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スライム、アイテムを増やすために狩りをする。

 三人娘を放置して大変なことになるところだった。まずは三人をコアルームに案内して機嫌をと……じゃなくて、それぞれの金属製装備の予備を作ることにした。


 コアルーム初使用。ドキドキするね! インゴットをいくつかコアに宛がうと収納されて行く。剣や鎧、盾なども収納。赤ノート先生、作れるだけ複製お願いします!


『複製が完了しました』


「お、できたの? 全部取り出してね」


 結果として全部の装備が三セットになった。ダンジョン魔力も少し使ったみたいだね。ダンジョンの魔力一万くらいから二千くらいまで減ってる。これくらいなら一晩で回復するらしい。回復したらインゴット生産してもうワンセット作れたら良いんだけど。一セットはみんなに返し、一セットは予備、もう一セットはダンジョンの宝箱階層に置いていく。宝箱の設置で更にダンジョンの魔力を使ったのでもう残存魔力は百を切った。でもスライムやあたしたちがいるせいかみるみる回復していく。数値を見てるだけで面白いなあ。

 ダンジョンも魔力を使いすぎると休眠してしまうらしい。しばらく機能が使えないので一日遊んで明日から出稼ぎに行くことにした。


 ちなみに現在のダンジョンの構成は、一階は宿泊施設、二階はスパリゾート、三階は迷路、四階は宝箱エリア、残る四階は採掘と防衛用ダンジョンだ。地底湖もここにある。赤ノート先生に聞いてミスリルやオリハルコン、アダマントなどをクレちゃんチームに採取させる。それらをあたしが分解して合成、インゴットを量産する予定だ。

 ダンジョンもその過程で広がるし魔力吸収力も向上し、スライムも増えて強化され、更にダンジョンの格が上がる。

 ただ今みたいに休眠状態を繰り返しているとあたしたちの魔力は高まらないので、ほどほどにしないといけない。

 四人で魔力が回復するまでは遊ぶ。ダンジョンコアが魔力を持っているとある程度自動防衛してくれるのだ。回復してから出かける。あたしたちがいた方が回復も速いからね。


「そういうわけで~あたしが最下層に潜ってるうちに何故か水着を揃えている三人と遊びまーす」


「いや、アザレア様が出てこないもので一度エリオールの町に帰って色々補充してきたんです」


「食器とか服も取ってきた。毛布とか」


「私は遊んで(留守番して)ました」


「あんたらキャラ変わったよ……」


 まあ放置したのが悪いけど。その日は四人とスライム数匹でめっちゃ遊んだ。キャッキャウフフしたよ。何故かお酒も持ち込まれていたけど、あたしは酔えないみたいだった……。酔える体になるには核分裂、核合成を覚えないとダメなようだ。まだ先になりそうだなぁ。人化もできなくはないけど魔力をごっそり持っていかれると戦えないから使ってない。八百くらいかかる。ただ一度使うと解除しない限り続くし魔力が減ったりはしないようだ。


 さて、翌日エリオールの冒険者ギルドへと向かう。あたしだけなら魔力を伸ばしてジャンプする荒業も使えるんだけど手間とかかかるんだよね。テレポートの仕組みは理解したのでテレポーター設置できたら良いんだけど、それも他の人に知られないように設置するのは難しいんだよね。

 あたしがテレポートを覚えれば良いけど仲間を魔力化して復元とか怖すぎる。練習して確実な手段を探そう。テレポートを使えたら遠出もできるしね。


 川を下っていると例の緑の化け物が現れた。


「あれ、サンシャインじゃん、久しぶり」


「ギョエエッ!?」


 なんだこの河童、人の顔を見てビックリするとか失礼だな。


「あ、あの、どちら様で……みなさんすごい魔力ですね……」


「サンシャインの友達のアザレアだよ。悪いスライムだよ」


「いや、いや、そんな化け物みたいな魔力の知り合いはいませんて……でも名前知ってるし……」


 あー、そういえばサンシャインと出会った頃から二百倍くらい強くなってるもんね。分からないか。


「進化を二回くらいしたんだ」


「そ、そうなのか? 本当にあの時のとろくさいアーシースライム?」


「それそれ! 魔力漏れないようにしようか」


「あ、では私たちもやってみます」


 三人も強化され過ぎてるね。三人がかりならあたしも負けるよ。みんなで弱い振りをすることにした。ぷるぷる、あたし弱いスライムだよ!


「魔力抑えれてる?」


「あ、おう、大丈夫だ。なんでそんな短期間で強くなってるんだ?」


「うーん」


 サンシャインには恩がある。あたしがとろくさいアーシースライムだった時に水を飲むのを手伝ってもらった。

 あの時のあたしがゴブリンとかに出会っていたらたぶん死んでたし、それはすごい助かった。河童は強い魔物だしね。いいか、教えても。


「あたしダンジョンマスターになったんだよ」


「マジかよ、羨ましい……」


「サンシャインにさ、ダンジョンの地底湖を管轄してもらいたいんだよね」


「え、良いのか?」


「軟弱スライムの恩返しだと思って!」


 ちなみにダンジョンにネームドモンスターが入ると支配下に入れるか決められる。支配下に入ったネームドはリスポーンできるしある程度ダンジョンを開拓できる。かなりメリットが大きいので三人娘は支配下に入ってくれた。ダンジョンの外で死なれると困るけど、まだ防衛設備とリゾート部分を分けるなど、やることがある。

 遊びに来た人はリゾートに、攻めてきた奴は防衛施設に放り込む仕組みを考えている。

 そろそろ規模が大きくなってきたので戦争の可能性が有るらしいので、アザレアリゾートを解放したら防衛設備も整えておかないと不味い。

 もうあと一息だ。クレちゃんといっちゃんにはその部分の開発を頼んでいる。

 具体的には防衛施設一階から案内役のクレイスライムを置いてリゾートのお客様はトンネルから入ってもらう。リゾート階層に無理やり入ってきてもこっちはそんなこと予期してるのでリゾート階層から入った方が五階以降が死の迷宮になるように凶悪トラップを用意しまくってる。

 例えば落とし穴で二階層叩き落として上からストーンランスレインを降らせて、そこからは脱出路を出ても元の場所に戻るとか、当然落とし穴の下にはストーンスパイクとか、湖の底を通らないと次のステージに行けないけどスライムから進化したジェルフィッシュがうようよいるとか。そっちから通す気は一切無い。最後まで潜ってもコアルームには入れないし、できるだけ凶悪に進化したスライムをボスに置くつもりだ。

 それに三人も充分ボスと言っても良いしね。当然防衛してくれるらしい。スパリゾートが恐怖の防衛エリアに早変わりだよ。


 間抜けが引っ掛かってくれるのを楽しみにしている。地底湖は河童に任せて……畑とか作ってもらっても良いしね。


 一旦河童を、サンシャインをダンジョンに案内してあたしたち四人は再びギルドへと向かった。

 ちなみに配下になるか聞いたらあっさり頷いた。サンシャインの地底湖エリアは地獄になりそうだ。


「防衛の準備は着々と進んでるけど、まだ魔王級には届かないよねえ」


「魔王級がそう出張って来ることもありませんよ」


「それにアザレアさんなら魔王級に勝てそうですけど?」


「言えてる。戦い方がエグい」


「ひどっ!!」


 また三人の目が「酷いのはお前だ」と言っている。理不尽だ。


 ギルドに着いた。相変わらず真っ白で美しい建物だな。スパリゾート階層や宿泊施設の壁はあたしも白い石でコーティングしてるけど。ダンジョンなのでピカピカ光ってたりする。


 ん、なんか騒がしいね。カウンターのところでギルドマスターでSランクのバンパイア、ブレイズさんが忙しく指示を飛ばしていたので話を聞いてみた。


「どうやらゲヒモフ傭兵団が山賊化してこの町を襲おうとしているらしい」


 ……どうでも良いけど名前が酷いね。






 次回、聖女になる前に悪役令嬢に?

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