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闇の帝国    作者: 大和 武
9/288

第 9 話  ウエスの誤算。

大池を造る現場に到着した農民姿の兵士達、5千人はウエスとの再会を喜ぶ


様な仕草もできずに、其れは、ウエスも心得て要る。


フランド隊長とフォルト隊長は、ロレンツ隊長と、オーレン隊長にロシュエ


からの伝言を伝え、大池造りの農民達は、それから、3日後、大池造りの現


場を離れ、家族の待つ農場に戻って行く。


 1番隊と2番隊の兵士達は暫く進んだところで止まり。


 「兵士の全員は下馬せよ。」


 農民達は驚いている、一体、何事が始まるのかと不安そうな顔付きで有


る。


 「皆さん、兵士達と交代して、馬と馬車に乗って下さい。」


 「あの~、隊長様、なんで、オレ達を馬に乗せるんですか。」


 一人の農夫が聞くのも当然で、その時、一人の兵士が。


 「隊長、実はですね、昨日の夜なんですが、自分の足が言うんですよ、い


い加減に歩いてくれってね、少しは歩かないと、オレは、歩き方を忘れるっ


て。」


 と、兵士は大笑いする。


 「兵隊さん、正か、足がそんな事を言いますか。」


 農夫は真剣な顔付きで聞くので。


 「うん、実はね、私も、同じ様に言われたんですよ、時には、歩けって、


で無いと、オレは動かないと、私を脅かすんですよ。」


 と、隊長も大笑いとするの。


 「でね、その様な訳ですからね、私達も少しは歩く事を決めましたのでね


っ、さぁ~、さぁ~、皆さん、乗って下さいよ。」


 ロレンツ隊長は、農夫を無理矢理乗せたので有る。


 兵士達も、同じ様に、笑い顔で、馬や馬車に農夫達を乗せ、全員が笑いの


中、再び、ロシュエと家族の待つ農場へと向かって行く。


 その頃、フランド隊長、フォルト隊長と、野盗隊のホーガンは、ウエスと


技師長を交えて話をしていた。


 「ウエス隊長、技師長、実はね、此処に来る途中で狼の大群を見まして


ね。」


 と、フォルトが言う、だが、之は、フォルト隊長の大嘘で。


 「えっ、狼の大群ですって。」


 ウエスは、本気になって聞いて要る。


 「その通りなんで。」


 と、ホーガンも大嘘に乗ってきた。


 「その大群なんですが、どの方向に。」


 技師長を騙さなければ、ウエスは騙せないと、フォルト隊長は思って要


る。


 「それでね、技師長、相談なんですが、先日、到着しました、5千人の農


夫達に、この大池に大きな砦の様な物を作りたい思いましてね。」


 技師長は、正か、この大池造りの現場に砦を作るとは考えもしなかったの


で。


 「えっ、砦をですか、でも。」


 「技師長、この現場は、今までに無い程の大規模な工事なんです。


 其れに、ウエス隊長の5千人と、先日、到着した農民を守る為なんです


よ。」


 「はい、わかりましたが、隊長は、どの様な砦を考えられて要るのです


か。」


 「私は、農民を守る為に必要であれば思いますが、高さは、5ヒロは必要


だと思いますがねぇ~。」


 「確かに、高ければ、狼を発見するのも早いですから。」


 「それと、猪除けも大切だと思いますよ。」


 「わかりましたよ、じゃ~、簡単な図面を作りますが。」


 「はい、其れで、お願いが出来ればと思います。」


 「フランド隊長、オレ達、野盗隊は、前に有る森に行きますが。」


 「ホーガン、前の森だが、狼の大群がいる事は十分に考えられるんだ


ぞ。」


 「はい、勿論ですよ、まぁ~、20~30はいると思いますよ、それと、


猪もね。」


 「じゃ~、大変、危険だと思うがねぇ~。」


 「隊長、オレ達も、元は農民なんですよ、ですがね、今じゃ~、其れより


も、何時も将軍が言われてるじゃないですか、軍の兵士は、農民を守るん


だ、その為には、多少の犠牲が出る事も有るが、覚悟だけはして置けと。」


 「うん、私も、兵士だから、農民を守る為には、多少の犠牲は覚悟はして


要るが。」


 「まぁ~、隊長、オレ達に任せて下さいよ、先遣隊が、今、安全を確かめ


に入っておりますので、どの付近までが安全なのか、直ぐにわかりますよ、


其れに、わかり次第合図が有りますので。」


 「何、もう行ってるのか。」


「はい、実は、司令官からも言われていましてね、今度の現場は、何が起き


るかわからないので、野盗隊は、一緒に行き、農民達を守る様にと。」


 「ホーガン、だが、その任務は我々が。」


 「勿論ですよ、ただね、オレ達、野盗隊は、兵士達の邪魔にならない様に


とね。」


 此処まで、話しが進むと、3人の会話が大嘘ではなく、本当の様に聞えて


くるので、ウエスは、次第に納得する。


 「フランド隊長、では、自分達は。」


 「ウエス隊長は、今まで通りの作業に就いていただければ良いと思いま


す。


 其れで、砦造りに必要な材木は森から切り出しますので、その護衛に、


我々、4番隊が入ろうと考えております。」


 「では、3番隊は、ウエス隊長達の護衛と言う事になりますねぇ~。」


 と、フランド隊長も本気になっている様子だ。


 「技師長、図面はお願いしますが、農民達を今から森に。」


 「隊長、もう直ぐ、合図が有ると思いますので。」


 「うん、わかった、じゃ~、何時でも、行ける様に準備だけはするよ、ウ


エス隊長、お願いしますね。」


 「はい、わかりました、では、私は、今から戻りますので。」


 「あ~、それと、ウエス隊長、砦造りの為に、技師長はしばらくの間、居


られませんので、ウエス隊長が指揮を執って下さい。」


 「わかりました、では、私は。」


 と、ウエスは、仲間達の元へと戻って行く。


 「でも、隊長の大嘘話には参りましたよ。」


 「オイ、オイ、何を言ってるんだよ、お前の話の方が、一枚上手だよ。」


 と、フォルト隊長は笑うのだ。


 「ですが、あのウエスって野郎なんですが、本気で信じたと思います


か。」


 「えっ、じゃ~、君達の話は、全て。」


 技師長は、初めて気が付くので有る。


 「ですが、技師長、あのウエスって野郎なんですがね、将軍も司令官も、


其れに、私達も騙していたんですよ。」


 「えっ、其れは、本当なんですか。」


 「ええ、本当の話なんですよ、だって、此処に着いた農民の姿をして要る


連中ですが、数百人を除いて、ウエスが連れてきた兵士なんですよ。」


 「隊長、でも、全員が農民だと、私は、思っていましたよ。」


 「其処なんですよ、ですからね、今からは、本物の農民を探すんです


よ。」


 「でも、どうやって、確かめるんですか。」


 「まぁ~、其れは、任せて下さいよ、でも、狼がいる事に間違いは無いで


すからね、でも、砦の話ですがね、ウエス達の監視が本当の目的なんです


よ、奴ら、農場に来る前、何処かに大量の武器を隠していると思うんです


よ。」


 「フランド隊長、じゃ~、先に帰した農民は此処に戻ってこないんです


か。」


 「うん、将軍は、ウエス達を二度と、帰す気持ちは無いと言われてました


からねぇ~。」


 「ですが、彼らは、本気で、此処に大きな池を造るんだと言ってます


が。」


 技師長は、まだ、信じる事が出来ないのだ。


 「技師長、私と、フランド隊長が将軍に呼ばれた時の話をしましたら、信


用されると思いますよ。」


 と、その後、フォルト隊長は、技師長に、あの親子達の話をすると。


 「フォルト隊長、よ~く、わかりました。


 私も、此れからは、ウエス達に対する見方を変えますよ。」


 「其れが、良いと思いますよ、其れで、先程の砦の話ですが、私は、ここ


に来る途中考えていたんですが、ウエス達の宿舎は、今までと同じですが、


我々が使用する兵舎なんですが。」


 と、フォルト隊長は、技師長に、兵舎が必要だと説明した。


 「フォルト隊長、大変、素晴らしいと思いますよ、私も、ウエス達の監視


と兵舎の建設が最優先と考えますので、隊長は、出来るだけ多くの木材を切


り出して下さい。」


 技師長の頭の中には、この時、砦と兵舎の図面が浮かび出した。


 「ホーガンは、此れから大変だぞ。」


 「隊長、実はね、司令官から聞いたんですが、この付近には、狼は余り多


くはいないと、其れよりも、猪や鹿が、特に、鹿が大群でいると言われてま


したよ。」


 「じゃ~、さっき、話した、狼の大群ってのは。」


 「まぁ~、隊長には負けますが、大嘘ですよ、でもね、全くいないとは思


っていませんが。」


 「う~ん、其れが、問題になるね、だって、ホーガンの話じゃ、数百頭は


いるような。」


 と、フランド隊長は思って要る。


 「フランド隊長、何も心配は要りませんよ、我々が数頭の狼を持って帰り


ますから。」


 「だけど、数頭だけで、ウエスが信用するかねぇ~。」


 「隊長、任せて下さいよ、話なんてものは、いくらでも、作れますからね


っ、其れよりも、猪や、鹿が、大群でいると言う話なんですが、当分、肉の


確保は出来ますよ。」


 「そうだったのか、ホーガンの考えがわかったよ。」


 フランド隊長は、やっと、わかったのだ。


 「は~い、その通りですよ、だって、食料は入りますからねぇ~。」


 ホーガンの目的は、肉の調達だった。


 「まぁ~、その件は、ホーガンに任せるよ。」


「それで、私は、今から、偽者の農民達に話をしますので、隊長は、ウエス


達の所にお願い出来ますか。」


 「わかりましたよ、私も、ウエスの策略に騙されましたからね、今度は、


我々が、ウエスを騙しますよ、奴らの計画を見事に失敗させたですからねぇ


~。」


 フランド隊長は、ウエス達を騙し続けるのを楽しみにして要る。


 「私は、偽者に説明しますので、でもね、ウエスの話を聞いた兵士が、今


頃、偽者に話をして要ると思いますよ。」


 「じゃ~、隊長は、それと知ってて、わざと遅れて行くんですか、も~、


隊長と言うよりも、立派な詐欺師ですよ。」


 ホーガンは、大笑いし、技師長も。


 「そりゃ~、本当だ、でも、こんな話、将軍は知ってるんですか。」


 「いや~、将軍が、一番、楽しそうな顔をされておられましたよ、だっ


て、ウエスは、今でも、ばれてないと思ってるんですから。」


 「フランド隊長、こりゃ~、まるで、狸と狐の騙し合いですねぇ~。」


 「おい、おい、ホーガン、じゃ~何か、我々は、狸か、それとも、狐なの


か。」


 ホーガンは、笑いながら。


 「そりゃ~、決まってますよ、将軍は、大狸ですよ。」


 「将軍は、大狸か。」


 と、二人の隊長も技師長も笑いが止まらないのだ。


 「じゃ~、ホーガン、お前は。」


 「な~に、決まってますよ、オレ達は、子狸ですよ。」


 「そんな事、将軍に言ってみろ、大変だぞ。」


 技師長も言うが。


 「技師長、将軍に言ったら、それこそ、将軍は、腹を抱えて、大笑いしま


すよ。」


 「うん、そりゃ~、そうだなぁ~。」


 と、4人は、笑いが止まらず、それでも、話は進む。


 「まぁ~、笑い話は、置いてですね、私は、今から、偽者達に説明に行き


ますので。」


 フォルト隊長は、まだ、笑いが止まらないのだ。


その頃、ロシュエは、またも、鍛冶屋にいる。


 「お~い、出来たかよ~。」


 「将軍、今、作ってますが。」


 「お~、そりゃ~、済まんなぁ~。」


 「将軍、今度の荷車なんですが、人間では無理なんですがねぇ~。」


 「えっ、そんなに大きいのか。」


 「だって、将軍が言ったでしょう、大きな荷車が必要だって。」


 「お~、そうだったなぁ~、済まなかった、其れでだよ、何時頃完成する


んだ。」


 「本当に将軍は気まぐれなんだから。」


 「そうかよ、事情が変わってきたんだ、其れでだ、大きな荷車が数十台要


るんだが。」


 「えっ、だって、あの開墾は、急がないって、言われてましたよ。」


 「うん、始めはよ~、その積もりだったんだが、フォルト隊長から伝令が


来たんだ、其れによるとだ、大きな砦を造るんで、大至急、荷車が必要だっ


て、それも、大きな荷車をだ。」


 「でも、今、5台分を作り始めてるんで、そうですね、後、2~3日で、


5台は完成しますが、将軍、一体、何台必要なんですか、その砦ってものを


造るのに。」


 「いや~、オレも、砦を造るなんて知らなかったんだ、だがよ、隊長は必


要だと、言ってるんだ、済まんが、頼むよ。」


 ロシュエは手を合わせ、頭をピョコンと下げるので。


 「将軍、わかりましたよ、じゃ~、農場から十人くらい、手伝いをお願い


出来ますか。」


 「お~、そうか、其れでだ、先に完成した荷車なんだが、後、数日で、1


番と2番隊が戻ってくるんだ、その後、5番隊の中から選んで、その荷車を


運ぶ様に出来りゃ~、最高なんだがよ~。」


 鍛冶屋も其処まで言われると。


 「わかりましたよ、じゃ~、5台を早く完成させますんで、十人くらいの


手伝いをしてくれる人達の事を頼みましたよ。」


 鍛冶屋もニコットした。


 そして、ロシュエは、大工部隊に向かった。


 農場は、広いので、ロシュエは、馬に乗り、移動するのだが、広場は子供


達の遊び場になっている、その為、誰もが、馬や馬車でも移動は禁止されて


いる。


 「お~、みんな、忙しそうじゃないか。」


 「な~んだ、将軍か。」


 「何だよ、オレじゃ~、駄目なのかよ~。」


 と、言ったが、ロシュエは、大工部隊にも無理を言ってるので。


 「済まんなぁ~、どうだ。」


 「将軍、でも、こんな大きな荷車、一体、何に使うんですか。」


 「うん、それはだ、川の近くに大池を造るって話をしたと思うんだ、だが


よ、4番隊の隊長から伝令で大きな荷車を早く欲しいって言ってきたん


だ。」


 「だって、将軍は、別に急ぐ事も無いって。」


 「うん、オレは、そのつもりだったんだがよ、フォルト隊長は、急ぐっ


て、言ってきたんだ、其れで、今も鍛冶屋に無理を言ってきたんだよ、で


だ、2~3日の内に、5台が必要なんだ。」


 「わかったよ、将軍が、何かあっての頼みじゃ仕方ないか。」


 「済まんなぁ~。」


 「わかりましたよ、じゃ~、みんなで、後の荷車を作るか。」


 「そうしてくれるか、本当に助かるよ。」


 ロシュエは、手を合わせたので。


 「将軍、止めて下さいよ、将軍にそんな事されちゃ~、オレ達は。」


 「いいんだよ、だって、こんな無茶な頼みを聞いてくれるんだから。」


 それでも、ロシュエは、ニコリとした。


 「で、鍛冶屋さんからは、何時ごろ届くんですか。」


 「あっ、そうか、其れを、聞くのを忘れてたよ。」


 と、ロシュエは、下をペロット出すと。


 「だから、将軍は、駄目んだよ、何時も、何か大事な事を忘れるんだか


ら。」


 と、大工達も大笑いするので。


 「お~い、誰か、鍛冶屋さんに行って聞いてくれよ、こんな、大きな荷車


だ、鍛冶屋さんだって、相当苦労してると思うからなぁ~。」


 「じゃ~、オレが行って聞いてくるよ。」


 「じゃ~、頼んだぞ、で、将軍、この荷車に、一体、何を積むんだ。」


 「いや~、オレは何も聞いて無いんだ、だがよ、フォルト隊長が言ってく


るんだから、大木じゃ無いかと思うんだ。」


 ロシュエは、考えていた、長さが5ヒロも有る荷車に、一体、何を積むの


か。


 「う~ん、オレが考えるのはだ、多分だよ、大木じゃ無いかと思うん


だ。」


 「でも、将軍、長さが5ヒロも有るんだぜ、そんな長い大木を、一体、何


に使うんだ。」


 「そんな事、オレが知るかよ、フォルト隊長は、何も言ってこないんだか


らよ~。」


 「まぁ~いいか、隊長が急ぐと言う事はだ、大事な物を作るって話じゃな


いか、オレ達もガンバロ~ぜ。」


 大工部隊の隊長も快く返事したので。


 「有難うよ、みんな、じゃ~、頼んだぜ。」


 ロシュエは、手を振って戻って行く。


 少し、前、あのウエスは。


 「中隊長は集まってくれ。」


 「司令官。」


 「しっ、大きな声で言うな。」


 中隊長は頭を下げ。


 「司令官、何かあったんですか。」


 「うん、先程なんだが、3番隊と4番隊が到着したんだが。」


 「じゃ~、司令官、仲間が。」


 「大きな声では言えないが、その通りだ、だが、報告によると、狼の大群


が近づいて要るそうなんだ。」


 「えっ、狼の大群って、一体、何頭くらいなんですか。」


 「うん、話によると、5百か6百か、私は、それ以上と思ってるんだ。」


 「じゃ~、大変では無いですか。」


 「うん、その通りだ、此処の現場に人間がいるって事は狼同士が連絡した


のかも知れないんだ、其れで、さっき、我々の仲間が到着したと言ったが、


フォルト隊長が大至急、この現場に砦を作ると言ったんだ。」


 「でも、司令官、砦って、簡単に言いますが、大量の材木が必要になりま


すよ。」


 「うん、わかってるよ、其れで、フォルト隊長は、一緒に来た、我々の仲


間をだ、まぁ~、一応、農民となっているので、その農民達に砦を作らせる


と言うんだ。」


 ウエスは、フォルト隊長の話を、疑いもせずに、全面的に信用している。


 「じゃ~、司令官は、その砦作りに、我々の仲間も入るんですか、でも、]


司令官、狼の大群から、誰が守るんですか。」


 彼らも、自分達の仲間が危険だとわかっているので。


 「其れは、4番隊が護衛に就くと言うんだ。」


 「じゃ~、我々は。」


 「其れは、3番隊が就く事に、それと、4番隊とは別に野盗部隊も到着し


てるんだ。」


 「えっ、野盗部隊と、4番隊が、砦作りの護衛って事に。」


 「うん、その通りだ。」


 「司令官は、仲間と話は出来たんですか。」


 「何を言ってるんだ、我々の仲間と言っても、表向きは、一応、農民なん


だぞ、私が気軽に話をすれば、一体、どうなると思うんだ。」


 「あっ、そうでした、司令官、申し訳有りません。」


 この中隊長もだが、彼らも、早く仲間と再会したいと思って要る、だが、


現実は、簡単では無かった。


 「で、司令官、その砦ですが、何時ごろ完成するんですか。」


 「うん、問題は、それなんだがね、砦と言っても、此処の現場は広大なん


だ、狼の大群だって、何れ、もっと増えると、私は、思って要るんだ、だか


ら、砦は、大池の出来る状況によっては、絶えず、作り続けなければならな


いと思うんだ。」


 「じゃ~、何時になれば、仲間と会えるんですか。」


 この中隊長は、まだ、理解ができていないのだ。


 「君は、仲間と会いたいと言うがね、仲間もだが、我々だって、何時、狼


の大群に襲われるかも知れないんだぞ、仲間が作る砦は、我々にとっても、


大事な砦になるんだ、君は、そんな事もわからんのか。」


 と、ウエスは怒ったので有る。


 「此処の狼は、人間の味を覚えているんだぞ。」


 「司令官、じゃ~、あの時の戦で戦死した、我々の仲間を食べたと言われ


るんですか。」


 「その通りだよ、我々だって、美味しい物を一度でも食べると、次も食べ


たいと思うだろう、狼だって同じなんだ、別の仲間が造る砦も、我々が作る


城壁も同じなんだ。」


 「司令官は、早く城壁を完成させたいと。」


 「その通りだ、其れが、我々の命を守る事になるんだ、わかったのか。」


 ウエスも、今は、早く城壁を完成させたいと思う、だが、大きな川から農


場までは、馬車でも2日は掛かる、其れが、完成しなければ、自分達の仲間


が狼の餌食に、その様な事になれば、自分達の兵力は落ちると考えたのだ。


 「今の、我々に出来る事は、城壁を完成させる事だ。」


 「でも、司令官、その城壁を完成させる前に、奴らの武器を奪って。」


 「君は、何を考えて要るんだ、さっきも言った様に、この城壁を完成させ


ると言う事はだ、我々の命が助かるんだ、敵軍は、我々を守っているんだ


ぞ、数十人の敵軍を倒し、武器を奪って、其れが、一体、何になると言うの


だ。


 その時は成功したとしてもだ、直ぐに制圧され、今後は、我々を徹底的に


警戒する事になるんだ。


 我々が狼に襲われても、敵は助けてくれなくなるんだぞ、その様な事にな


れば、我々の勢力は落ちるんだ、たとえ、一時的に成功する事になっても、


長くは続かないって事なんだ、わかったか。」


 「はい、司令官、わかりました。」


 「君は、全員に、今の話をするんだ、我々の命を守る為に城壁を造るんだ


と、伝えたら、直ぐ、作業に入れ、以上だ。


 中隊長達は、ウエスに敬礼し、仲間の元へと戻って行く。


 その頃、ロシュエは、テレシアの所にいた。


 「テレシア、どうだ、あの親子は。」


 「そうねぇ~、お風呂に入ってさっぱりしたのか、今は、部屋で眠ってい


るよ。」


 「そりゃ~、良かった。」


 「ねぇ~、将軍、あの農民達は。」


 テレシアは、農民の服装した兵士を本当の農民だと思っている。


 「あの農民って、ウエス達が連れてきた兵士か。」


 「えっ、あの人達は、本当は兵士だったの、だからなんだね、あの親子が


表に出なかったのは。」


 「だけど、もう心配は無いんだ。」

 

 「それって、もう、この農場にはいないって話なのかい。」


 テレシアは、少し安心した。


 「奴らは、今頃、大きな川の現場に着いているはずだよ。」


 「でも、また、戻って来るんじゃ~、無いのかい。」


 「其れは、無いよ、奴らは、二度と、この農場には戻らせないから、大丈夫だ。」


 「でも、農場が完成するんだよ。」


 テレシアは、それでも心配なのだ。


 「うん、気持ちはわかるよ、だが、奴らは、農場を作ってるんじゃ無いん


だよ。」


 「じゃ~、一体、何を作ってるんだよ。」


「テレシア、奴らの仕事はなぁ~、大池と数ヶ所の小池なんだ。」


「そんなの、直ぐに終わるんだろうから。」


 「いや、テレシアの思ってる様な簡単な話じゃ~無いんだよ、農場を造る


って事は、此処と、同じで、城壁を先に造るんだよ、今度の農場は、テレシ


ア達が居る、この農場の数倍は有るんだから。」


 「へぇ~、そんなに大きいのかい、だったら、直ぐには終わらないねぇ


~。」


 「勿論だよ、それにだ、その農場が完成しても、次も有るんだぜ。」


 「まだ、有るのかい、じゃ~、本当に安心していいんだね。」


 「うん、その通りだよ、だから、あの親子にも知らせて欲しいんだよ、此


れからは、何も心配しないで、この農場に居れるんだって。」


 「うん、わかったよ、じゃ~、あの親子の家も有るんだ。」


 「うん、其れは、テレシアに任せるよ、それと、仕事の事もだ。」


 「わかったよ、暫くのんびりとさせてから決めるとするよ、ありがと


よ。」


 「な~に、其れは、テレシアに任せるよ、後の事は任せるぜ、じゃ~な


っ。」


 と、ロシュエは、テレシアの家を出て、リッキー隊長が居る宿舎に向かっ


た。


 ロシュエは、広場を歩いていると、司令官も着たので。


 「閣下、今から、どちらに。」


 「お~、司令官かよ、オレは、今から、リッキー隊長の所へと思ってんだが、司令官


は、何処に。」


 「はい、私も、今から、リッキー隊長に会いに行くところで有ります。」


 「じゃ~、一緒に行くか。」


 暫く歩くと、一人の兵士と会った。


 「お~い、今、隊長は、何処に居るんだ。」


 兵士は、駆け寄り、敬礼をし。


 「はい、隊長は、確か、上の見張り所に居られると思いますが。」


 「お~、そうか、じゃ~、オレ達も見張り所に行くか。」


 「はい、承知しました。」


 司令官は、兵士に。


 「済まないがね、今から、将軍と私が行くと伝えに行ってくれないか。」


 「は、司令官、承知しました、では。」


 と、兵士は、二人に敬礼し、大急ぎで城壁の見張り所に向かった。


 「閣下、今、作っております、大きな荷車ですが。」


 「うん、その事で、今から、リッキー隊長に相談しようと思ってんだ、


で、司令官は。」


 「はい、わたしも、閣下と同じ事を考えておりましたので。」


 そうか、有難うよ、それとだが、1番隊と2番隊は何時頃戻って来るん


だ。」


 「はい、その事も、閣下にお知らせしようと思いましたのですが、丁度、


お会いしましたので。」


 「うん、其れで。」


 「先程、伝令が届き報告を受けました。


 明日の昼頃には戻る事が出来るそうなのだと。」


 「そうか、じゃ~、先発した農民も一緒だって事だな。」


 「はい、その様で御座います。」


 その時、リッキー隊長が見張り所から降り。


 「将軍、私に、御用だとお聞きしましたが。」


 「お~ぉ、済まないねぇ~、忙しい時によ~。」


 「いいえ、私は、何も、で。」


 「隊長、少し相談が有るんだ、指令所に行くか。」


 「はい、承知しました。」


 3人は、隊長の指令所に向かう。


 指令所は、城壁の内部に作られて要るが、この場所はウエス達も知らない


場所で部屋に入ると、3人は座り。


 「隊長、実は、相談と言うのはだ、今、大工部隊に大きな荷車を作らせて


いるんだ。」


 「はい、私も、知っておりますが。」


 「うん、其れでだ、この荷車を大池を造っている現場に、と言うか、近く


の森で、大木の切り出し作業に入って要るんだが、その場所まで、5番隊で


運んで欲しいんだよ。」


 「はい、私は、何時でも宜しいのですが、その大きな荷車は、何時、完成


するのでしょうか。」


 「大工部隊と鍛冶屋の話では、後、2~3日で完成すると聞いてるんだ


よ。」


 「じゃ~、馬も必要になりますね。」


 隊長は、荷車を引くのは馬だと思っていたので。


 「隊長、本当に申し訳ないんだが、この荷車は、馬で引くんじゃ~無いん


だ。」


 「えっ、将軍、正か。」


 リッキー隊長は、驚き、正か、兵士達に引かせるとは考えもしなかったの


で。


 「うん、隊長、その正かなんだ、5番隊の兵士達に引いて現場まで運んで


欲しいんだ。」


 だが、リッキー隊長は、荷車の大きさを知らなかったので。


 「将軍、何故ですか、馬に引かせれば、簡単だと思いますが。」


 だが、リッキー隊長もロシュエの考えて要る事を知らないのだろか。


 「うん、其れは、当たり前の話だ、隊長、この農場や軍馬を使う事は簡単


だよ、だがよ、オレが何故、馬を使わないかと言う事はだ、奴らにも馬を使


わず、全ての作業は人間の力だけで行なうと言う話なんだ。」


 「では、今、造っている大池の現場もでしょうか。」


 「うん、そのとおりだ、大池造りには馬車も使うがよ~、大木を運ぶのは


奴らの力だけで運ばす積もりなんだよ。」


 司令官は、ロシュエの考えて要る事がわかったのだ。


 「隊長、実はですね、私も、同じ考えなんですよ、此れから先、長期間、


大木を切り出し運ぶのは、全て人間の力だけで行なうと言う事はですね、奴


ら、其れは、ウエス達の戦意を無くすためだと、私は、思っているんです


か、閣下、如何でしょうか。」


 「いや~、さすがに、司令官だよ、隊長、司令官に言ったとおりなんだ、


オレはね、奴らを殺す事よりも、この農場から、司令官の居た城までを農場


と大池、いや、その前の城壁造りに、奴らに全部造らせる考えなんだよ。」


 リッキー隊長もやっと理解できた。


 「将軍、わかりました、全ての農場を造り終わるまでは、ウエス達を休み


無く使うのですね。」


 「その通りなんだ、だって、オレ達だけで、造るなんて無理なんだ、ウエ


ス達は、何れ、決起しようと策を練っているが、その策は、成功させないん


だ、だが、奴の事だ、今の農場が完成すれば終わりだと考えて要るだろう


よ、我々は、まだ、ウエスは、何も知らないと思っているはずなんだ。」


 ロシュエは、ウエス達を解放する気持ちは無い。


其れよりも、ウエスが引き連れてきた、兵士全員に戦意を完全に喪失させる


作戦に入ったので有る。


 「だが、奴らには、知られ無い為にも、奴隷の様な扱いはしない事なん


だ、我々は、あくまでも、狼から、お前達を守っているんだと思わせる事が


大切なんだよ。」


 「将軍、大変、よくわかりました。


 では、私は、各中隊長に説明し、末端の兵士まで理解させる様に致しま


す。」


 「その通りだよ、だけど、奴らを完全に制圧する必要は無いんだよ、まぁ


~、その内、我慢できずに脱走する奴も出るが、狼に見つかれば、餌食にな


るんだ、遠くで悲鳴が聞えたらだよ、奴らもおとなしくなるだろうからなぁ


~。」


 何と、言う事だ、ロシュエは、戦わずしてウエスの引き入る軍隊を完全に


骨抜きにしようと考えて要る。


 「今は、ウエスの兵も居ないから、全員が完全にわかるまで説明をしてや


ってくれ、頼んだぞ。」


 「はい、将軍、わかりました。」


 「それとだが、1番隊と2番隊が明日にも戻ってくると聞いて要るんだ


が、彼らにも、休みが必要だから出発は急ぐ必要は無いからね。」


 「はい、では、戻られて、2~3日後には、出発の予定と言う事で、如何


でしょうか。」


 「うん、オレは、別にいいんだ、ロレンツ隊長とオーレン隊長と良く相談


して決めてくれよ、じゃ~、宜しく頼むぜ。」


 ロシュエと、司令官は、リッキー隊長に説明が終わると、指令所を後にし


た。


 「閣下、ウエスも、正か、この様になるとは思いもしなかったと思います


が。」


 「うん、その様だ、オレは、奴らが、今まで行なってきた、残酷な行為に


対しての償いを一生掛けてさせる積もりなんだよ、だって、あの親子の話を


聞くとだ、オレは、簡単に終わらせる事が出来ないんだ。」


 「閣下、私も、決して許される事では無いと思います。


 戦争は、兵士と兵士が行なうもので、何の関係もない、女、子供までを殺


すと言う行為は、黙って見逃す訳には行きませんので。」


 「司令官、奴らが、大池と数ヶ所の小池を作り、城壁が完成した時には、


次の現場に移動させるんだ、まぁ~、今は、何もわからない状態で、奴ら


も、まだ、士気は高いと思うが、多分だよ、城壁が完成する頃には、完全に


喪失していると思うんだ。」


 「はい、私は、その様になる事を願っております。」


 一方、1番隊と2番隊は野営地に着いた。


 「さぁ~、皆さん、野営地ですよ。」


 ロレンツ隊長は農民達に告げると。


 「兵士は全員配置に就け。」


 兵士達は、隊長の命令前に配置の場所に向かっている。


 「隊長さん、オレ達は、夜食の準備に入りますが。」


 その場所は、ウエス達も知らない、本道を外れたところに、野営地と反対


で数ヶ所にも小屋が建てられている。


 「隊長さん、この場所は、あの時には無かったと思うんですが。」


 農夫達にも知らせて無かった場所なのだ。


 「う~ん、其れはね、あの時には、ウエスと言う隊長と多勢の兵士が居た


でしょう、奴らに、この場所を知られると思ったんですよ。」


 「でも、隊長さん、この付近には、狼はいないんですか。」


 やはり、農民が一番恐れているのは狼だ。


 「皆さん、安心して下さいよ、狼はこの中には入れないんですよ、ここか


らは見えませんがね、林の中に高い壁を作って有るんですよ。」


 「えっ。」


 と、数人の農夫が見るのだが、何処を見てもわからない。


 「じゃ~、馬も、この中にですか。」


 「そうですよ、それにね、馬車の囲いを外して、さっき入ったところに壁


を作るんですよ、まぁ~、其れよりも、申し訳ないが、夜食にするだけの食


料を確保出来なかったんですよ。」


 「いや~、オレ達は、別にいいんですが、兵隊さんは。」


 「ロレンツ隊長、明日の朝ですが、スープとパンは、あっ、しまった。」


 料理係りの兵士は、隊長に頭を下げ。


 「隊長、パンの仕込みを忘れてました。


 今から、準備に入れば、朝は、スープとパンだけですが、如何でしょう


か。」


 「其れは、仕方有りませんよ、だって、この道を2日間で戻る積もりでし


たからねっ、じゃ~、今から、準備に入って下さい。


 明日の朝には、皆さんに食べていただける様に。」


 「はい、直ぐに取り掛かります。」


「隊長さん、オレ達よりも、兵隊さんが先に食べて下さいよ、オレ達は、な


んとも有りませんから。」


 農夫達も兵士達の事を考えて要る。


 「大丈夫ですからね、其れよりも、皆さん、今夜はゆっくりと眠れます


よ、そして、明日の昼頃には、全員が、農場に帰れますからね。」


 「隊長さん、本当にありがたい話です、じゃ~、オレ達は、先に眠らせて


頂きます。」


 と、農夫達は、数十人づつ、小屋に入って行く。


 農夫達は、明日の昼頃には農場に着けるので、今夜はぐっすりと眠れるだ


ろうと、ロレンツ隊長とオーレン隊長も安堵の表情だった。


 話は少し戻り、4番隊と大池造りの現場に到着した偽者の農夫達に、フォ


ルト隊長が説明を始めている。


 「皆さん、大変、お疲れだとは思いますが、先程、我々の斥候からの情報


と、今後の工事に就いての説明を行いますので、皆さん、よ~く、聞いて下


さいね。」


 偽者達よりも本物の農民の顔は青ざめ、其れは、恐怖の顔で有る。


 彼らは、直ぐに理解した、其れは、狼の大群がいると言う事なのだ。


 4番隊の中から、数十人の兵士が偽者達の間を見回っている、其れは、こ


の中に本物の農民が居るからで、その農民を探し出すためで。


 兵士達は次々と農民を探し出し、立たせ、別の場所に移して行く。


 だが、本物の農民達は、恐怖の顔で、しかも、兵士達からは何の説明も無


いので。


 「では、今から、大切な話をします。


 我々の斥候は、皆さんよりも早く出発しましたが、此処から半日くらいの


ところに5百か、それ以上の狼の大群が移動して要るとの情報が入りまし


た。」


 この時、偽者達もだが、本物の農民達からも大きなどよめきが起きた。


 其れは、兵士達よりも、農民達の方が、狼の恐ろしさを、いやと言うほど


知って要るのだ、兵士には武器が有るが、農民には何も無いのだ。


 「皆さん、少し静かにして下さいね、ですが、今のところ、この狼の大群


が、皆さんの居られ事は知らないと思いますが、皆さんも、ご存知の様に、


狼と言うのは、大変、賢い動物ですから、直ぐ、皆さんが居ると言う事に気


付くとは思っています。」


 この時、偽者の中に、指揮官と思われる農夫が手を上げた。


 「隊長さん、じゃ~、オレ達は、一体、どうなるんですか。」


 隊長は、見抜いていた、幾ら、服装で変装しても、この男は農民では無い


とすぐにわかったが。


 「其れで、皆さんにお願いが有ります。


 其れは、我々よりも、皆さんの為にですよ、皆さんの安全を確保する為


に、森から大木を切り出して、この場所、其れは、大池を造る場所に砦を作


るんです。」


 偽者達は、何故、砦が必要なのか、理解が出来ないので、仲間同士で話を


している。


 「では、今から、説明をしますので。」


 フォルト隊長は説明を始めた、その間でも、兵士達は、本物の農民を数人


立たせ、別の場所で話しを聞いたのだ。


 「少し、お話しを聞きたいのですが。」


 それでも、農民は恐怖に満ちた表情で。


 「兵隊さん、オレ達をどうすんだ。」


 と、言った、表情は硬く。


 「大きな声では、言えないのですが、貴方方は何処から来られたんです


か。」


 兵士の質問が理解できないのか。


 「オレ達は、大きな城の近くの農村から来たんだ。」


 「うん、わかりましたよ、じゃ~、貴方方は、その農村から連れて来られ


たんですね。」


 数人の農民は頷き。


 「うん、そうだよ、あの兵隊に脅かされたんだよ。」


 「わかりました、じゃ~、私達と一緒に他の人達を探して下さい。」


 「えっ、でも、そんな事をしたら、オレ達は殺されるよ。」


 農夫は恐怖の表情が一層増した、だが、兵士は二コリとして。


 「何も、心配は要りませんよ、我々は、偽者だけを残す積もりなんですか


ら、貴方方、本物の農民だけを助けたいんです。」


 それでも、農夫は信用していない。


 「そんな事言って、オレ達を集めて殺すんだろう。」


 「いいえ、本当なんですよ、我々の将軍は、貴方方の見方ですからね、本


当に心配は入りませんよ、それにね、我々の隊長は、偽者だと知って話をし


て要るのでね、其れに、我々の仲間が、何時でも見張っていますからね、本


当に心配は要りませんよ、どうか、協力して、お仲間を探して下さいね。」


 兵士が話すと。


 「兵隊さん、本当なんですね、じゃ~、その話を信じるよ。」


 兵士は頭を下げ。


 「じゃ~、行きましょうか。」


 と、数人の農夫を連れ、偽者達の元に戻り、次々と本物の農夫を探し出し


て行く。


 「あの~、兵隊さん、一体、何をされているんですか。」


 此処で、フォルト隊長は思い切った行動を取った。


 「う~ん、では、仕方有りませんね、4番隊は配置に就け。」


 命令を受けた、4番隊の兵士達は、ホーガンを構えた。


 「隊長、之は、一体。」


 「全員、静かに、今から聴くが、この中で、自分は農村から来た農民で有


ると言う者は手を挙げ立って下さい。」


 4番隊の兵士達が見守る中で、最初に数人が手を挙げ立った。


 「これだけですか、では、残りの全員は。」


 と、言った時。


 「隊長さん、オレもだが、本当にいいのかね。」


 「大丈夫ですからね、私は、農民で、兵隊では無いと言われる人達は、手


を上げて下さいね。」


 すると、次々と、手を挙げ立ち始めた。


 「今、手を挙げられた人達は、その場から離れて下さい。」


 だが、それでも少ないと、フォルト隊長は思ったのだが、指揮官と思われ


る男が。


 「隊長、何の為に、この様な事をされるんですか。」


 と、不審な顔付きで聞くので。

 

 「じゃ~、皆さんに説明しますからね、今、此処に居る殆どの人達は農民


では無く、兵士だとわかっているんだ。」


 「えっ、何故、そんな事を言うんだ。」


 この男は、少しづつ、本性を現してきた、其れは、言葉使いでわかる。


 「我々は、本物の農民と、君達の様な偽者とを分けているんだ。」


 「だが。」


 と、言った時、お前は、この兵士達の指揮官だと、我々は、既にわかって


いるんだ、まぁ~、静かにした方が、いいと思うがね。」


 4番隊の兵士達は、ホーガンを構え、いつでも、発射出来る様にして要


る。


 最初に手を挙げた農夫が、まだ、手を挙げていない仲間達を次々と連れ出


すのを見た、他の農夫達も、中に入り、同じ様に仲間の農夫を探し出し、連


れ出して行く。


 その結果、ロシュエや司令官が思ったとおりで、千人近い農夫が集まっ


た。


 「もう、居られませんね、では、他の者達は全員が兵士だと言う事になり


ますね。」


 「隊長、一体、何の真似なんだ。」


 と、凄みを見せるが。


 「農夫の人達は暫く待ってて下さいね。」


 隊長はニコヤカな顔付きで言ったが。


 「では、今から、残りの兵士諸君に命令を下す。


 お前達の仕事は、あの森から大木を切り出す作業に就いてもらう。


 何故ならば、狼の大群が近くまで来ているためで有る。


 大池を造るための作業現場の周りに、警戒するための砦と、狼の侵入を防


ぐ為に高い壁を作るためで、作業は、夜明けから日没までとする。」


 その話を聞いた指揮官らしき男は。


 「なんで、我々が、砦や壁を作る必要が有るんだ。」


 「其れはねぇ~、君達自身の身を守る為なんですよ、君達は、狼の恐ろし


さを知らないと思いますがね、此処の農民もだが、我々は、狼の恐ろしさを


いやと言うほど知って要るんだ、だから、若しも、この現場から、君達が脱


走したとしても、我々は、脱走者を守る事はしない。


 今まで、君達は兵士だったが、此れからは、砦と大木の城壁を造る作業に


就いてもらいますからね。」


 「あの~、隊長さん、では、オレ達は、一体、どうなるんですか。」


 一人の農民は、まだ恐怖から覚めていないのか。


 「農夫の皆さんは、数日もすれば、この現場を離れ、我々の農場に行って


いただく事になると思いますよ。」


 「でも~、オレ達だけじゃ~、。」


 「うん、そうですね、確かに、その様ですが、何も、心配は要りませんか


らね、数日も経てば、我々の仲間が、此処に来ますからね。」


 「じゃ~、助かるんですか。」


 「勿論ですよ、我々の将軍は、皆さんの様な農家の人達を大切にされる人


物ですから。」


 と、フォルト隊長はニッコリとするので、隊長の顔をみた農民達は、これ


で、やっと、安心出来ると思ったのだろう、農夫達の顔から次第に恐怖の顔


は消えて行く。


 「4番隊の一番中隊は、この人達を連れて、食事と休息を取らせる様


に。」


 フォルト隊長が命令を出すと。


 「さぁ~、皆さん、私達と一緒に行きましょうか。」


 一番中隊の兵士達がにこやかな顔で連れて行く。


 「君達は、今から、森に入り、大木の切り出し作業に入る様に、道具はそ


ろって要るから、全員、起立せよ。」


 フォルト隊長の命令が下り、偽者達は、抵抗する事もなく森へと向かい、


偽者達の監視には、4番隊の兵士が就く事になる。


 「あっ、そうだ、言い忘れて事が有る、君達が泊まる所は別の場所になる


ので、ウエス隊長とは接触する事は出来ないよ。」


 フォルトが言ったのは、本当だ、ウエス隊は大池と城壁を造るために、川


の手前に宿舎は有るが、大木を切り出すためには、森の近くに宿舎が必要だ


と考え、3番隊の中から数百人がテントの設営を行なっている。


 だが、偽者達も小屋に泊まれると思っている、偽者達の後ろから、数十台


の馬車も行く、其れは、道具を積み込んだ馬車で、彼らには、今、食事を取


る時間も無かった。


 偽者達は、時々、聞こえる狼の吠える声で少しづつ脅える様になった。


 「隊長さん、今の鳴き声は狼だろう、この森にも狼はいるのか。」


 隊長はニンマリとして。


 「勿論だよ、この森に何頭の狼がいるのかは知らないよ、だけど、今、こ


の森に入って要るのは野盗隊で、狼退治を行なっているはずだからねぇ~、


まぁ~、君達も覚悟だけはする事ですねぇ~。」


 その時、野盗隊が来て。


 「隊長、今、数十頭の狼を退治しました、でも、まだまだ、要ると思いま


すが。」


 「そうですか、で、どの付近までは、大丈夫ですか。」


フォルト隊長は野盗隊に目で合図をした、彼ら、野盗隊が言った、数十頭の


狼を退治した話は大嘘でフォルト隊長もわかっていた。


 「そうですねぇ~、一応、百ヒロ前後は大丈夫ですが、まだ、大きな猪


と、これも、大きな熊も数十頭もいましたからねぇ~。」


 「そうですか、では、此処での切り出し作業は命懸けと言う事ですか。」


 「勿論ですよ、だって、さっきも、森の奥に新たな大群を発見しましたか


ら。」


 「えっ、また、大群なのか、其れで、何頭くらいはいるのかわかります


か。」


 「ええ、大体ですが、5百頭はいると思いますよ。」


 「そうですか、では、見回りを宜しく頼みますね。」


 この話を聞いた、指揮官らしき男は。


 「隊長、話はわかりました、ですが、その5百頭も要る狼の大群から、


我々を守っていただけるるんですか。」


 この男も、次第に状況が飲み込めてきたが、別の兵士は。


 「それじゃ~、我々は、大木を切り出しに行くんですか。」


 「もう、仕方ないぞ、此処まで来たんだ、其れに、我々には武器も無いん


だ、どうやって、此処から逃げるつもりなんだ。」


 「う~ん、でも、我々だって兵士ですよ。」


 やはり、この男は指揮官だった。


 「まぁ~、今更、何を言っても仕方が無いと思いますよ、後、数日もすれ


ば、大木を運ぶ荷車が到着しますのでね、其れまでは、何本かは切り倒す事


は出来るでしょからねぇ~。」


 フォルト隊長は簡単に言うのだが、其処に新たな情報が飛び込んできた。


 「隊長、やはり、相当な大群ですよ、それとは別に、大群は此方に向かっ


ております。


 約、5百頭はいると思います。」


 この情報も野盗隊が仕掛けた大嘘なのだ。


 「さぁ~、皆さん、如何されますか、早く砦を造って安心するか、それと


も、此処から逃げて狼の餌食になるか、其れはね、皆さん次第ですからね、


まぁ~、我々としてはどちらでも宜しいですよ。」


 「えっ、じゃ~、隊長の軍は。」


 「ええ、簡単な話ですよ、皆さんが餌食になれば、暫くは襲ってくる事も


有りませんのでね、それから、我々が砦造りに掛かりますよ、ですがね、こ


れだけは言っておきますよ、皆さんの他に、ウエス隊長の部隊も、そうなる


と、狼の餌食で全滅するって事に。」


 其れは、大変な事だ、ウエスが考えた作戦が実行出来ない、では、どの様


にしても、自分達が砦を造るしか方法は無いのだろうか、生き延びる事によ


って、今、直ぐに作戦は実行できないが、何れの時が来れば、ウエス隊長が


助けてくれると考えたのだ。


 「隊長、わかりました、自分達の身は自分達で守りますので、森から大木


の切り出し作業は行いますが、何時まで続くのですか。」


 やはり、フォルト隊長の思っていた通りだった、期間を聞くと言う事は、


切り出し作業が終われば、何かの行動に出ると判断した。


 「私も、今は、わかりません、でも、あの大池の周りを全て高い城壁にす


るのですからね、数日とは思いませんがねぇ~。」


 「では、数ヶ月は掛かると。」


 「私は、わかりませんが、今、技師長が図面を書かれておりますので、そ


れと、皆さんに言っておきますが、皆さんが、何らかの理由で、我々の兵士


を殺害したならば、その数倍、いや、数十倍の犠牲者が出るとだけは覚悟し


て下さい。


 私の部下を怒らせると、私、一人では制止は出来ませんのでね。


 フォルト隊長の言葉は優しいが下手な事をすれば、全員が犠牲になると言


う事なのだ。


 「其れは、脅迫ですか。」


 「いいえ、あくまでも、忠告ですよ、では、皆さん、印の付いた大木を切


り倒して下さいね。」

 

 偽者達が見たのは、大人の胴体ほどもあり、見上げれば5ヒロどころか、


10ヒロに近い大木で有る。


 「えっ、こんな大木を切り出すなんて、とても無理だ。」


 別の兵士が言ったが。


 「まぁ~、死んだ積もりで切り倒す事ですよ、では、今から、百本は切り


倒して下さいね、其れが、出来ない時には夕食は無いと思って下さいよ、じ


ゃ~、始めて下さい。」

 

 フォルト隊長はニヤリとした、だが、兵士達は大木の切り方までは知ら


ず、其れを、言えなかった。


 「でも、君達は、この大木の切り方を知って要るのですか。」


 隊長は、意地悪そうな顔で聞いた。


 「実は、何も知りませんので、教えて下さい。」


 指揮官らしき男が言ったのだが。


 「私も、知りませんよ、でしたらね、あの農夫達に教えて頂くと言う事で


すね。」


 「えっ、我々が、農夫に頭を下げるんですか。」


 「はい、その通りですよ。」


 フォルト隊長は、農夫達を見て、二コリとすると、農夫達も二コリとして


要る。


 「そんな事は出来ぬ、我々は、兵士だ、兵士が農民に頭を下げる事は出来


ない。」


 「じゃ~、わかりましたよ、まぁ~、皆さんで、ガンバって下さいね。」


 隊長は、農民達の所に行く。


 兵士達は、仕方無く、各自が道具を持ち、大木に挑むが、兵士達が思って


いた以上に、大木は、切れない、彼らにも、意地が有る、少しづつだが切れ


る様になった。


 数人の兵士は何も考えず、1本の大木と格闘しているが、人間の胴体以上


にも有る大木を兵士達は力任せに斧を入れるだけだ。


 格闘を始めて、数時間経つが大木の半分も切り込まれていない。


 兵士達も、次から次へと、人が入れ替わり、斧を振るうのだ、やがて、数


時間経つが、それでも、半分がやっとだと言う所まで来た。


 「隊長さん、あれは、斧の使い方も知らないから、あの切りかたじゃ~、


どの方向に倒れるかわからないですよ。」


 フォルト隊長もわかっていた。


 「まぁ~、暫くは見物しましょうよ。」


 同じ様な光景が、あちら、此方で見られている。


 「隊長さん、此処じゃ~、危ないですよ、多分、あの大木は此方に向かっ


て倒れて着ますからね。」


 「うん、有難う、じゃ~、我々は、別の場所に行きましょうか。」


 フォルト隊長と数人の農夫は別の場所に移動する。


 突然だった。


 「ぎゃ~。」


 と、大きな悲鳴が聞えた、其れは、数人の兵士が大木の下敷きになって死


亡したのだ。

 

 だが、悪夢はそれだけでは収まらず、その直後、数ヶ所で大きな悲鳴が聞


こえはじめ。


 何も考えずに大木に斧を入れた事で、大木は、突然倒れ出したのだ、その


倒れる方向もまちまちで、同じ方向に倒れた大木は1本も無い。


 その為、倒れた大木の犠牲になったのは、50人以上にも成った。


 「あの~、あの兵士を助けたいのですが、どの様にすれば。」


 と、男はか細い声だった。


 「直ぐに助け出すのは無理ですよ、それに、もう、死亡していますよ。」


 「えっ、そんな、50人もですよ。」


 「其れが、どうかされましたか、私は、最初に言ったでしょう、農夫の人


達に教えて貰いなさいとね、ですが、貴方方は、其れを拒否しました。


 其れが、この様な、結果になったと言う事ですねぇ~、お~い、誰か、ロ


ープと滑車数個を取りに行ってくれ、それとですね、あの木と、この木を、


それと、此方の木ですが、農夫さん、申し訳無いですが、同じ様な木を6本


くらい切り倒して下さい。」


 「隊長さん、じゃ~、兵隊を助けるんですか。」


 「死んだままで放置は出来ませんよ、狼が近くにおりますので、血の匂い


で来る事もありますので、4番隊は、周辺をよ~く、監視せよ。」


 「隊長さん、わかりましたよ、お~い、隊長様からだ、十人くらい、手伝


って欲しいんだけど。」


 すると、十人以上が早くも、人間の太ももくらいの木を数本切り倒しに森


に向かった。


 兵士達は、一体、何を始めるのわからず、只、じ~っと、見ているだけ


で。


 「オイ、君達は、何を見てるんだ、農民さんが切り倒した木の枝を切り落


とすんだ。」


 兵士達は、農民に教えてもらいながら、小枝を切り落とし始めた。


 「隊長、ロープと滑車、それと、馬車も持ってきました。」


 「そうか、じゃ~、4番隊から、20人ほど、来てくれ、助ける準備


だ。」


 その前に、20人ほどが走ってきて、直ぐ、ロープと滑車で有る物を作り


上げた。

 

 其れは、4番隊だけでなく、全部隊が出来る作業なので有る。


 「では、作業開始。」


 と、隊長の合図で、ロープは長い、10人、20人、いや、50人がロー


プを掴み、隊長の合図を待って要る。


 「では、ゆっくりと、引くんだ。」


 すると、大木は、少しづつ持ち上がり。


 「隊長、宜しいでしょうか。」


 「オイ、何を見てるんだ、早く、引き出せ。」


 だが、兵士達は直ぐには動けないのだ。


 「早く、引き出すんだ。」


 「はい。」


 と、数人の兵士が、押し潰された仲間を引き出すが、どの兵士達も既に死


亡している。


 中には、頭が大木に下敷きで原型を留めず、その惨たらしい姿に驚くばか


りだ。


 兵士達は、戦場でも、この様な光景は見た事が無いのだろう。


 「死亡した兵士を早く馬車に乗せて下さいよ。」


 其れからは、次々と死亡した兵士達は馬車に乗せられ、別の場所に運んで


行く。


 全ての遺体の収容作業を終えたのは、夕方を越えたので有る。


 「この場所で、直ぐに火葬にしますから、薪木を運んで下さいね。」


 隊長も初めてだったが。


 「貴方方は、薪木の上に遺体を載せて下さい。」


 死亡した兵士の身体は、見るも無残な姿だが、起きた事故は仕方は無い、


辺り一面には、遺体を焼く匂いが蔓延している。


 「貴方方は、遺体が完全に燃え終わるまで、この場に残って下さいね。」


 「はい、わかりました、隊長、此れから、自分達は。」


 「あ~ぁ、そうでしたね、今日は、作業は出来ませんのでね、遺体が骨に


なったら、そうですね、此れから、城壁を造る場所にでも埋めて頂きましょ


うか。」


 「はい、わかりました。」


 だが、この男は、別の話をしたかったのでだ、其れは、此れからも大木の


切り出し作業を続けるのかと言う事なので有る。


 「では、皆さん、貴方方の仲間が死亡され、今、この場所で火葬していま


すが、明日からは、大木の切り出し作業を再開しますので。」


 「えっ、明日からですか、でも。」


 男は、驚き、回りの兵士達も驚いている、自分達の仲間、50人が死亡


し、今、火葬を行なっている、明日から作業に入れる気分では無いのだと言


いたい。


 「明日の朝から始めますが、其れはね、皆さんの為ですよ、既に、この森


近くの狼は死臭を嗅ぎつけていますよ、私は、別に宜しいですよ、ですが、


狼の大群が、何時、襲ってくるのかわからないですよ、今の、貴方方の気持


ちはわかりますよ、でも、狼は、貴方方の気持ちなんては考えてはいません


よ。」


 「はい、其れは、わかっているのですが。」


 「大木の切り出し作業が遅れると、それだけ、危険が増すと言う事です


よ、それでも、良ければ、私は、別に宜しいですが。」


 「はい、隊長、わかりましたよ、其れで、お願いが有るのですが。」


 「一体、何をですか。」


 フォルト隊長は、わかっていた、今日の様に、大きな犠牲は二度と出した


くは無いので、だから、教えて欲しいんだと。


 「自分達に、大木に切り倒し方を教えて欲しいのですが。」


 やはり、だった、だが、その前に、この兵士達もだが、何も知らない農民


達にも説明する必要があった。


 「わかりました、ですが、その前に、此処に居られる皆さんに少しだけ、


お話しをしましょう。」


 と、フォルト隊長は、話を始めた。


 其れは、兵士達よりも、農民達が驚く話で、フォルト隊長は、ロシュエ


と、司令官を含む、兵士達は知らない事があれば、其れが、たとえ、相手が


農民で有ろうと、大工達で有ろうと、質問するのだ、反対の場合も有るが、


殆どが、ロシュエと、司令官で。


 「皆さん、我々の将軍はね、知らない事は、何でも聞きますよ、相手が農民でも大工でも、何故だかわかりますか。」


 だが、誰も、わからない。


 「将軍はねぇ~、命令する相手はね、我々、兵士だけなんですよ、ですが


ね、兵士以外の人達に命令は出しませんよ、将軍は、何時も、お願いされる


んですよ。」


 「えっ、将軍が、何故、農民に対して、お願いされるのですか。」


 やはりだった、普通では考えられない、将軍とも有ろう人物が農民にお願


いするとは。


 「将軍はねぇ~、何時も私達に言われますよ、我々、兵士が食べる事が出


来るのは、農家の人達が朝、早くから、陽が暮れるまで、年中休み無く、一


生懸命に働き、作物を作って頂いているから、食べる事が出来るんだ、だか


ら、我々、兵士は農家の人達に感謝しなければならないとね。」


 「隊長さん、そんな話、オレ達は聞いた事が無いよ、だって、今、此処に


居る兵隊は、当たり前の様な顔をして、オレ達の食べ物だって奪うんです


よ。」


 やっと、農民の本心を聞けたのだ。


 「やはり、そうでしたか、では、貴方方、農家の人は、大木に切り方を教える事は出来るのでしょうか。」


 農民達は、直ぐに返事せず、暫くは沈黙が続いたので。


 「でもねぇ~、皆さんに協力していただけなければですよ、皆さんも大変困ると思いますよ、だって、今日の犠牲者達は兵士だけですが、此れからは、皆さんも危険だと思いますがねぇ~。」


 「隊長さん、じゃ~、オレ達は、この農場が完成すると、此処で、新しい生活が出来るんですか。」


 「まぁ~、この場所とは限りませんが、この様な大きな農場が、ここから、馬で、5日間も掛かる城が有るんですがね、将軍は、全部を農場にされると言われていますから、皆さんは、何れ、何処かに入る事になると思いますよ。」


 「へぇ~、こんな大きな農場がねぇ~。」


 「その通りですよ、だから、皆さんにも協力して頂く必要が有ると言ってるんですよ。」


 「お~い、みんな、如何するかね、隊長さんは、オレ達が協力すれば、大きな農場で働く事が出来るって、言って下さってるんだ。」


 「オレは、わかるが、でもねぇ~、あの兵隊がねぇ~、偉そうな顔して聞くんじゃ~ねぇ~。」


 別の農夫は、協力したいが、其れは、兵隊達の心掛け次第だと言うのだ。


 其れは、最もな話で、今までの様な態度では、ダメだと言う事で有る。


 「如何ですか、今、言われた様に、今までの様な態度、其れは、多分、言葉使いだと思いますよ、教えて下さいと、本心から言われないと、私でも、協力はしませんよ。」


 今日の様な状態で、大木を切り倒し、運び出す事は出来ない。


 だが、今は、何としても、生き延びる事を考えなければならない、其れ


は、今まで、行なってきた事への反発で復讐に遭うかも知れない。


 其れは、自分達が行なってきた結果で、有る時から、形成が逆転したの


だ。


 確かに、ウエスが考えた方法が成功すれば、あの農場を奪い取る事は出来


る、その為には、今は、どんな屈辱にも耐えなければならない。


 「隊長、わかりました、私達は、此れから、皆さんの協力を得て、大木の


切り出し作業に入らせて頂きます。」


 隊長は、それでも信用はしていない、其れは、余りにも簡単に受け入れた


ので、やはり、奴は、何処かの時点で反抗に入るだろう、だが、今、その事


は知らない振りを。


 「ですがねぇ~、他の兵隊さん、如何ですか、この農民から罵声を浴びせ


られる時も有りますよ、皆さんは、其れを辛抱出来ますかねぇ~。」


 他の兵士達は下と向いたまま、黙っている。


 「農民の皆さんも、最初から罵声を浴びせては成りませんよ、皆さんも同


じですよ、我々の農場では、兵士達は、休日を利用して農場に行き、農場の


人達と一緒に農作業を行い、子供達とも、仲良く遊ぶんですよ、其れはね、


将軍の命令では有りません。


 兵士達が、自らの意思で参加していますのでね、我々の農場では、自分は


兵士だから、兵士の訓練以外は、何もせずとも良いと言う様な兵士は一人も


居りません。


 子供達も、何時でも兵士と遊んでいますがね、其れが、戦ともなれば、兵


士は喜んで行きますよ、だってね、農民を、一体、誰が守るんですか、でも


ね、兵士が怪我をすれば、農家の人達は、全員が助けに行きますよ、我々の


農場には、兵士だ、農民だと、言う様な壁は有りませんからね、全員が仲間


なんですよ。」


 「隊長さん、オレ達にも出来るかなぁ~。」


 「勿論ですよ、だってね、今は、我々の仲間なんですよ、今、出来る事


は、お互いが協力して、早く、砦と、高い木材の壁を造り、城壁が完成させ


る事なんですよ、其れが、完成すれば、城壁の内側では、狼に襲われる事も


無く、のんびりと農作業が出来るんですよ、皆さん、如何ですか、全員が協


力して大木を切り倒しませんか。」


 「フォルト隊長、私の考えが間違っておりました。


 今からでも、遅くは有りませんか、この私を部下にして下さい。」


 と、男は、男泣きするので有る。


 その時だった。


 「中隊長、自分も宜しいでしょうか、今までが、間違いだと、今、初めて


知りました。


 自分は、どの様な罵声を浴びせられようと、我慢します。


 どうか、隊長、私も、お願いします。」


 この兵士の言葉が切っ掛けとなり、次々と兵士達は手を挙げ、頭を下げる


ので有る。


 そして。


 「今から、我々は、どんな苦労をしても、其れが、例え、仲間の犠牲が遭


ったとしても、隊長の命令で大木を切り倒し、木材の壁を造り上げるまで辛


抱出来る者は、手を上げてくれ。」


 この男は、何かを吹っ切ったのだろうか、真剣な顔付きだ。


 兵士達の全員が手を挙げ、其れは、命懸けで大木の切り出し作業に入ると


言うのだ。


 「ですがねぇ~、貴方方のウエス隊長は如何されるのですか。」


 「はい、隊長、私は、今から、ウエスの部下では有りません。


 此処の全員が、将軍の部下としていただけるのならば、どの様な事でもい


たします。」


 と、彼は、はっきりと宣告したのだ。


 だが、隊長は、一応、了解した様に見せ掛けた。


 まだ、本心からは信用出来ないと言うのが、その理由で。


 「わかりました、では、明日の夜明けを待ち、大木の切り出し作業に入り


ます。


 皆さん、今夜は、ゆっくりと休んで下さいね、明日からは大変ですから


ね。」


 と、言って解散させた。


 「第一小隊は、何処に。」


 「はい、隊長、自分が第一小隊の。」


 「わかりました、今の話は聞いておられましたね。」


 「はい、最初から最後まで。」


 「では、君の小隊は、今の話を将軍にお伝え下さい。」


 この小隊は、多分、自分達が伝令として行くだろうと思っていたのであろ


う。


 「隊長、了解しました、では。」


 「でも、今からで、遅すぎでは。」


 「いいえ、今の方が、奴らに見つから無いと思いますので。」


 「そうですか、では、お願いしますね。」


 「はい。」


 と、小隊長は、馬には乗らず、野営地から、少し離れた所から乗った。


 「隊長、我々は、今まで通り、奴らの監視に。」


 「はい、その様に成りますね、今の話が本当なのかわかりませんので、第


二中隊と、第三中隊が任に当たって下さいね、ですが、一応、奴らの話しが


本当で有ると、思わせる必要が有りますので。」


 「隊長、我々に任せて下さいよ、その内に、奴らの化けの皮を取ってやり


ますよ。」


 「ですが、余り、出すぎ無い様にお願いしますね、第一中隊は。」


 「隊長、我々は、農民の護衛と言う事でしょうね。」


 「はい、その通りですが、農民が余り、出すぎた様な時には、柔らかく抑


えて下さい。」


 「はい、隊長、了解しました。」


 「では、解散して下さい。」


 と、4番隊は、何も無かったかの様に解散し、明日からの大木切り出し作


業の護衛と言う名の監視に就くので有る。


 その少し前だが、3番隊が監視を続ける、ウエス隊でも変化が起きたの


だ。


 「お~い、大変だぞ、森で火事が起きたぞ~。」


 「えっ、森で火事が、大変だ、あの森には、オレ達の仲間が。」


 「そうだ、みんな、行くぞ~。」


 と、ウエス達の数百人が森へ行こうとしている、だが。


 「ダメだ、全員、戻れ。」


 と、3番隊の兵士達が、ウエス隊が行くのを止めた。


 「何故なんだ、何故、助けに行けないんだよ~、だって、あの場所には、


オレ達の仲間が。」


 やはりだと思った兵士が、フランド隊長に報告に行ったが、フランド隊長


は。


 「別に宜しいですよ、今更、知ったところで、大きな変化は有りませんか


らね。

 

 隊長は、二コリとするのだ。


 「ですが、隊長。」


 と、この兵士は、少し動揺しているようなので。


 「では、今から、行きますかね。」


 フランド隊長は、ウエスが居る場所へと向かった、ウエスの居る場所の手


前では、あちこちで兵士達と小競り合いをしている。


 ウエスは、何もせずに見ているだけだった。


 「ウエス隊長、何をもめているんですか。」


 「はい、実は、森で火事が起きたと言って、助けに行くと言ってるんで


す。」


 ウエスは言葉使いに気をつけているのだが。


 「ウエス隊長、その様な言い方では仲間を助けにと言ってるんでしょ


う。」


 「えっ、仲間ですって。」


 この時、ウエスは、全てがばれていると知った。


 「ウエス隊長、まぁ~、座って話をしましょうか。」


 ウエスを座らせ、あの周りには、ウエスの部下、数十人はいるが。


「あの煙ですが、先程、あの森で、先程、大きな事故が発生し、50人が死


亡され、その火葬を行なっている煙なんですよ。」


 「えっ、火葬ですって、50人もですか。」


 「その通りですよ、それも、ウエス隊長、貴方方の仲間がですよ。」


 ウエスは、うな垂れている。


 「ウエス隊長、貴方方が計画している事は、既に、全部、我々が承知して


おります。」


 側の部下達は、何も言わず静かに聞いて要る。


 「フランド隊長、我々は、何も、計画などはしておりませんが。」


 「では、ウエス隊長、貴方方が隠した武器は何処に有るのですか。」


 部下達は、ざわめき出したが。


 「今、君達が、造反を起こそうとしても無理ですよ、我々はね、常に、君


達を監視しておりますからね、直ぐにでも、全員を殺す事は可能なんです


よ。」


 フランド隊長は、穏やかに言う、其れに、3番隊の兵士全員が、既に、部


下達に対して、狙いを定めている。 


「隊長、わかりました、お前達は静かにせよ。」


ウエスの命令が出ると、部下の全員が静かになり。


 「3番隊、ホーガンを下ろせ。」


 隊長の命令で、全員がホーガンを下ろした。


 「では、お話しを進めますね、あの煙は、先程、説明した様に、貴方方の


仲間、50人を火葬にしていますからね、その前に、フォルト隊長が、貴方


方に連れて来られた農民達を探し出したんですよ、それで、森に入って大木


の切り出し作業の方法を農民に教えてもらうことを拒否された結果、大木の


下敷きで50人が死亡したと言う事なんですよ。」

 

 「隊長、では、将軍も早くから。」


 「はい、その通りで、将軍も司令官も、貴方方が農場に着かれてから、直


ぐに全てを理解されておりましたよ。」


 「でも、我々が出発する時は、何も言われ無かったと思いますが。」


 「其れはね、将軍は、あえて、言う必要は無いと、何れの時が来れば、ウ


エス達も気付くだろうと言われておりましたので。」


 ウエスの部下達は頭を下げ、何も言え無かった。


 「では、この大池を造ると言うのは、我々を農場から遠ざける為にです


か。」


 「いいえ、此処の大池ですがね、この地から、馬で5日間掛かるところに


お城が有るのは。」


 「はい、勿論知っておりますが、農場に行く前に偵察しましたが、人の気


配は有りませんでした。」


 「其れは、当然でしょう、私達の司令官と私達が居た城ですからね、まぁ


~、其れよりもね、今、造っている大池もですがね、あの城までの土地全部


を農地にする為には、大きな川から、水を引き、大池と、小池、数ヶ所を造


る事が決まっていましたよ。」


 「では、最初は。」


 「農場の人達だけで造る予定でしたがね、まぁ~、色々とあった時、ウエ


ス隊長、貴方方が来られたと言う話なんですよ。」

 

 「そうでしたか。」


 と、ウエスの表情は深く落ち込んでいる。


 「でもね、此れからは、ウエス隊長、貴方方の心掛けの問題ですよ、城壁


を造り、大池と小池を造る作業に全員が本気で就かれるので有れば、我々だ


って、貴方方を監視する必要は無く成りますがねぇ~。」


 今の、ウエスに、反論するだけの余力が無くなっている。


 「では、隊長、我々が、あの城まで続く、全ての作業に就くのであれば、


今までの事は。」


 「私は、その話を受ける事は出来ませんよ、我々の農場ではね、将軍が最


終的に決定されますが、その前に、貴方方の行ってきた行為を果たして、農


民が許すか、其処が問題でしょうね。」


 「えっ、でも、将軍が、全権を握っておられるのでは。」


 「勿論ですよ、でもね、我々の将軍はね、農民が一番大切な人達だと言わ


れ、まずは、農民の話を聞くと思いますよ、農民が許す事は出来ないと言う


ので有れば、将軍は農民の見方になられますのでねぇ~。」


 「では、、この農場では、全ての人達の意見を聞いてからの判断だと言わ


れるのでしょうか。」


 「はい、その通りですよ、私もですがね、我々の軍隊は、農民の為で有れ


ば、相手が誰で、有ろうと、命懸けで戦いますよ、之は、私だけが思ってい


るのでは有りませんよ、私の部下全員が同じ気持ちですからね。」


 ウエスの部下達は、次々と、その場に座り込んで行く。


 それと言うのも、相手が悪いと思ったのであろうか。


 「では、我々が、城壁と大池や小池を完成させても、許してもらえない可


能性も有るのでしょうか。」


 「ウエス隊長、先程も言いましたが、この話は、私が、決める話しでは有


りませんよ、全ては、農民が決める話ですよ、でもね、不可能では無い方法


がひとつだけ有りますが。」


 「何か、有るのでしょうか。」


 「う~ん、其れはね、何も考えず、何年掛かっても、城壁と大池などを完


成させる事でしょうね。」


 ウエスも直ぐには返事が出来ない。


 「隊長、この城壁と大池、小池は、何年掛かると考えられて要るのです


か。」


 「う~ん、そうですね、今、取り掛かっている農場を完成させるのに、5


年以上は掛かると思いますね、その計算で行くと、20年か30年は掛かる


と思いますよ。」


 ウエスは、一つの灯かりを見出したので有る。


 「では、例えば、30年間は、私達は、生かせていただけるのですか。」


 隊長の思惑通りだった、ウエス達に20年か30年は掛かると言えば、そ


の間は、命の保証を得たと考えるだろう、と。


 「そうですね、この農場を完成させ、次の農場造りに入れば、貴方方は農


民達とは会う事は無いと思いますからねぇ~。」


 「隊長、有難う、御座います。


 将軍には、私達を生かせていただけるのであれば、私達は、全力で城壁と


大池、小池造りに就かせて頂きますので、何卒、宜しくお願いします。」


 と、ウエスは、立ち上がり、フランド隊長に敬礼し頭を下げた。


 「わかりましたよ、では、ウエス隊長、此れからの話も有りますが、その


前に、皆さんに説明して下さいね。」


 「はい、承知しました。」


 「では、宜しく、お願いします。」


 ウエスは仲間の元に戻り、説明をする。


 「第ニ小隊の隊長は。」


 「はい、此処に居ります。」


 「小隊長、今の話を聞かれていたと思いますが。」


 「はい、全て聞きました。」


 「では、今の話を、将軍に伝えて下さいね、別に作り話では無いと言う事


もです。」


 「はい。」


 それでも、隊長は確信が無いのか。


 「小隊長。」


 と、隊長は辺りを見回し、ウエスの部下が居ない事を確認し。


 「私はね、まだ、確信が有りませんと、之は、将軍に伝えて下さい。」


 「ですが、先程の話では納得した様に思えるのですが。」


 「それは、我々を騙す積もりかも知れませんよ、私の推測なので、何れの


時期が来れば、判明すると思いますと、伝言をお願いします。」


 「はい、隊長、では、直ぐに。」


 「小隊長、全員が見ていると思いますので、急いで行くのは止めて下さい


ね、小隊長から見て、この辺りであれば、見えない場所に行くまでは、のん


びりと行って下さい。」


 隊長は、ゆっくり行けば、ウエス達に余計な策を考えさせる必要が無いと


思わせるためで、小隊長もわかったのだろう。


 「第ニ小隊は、集合せよ。」


 と、小隊長の命令で、第ニ小隊は集まり。


 「では、隊長、行って参ります。」


 「宜しくね、途中、狼には気をつけて下さいよ、余り、馬を走らせると、


狼から逃げる時には大変ですからね。」


 隊長は、二コリとして言った。


 「第ニ小隊は、前え。」


と、小隊長は他の部下に手を振り、野営地を出発した。


 ウエスは、仲間の元に行き話しを始めた。


 其れは、最初の計画では、この野営地で武器を奪い、農場を襲う計画だっ


たのだ。


 だが、ウエスの計画は、ロシュエ達に全てを知られ、今となっては、計画


を中止し、ロシュエの命令を実行すれば、殺される事は無いと考えた。


 此れから先の人生は、城壁と大池、其れは、数十ヶ所の農場造りに残りの


人生を捧げ様と考えたのも無理な無かったので有る。





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