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騒がしい神々、宴会する。

 ブックマーク五十件! いつも有り難う御座います!

 今後とも応援よろしくお願いします!

 いやぁ、なんか魔神様方が一斉に押し寄せて来ちゃいました。どこよりも安全でどこよりも危険な魔窟になっております。魔力が一日五十万単位で貯まる。遊園地状態にしたのが良かったのか悪かったのか。


 初日、カルさんたちのチャットを見つけてしまった。魔力が増えたから微細魔力振動走査なるスキルが生えてカルさんみたいな器用な魔力コントロールがなんとなく分かるようになった。原理的に分かっていたテレポートもたぶんもうできる。


 カルさんに引っ張られるようにあたしはスライムの大先輩、大陸にその名を残すアナ・グランスグレインさんと会うことになった。

 ちなみに魔神様方は何故かあたしが気に入ってるらしくチャットを通じて様は付けなくて良いと言われてしまった。この魔神チャットはなるべく覗かない方が良いらしい。魔神が機密会議に使ってるそうだ。

 第八の魔神になるなら入って良いと言われたがまだ若輩なので断った。はっきり言ってどの魔神様も雲の上、桁違いの実力者だ。とても割り込めそうにないわ。


「おーい、カルちゃん、こっちだよー!」


「あっそぼ! あっそぼ! その子がアザレアちゃんね! 強い強ーい!」


「可愛い……」


「この三人がアナちゃん、ドリンちゃん、ライムちゃんだよー!」


「よろしくね! あたしアザレア、悪いスライムだよ!」


「あたしもー! アナも悪いスライムだよ!」


「なんか瓜二つにも見えるね……顔は違うけど……」


「ね、同種でしょー」


「アナちゃんが二人とかチョー楽しそうー! アザレアちゃんおすすめはどこー?!」


「プールは行きました? じゃあ水族館からスライム館、水族館付きレストランのコースかな?」


「そう言えば河童見つけたよ! 可愛かった!」


「河童……神秘……解体してみたい……」


「解体は駄目だよ! いちおリスポーンするけど!」


 さすがにリスポーンするからってサンシャインの分体は差し出せないよね。グロ過ぎる。

 しかし、この場にこの世界最強の魔神が四柱もいるんだよね。

 アナさんはスライムであたしそっくり。一人称もあたしだし。性格が似てるのはこれがスライム気質なんだと思う。あたしの魂の記憶だと前世のあたしは鬱々してたし虫も殺せないタイプだったみたいだし。魚は調理してたけど。


 ドリンさんはバンパイアの神様らしい。銀髪赤眼はブレイズさんと同じカラーリングだけどロリっぽい。元気な遊び人らしいけど退廃的な雰囲気はない。歌やダンスや賭け事が大好きらしいけど。見た目は元気な女の子だ。ツインテールだし。


 最後のライムさんはよく分からないな。研究者で何でも研究対象にしてしまうらしい。ただ行きすぎて解体とか始めてしまうそうだ。暗い雰囲気である意味一番魔神ぽくはある。ただカルさんには頭が上がらないみたいだ。

 入り口の強い気配は世界樹のお爺ちゃんだそうだ。岩風呂を見つけて速攻で根をおろしたらしい。まあ一遍には対応できないから良いけどね。


 水族館は魚の種類をどんどん増やしている。イリス分体や河童たちがあちこちから魚や海の生物を収集、水槽を増やしながら何層も階層を作って見て回れるようにしている。

 あと、ログさんが帰ってきてあっという間に釣り堀を作ってしまった。近くには釣具店まで作っている。餌を収集したいからと言うので河童を貸し出している。本屋も運営しながらすごいバイタリティーだ。配下になれば分体を作れるんで今度聞いておこう。


「魚! 綺麗!」


「本当だねえー! いろんなカラーリング! あ、青いのもいるねー! でっかいのもいるー!!」


「興味深い! 研究したい!」


「うんうん、最初は驚くよー。ってあのお魚でっかーい!」


「うわ、鮫とかまで入れてるんだけど。知らなかったわ」


 イリスに念話すると大型魚類は今日入荷したところらしい。どんどん改造していくな。コースターとか飲食店関係も進化しているんだろうか?

 魔法が関連してるせいで下手したら前世より派手なのよね。魔物は前世の動物より大きいしね。魔法を使う魚とかいるからね。


 スライム館に移動する。アナさん、エンジェルスライムの檻に入っちゃ駄目! アナさんはスライムオリジンという種族らしい。エンジェルより遥かに格上だよ!


「うははははモッチャリモッチャリー!! スライム気持ちいいーっ! 可愛いーっ!! ぽよんぽよーん!」


「スライムは乱暴に扱ってはいけません!」


「スライム……掛け合わせるとどうなるんだろう……」


 うわー、自由だこの人たち。ドリンさんはスライム触感にはっちゃけてるしライムさんはスライムを実験動物にしそう。これ案内大変かも分からんね。

 カルさん一人でもけっこう大変だからなあ。でも今は、一番頼りになるのはカルさんだ。


「アナちゃん可愛いー! エンジェルスライムだねー!」


「あたし悪いエンジェルスライムだよ!」


「……」


 魔神が頼りになる、そんな風に考えていた時期があたしにもありました。エンジェルスライムの箱に二人で入ってます。みんな自由です。本当に自由です。カルさんとアナさんは組み合わせてはいけない気がします。


「と、とりあえず落ち着いたらご飯に行きますか!」


「ご飯!」


「ご飯! ご飯!」


「料理も研究したい……」


「ご飯ー!」


 釣れたー!! 一発で釣れたー!!

 扱いが簡単なのか難しいのか分からんな。海鮮で満足してくれるかな。まあ出してみないと分からないか。


 大人しく……いや、あんまり大人しくはないけど着いてくる四人をレストランに案内する。私は農園のレストランとか屋台の焼きそばが好きだけど、海鮮も美味しいんだよね。ただこの人たちお刺身食べられるのか、それが心配なんだよね。


「さて、何を頼むー?」


「あたしはお寿司食べたい」


「私もそれでいいよ! あとねあとね、天麩羅と唐揚げと焼き魚とマリネとカルパッチョとお刺身も!」


「ドリンは小さいのにたくさん食べますね……。私はお刺身と酢味噌和えと唐揚げと鯵フライと海老フライのセットで……」


「意外と偏食とか無かった!」


「うんうん、魔神は何でも大好きだよー。暇してるからねー。私もお寿司にしよー! あと海老のお味噌汁もー!」


 魔神は人生が長すぎて暇なので何でもチャレンジするらしい。特に変わったものが多いここの料理は楽しみなようだ。特にドリンさんは遊び人なのでたくさん頼んでシェアするのが好きらしい。そしてカルさん、馴染みすぎて注文が渋い。


「おー、ここだここだ。お前らネットワークで呼ぶんじゃねえよ」


「魚か! 俺は魚は好きだぞ!」


(じじい)を急かすんじゃないわ」


 うわ、残り三人も来た。騒がしい人たちだなー。

 エンシェントドラゴンのグレイさんとワータイガーゴットとか獣神ってどこかで聞いたような戦闘狂の魔神、ジルドさん、あとは世界樹のお爺さんオージンさんか。


「アナちゃんが呼んだのー?」


「ご飯はみんなで食べるのが美味しいからね!」


「そうだねー! やっぱりみんなで色々シェアして食べると楽しいしねー!」


「うるさい男、嫌い……」


 うーん、性格が色々だねえ。アナさんはフレンドリーだしドリンさんは賑やかだしライムさんはダウナーだな。

 あとから来た三人は不良と戦闘狂とお爺さんだ。分かりやすいな。魔神ほど長生きだと余計な枝葉が無くなるのかも知れない。


 三人は隣のテーブルについて刺身などまとめて頼んでから酒をどんどん選び始めた。どうやらこの三人は左党らしい。


「あたしも飲もうかなぁ?」


「酔えるの? アナさん」


「酔い方教えようか?」


 赤ノート先生に聞けば分かるけど、こういうのは聞いた方がコミュニケーションできるよね。ちょっと聞いてみた。


「核分裂してねー、感情を司る部分に分類して感情をコントロールすると体に影響があるようにして、無意識に反応が起こるようにしてあとは繰り返しが大事だよ! そのうちできるようになるからね!」


「やってみます!」


 赤ノート先生とだいたいおんなじだ。この人の知識引き出してるのかも知れないな。

 ただやっぱり核分裂から試さないと駄目みたいだ。

 アナさんもカルさんと同じくらい強そうだ。長い人生の中で喧嘩したりしたこともあるんだろうか? 歴史は赤ノート先生に聞いてみるか。すごい文章量になりそうだけど。

 赤ノート先生はあくまでも取説で攻略本ではないんだよね。攻略情報はほとんど望めない。






 次回、神様なのでフリーダムです。

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