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スライムダンジョン、オープンを迎える。

 ダンジョンオープン記念に三話更新します。

 何故あたしが人化したかは、赤ノート先生が教えてくれた。

 単純に肉体と魂が一致して魂に肉体が引きずられ人であったことを体が思い出しつつ人化したらしい。

 そしてスライムの体に魂も引きずられ人間であったことを忘れつつあるのだとか。知識チートとかは残るみたいだけどね。


 ダンジョンに帰ってみるとクレちゃんやいっちゃんが迷宮をほぼ完成させていた。五階層は鉱山にまで繋がり、ミスリルやオリハルコンも見つかったらしい。

 それで色々武器を作り、ケイシーたちにはオリハルコンフル装備を与えて防衛もほぼ完璧。あたしも何本もオリハルコンナイフを収納した。コアを守るケースにもオリハルコンを使い、靴の中に入れてある。また強くなってしまったな。


 それで、そろそろオープンすることにした。ケイシーにギルドまで行かせて宣伝すると何故かブレイズさんが一番に来た。ギルマス何やってんの? 辞めてきた? アホなの?

 競泳用みたいなパンツに帽子と水中眼鏡を着けてポージングからの飛び込み。格好は良いけどさ。確かに水着推奨と書いてたけど準備万端とか。何やってんの?


 宝箱からミスリルやオリハルコン製の武器を見つけて喜んだり、かなり充実しているようでよろしかったですわね。


「本当に何やってるの、ブレイズさん」


「いや、ここめっちゃ楽しいな。良い余暇になるわ」


「ギルマス誰になったの?」


「エミリアという俺の姪だ。生粋のバンパイアで下手したら俺より強いぞ」


「世界は広いのね」


 まだまだ強い人は多い。あたしも努力しないとね。

 ちなみに冒険者たちはモンスターとも戦いたいらしく、ケイシーたちの分体をダンジョンコアに作ってもらったり、色々な種類のスライムを配置した。分体の強さは何ランクかに分けているので、弱い分体なら初心者冒険者でも安心の強さだ。

 そちらの階層は八階まで宝箱や罠を設置している。そちらの落とし穴はテレポーターにして一階まで戻る罠にしている。殺す気は無いからね。魔力が欲しいから意味がないし。

 一番奥まで来た人はオリハルコン装備を一つだけあげて帰還してもらう。まだ誰も来てないけど、広いからね。鉱山まで行かないと下に降りれず鉱山までは数十キロもあり、更に迷路にしてある。途中で飽きて帰るよね、普通は。

 まともに攻略しようとしたら数ヵ月はかかると思う。敵性の存在だと判断したらあたしが殺しに行くけどね。今のとこはそちらも居ないみたいだ。ちなみに仲間は専用のテレポーターでコアルームまで来れる。今はあたし一階にいるけどね。


「オリハルコンナイフを見てニヤニヤしないでくれる?」


「いや、しかしな、上位貴族でもなかなか手に入らない物なのだぞ? ニヤニヤもする。魔力も増えてきたしな」


「良かったね」


「冷たい奴め」


「血も涙もまだ無いからね」


 そのうち血も涙も出るようにするつもりだけどね。

 正式オープンしてまずは冒険者たちが来た。迷路を突破して宝物を手にして五階層は地底湖で道が埋まっているので大抵の人はそこで引き返す。河童のサンシャインが野菜を盗まれて泣いてたけどそれは知らない。畑の場所変えなさい。

 可哀想なので地底湖通路の途中に畑を作れるスペースを作ってあげた。それでも盗まれたなら知らん。


 ケイシーはスライダーの改良をしたり飛び込み台を作ったりしている。今は飛び込みにハマっているらしい。スピード狂め。


 ユキメは屋台をやっている。宿泊施設の警備も兼ねているらしい。ユキメが料理を作るところを見て恐れない人はいないのでなかなか適役である。料理は焼きそばとかだが、なかなか人気なのだそうだ。食べてみたら鰹節もたっぷりだし美味かった。ソースにコツが有るらしい。もうあたし知識チートできないね。


 イリスはスライムたちに指令を与えて全体の管理をしている。スライムテイマーの本領発揮だが、スライムたち、あたしがダンジョンマスターなの忘れてない?


 クレちゃんたちは更に進化してかなり強くなってるのでダンジョンの中ボスとかもやってもらってる。ラスボスはあたしの分体を置いてある。本当にヤバそうならあたしが出向くけど、そんな人はまだいない。


 あたし? ここでナイフ持ってにやけてる危険人物の接待してる。普通に、銀のオールバックで赤い目のおっさんがナイフ持ってにやけてたら怖いよね?

 まあ接待なんだけど。ユキメの分体が紅茶を出したりケーキを出したり食事も作ってくれるのであたしもそれをいただいているわけだけども。


 ちなみに資金はオリハルコンのインゴットを合成して鍛冶屋に売ったら一発で大金貨十枚とか手に入るので困らなくなった。魔力も人が大勢出入りするので溜まりまくっててあたしは遊んでても強くなれる。ぶっちゃけると暇だ。たまにこの体で泳ぎに行く。その時は服がワンピース型の水着に変形する。どういう理屈かは分からないが体が必要だと思うのだろう。まあ実質は全裸なんだけどね。

 銛とか持って走り回ろうかな。どんな変態だ。


「それでいつまでいるんですか?」


「実は人を待っている」


「人?」


 人間って意味じゃないよね?

 その瞬間にあたしの背後に直接テレポートしようと魔力が侵入してきた。魔力濃度が高い場所にテレポートするには相当に高い魔力が必要だ。自分より強い相手がいるところにはジャンプできない。強い敵と向き合っているとジャンプできない。それがショートジャンプやテレポートの弱点だ。

 それを無理矢理突入しようとしているのだ。強い!


「ギャーーー!!」


「ヒャーーー!!」


 なんか金髪碧眼の十六才くらいの美女が現れた! 驚いた! 向こうも何故か驚いた! 黒いジャケットを着た格好良い感じの人だ!


「ぐおーーーー!!」


「うおわーーー!!」


「ぶふっ!」


 汚な(きたな)っ! 紅茶噴き出したこのおっさん!! 知り合いか? しかしめちゃくちゃ強いぞこの人!!

 よし、落ち着いて、まずは挨拶だ!


「初めまして?」


「あおー、あうー、あー、初めましてー」


「何この人」


「魔神カル・ダモン様だ」


「様付けしちゃいやーん」


 超美人だがかなり変な人のようだ。こんな人なんだ魔神様。強すぎて怖いわ。逃げるか。


「じゃあ失礼します」


「どこ行くのー?」


「泳ぎに」


「私も行くー」


「良いですよ」


 さっきからクツクツと笑ってるナイフ狂のおっさんは放置して遊びに行くことにした。これは魔神カル様の接待だ。


「あ、水着は有りますか?」


「あるよー」


 カル様が指を一つ弾くとジャケットがビキニの水着に変わった。そんなこともできるのか。あたしも水着に変わる。


「んん? 今のどうやったのー?」


「こうです」


 今度はスライム形態に変わる。目を剥いて驚いてるな。後ろから変態のため息が聞こえた。


「スライムだって報告しませんでしたか?」


「えー、スライムって聞いてたけど可愛い女の子だったし。ブレイズ君の勘違いかなってー」


「そんな勘違いしませんて」


「ブレイズさんならあり得るね」


「あるあるー」


「ねーわっ!」


 あるね。あたしを酷い虐殺者と勘違いしてたしね。あ、お前は間違いなく酷いって目をしてる!


 それにしてもカル様はスタイル良いなあ。おっさんと遊ぶよりカル様と遊ぼう。いつの間にか水着に着替えてる変態おっさんよりやっぱり美女だよね。また水着体型に変身。


「おおー。何度見てもスライムだねー!」


「そりゃスライムですよ」


 赤の星に生まれた時からスライムさ! 親指立てて舌をペロリと出したけどカル様もうスライダーの方に興味が行っててこっち見てくんない。


「これ何ー? お湯が流れてるー」


「スライダーです。とりあえず先に」


「えーい」


 あ、行っちゃった。猫みたいな人だな!


「キャホーーーーッ!!」


「あ、楽しそう。良かった」


 ドボン、と下のプールに落ちた。ノンブレーキですよ。また帰ってきてまた滑り落ちていった。しばらく繰り返していたが今度は広いプールをばた足で泳いでいった。帰ってきて~。

 あたしとブレイズさんもスライダーで滑り落ちていくことにした。

 自由人だな~。





 ねーわって言う度にねーわ元年という言葉が頭をよぎります。

 次回、目一杯遊ばれる?

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