第八十話
クグツ・ホーネットは天才が嫌いだ。
自分の才能を振りかざして凡人を見下しているのを見ると反吐が出る。自分が得た能力がすべて努力の末に得られたものだと勘違いしている天才を見れば、引きずり降ろさずにはいられないほどクグツは天才という連中が嫌いだ。
才覚というのは、天与のものだ。
この世には常人には絶対に届かない壁がある。凡人がいくら望もうと届かぬ高みがある。高みに上った才能人がどう言おうとどう思おうと、そこに及ばないものに才能はなく、及んだものは才覚がある。
あるか、ないか。
四半世紀も生きれば、人はそれを悟る。己の分というものに折り合いをつける。諦観が視野を広げ、安寧と停滞を求めるようになる。
自分に英雄としての才覚がないと気が付いたのはいつだったろうか。
クグツは思い出す。
かつての自分は、努力というものを信じていた気がする。若輩者だった時のクグツは、自分の才能というものがどこまでも広がっているものだと思っていた気がする。努力すれば報われて、励んだ分だけ成長するんだと、己がただ一人でどこまでも行けると、無根拠な全能感を糧に前へ進んでいた気がする。
超えられない壁にぶちあたった時ですら、クグツは自分の可能性というものを諦めなかった。
超え難い壁に当たった時、クグツは自分一人だけで挑むだけではなく、周囲と協力することを覚えた。己より才覚のある人物を仲間に引き込み、パーティーを組んで連携する。戦いに優れたものだけではなく、他の何かで己より優れたものを持つ人間には目を付け、縁を繋げた。そうしてクランの中でのし上がり、迷宮を進んで己のレベルを上げていった。クグツが魔法に目覚めたのも、周囲の人間と繋がるようになってからだった。困難にぶつかったが、それを解決するため視野を広げたのだ。その努力は報われて、クグツは若くしてクランマスターにまで至った。
自分は周囲をつなげて結びつける糸なのだと、そんな自負を抱いていた。
クグツは力を手に入れた。力の増やし方を学んだ。だからこそ、そこで満足などせず、五十層で止まり停滞した風潮がある王都の冒険者たちの空気に風穴をあけてやろうと、クグツは五十層攻略の準備すら進めていた。冒険者ギルドと王国貴族。両方に縁を持つ自分ならば許可を得て五十層に挑める。打ち勝てる。伝説をつくりあげるのだと意気込んでいた。
全ては無為に終わった。
クグツ達の地道な根回し。『栄光の道』の組織力を強化し仲間の力を増やしてく試み。少しずつ、じりじりと積み上げてきたクグツの努力。
それを亀の歩みだとあざ笑うかのように瞬く間に上へと駆け上がっていった人物がいた。
ライラとトーハ。
彼らは天に突き刺さるような勢いで地の底まで駆け抜けていった。後ろを振り返らず、周囲を顧みず、しかし大きく膨れ上がった『雷討』は、五十層の解放どころか迷宮の底まで至った。
クグツは呆然と見送ることしかできなかった。自分が積み上げてきた前準備の全てを台無しにされ、ぐちゃぐちゃの過程の中で結果だけを出し栄誉を得た。
クグツの想いなど、置き去りにして。
そうしてクグツの前に、また一つ、輝くような才能が現れる。
「来ましたわよ」
リルとヒィーコ、そしてコロ。自分の前に現れた三人を見て、クグツはくくっと暗く笑う。
「ご無沙汰ですわね、ホーネット卿」
「来るかもしれない、とは思っていたよ」
嘘でもお世辞でもなかった。
廃棄された街の中でも、特に建物が入り組んだ場所。クグツが拠点として選んだここまで至るのは並み大抵のことではない。
中級上位のメンバーを蹴散らし、フクランをはじめとした上級の陣営も突発し、歪めたコロの記憶まで取り戻した。
そんな奇跡みたいなことを起こされるかもしれないと、クグツは頭のどこかで認めていた。
「それでも構わないさ。僕が勝てば、君たちは僕のクラン所属となる。それは変わらない」
「本気で言っているならたいしたものですわね」
「本気だよ、ミス・アーカイブ」
「……わたくしはリルドールですわ」
家名に何かで嫌な思い出でもあるのか。アーカイブと呼ばれて眉を吊り上げたリルに、若いなとそのままの感想を抱く。
「それよりもホーネット卿。よくもコロに、わたくしの可愛い妹分に洗脳などというとんでもないことをしでかしてくれましたわね」
「洗脳……? ああ、コロネル君のことか。彼女の記憶の件は僕の仕業じゃないよ。僕の魔法がそんな便利に見えたかい?」
実演とばかりにクグツは指先から細い糸を出す。自由自在に動き、岩すら切断できる糸を紡ぐのがクグツの魔法だ。人の意思を操るような機能はない。
それができれば、どんなに良かったか。
「僕の魔法はあくまで糸を操ることさ。人の意思を歪めて操ることなんてできないさ」
「ならば、誰が?」
「君たちも知っている男の仕業さ。クル……」
側にいる残った二人は最初から事情を知っているメンバーだ。知られて困る相手でもない。コロの記憶をコロナのものへと移しかえた犯人の名を告げようとしたところで、クグツはよい意趣返しを思いつく。
「……クルック・ルーパーだよ」
「は?」
クグツが明かした名を聞いた相手が揃っていぶかし気な顔になる。
「クルック・ルーパー……ですの?」
「そうさ。あのクルック・ルーパーだよ」
クルック・ルーパー。大陸全土が戦乱の渦に飲み込まれていた時代に生まれた傭兵にして、史上最悪の殺人鬼。国落としの虐殺者にして宗教殺しの大罪人。国をまたぎ、大陸全土に鳴り響いたのはその隔絶した武勇以上に壮絶な悪名だ。
民や傭兵や冒険者、兵士に騎士だけに止まらず、貴族や神官、王者や聖者すら首をはね、さらには仲間である部下や同僚に至るまで殺し尽くした禁忌を犯し尽くした人でなし。村や町、都や国にとどまらず、一大宗教をも削り殺した。
歴史に癒えぬ傷を刻んだ悪人、クルック・ルーパー。
彼が生まれて三百年経ってもなお語られるほどの悪行をなした。確かに知っているが、それは伝説に近しい人物だ。まるで直接会って語られたかのように言われれば、不審に思って当然だ。
「ごまかすつもりですの?」
「いいや。あの男はそう名乗っていたよ。君たちが五十階層主のユニークモンスター、カニエルと戦った後の経験値の配分がおかしかったのも気がついているだろう?」
「戦闘に参加していなかったセレナやあなたに多大な経験値が移っていた件ですわね?」
「そうだよ。あれも彼の仕業だということだ。迷宮経験値配分をいじれるなんて所業、まさしくクルック・ルーパーのような伝説の人物じゃないとできないことじゃないか」
「なにを――……ッ!?」
大仰な身振りで語るクグツ自身が信じてもいなさそうな言葉を咎めようと身を乗り出したリルが体を強張らせた。
「これは……体が……」
「動かないだろう?」
困惑するリルのセリフを引き継いで、クグツはにやり笑みをこぼした。
この場には最初から罠を仕掛けていた。
ここら一帯にクグツは魔法で生み出した極細の糸を張り巡らせていた。知らぬ間にそれにからめとられていたのだ。
糸でがんじがらめにして、リルを封殺する。リルだけではなく、コロとヒィーコも拘束されていることに気が付き身じろぎする。
「ははは。どうだい、僕の糸で動きを封じられた気分は――」
瞬間、コロの縦ロールの炎が燃え上がりリル達を拘束していた糸を残らず焼き切る。
「――え?」
クグツの顔が、笑みの形のままに凍りつく。
コロの縦ロールから燃え上がった炎龍がコロ達に触れるなとばかりに暴れまわって糸を焼く。その光景に、クグツは愕然とする。
なにせ、五十階層主の巨体ですら十数秒拘束できる自慢の糸を、一瞬で焼き尽くされたのだ。
糸を焼き尽くした炎龍はそれで満足したのかコロの縦ロールに収まる。ヒィーコは意外そうに目を瞬かせた。
「あれ? さっきのカッコいい火の剣は出さないんすか」
「やです!」
ヒィーコの疑問にコロがきっぱりと剣は出さないと言い切る。
「あれはコロナお姉ちゃんの火です。お姉ちゃんの炎でクグツさんなんて斬りたくないです!」
「それもそうですけど、さっきの糸はいいんですの?」
「あれはお姉ちゃんが怒ってただけです。わたしはあんまり関係ないです」
「コロっちの論理が意味不明っす」
この天才どもが。
クグツの糸を焼き切るなんて驚くことでもないと、事もなさげに言葉を交わすリル達を見て、乾いた笑い声が漏れる。
「ははっ」
クグツがゆがんでいるとするならば、想いがねじれたのはいつだったのか。『雷討』が五十階層を解放した時だったのか。自分の積み重ねを踏みつぶされた時だったか。
そこではない。
ライラとトーハが五十階層を超えた後、クグツは彼らと顔を合わせたことがある。悔しさに歯ぎしりしながらも、彼らの功績をたたえるために言葉を交わしたことがある。
その時に自分を見た、あの、つまらなさそうな黒い目。
クグツなどまるで興味などないと、英雄はそういうのだ。競い合うような相手でないと、言葉にせず態度に表すのだ。
相手の弱さを知ろうともしない。相手の積み重ねも知らない癖に軽んじられる。下手をすれば、眼中にすら入れない。汗を流し、血をにじませ、頭を振り絞って、仲間と協力して前に進もうとしている努力など眼中にないと、彼らは前に進む。
英雄になるような天才どもにとっては、自分は敵ですらないのだ。
ぼうっと縦ロールに炎を燃やしたコロがぐるんと肩を回す。
「クラン加入のお話の時に、おいしいリンゴを食べていたらいつの間にかコロナお姉ちゃんになっていたわたしの記憶がどうだとかは後でいいです」
「え? いいんすか? そこ、結構重要なところじゃないすか?」
「いいんです! とりあえず、まずはクグツさんを一発殴らせてもらいます!」
「……調子に、乗るなぁ!」
クグツとて腐っても上級上位の冒険者。縦ロールに炎を宿して拳を振り上げたコロの攻撃に対抗しようと、糸を紡いで壁を作る。
「何十にも糸を重ねた障壁だ! そう簡単に突き抜けられおがごぉ!?」
「うるさいバカぁあああああああ!」
あっさりと糸の障壁を突き抜けた拳が、クグツの顔面をぶち抜いた。
クグツを殴り飛ばしたコロは、握りこぶしのまま、ふんと鼻を鳴らす。
「わたし、これでもけっこう怒ってるんです! そんなもので止められると思わないでほしいです!!」
「ナイスパンチっす。ちょっとすっきりしたっすよ」
「さすがに一撃では送還されてませんわね」
気が付けば、護衛で傍にいたメンバーは二人とも倒されていた。クグツがコロに殴り倒された短い合間に、リルとヒィーコが下したようだ。
リルたちに、クグツは見下される。
なぜだ。なぜこうなる。
クグツは歯嚙みをする。
クグツは、天才が嫌いだ。才能を振りかざして光輝く人物が大嫌いだ。努力が足りないんだと、想いが弱いんだと、遅いのが悪いだと平気な顔でほざける天才どもは、一人残らず高みから引きずり降ろしてやらなければならない。
だって、トーハは死んだ。
まぎれもない英雄だった彼が、死んだのだ。
英雄は殺せるのだ。それに気が付いた時、クグツはライラを引きずりおろして殺そうと、ごく自然に思った。怪物はいつだって英雄に倒されるが、英雄は人間に殺されることなんてざらだと思い出した。だからライラを殺すための手はずを整えようとしていた。このクランバトルは、その途中でしかないのだ。
なのに、どうしてライラの目の前にすら立てないこんな道半ばで倒れているのだ。
「くそっ――くそくそくそくそォおおおおお!」
堪えようのない苛立ちを叫び声にしてクグツは立ち上がる。
こんなはずではなかったのだ。自分の運命は、もっと違ったはずなのだ。もっともっと違う道を目指していたのだ。
輝かしい栄光の道を。
なのに、なぜ。なぜ自分はこうなった。自分の有り様に気がついていてそれでも振りほどけない糸にがんじがらめにされている自分は、一体なんなんだ。大人しく諦めればよかったのか。
でも、諦めきれなかったんだよ。
五十人で挑んで、残りが自分一人だけ。覆せない実力差、避けようもない己の負けを悟って、しかしクグツは開き直る。
「僕を倒して進むなら、進めばいいさっ。知らぬ間に弱者をひき潰す貴様らなど、いつか潰れてしまえ! そうだ。百層で死んだあのトーハのようにッ、弱さも知らない貴様ら天才なんて、残らず迷宮に飲み込まれてしまえばいいんだ! ははは、ハッハハハハ!!」
「弱さならば、知っていますわ」
「……なんだと?」
クグツの狂笑が止まる。
狂態をさらしたクグツの弱さと性根を蔑むわけでもなく、リルが一歩前に出る。
「潰れたこともありますわ。己の醜さに、身も心も砕けたかと思ったことが、ありますわ。自分よりはるか優れた才覚を前に、まぎれもない英雄の背中を見て、自分自身がみじめになったことが、確かにありますわ」
違う。
バカ言うな。
弱い人間は、そこで砕け散るのだ。それが凡才の定めなのだ。
「それでも、わたくしは立ち上がったのです」
「なぜ、それが天与のものだと気が付かない。そこで立ち上がれる強さこそが、君に与えられしものだと知れ! 自分が得たものを、ない人間に見せびらかして優越感に浸りたいのか? 天から授かったその才能を振りかざして僕に見せるなぁ!」
「わたくしの強さは、天与のものではありませんわ」
クグツの強弁を、リルがはっきり否定する。
「いつかのわたくしは、天から何か与えられたようなわたくしではありませんわ。ホーネット卿。わたくしは、あなたと似ているのかもしれませんわ。……そうですわよね。自分の弱さを他者から見下されるのは、自分の存在を目にすら入れられないのは、耐え難い苦しみを引き起こしますわ」
その視線はクグツを見つめていた。かつては誰よりも愚か者だったリルは、クグツの弱さの原点を知って共感し、それでも彼を打ち倒そうと縦ロールを動かす。
「それでも、わたくしは世界に輝くリルドールでしてよ。弱かったわたくしをヒィーコが叩いて砕き、コロが光を見せてくれたからこそ立ち上がれたのですわ。わたくしの強さが与えられたというのならば、それは仲間から与えられた強さですのよ!」
美しい言葉だった。
飾られていない光り輝くその言葉は、豪奢に巻かれた縦ロールの様だった。
だが、それでもクグツの胸には響かない。
「黙れ……」
クグツの妄執は砕けない。何を言われようとがんじがらめになった絡まりは解けない。決して戻れぬゆがんだ想いがある。リルたちの輝きは、クグツにとっては目障りなものでしかない。
「コロ、ヒィーコ、あれをやりますわよ」
「あれっていうと……なるほど、あれっすね!」
「わかりました! 合体技ですね!」
なにが仲間から与えられた強さだ。なにが弱い自分を知っているだ。
だって、そうだったら自分は何なのだ。
クグツの胸が、くしゃりと痛む。醜く歪んだ顔は、しかし見ようによっては置いてけぼりにされて泣く寸前の子供にも見えた。
「僕は認めないぞ……」
クグツは糸を編む。絡まり、ほつれ、決して解けない結び目がいくつもできて、毛玉のようになった糸の塊を、クグツは頭上に生み出す。
なあ、なんでだよ。
相手を押しつぶすために巨大な糸球を作り上げながら、クグツは思う。
「変形・撃槍&時辰儀・懐中」
リルの号令に、まずはヒィーコが動く。装甲がパージして集合した槍に、歯車が組み合わさる。辺りの建物をまとめて貫けそうな円錐形のランスが出来上がった。それ一本で、クグツは敵わないような出力を迸らせている。
だから、なんでなんだよ。
レベルでは勝っているのに彼女たち三人の一人にすら劣っている現実に、そう思わずにいられない。
「僕は断じて認めない……!」
ヒィーコが作り上げた強大な槍を、今度はリルの縦ロールが包み込む。ほとばしる出力をすべて抑えこむように、穂先だけ残してぴっちりと槍を包む。
見ればわかる。どれだけ力を振り絞っても、今から放たれるだろう彼女達の技の威力に敵わない。拮抗すらできない。
いったい、何が足りなかったんだよ。
解けぬ疑問がクグツの頭から離れない。
「決して認めないぞォ!」
そして、炎の宿るコロの縦ロールが、筒状になったリルの縦ロールに組み合わされる。ヒィーコのランスの底に当たる位置に、炎がみなぎる。そのすべてをリルの縦ロールが包んで、力を一切逃さないようにしている。
三位一体の必殺技。
クグツの想像も及ばない力の集合体を見て、それでもクグツは諦められない。
そろっていたはずだろう。自分がいて、仲間と一緒にいて、諦めることなく邁進して、それで何が足りなかったんだよ。なにが駄目だったんだよ。仲間を全部使って、誇りと名誉もかなぐり捨てて、あからさまに怪しい男の手を借りて、ここまでして、それなのに至れないのか。自分は――あいつの敵にすらなれないのか。
「コロ、ヒィーコ、この合体技の名は分かっていますわね!」
「はいっ、バッチリです!」
「リル姉の微妙なセンスは了解してるっす!」
「ならば声を合わせていきますわよ! 必殺――」
クグツは真っ直ぐ一直線に自分に狙いを定めている目の前のリルたちを見ず、はるか先で自分に屈辱を刻み込んだライラに向けて、思う。
そんな目をするなよ。
せめて、ちゃんとこっちを見ろよ。
そのために、自分は。
「認めてたまるかぁあああああああああ!」
「「「ロール・パイルバンカー!!」」」
地平が砕けた。
三人で協力した一撃はクグツを吹き飛ばすのにとどまらず、直線状のすべてを薙ぎ払う。
三人の技を合わせて放った必殺の一撃。その射程にいたクグツの糸玉はあっさりと消し飛び、クグツ自身も送還される。残されたのは廃墟街を分断するかのような破壊痕だけだ。
消え去ったクグツの姿に、リルはわずかに目を閉じる。
ライラへの妄執を抱えた彼は、もしかしたらああなったかもしれないリルだった。
でもリルは、違う灯りを手に入れた。
目を開ける。自分の両隣には、コロとヒィーコが立っていて、自分はその真ん中で二人を率いていた。
その今を確認し、リルは誇らしく胸を張る。
「わたくし達『無限の灯』の勝ちですわ!」
声高らかに響き渡るリルの勝利宣言。
五十人いた『栄光の道』は一人残らず送還され、『無限の灯』は勝ち得た勝利を誇らしい笑顔でわかちあうリルとコロとヒィーコの三人。
そして彼女達がつくりあげた果てまで吹き飛ばすような痕跡のすぐ横で、薄皮一枚分ギリッギリのところで巻き込まれなかった無傷のエイスが頭を抱えてがくがく震え「今度こそ死ぬかと思ったよぉおおお」と涙を流していた。
前作の『ヒロインな妹、悪役令嬢な姉』の完結巻が明日発売になります。
クリスマスプレゼントとかにぴったりだと思います。クリスだけに。
それと、本作がツギクル大賞で佳作をいただきました。受賞には足りませんでしたが、皆様の応援を受けて書き続けていた作品が評価されて嬉しかったです。




