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欲張りスライム、さらにダンジョンを拡張する。

 どうもそろそろ敵が集まり始めたようなので、ダンジョンを拡張して強化しておく。魔神様方の注目も集まってるし、たまにドリンさんが仕事を抜け出して遊びに来て配下のバンパイアさんに連れて帰られている。また時間ができたら遊びに来るらしい。


 さて、拡張だが、ログさんとリゼさん、アルトくんがいるので彼らのアイデアに期待しよう。


「私は釣り堀を拡張したいですねー。河童さんの農場で鱒釣りとか良いと思いますぅ」


「図書館を宿泊施設の区画に作りたいですね」


「僕は……下水施設や空調を増やしたいですね」


「渋いなアルトくん!?」


 なんかね、一番若いのに地味。空調とかはダンジョン任せだし下水もスライム任せだからなぁ。トイレとか増やしたいのかな?

 迷宮内にも各地にトイレとか水呑場なんか作ってるんだけど、足りないかぁ。そっちはアルトくんと開発担当スライムのクレちゃんたちに任せるわ。

 魚はまあ川があるからコピーして放流すれば良いわね。図書館も重要な書籍でもコピーして売れるからなぁ。材料費も高くないし。それはリゼさんに任せるか。他には?


「やはり釣ったお魚をその場で食べたいですね。海老や蟹やイカも養殖してください!」


「魚介の幅を広げようってことね。水族館も潤うし良いわね」


「ご飯は大事ですね。アイスクリームやスイーツ系の屋台も増やして欲しいです。あとお好み焼きも屋台で売って良いんじゃないですか?」


「お好み焼きはまっちゃったか~。ユキメにレシピは教えてる」


 ソースはユキメオリジナルだけどね。その方が美味しいのが辛い。


「食べ物なら緑茶と鰻丼が良いです」


「だから渋いからアルトくん!」


 醤油やみりんがあるからつい和食を作ったら何故か彼がはまった。ちなみにブレイズさんは親子丼や牛丼が好きらしい。あんた地球のバンパイアに謝ってきて。土下座ね?


 一応細かい拡張はできてるな。イリスたちにも聞いておくかな。イリスはサキュバスクイーンに進化したようだね。まあ子供体型のままだけどね。翼とか目とか尻尾とか髪も黒地に金色になってるよ。


「アークエンジェルスライムの箱にスライムを」


「最近遊べてないから拗ねてる?」


「拗ねてる。他にはスライムと遊べる施設を増やしたい」


「スライムレースとかやってみようか?」


「それは楽しそう」


「スライムランとか、スライムとおいかけっこしたりボール遊びしたり」


「アザレアはやはり天才か」


 次はケイシーだね。ケイシーも犬神になってるね。カラーリングは緑っぽい白になってる。また速くなったようだ。


「コースター増やしたら良いんでしょ」


「良いけど。いや、良いんだけどね?」


「ボッチが極まってるわね、ケイシー」


「……えーと、みんなで楽しめる遊具を……」


「エアホッケーでも作ろうかね……」


「ゲームセンターってやつ?」


「そう言えばそんな計画もあったわね」


 カジノとか、構想がないわけじゃないけど、賭け事は揉め事の原因になるのは間違いないからなぁ。やってもスライムレースまでかな。ケイシーとイリスで計画を練らせようか。


 次はユキメだね。ユキメも鬼神になってるよ。どれくらい強いんだろう? 目とか髪は黒で、着物が何故か艶やかになってる。


「刃物とかご飯以外でなんかない?」


「それがないと私のアイデンティティが……」


「なんかないの? もっと出るでしょ!」


「意味が分かりませんよアザレア様。うーん、あ!」


「なんか出た?」


「言い方が……。食材をそのまま売るのはどうですか?」


「なるほど、スーパーを作るのね」


 いずれ大手企業が進出してシャッター街が増えるんだわ。まああたしが一極でコントロールしてるからバランス取れば良いわね。


 それでまた数週間改良を進め、あたしたちで一回一通りやることにした。


「これ、既に一日や二日では回りきれない」


「うーん、コースター系以外であんまり遊んでなかったから知らない設備だらけだよぉ」


「迷子になりそうですね」


 イリスやケイシーやユキメ、最古参の三人でも既に施設の全容が分からないらしい。

 一階は宿泊施設と水族館などの展示施設、二階はスパと農園、三階は迷路、四階は宝探し、五階は河童、六階以降はナイトメアや冒険者向けコース。

 ほとんどのリゾート施設は一、二階で、買い物できるお店も一階に集中している。リゼさんとログさんは服飾にも手を出しているらしい。お店が充実しすぎてショッピングモールみたいだな。


 アルトくんが案内板とかトイレとか影から支える設備を作りまくってるので迷子にはならない。問題の処理にはスライムたちが当たっている。このダンジョンでスライムをいじめる人はいないのでスライムは治安維持をしっかりと担えている。最後にはあたしが出てくるしね。ブレイズさんもいるし。あの人一番遊んでるよぉ!


 そう言えばこの前に来たアークデーモンだが、近隣のダンジョンから引き渡し請求が来た。断ったので近いうちに戦争になりそうだ。ナイトメアコースでお待ちしています。


「アザレア、遊ぼう」


「色々抱え込みすぎでは?」


「ダンジョン経営は大変ですね」


「たまにはブレイズさんやサンシャインもまとめて遊ぼうか」


「そう言えば今日はカル様は?」


「カルさんはブレイズさんとアルトくんとサンシャインとで丼食べ歩きしてるね」


「ああ、分体に確認しました。大食い大会になっているようです」


「お米増やしておかないとねぇ」


 アザレアダンジョン空前の丼ブームだよ。海鮮丼とか天丼とかハンバーグ丼とか作るか。やっぱり食べ物って娯楽の中心なんだなぁ。


 それと体を動かす施設だが、スライム玉入れを考案してやってみたら意外と盛り上がった。イリス中心にルール設定しているけどスライム自体が逃げまくりチームでパスしたりシュートを邪魔したり、キーパーみたいな人やスライム回収が得意な人が現れて、サッカーみたいなスポーツが爆誕した。ルールが完成して行けば今後メジャースポーツになりそうである。身長の低い選手のシュートは阻んではいけないルールを作りたい……。籠を塞ぐのは早々にルール違反になった。ちょっと岩を敵の籠に吐き出しただけなのに。酷いものを見る目で見られたのはいつも通りさ!


 このスポーツ、現在はスライムバスケットと呼ばれている。足でシュートしても良いしボールのスライムがどんどん会場に出てくるし、バスケットともサッカーとも別物だけどね。魔法を使ったりスライムが死んだりしたら減点五とかのルールを作ってスライムにも優しい感じにした。まあスライムも生きてるから逃げるけどね。

 このスライムバスケットについてはもう一回機会をもうけてみんなに解説したい。まだ原始的なスポーツなのでルール改訂は頻発しそうだ。


「とりあえずプール行く?」


「良いねぇ、そうしよっか」


「コースターをさらに縦回転、横回転共に増やしました!」


「一回は乗っとこうかな」


「プールにアイスクリームや焼きそばを出すフードコートを作りました」


「おお、リゾートっぽいね!」


 このダンジョン、本当にどこを目指してるんだろうね? まあ楽しければいっか。

 このダンジョンを潰しにくるやつは許さないわよっ!


 プールではリゼさんとログさん、カルさんも招いて、女の子だけでキャッキャウフフした。うん、やっぱり女の子は可愛いわね!

 スライム樹脂で作ったボールで水の中で遊んだり水を掛け合ったり抱きついたり、やっぱり女の子は良いね! 柔らかいし!

 あたしが一番プニプニだけどね!


 そしていつも通りカルさんに拉致されて晩酌してふにふにに包まれて寝た。イリスがあたしを独占するカルさんに文句言って、結局三人で寝た。






 次回、スライムバスケット。

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