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スライム、駄々をこねられる。

 やっと終わったよ。スタンピード丸二日とかある回もあったんだよねえ。さすがに辛かったよ。

 ログさんは戦後報告をまとめて代官交代してから帰ると言うので先に帰らせてもらう。無給のアルなんとかさんはちゃんと首実検してから埋葬したよ。何回首実検してんのあたし。


 ダンジョンに帰ると魔神にタックルされた。ぐおっ!

 だから何故避けられない、逃げられない!


「カルさん……?」


「寂しかったのー……!」


「お仕事だから仕方ないよ」


「遊べばいいのー! 騎士にやらせておけばいいのー!」


 三日くらい帰ってこれなかったからね、今回は。どうやら駄々をこねているようだ。


「仕方ないなあ。じゃあ今日は一日遊びますか」


「やったー♪」


 しかしけっこう疲れてるんだよねえ。無給の家なき子強かったってか粘かったし。あれで私が雷撃と相性が悪ければ負けてたかもね。

 まあもう倒したし、あとはゆっくりするか。


「まずはどこに行く?」


「植物園! コースター乗るー!」


「ジャングルのやつね」


 河童とカーシーのジャングルコースターなる名前が付けられているらしい。だが作ったのはほぼあたしだ。楽しいから良いけどね。ケイシーもうカーシーじゃないけど犬仙だと可愛くないからカーシーにしているらしい。ちなみにサンシャインも水虎に進化してる。


 ケイシーが前に乗ってるな。シートベルトとか乗員のスライムが魔力で強化しているとか、色々こだわりがあるコースター群だ。

 ってうおっ! かなりスピード速いぞ!!

 水しぶきはエアロスライム乗員がカバーしているらしい。でも迫力がすごい!

 途中森が深いところは逆にゆっくりゆっくり進む。暗くて怖いという演出らしい。シートベルトしてなかったらカルさん抱きついてきたな。

 終点に着いた。中々に面白かった。演出はケイシーとサンシャインらしい。案内板とか置いてあるんだな。凝ってる。


「次はプールに行く?」


「武器を見に行くー」


「……ご飯?」


「うん!」


 世界の刃物展にはだいたい本物ユキメが常駐してるので近くのレストランは一番ご飯が美味しいらしい。カルさんグルメだね。まあ女王様みたいなもんだしね。


「ご飯が終わったら水族館ー。スライムもちもちするー。その後はみんなでプールー!」


 カルさんの中では予定立ってるらしい。早速ユキメの鬼人の、じゃない、世界の刃物館に向かう。しかしここの刃物ってユキメに集めさせたんだけどかなり品揃えが良い。さすがに一品物はコピーできないけど良作はコピーして売ってる。なんでもオリハルコンインゴットを持ち寄れば名品ばかりもらえるそうだ。


 ……なんか包丁にほおずりしてハアハア言ってる鬼っ娘が見える気がする。スルーしよう。


「ユキメー、ご飯ー……」


「ぐへへ……はっ!? あ、カル様ようこそ、おかえりなさいアザレア様」


 あ、声かけちゃうスタイルなのね。涙目になって震えてるけど。カルさんユキメのご飯が目当てだもんね。


「今日はフレンチにするのー」


「あたしは中華にしようかなー」


 カルさんはなんかお洒落なコース料理を選んだ。前菜はサラダかな。レタスっぽい何かと黒胡椒多目でボリュームは少ない。このあとのレシピはボリューム多いのかな。

 あたしは好物なので麻婆豆腐から食べる。麻婆豆腐で始めて杏仁豆腐で締めるのが好き。

 カルさんの前には肉料理、魚料理と並べられる。食べるの早くない?

 肉料理は子羊(ラム)肉っぽい謎肉のソテーで魚は白身魚のフライのようなもの。メインにグラタンみたいなのが出てきたな。あ、中にお肉がたっぷり。カルさん肉が好きなんだろう。ユキメはこっちの好きなものを出してくれるからな。

 あたしは好物の青椒肉絲食べてレタスチャーハン、酢豚を頼む。あとは海老が食べたいのでエビチリも頼んだ。あたしは食欲は馬鹿なのでつい頼みすぎてしまう。

 カルさんはプリンのようなデザート、あたしは予定通り杏仁豆腐で終わりだ。美味しかった。この体、人化形態だと多少お腹に溜まる感覚が有って好きだ。まああたしはアイドルだからトイレは行かないけどね。

 突っ込みは不在だ。


 厨房のユキメに美味しかったと声を掛けてから水族館へ移動する。

 なんか久々のダンジョンだからすごい楽しい!


 水族館はゆっくり水中トンネルゴンドラコースで巡る。そう言えば釣り堀や魚のいるプールとかも予定してるんだよなあ。そっちはイリスがやってくれそうだけど。

 ゲームセンターとかも作りたいなあ。射的とかなら作れそうだし。ぬいぐるみ欲しいんだよねえ。ユキメにやってもらおうかな。

 ケイシーはどうせスピード狂なんだからカートでも作ってもらおうかな。配管工のあたしは強いはずだ。


 ゆったり動くゴンドラだけど、魚の種類が多いから色々見逃してしまいそうで、ついつい何回も乗ってしまいそうな魅力がある。カルさんもこれにはまったんだな。ダンジョンが惜しみなく青い光で水中を照らしてくれている。魚になった気分だね。

 ユキメとイリスで釣りができる居酒屋も作ってもらおうかな~。合作すると面白いものができそうだよね。イリスとケイシーなら高速スライムホッケーとか。あれ、面白そうかも。ユキメとケイシーなら……なんだろう、ホラーになる予感がする。高速刃物とか。

 ブレイズさんとかログさんとかリゼさんも経営に参加してくれたらなあ。カルさん? 無理を言っちゃアカン。って言うか危なそう。

 ブレイズさんは水泳好きそうなんだよなあ、バンパイアが水が苦手って他のモンスターの伝承が混ざってるらしいよ。大本はかなりしっかりした領地経営をする伯爵だったらしいね。まあ戦争でだいぶやらかして恐怖の象徴になったからバンパイア伝説が生まれたらしい。


 リゼさんが経営に加わるとユキメと料理関係で新しいことを始めそう。それはそれで見てみたいな。

 ログさんは期待してる。図書関連でこの世界に新しい波を作ってくれそうだ。何気にブレイズさん辺りと相性が良さそうなんだよね。


 あ、河童のサンシャインも水関係では色々やってくれそうだな。イリスと組ませてイルカショー的なものをやらせるとか。河童ショー?


 隙間を狙うのが難しいよね。日本ってアミューズメントは完成されてたもんなぁ。


 色鮮やかな魚たちのトンネルを抜けるとスライムコーナーが見える。イリスがいるけどコピーじゃなくオリジナルだな。あ、目が合った。


「エンジェルスライムの檻が埋まらない」


「檻?!」


「間違えた、箱。スライム強化ガラスの箱」


「それもう檻だからね?!」


 まだ諦めてないらしい。スライム強化ガラスはあたしでも簡単には破れないよ。特に何十層も重ねてるやつは無理。


「スライムー。もちもちするのー」


「あ、カル様はこちらです。今日はエンジェルスライムがいますよ」


「何気にカルさんを味方につけようとするな!!」


 まあスライム形態でもちもちされました。モンスターは強者には逆らえないですねー。


「はあ、はあ、はあ」


「なんでイリスがあたしをもちもちするのよ!」


 触手でペタペタ仕返ししてやった。鼻息が荒くて怖いぞ!


 イリスもこのあとのプールに誘う。今日はケイシーもそっちにいるしユキメにも予定を話してるから久々にみんなで遊べるかな。ログさん早く帰ってこないかな。フルメンバーで遊びたいよね。


 プールに行くとブレイズさんと河童が相撲大会を開催していた。ケイシーが行司をしている。モフモフ白犬行司とか新しいな!


 観客たちも彼らを囲っている。どうやら先に水に落とした方が勝ちらしくかなりエキサイトしている。


 パワーのブレイズさん、技のサンシャイン。相撲好きなら堪らない取り組みだね! 賭けもやってるけど八百長は駄目だよ?

 結果は横綱、河童陽光が上手投げで勝ちました。カルさんとあたしは応援だけだけど盛り上がったよ!






 次話、悪いスライム本気出す。

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