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4:奴隷登録

短いですがこれ以上遅れるわけにもいかないと思ったので途中ですがきりのいいとこまで上げます




 街道沿いにトゥラティエに向かって歩いていくと遠くの方に城壁が見える。その城壁が近づくにつれ他の街道から様々な人が合流する。城壁を見上げるころにはすっかり大所帯だ。


「さぁ、着いたぞ。あっちの扉が入城審査をやってる場所だ」


 指をさした先には沢山の人が並んでいる行列が2つ。片方は荷車や馬車などを連れたものが多い。


「結構な人数が並んでるな。時間がかかるんじゃないか?」


「大丈夫だ。そこは商人用の入り口と一般人用の入り口だ。俺たちが入るのはその左の冒険者用の入り口。空いてるだろ?」


 冒険者用の入り口に向かうとそこには誰一人として並んでおらず暇そうな衛兵が4人ほどいるばかりだった。4人という人数すら多く思える。


 扉の前に立つと太った衛兵がこちらにやってきた。


「冒険者プレートの提示をお願いします。……これはこれは二等冒険者様でしたか。そちらの奴隷の登録がありませんが?」


「あぁ、依頼で行った先で拾ったんだ。組合で登録するために来た」


「ふむ……首輪もしっかり嵌まっているようですね。分かりました。出来るだけ早く組合で登録してください」


「分かった。気を付けよう」


 太った衛兵が後ろの衛兵に向かって手を振ると二人の衛兵が扉を開ける。


 すんなり通ったがそれは自分が二等冒険者だからだ。

 一等冒険者などこの大陸でも数えるほどしか存在せず大概は入城審査を必要とせずそのまま入る。なので二等というのが一般的に目にする冒険者の中ではもっとも高位にあたる。したがってかなり融通が利くのだ。


「ここがトゥラティエだ。人間の街に入るのは久しぶりじゃないか?……リル」


「そうだな。あまり好きな臭いではないが……」


「ならとっとと組合に行こう。登録が終わったら宿でも取って明後日には出発だ」


 冒険者組合まで歩いて行く間、通行人の視線を多く感じた。奴隷を連れた冒険者は少なくないがここまで美しい女エルフを連れた者はそういないだろう。もし彼女がヒルミアでなかったら自分も自制が利かなかったかもしれないとネッドは思う。


「意外と早く着いたな。ここだ。入るぞ」

 中に入るとそこでは種族や性別を問わないあらゆる冒険者たちがたむろしていた。情報を交換し合ったり手柄を自慢したり時には怒号が飛び交う、そんな場所だ。


 様々な者たちがいるその場にネッドが入った瞬間、一斉に冒険者たちの視線がネッドとヒルミアに突き刺さる。

 

 当然冒険者の中にも、そして冒険者の連れる奴隷の中にもエルフはいる。したがってエルフたちに気づかれぬよう事前にヒルミアに口元を布で覆うよう言っていた。それでもヒルミアの顔立ちの良さは隠せない。というより隠しているからこそ窺える色気が逆に周囲の気を引いているのかもしれない。


 当のヒルミアは全く気にもかけていない様子なのでそのまま受付に向かう。トゥラティエの冒険者組合に来るのは久々だったので顔は覚えられてはいない筈だが、冒険者プレートを見せると受付嬢は納得したような顔を見せた。


「今日はどのようなご用件でしょうか」


「横にいる奴隷の登録をしたい」


「畏まりました。……ではこちらの書類に必要事項をご記入ください。その後

登録料を頂きます」


 必要事項というのは主に名前や種族、そして用途だ。記入後に登録料を払い、ヒルミアは”冒険者ネッド・スぺイアの護衛用の奴隷リル”となった。

 

「それじゃあまた──────」


  組合を後にし宿を探しに行こうとした時、受付嬢が口を開いた。


「すみません。少しよろしいですか?ネッド・スぺイアさん。あなた宛てに依頼が来ています」


「依頼?誰からのだ?」


「王都の考古学者の方です。名前は伏せてほしいとのことですので……」


「これから行く先と反対方向でなければ考えよう。内容は?」


 受付嬢の答えた内容は予想外のものだった。






「前線基地からの観測で発見されたセパル地区内の監獄の調査です」

 


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