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計略スライム、デニス子爵をズタボロにする。

 さてさてさーて、みんな楽しみにしてたでしょ?


 マッチポンプで奴隷の心を操って好き放題している善良な子爵様(笑)をギッタンギッタンのズタボロにしちゃうわよ。面白いからこの回は見ないと損よ!


 さて、ことの顛末をまとめるわね。

 ある日あたしがナンパしたプリティーなインプの三人娘は危うくヤのつく人の事務所に連れていかれて娼婦にされそうになっていたのが発覚! いや、最初から分かってたけど、怒り心頭のあたしがヤのつく人を尻子玉まで奪って全滅。全ては土の中。なかったことになったわ。

 そんで三人娘とデートに人身売買してる事務所に向かうとハッピーなピープルがお出迎えしてくれたので虐殺。そこで見つかった書類がヤバイのばっかりで、この国をまとめている魔神カル・ダモン様が粛清命令!


「粛清とかいってないよー」


 まあ、カルさんたら責任逃れ? まあこの街名前は分からんけど腐りきっていたのね? 奴隷を扱ってた商家を潰すたびに出るわ出るわ、膿の山。

 こりゃもう我慢なんねえとデニス子爵家に乗り込んで、いざ面会、ここまでが前回のあらすじね。なんか色々端折った気はするわ。


「嘘と嗜虐に満ちている」


「酷いわ!」


「確かにアザレアは酷い」


 ちょ、イリスもブレイズさんも酷くありませんかねえ? 酷いのはお前だと言う目で見られる。ここまでが様式美。


 ちなみに子爵の侍女とかに調略を仕掛けているわ。あと地下の荷物も検分してる。楽しみにしているといいわ。

 ふふーん。あたし脳筋だけどこういうとこは計算高いと思うの。みんなにそろそろ今孔明スライムとか呼ばれそうよねえ。あ、孔明この世界にいないわ。えーと、賢者スライム?

 あ、なんか自分で言って無いわって思ったわ。グスン。


 ん、なんかデニス子爵遅くね?

 まあね、この街の商家八件くらい潰したからね。一応デニス子爵の領地だからこの街はデニスって名前で呼ばれてるらしいわ。明日からはなんて名前になるのかしら? 自分がやってることは分かってるみたいなんだけど彼自身は天然系なのよねえ。気持ち悪いわ。


 こういうネタはゴシップ系の新聞社に書かせたら面白そうよねえ。新聞はまだないのか。面白いのに。あたし情報コントロール系のトラップの話は好きだわ。自分ではやれないけど。脳筋だもの。

 今回のトラップだって可愛いものよ。たぶんこのあとの展開はみんなに読まれてると思うし。

 でも、面白いでしょ? 悪党は滅びる瞬間が美しいのよね。悪党は誉めてないわよ?


 やがて不安そうなメイドさんのモーリーさん(デニス子爵のお妾さん)

が扉を開き、デニスさんが侍女を二人連れて入ってきた。


 ……あれ? 自殺志願者なのデニス子爵。完全にヤバい二人連れてきたよ。

 えーと、元奴隷のグレイスさんとリーゼリーさんね。……この二人についても調査済みなんだけど、もちろんある意味こうなるだろうなあとは分かっていたの。…………スニーキングしたからね!


 この三人がデニス子爵の一番の寵愛を受けている子たち。本人たちの名誉のために容姿にはモザイクを入れさせてもらうけど女のあたしが見てもみんな可愛いわよ。胸がでかい。デニス死ね。

 何か聞こえた?


 さてさて、どこから切り込んでどう落としますかねえ。ネタは一つ二つ仕込んでるわ。そもそも真っ黒だからどうやっても落とせるんだけど、しっかり苦しめたいわ。このクソ偽善者。こういう奴を偽善者って言うのよ。覚えておきなさい。

 三人とキャッキャウフフ始めたので殺そうかと思ったけど、ブレイズさんに止められた。ちょっとリゼさん、ブレイズさん、ちゃんとカバーしてよね!


「オリハルコンソードで手を打とう」


「河童農園レストランの無料券三ヶ月ぶんで構いません!」


 お前らそれアザレアダンジョンの収益丸一日すっ飛ぶからな? 日本円百万超えるからな? まあ今は潤沢な魔力があるから構いませんが?

 本当にカバーしろよ、こらあ!?


 二人から喝采が上がってデニス子爵たちはポカーンです。場所を弁えてくれませんかねえ!!


「えーと、デニスくん、あたしがどうして来たか分かってるかな?」


「なにこのスライム。デニス様に生意気よ!」


「お、おい、そんなこと言っちゃ駄目だろ?」


「貧相なスライム~。何しに来たの? 偉そうに」


「こ、こら、駄目だろ? そんな乱暴な……」


「帰れ帰れ! 何がスライム聖女よ!」


「お、落ち着いて!」


 しょせんはデニス子爵が手を回して手に入れた顔は好みだけどオツムが怪しい奴隷よね。考えてもみて、貴族社会で子爵の奴隷が王位の貴族に罵詈雑言よ?

 むしろ死刑になりたくてわざとやってんのかと思うわね。


「えーと、その三人は死刑で良いかな? (まあどのみちまともには生きられないんだけど。助けられないかぁ)」


「い、申し訳ございません、魔王様が魔力を抑えられているのでこの者たちには威光が分からないんです!」


 このデニス子爵、なんと言うか気弱な優男なのよね。一目では悪人には見えないわ。回りが手配して流された感じに見える。罪は罪だけど。

 三人が「え~、威光?」とか言い出したところで魔力出しまぁーす。あたしの魔力相手の精神削りすぎ。三人が一斉に泡を噴いてお漏らしした。あのね、別にお漏らしフェチじゃないの。片付けろ。おい、デニス子爵も漏らすんじゃねえ。


 本題の遊びになかなかいけないわ。ちなみにモーリーは買収してるから後で少しはお金を包んでやるわ。当てるつもりなかったけど不自然かなと思って這い寄る混沌SAN値チェックに巻き込んじゃったわ。まあ今まで子爵の寵愛受けてたんで別に良いでしょ。今後はどうなっても知らないけど。……女が大金を現金で持つのは怖いわね。

 そろそろ仕掛けますかぁ。


「デニス様は三人に愛されているんですわね~」


「え、あは、まあそうですね」


 こいつはよくこの体制保てたわね。あんた今「三人とも好き」って言ったわよ。

 最初から感じてたけどこの三人ライバル意識強いわ。その中でこの返答。こいつは貴族としても駄目な奴だわ。どっかの商人に操られていたのかしらね? まあ魔物の貴族は実力があればこれくらい許されるのかも知れない。あたしは許さないけど。ちなみにデニスさんはデーモン系よ。赤の星だと貴族はデーモン系が多いのよね。うちも幹部はデーモンばっかりだもの。

 妾三人はインプやデーモンの系統ばかりね。モフモフはいないわ。残念ね。ちょいと仕掛けるわ。


「お三人はみんな仲良しなんですね。愛を分け合えるなんて素晴らしいわ」


 いや、もちろんこんな独占欲の強い三人が愛を分け合うなんてするわけないけどね。さてさて、まともに頭の働く子はいるかしら?


「もちろん、三人ともアレス・デニス子爵様を愛しておりますもの」


 これは買収したモーリーね。


「で、でも私の方が、……この間はデニス様と馬に乗せていただきましたのよ!」


「私は花園の四阿(あずまや)で毎日お茶していますわ!」


 ちなみにこの三人奴隷じゃなくても平民だから子爵のデニスとは結ばれるの難しいんだよなあ。子爵になると妾も難しいわね。作ったなんてバレたら恥も恥。まあこいつはそれ以下だけど。奴隷ちゃんたちも貴族社会のことなんかなんも分からんのにお嬢様言葉。ちょっと恥ずかしくないかなぁ?

 まあいいんだけど。あたしが貶めたいのはデニスただ一人。デニスも殺された方が楽かもねえ。


 そういや一応アザレアダンジョンリゾートの話題はグランスグレイン大陸中に広まってるので貴族関係者ならみんな遊びに来たいと思ってるらしい。まあカルさん常駐だからね。入りたい、でもカルさん怖い、みたいな感じらしい。近くの伯爵家の人がここにキャンプ地をとか言い出すレベルよ。噂はかなり広がってるわ。カルさんがうちに来て八ヶ月は経ってるもの。


「そうですか。ところでみなさん、アザレアダンジョンリゾートはご存知でしょうか?」


「アザレアダンジョンリゾート?! え、アザレア?!」


「えっ、えっ、まさか!」


「あの、Sランク冒険者や魔神様方が日常的に訪れると言う……」


 いや、カルさんとドリンさん以外はあんまり来ないよ?

 なんかジルドさんたち男性陣の従者が毎日のように酒を買いに来るけど。Sランク冒険者が来るんじゃなくて来た人がSランクになったのよね。あたしのダンジョンでパワーアップしてあたしの敵対ダンジョンでハッスルしまくったのよ。あたしのせいじゃないわ。魔神様の魔力祭りのせいはあるわね!

 まあしっかり有名なようで良かったよ。


 私に対する三人の目線が変わったのを見てどんどん仕掛けることにしたわ。まあさすがにあたしに喧嘩売ると次の瞬間頭弾けちゃうからね。実績有ります!


 でもあたしが泣かせたいのその男(推定死刑)だからね。あんまり庇わない方がいいわよ。





 次回、カルさんはひきょう。

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