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ