表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇の帝国    作者: 大和 武
159/288

 第 84 話。みんな団結するんだ。

「母ちゃん、大変だよ、浜に兵隊さんが乗った舟が打ち上げれてるよ。」


「えっ、本当なの、父ちゃん 見て来てよ。」


 親子が浜に駆け付けるともう既に多くの漁師が小舟の中を見ており。


「大変だ、官軍兵だ、早くお城に。」


 数人の漁師がお城へと走って行く。


「兵隊さんは生きてるのかなぁ~。」


「いや~其れが全然わからないんだ。」


「そうだ。あそこの兵隊さんにも言った方がいいと思うんだ。」


「オラが今から行ってくるよ。」


 漁師が小舟を出して行き、暫くすると数艘の小舟が浜に着いた。


「えっ、だけどこいつらは見た事が無いぞ。」


「でも連発銃も有るぞ。」


 と、小舟から連発銃を取り出し。


「おい、おい、生きてるのかなぁ~。」


「死んでるのかなぁ~。」


 その時。


「う~ん。」


 と、男が起きると。


「わぁ~官軍兵だ、おい、起きろ。」


 すると男達が次々と起き出した。


「わぁ~もう駄目だよ、昌兄~い。」


「おい、お前達は一体何を言ってるんだよ、其れよりもお前達は何処から来たんだ。」


「あぁ~やっぱり駄目だよ、もうこれでオレ達は銃殺刑だよ。」


 漁師達に見付かり男達は既に諦めたかの様な言葉に漁師達は不思議そうな顔をしている。


「やっと此処まで逃げて来たのになぁ~、やっぱり駄目か。」


 と言うが、銃を構えた兵士達には一体何を言ってるのかさえもさっぱりわからない。


「大変だ、大変だよ、官軍兵が浜に、浜に来たよ。」


「えっ、官軍兵が浜に来ただと。」


 漁師達がお城に飛び込み大声で叫んだ。


「高野様、大変で御座います。

 今漁師達が飛び込んで来まして浜に官軍兵が来たと申しております。」


「えっ、其れは誠ですか、では直ぐに工藤さんに知らせて下さい。

 私は直ぐ浜に参りますので。」


 高野と数人の家臣は馬に飛び乗り浜へ向かい、別の家臣は工藤に知らせるべく駐屯地へ向かった。


「お前達は一体何処から来たんだ。」


「オレ達ですか、え~っと確かもっと北の方からだと思いますが、オレ達もはっきりとわからないんですよ。」


「お前達は何をふざけてるんだよ。」


「何もふざけてなんかしてませんよ、だってオレ達は此処が何処なのかもわからないんですよ。」


「お前達は官軍兵に間違い無いのか。」


「いや其れが違うんで、オレ達はもう必死で官軍から逃げて来たんですよ、だから。」


 男達は官軍から逃げて来たと言うが、果たして本当なのか。


「皆さん、少し下がって頂けますか。」


 高野が駆け付けた。


「高野司令、官軍兵だと思われるのですが、一体何処から来たのかもわからないと、更に奴らは官軍から逃げて来たと、まぁ~本当にふざけた事を申しております。」


 その頃になると殆どの漁師が集まり事の成り行きを見守って要る。


「皆さん、少し開けて下さい。」


 と、工藤と一個小隊が駆け付け。


「兄さん、やっぱり駄目だよ、もう諦めるしか無いですよ。」


「みんな、オレ達は江戸の銀龍一家だ、どんな事が有っても親分の名を汚すんじゃ無いぞ、潔くするんだ、わかったな。」


 と、昌と呼ばれる男がみんなを諭し静かになった。


「今何と申された、江戸の銀龍一家だと聞こえたが。」


 高野も工藤も正かと思ったが。


「はい、俺達は江戸の銀龍一家の者でして、佐渡の。」


 と、昌と呼ばれる男が話すと。


「彼らは銀次さんの仲間では御座いませんか。」


「私も今聞きびっくりしておりまして、正かねぇ~、銀次さんのお仲間が此処に来るとは考えてもおりませんでしたよ。」


「あの~今銀次って聞こえたんですが。」


「そうですよ、銀次さんは我々の仲間ですからね。」


「じゃ~オレ達の親分は官軍に入ってられてるんですか。」


 彼らは工藤達を官軍だと思って要る。


「いいえ、我々は官軍では有りませんし、我々は連合国軍で銀次さんは連合国のお仲間ですから。」


「でもオレ達はさっぱりわからないんですよ、兵隊さんは官軍の軍服で、でも官軍じゃ無いって。」


「まぁ~その話は後程にしましょう、この人達は銀次さんの仲間に間違い有りませんねぇ~。」


「私も間違い無いと思いますよ、誰か野洲の銀次さんに知らせて下さい。

 そうでした、貴方の名は。」


「はい、私は昌吾郎と申します。」


「昌吾郎さんですね、今聞いての通りだ、直ぐに向かって下さい。」


 数人の兵士が馬に飛び乗り野洲へと向かった。


「この人達は野洲の銀次さんのお仲間ですから、もう何も心配は有りませんよ。」


「なぁ~んだ、銀次さんの仲間か、オラはもうてっきり官軍が攻めて来たと思ったんだ。」


「本当だ、オラはもう生きた心地がしなかったよ、でも良かったなぁ~銀次さんの仲間で、でもあんた達は一体何処から来たんだ。」


「漁師さんも兵隊さんも我々は本当にわからないんですよ、オレ達は官軍から逃げるだけでもう必死だったんですから。」


「若しもと言う事も考えなければなりませんので、潜水船も出撃して頂ければと思うんですが。」


「実は私も同じ事を考えておりまして、では潜水船乗組員は出撃準備が出来次第出撃して下さい。

 其れとは別に野洲、上田、松川の部隊にも出撃する様に伝令です。」


 又も数人の兵士が馬に飛び乗り、野洲、上田、松川の部隊へ知らせに向かった。


「では貴方方は私と一緒に来て下さい。」


「あの~、やっぱりオレ達は銃殺刑にされるんですか。」


 と、まだ官軍だと思っており、官軍では脱走兵は銃殺刑だと決まっており不安そうな顔付きだ。


「先程も申しましたが、我々は官軍では有りませんよ、我々の国は連合国と申しましてね、官軍とは一切関係は有りませんからね何も心配は有りませんよ。」


 其れから間も無く浜には何時もの静けさを取り戻し、昌吾郎達が菊池の浜に着く前に野洲の銀次が行動を開始した。


「おい、みんな起きるんだ、早く起きるんだ。」


「一体何が有ったんですか。」


「そんな事よりも早く起きて浜に行くんだ。」


 野洲の浜に有る洞窟に居た銀次はまだ夜の明けぬ前に仲間を起こして行く。


「銀次さん、一体どうしたんですか、まだ夜も明けて無いんですよ。」


「親方を起こして大変申し訳有りません。

 こんな夜中に、でももう辛抱出来ないんですよ、源三郎様もだけど兵隊さん達全員が出撃されたんですから。」


 銀次は数日前駐屯地から兵士が来て潜水船部隊全員に出撃すると聞いていた。


「其れだったらわしも聞いてますが。」


「オレ達は源三郎様に命を助けて頂いたんですよ、オレ達は命の恩人が官軍との戦に向かわれてこのまま黙ってる事が出来ないんですよ、オレは源三郎様の為だったら何時でも覚悟はしてるんで、今からでも向こう側に行ってお手伝いするんです。」


「親分、みんな準備出来ました。」


「よ~し駐屯地に行って馬で向かうぞ。」


 親方も銀次を止める事は無理だと思い何も言わなかった。


 そして、銀次達は駐屯地で馬に飛び乗り源三郎の居る山賀へと飛ばして行った。


「銀次さん達は。」


 菊池から来た兵士は浜の漁師に聞くと。


「銀次さん達だったら夜明け前に出て行きましたよ。」


 浜では何時もの様に全員でお昼の食事中で有った。


「何が有ったんですか、銀次さんは源三郎様のお手伝いするって言ってましたよ。」


「えっ、其れは本当ですか、じゃ~山賀に向かわれたんですか、実はですねぇ~、菊池の浜に銀次さんのお仲間が着かれたんですよ。」


「えっ、其れって本当なんですか。」


「ええ、勿論本当でしてね、今頃はお城に向かって要ると思うんですが、でも今からじゃとても無理ですねぇ~。」


「銀次さんは駐屯地で馬に乗るって言ってましたから、多分今頃は松川で乗り換えて山賀に向かってますよ。」


「じゃ~自分はこのまま山賀に向かいますので。」


「よし、オレが大佐殿に説明するから。」


 兵士達は駐屯地に向かい馬に乗り換え山賀と菊池に戻る者とがわかれた。


「隊長、夜が明けて来ましたが、奴らの動きがわからないんです。」


「皆に伝えて欲しいんだ猿軍団の合図を待つんだ、そして、合図が有れば一斉攻撃に入る様にと。」


 兵士達はわかれ各小隊長に伝えて行く。


「よ~し、もう直ぐ夜が明けるぞ、野郎ども出来るだけ広がって登るんだ、奴ら全員を殺すんだぞ、誰も逃がすなよ、分かったな。」


 やはり正規の官軍兵では無く、彼らはお互いが一軒ほどに広がり登り始めた。


「奴らはやっぱり登り始めましたねぇ~。」


「我々はこのまま待機して下さい。」


 日光隊と月光隊、そして、夕霧隊の各小隊は官軍兵が登って行くのを見て要る。


「兵隊さんは官軍ですか。」


「えっ、一体何者だ、我々は官軍では無い。」


 菊地の兵士は突然声を掛けられたが付近は草地で一体何処から何者が声を掛けて来たのかもわからず、辺りをきょろきょろと見て要る。


「自分達は山賀の朝霧隊の分隊です。」


 と、突然草むらの中から数人の兵士が現れた。


「山賀の朝霧隊ですと、では若様の。」


「その通りでして、至急中隊長殿にお知らせする事が有りましたので大急ぎでやって来たのです。」


「分かりました、では一緒に来て下さい。」


 菊地の兵士の後ろから朝霧隊の分隊も歩いて行くが、分隊は草を身体中に着け擬装しており、菊地の兵士達は一体何者だと言う顔で見て要る。


「分隊長、これじゃ~向こう側から見ても何処に入口が有るのかもさっぱりわからないですよ。」


 隧道の入口に近付くと。


「此処からは馬で行きますので。」


 兵士と分隊兵は馬に乗り隧道の中を駆け抜けて行き、そして、菊池の駐屯地に着いた。


「中隊長殿、こちらは山賀から来られました。」


「自分達は山賀の朝霧隊の分隊でして大至急お知らせする事が有りまして。」


 その後、分隊長は菊池の中隊長に話すと。


「了解しました、誠に有難う御座います。


 今のお話しならば後一時半か二時もすると官軍兵が近くまで来るのですね。」


「左様で御座います。」


「大佐殿にお知らせを、其れと高野司令にも我々は官軍兵をお迎えに行きましたと伝えて下さい。」


 その時。


「中隊長、浜に官軍兵が来たと知らせた有ったので、私は第一小隊と向かう。」


「はい、了解しました。」


 中隊長も突然の出来事に工藤に話す事も出来ずにいた。


「では誰か朝霧隊の分隊をお城に、そして、我々は出撃しますと伝えて下さい。」


 当番兵と朝霧隊の分隊兵はお城へと向かい、中隊は出撃して行った。


「親分、このまま走らせたら馬が死にますよ。」


「よ~しみんな降りて少し歩こうか。」


「ねぇ~親分、源三郎様のお手伝いするって、でも一体何をするんですか。」


「えっ、う~ん、実はなぁ~オレも本当のところ何も考えて無いんだ、だけど源三郎様や兵隊さんが官軍と戦うって聞いた時にオレも行きますって言えば、源三郎様の事だ絶対に駄目だって言われるんで今まで待ってたんだ.]


「じゃ~親分は何も考えて無かったんですか。」


「まぁ~其れも仕方無いぜ、オレ達は源三郎様の為だったら何も考えずに行くんだからなぁ~。」


「ねぇ~親分、オレ達は鉄砲なんか撃てませんよ。」


「そうだったなぁ~、だけど何か有るはずだ、みんなも考えて欲しいんだ。」


 銀次達は一体何を手伝うと言う、暫くして。


「ねぇ~親分、オレは鉄砲は撃てませんが、弾を込める事だったら出来ると思うんですよ。」


「そうかその方法が有ったのか、よ~し決めたぞ、みんなで兵隊さんの後ろで鉄砲の弾を込めるお手伝いをするんだ。」


「よ~しみんなそうと決まったら早く行こうぜ。」


 と、銀次達は再び馬に乗り山賀を目指し飛ばして行く。


「其れにしても狼は何処に行ったんですかねぇ~。」


「其れだったら自分もわからないんだ、若しもだ撃ち合いの最中に現れたら我々も、いやそんな事は無い、絶対に無いんだ。」


 確かに兵士や小隊長の言う話に間違いは無く、これだけの大勢が集結して要れば何時狼の大群が襲って来たとしても不思議では無く、兵士の言う様に狼の大群は一体何処に潜んで要るのだろうか。


「高野司令、先程山賀の朝霧隊の兵士が着まして、何やら中隊長と話しておりましたので、私も一度戻りますが宜しいでしょうか。」


「勿論で、ですが何故山賀の兵士が来たのでしょうか。」


 工藤は漁師の知らせで浜に官軍兵が来たと聞き、山賀の兵士が何故来たのか知らずにいた。


「ですが普通ならば城下を来られると思うのですが、何故隧道に来られたのか、えっ若しや、正かとは思いますが官軍兵が近付いて要るとの知らせでは御座いませぬか。」


「私は急ぎ戻りますので。」


「承知いたしました、後の事は私が責任を持ちますので。」


 工藤は大急ぎで駐屯地に戻ると。


「大佐殿が戻られる少し前ですが、山賀の朝霧隊の分隊だと申されまして、中隊長殿は直ぐ出撃されました。」


「そうか、やはり私の間違いなのか。」


 と、工藤は言うが、何も工藤が間違ったのでは無く、朝霧隊の分隊の話は中隊長に任せる事は出来る、だが浜に官軍兵が上陸したと聞けば、誰が考えても浜を優先する。


 潜水船の兵士と言っても潜水船には余計な物は持ち込めず自然と連発銃は誰も持っていない、と言う事は浜は全くの無防備だ、工藤が浜を優先するのは全く問題は無い。

 やはり工藤にすれば山賀の朝霧隊の分隊がどの様な情報を持って来たのか気になるので有る。


「中隊長は何か言って居られなかったか。」


「先程、山賀の朝霧隊の分隊がお城に向かわれました。」


「そうか、では私も向かいますので。」


 工藤は大急ぎでお城へ向かった。


「駐屯地に入って連発銃と補充用の弾薬を持てるだけ持って行くんだ、其れと駐屯地の兵隊さんに弾の補充方法を教えて貰うんだ。」


「よ~し、後もう少しだ行くぞ。」


 と、銀次達は馬に鞭を入れ山賀へ急いだ。


「高野司令、山賀の。」


「此処に居られるのが朝霧隊の分隊で今お話しを伺っております。」


「高野司令、大佐殿、私は朝霧隊の小隊長より菊池の中隊長殿に伝える様にと。」


 その後、分隊長が説明すると。


「では官軍の中隊が菊池に迫って要るのですね。」


「左様でして、三個中隊が山賀から松川、上田と広がり攻撃に入ると思われますが、小隊長は其れよりも菊池では多分予想されておられないと申され自分達がお知らせに参ったのです。」


「では中隊長は官軍を迎え撃つ為に出撃されたのですね。」


「官軍兵ですが、どうやら正規軍ではなさそうですよ。」


「では山賀に来た特攻隊と同じだと思われます。」


「私は特攻隊とはどの様な部隊なのか知りませんが。」


「奴らは小国の城下や宿場を襲い、略奪や女性達を暴行し、そして、最後には全員を焼き殺すと言う悪行を行って要るのです。」


「其れならば、尚更全員を抹殺しなければなりませんが、中隊長は其れをご存知なのでしょうか。」


「多分知らないと思いますが、分隊長は官軍兵の兵器をご存知なのですか。」


「こちらに向かっております官軍兵は全員連発銃だけで御座います。」


「司令、私も直ぐに参りますので。」


「何卒宜しくお願い致します。」


 工藤は急ぎ馬に乗り中隊を追い掛けて行く。


「兵隊さん、連発銃と補充用の弾薬は有りますか。」


 銀次達は山賀の駐屯地に到着した。


「貴方方は若しや。」


「オレは銀次と申しまして、後ろのみんなは。」


「では野洲の。」


「はい、其れでオレ達は連発銃は使えませんが、弾の補充をしたいと思いまして大急ぎでやって来たんです。」


「左様でしたか、では簡単に説明しますので。」


 その後、駐屯地の兵士数人が銀次達に補充の方法を教えると。


「兵隊さんは何処に居られるんでしょうか。」


「多分今頃ならば柵の近くにいると思いますよ。」


「有難う御座います、みんな大急ぎで行くぞ。」


「お~。」


 と、銀次達は雄たけびを上げ連発銃と持てるだけの弾倉帯を持ち兵士の言った柵を目指した。


 その頃、正太達も動き出した。


「お~い、みんな駐屯地から一号弾を持って行くぞ。」


 と、正太達は駐屯地に入ると一号弾を籠に入れ山へ向かった。


 話しは前日に戻り。


「隊長殿、奴らですが全然動きませんが。」


「まぁ~ねぇ~、多分今頃は野営の準備に入って要ると思いますが、其れも確実では有りませんので我々はこのまま待機しますが伝令をお願いします。」


 伝令兵は小川隊長の指示を伝える為に山の麓を走って行く。


「今夜は此処で野営し、明日の早朝に登るとみんなに言ってくれ。」


 山の向こう側でもやはり野営すると伝令が走って行く。


「小隊長、奴らですがやっぱり野営しますねぇ~。」


「ですがまだ安心出来ませんのでこのまま待機に入って下さい。

 其れと歩哨ですが半時程で交代するように伝えて下さい。」


 日光隊の伝令が月光隊と夕霧隊に伝える為に走って行く。


「お~い、みんなおむすびを兵隊さんに届けるから手伝って欲しいんだ。」


 城下では炊き出しを始め、おむすびを作って行く。


「母ちゃん、オレも何か手伝うよ。」


「じゃ~竹筒に水を入れてくれるか。」


 数人の子供が竹筒に水を入れ始めると他の子供達も一緒に始めた。


 山賀の城下では大人も子供達も関係無く働いており、其れは松川や上田、そして、野洲でも同じ様に動き始め、連合国軍も領民達も一体となって官軍を迎え撃つのだと一致団結して要る。


「小川さん。」


「えっ、銀次さんでは、其れに皆さんも一体どうされたんですか。」


「オレ達は源三郎様は命の恩人なんですよ、其れで源三郎様が行かれる所が一番危ない所だ、オレ達は鉄砲は撃てませんが弾の補充は出来るって、其れで来たんですよ、オレ達は絶対に此処から動きませんからね、死んでも動きませんから。」


 小川も正か銀次達が来るとは思っていなかったが、果たして源三郎は知って要るのだろうか。


「では総司令はご存知なのですか。」


「源三郎様には何も言ってませんよ、其れにオレ達はもう決めたんですからね、其れよりも兵隊さんは何処に居られるんでしょうか。」


 小川も銀次の事だ、一度こうだと決めたならば後に引く事などしないと思って要る。


「此処では三人が一組になっており、我々は三銃士と呼んでおります。」


「じゃ~三人が同時に撃つんしょう、だったら何時弾の補充をするんですか。」


「其れはお互いの合図で行います。」


「だったらオレ達が一人入って補充すればいいんだ、よしみんな行くぞ。」


 と、銀次達は兵士達の元へと急いで行く。


「だけど一体何個有るんだ。」


 籠にはいっぱい一号弾が入っており物凄く重い、だが正太達はそんな事などは全く考えておらず、兵士達の元へと急いで行く。


 更に今夜は狼の動きも無く、何故か不気味だ、そして、夜が明けた。


「よ~し、今から登るぞ。」


 官軍兵は正か待ち伏せされて要るとも知らず山を登って行く。


 官軍兵だとう言うが極悪非道の奴らで有り、今度の戦は果たしてどの様な戦いになるのか全く予想でも出来ないので有る。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ