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スライム、アークデーモンに喧嘩を売られる。

 料理勝負である。勝負じゃないけど。

 ユキメとあたしとカルさんで色々おつまみを作って魔神様のテーブルに並べていく。煮物を準備したらサラダから作るよ。炒め物、汁物、焼き物、煮物と作っていくよ。


「アザレアちゃん本当に色々できるねー」


「いや、カルさんの方が器用でしょ」


「私よりアナちゃんの方が器用かもー」


「カルさんあたしより脳筋なとこあるしねぇ」


「考えないのたのしー。考えるな感じろって昔の友達が言ってたのー」


「その人が味噌を作ったとか?」


「そうだよ、アシーダくん」


「芦田さん?!」


「そうだったかもー。発音難しい名前だったー。青の星で勇者してたんだよー」


 なんと、カルさんと、この星と青の星の主神、芦田さんは友達だったのね。てかあの人けっこう知識チートしてない? 色々日本の知識が赤ノートで分かるのもあの人のせいか。しかも勇者とか痛々しいな!


 三人で作ったものをどんどんテーブルに運ぶ。アナさんやドリンさん、ライムさん、グレイさんたちも美味しそうに食べてくれている。竜肉の煮込みとか魔カジキの唐揚げとか河童畑のサラダとか今のうちで出せる最高の食材だ。あたしたちの分はコピーして一緒に卓につくことにする。大皿に肉野菜炒めとか盛ってみんなで楽しんだ。


 魔神様方はそれから二週間ほど滞在されたが仕事でどうしても自分達で処理しないと駄目な案件が溜まってるらしく、また数ヵ月したら遊びに来るそうだ。あたしは魔力うはうはで一段階進化してアークエンジェルスライムになっている。ありがたや。


 またカルさんやブレイズさんやリゼさん、ログさん、アルトくん、イリス、ケイシー、ユキメ、サンシャインとのんびり遊んでいると、変な客が訪れた。


 いきなりリゾート入り口が爆破される。


「なになにー?」


「ちょっ、お客様大丈夫?! みんな見てきて! 入り口はあたしが対処するから!」


 あたしの号令で全員が走り出した。そう言えばダンジョンが成長すると敵対組織とかに狙われるって赤ノート先生が言ってたじゃん。完全に油断してたわ!

 配下にエンジェルスライムも増えたので彼女らに怪我人を任せる。そんなに怪我人出てないみたいだね。このダンジョンで色々享受されているお客たちは逆に侵入者に腹を立てているようだ。進化したお客様もかなりいるからね。魔神様がいついてたし。

 どうでも良いけどイリスのエンジェルスライムの檻はアークエンジェルスライムの檻になっている。当然空っぽだ。子供たちがよく入ってる。カルさんもたまに入ってる。


 表にショートジャンプ。こう言うときは分体やユキメたちに様子を見てもらう方がいいんだけどあたしが出る。崩された入り口を土魔法で一発回復。んで敵ね。黒髪オールバックに黒い目、身長は百八十くらい?

 魔力を撒き散らしまくって下品な奴だよ。殺すわ。


「あんた何者? ここがあたしのダンジョンと当然知って来てるのよね!?」


「スライムごときが偉そうな口を利くな。やたら魔力が集まっていたから見に来たが子供のお遊び施設か」


「ほうほうー、私が子供ってことね」


 あれ、カルさん出てきた。こう言うの関わらないんじゃ無かったの?

 なんか気に食わない相手なんだろうか。


「アークデーモンのシェイドくんかー。アザレアちゃんおしおきー」


「知り合い? まあ良いけど」


「カ、カル・ダモン?!」


 情報不足だろ。この人もう半年くらいいるぞ。たぶん配下の弱い魔物とかに探らせたんだろうな。弱い魔物って頭も弱いんだよね。魔力も低いしね。


「偉くなったねシェイドくん。叔父さんのダンジョンで隠ってたんじゃなかったっけー?」


 カルさんの瞳が青く光り、全身から濃密な魔力が噴き出す。カルさんの殺気であたしが怖い。この人全然本気見せてなかったわ。最強の魔神とかってアナさんたちが言ってたもんな。アナさんは戦わない人なので戦うと負けるかも、とはカルさん言ってたけどね。


「こ、これは私とそのスライムの問題です! 引いて頂きたい!」


「だから言ってるじゃん、アザレアちゃんおしおきーって」


「手早く殺ってしまうね」


「くっ!!」


 でも飛行タイプの悪魔だ。背中にコウモリの翼が生えてるタイプのデーモンはイリス以来だな。面倒くさいぞ。でもまあ空を飛ぶ敵との戦いなんて今までもさんざんやってるからね!!


「触手ー。ナイフー。ストーンスパイクー。アイアンインゴットルームー。ほれほれほれ!!」


 一気に押しきる! でも全部躱されるな! ルームに入れたら勝ちだけどさすがに造形が間に合わないな!


「ぐおっ! 貴様、スライムのくせに!! 炎と土よ、私に従え! 土石流!」


「精霊魔法ね、でも土はいただけないなー。変形ー、ストーンランスー!」


「お、押し返して……!?」


 土魔法の支配権を魔力でぶんどる。そもそも魔力の桁が違うんだよ。ダンジョンマスターは自由にダンジョンから魔力を引ける。ダンジョンでダンジョンマスターに勝つのは本当に強い魔神様に準ずる実力者でないと無理だ。だから赤の星のダンジョンはみんなの憧れなんだからね。

 喧嘩を売ってきたんだから思い知らせてあげるわ。カルさんにもご了承いただいてるからね!


「一気に行くわよ!」


「くそがっ! デモンランス!!」


「うおっ、あぶなっ」


 なんか魔力で固めた黒い槍を投げられた。あたしと戦い方似てて面倒くさいぞ。魔力で強引に体を動かして攻撃を躱す。あたしの身体能力は完全に魔力依存なのですごいスピードが出るよ。


「ウォータープレッシャー!! ファイアドロップ!!」


「めんどくさっ! 手数だけは多いね!」


 水流や溶岩の雨を上から落とされる。ウォールで壁を張り、あたしはストーンランスを上空に射出しそれに乗る。ケイシーのエアロコースターよりは遅いわ!!

 上を取ったらあらかじめ体に収納していたメテオランスに魔力を込めて回転、加速、進化して得た重力操作で過重!!


「食らえ、メテオランス!!」


 かつてマンティコアに落としたのとは発動速度も威力も桁違いだよ!! これで死んでね!!


「ぐおおおおおおっ!!」


 やっぱアークデーモンとか言うだけあるわ。これだけ力の差があるのに粘るなー。なんか魔力を吸収してるし。でも質量兵器だからそれでは止まらないよ。それにそれだけ耐えるなら、もう一発行ってみる?

 収納していたメテオランスをもう一本吐き出す。収納スキルのお陰で質量兵器が貯め放題だよ。覚悟してね!!


「ひ、ひいいいいいいいっ!!」


「おーちーろー!!」


 直径一メートル、長さ五メートルの槍を二本! ハンマーを打ち付けるように叩きつける!! 摩擦熱で辺りが物凄く暑くなって、赤い星の赤い空の光とも相まって、まるで炎の槍!!


「ぎゃぼおおおおおおおっ!!」


「生まれ変わったらスライムなめんなよ!!」


 超質量の槍は地表にぶつかって爆発。地面にクレーターを作る。熱い熱いっ!!

 んー、シェイド君は……おや、目は白目になってるけど体は残ってるね。空中からそのままオリハルコンナイフ十本プレゼントー。あたしは頭が潰れても死なないけどアークデーモンはどうかな?

 どっかのダンジョンから出てきたらしいし死体を送り返すために収納しておこう。触手でタッチして収納~。うん、ちゃんと死んでるね。


「カルさん、こいつ殺して良かったんだよね?」


「え~~」


 おう、めちゃドン引きされてる!?


「いやまあ大丈夫だよー。弱いヤツが悪いんだよー」


「すみません、知り合い殺っちゃって」


「まあ思った以上に成長してなかったからねー。やっぱりダンジョンの人気は大切ねー」


 そもそもあたしのダンジョンは魔神様が押し寄せてきたから普通のダンジョンより明らかに急速に成長しているからね。あたしがすごいんじゃなくてカルさんたちのお陰だよ。まあ知識チートのお陰とも言えるけどね! てへぺろ!


「エアロコースター乗るー」


「あ、はい」


 やっぱり無視ですわ。知り合いが死んだのにもう切り替わってる。この人本当に猫みたいだよ!






 次回、スライム、遊ぶ。いつも遊んでるけどね。アザレアダンジョンに丼ブームが起こる。


 どっかで書いとくべき裏設定。公転周期は青の星の方が長い。青の星は赤の星より外側を回っている。なので赤の星から青の星は夜しか見えないし、青の星から赤の星は昼しか見えない。(青の星からは朝方から夕方までは見えることがある。当然、赤の星からは夕方から朝方まで見える。太陽の裏側に回って全く見えない期間はある)太陽の位置が常に赤の星の昼側にあるのは分かるだろうか。当たり前だが青の星でも昼側にある。つまり常に赤の星は青の星より太陽に近い。ちなみにビーズくらいの大きさに見える。

 太陽からの距離は赤の星が近い。だが赤の星の空が赤いのは大気が厚いため(空気を作る物質のバランスの問題もある)。つまり赤の星の方が広大で質量も大きい。もうひとつ言えば太陽から近いので太陽の影響をより強く受ける。ただ公転速度は赤の星がはるかに上回る。公転軌道のズレのため天海嘯(そらつなみ)期は毎年三ヶ月だけ訪れる。しかし。つまり赤の星は巨大なのに季節が存在しないまま一年に二回公転しているということだ。

 星々の問題が甚大な魔力で解決されてしまう側面があるので悪しからず。

 太陽を含んだ星は全て生物であり、魔力を放っている。星は意思を持たない。


 断言するけど、私は難しいことは分かりません。この物語はフィクションです。




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