表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

保健室には唯ではいけない

恐い。恐いよお母さーーん。

なんだか後ろの席から僕に向かって、猛烈な殺気を視線に乗せて運んできてる人がいるんですけど!!

え、ちょっ!!なんかシャレにならない位に殺気が膨れ上がった!

殺される!確実に殺される!!


「ああっ」


それに耐えられなくなって思わず声を上げてしまった。


「ん?どうした?浅野」

「あ、すみません。ちょっと気分が悪くなって・・・」


いきなり声を上げてしまったから、みんなが僕の方に視線を送っている。

物凄くいたたまれないので嘘を付いてしまった。


「そうか。じゃあ吉居、浅野を保健室まで連れて行ってやってくれ」


ええ!!ちょっと先生勘弁してくださいよ!僕を殺す気ですか!?

さっきから僕に向かって死ね死ねオーラを放ってた人ですよ。

きっと保健室に連れて行くフリをして、僕を抹殺する気に違いないんだ!

で、その後にゴミと一緒に焼却炉に放り込んで証拠隠滅する気なんですよきっと!!


「分かりました」


ああ殺されるーー!!

嫌だ嫌だ、まだ死にたくない!


「先生、一人で行けます」

「保健室の場所分かるのか?」

「はい。だからお気になさらず」

「そうか、じゃあ吉居構わな・・・」

「行くわよ」

「えっ!構わない先生言ってたよ。吉居さんは授業受けててよ。ちょっ、いやーーー!!!」


ガラガラガラ(ドアが開く音)

ピシャンっ(ドアが閉まる音)



「・・・じゃあ、授業を再開するぞ」




******************




「こ、殺さないでーーーっ!!」


今僕がどのような状況になっているか皆さん分かりますか?

わかるはず無いですよね。僕だって分かりたくありません。

僕の足元に床が無いなんて。


「お、落とさないでーーーっ!!」


しゃ、シャレになんないっ!!

ココ四階ですよ、僕人間ですよ、死にますよ。

今僕は窓の縁にしがみついている状態。

下に広がるは黄泉の国への開門口。

一瞬にしてあの世にいけますね。


「うちはな、きっと白馬の皇子様が迎えに来るゆうて今まで信じとったんや。それがなんや、来たのは女装趣味の変態小僧かいな。うちのロマンを壊した罪。どう償うつもりなんや?」

「白馬の皇子様って・・・・・・・・・プッ、ああ御免なさい御免なさい笑って御免なさい!!だからどうか手を蹴らないで下さい!!落ちちゃう落ちちゃうーーー!!!」

「その時はめいいっぱい笑ってあげるさかい。安心しい」


うわーー。人が死んで笑うって、この人どれだけ猟奇的思考の持ち主なんですか?

ていうか、この人マジなんですか?そうなのですか?冗談だよね?突き落とすフリをするっていう新しいシチュエーションなんだよね。そうだよね?誰でもいいからそうだって言って!!


「ほなさいなら」

「ええっ!冗談だって言ってくれないのっ!!御免なさい御免なさい生まれてきて御免なさい!謝罪します懺悔します何でもします、もう奴隷で構いませんから!だからどうかご慈悲をーーーっ!!」

「・・・・・・・・・プリン一年分」

「ふぇ?」


僕の顔は涙でグシャグシャ。

ついでに腕も痛くなって来て、そろそろ限界に達しようとするとき、吉居さんがそんなことを言ってきました。


「グスッ・・・プリン?ヒック・・・一年・・・ズズ・・・分?」

「そうよ。プリン一年分で許してあげる」


プリンって、ずいぶん乙女チックだな〜。

プリン一年分ってどれくらいなんだろ。ていうか、一日分すら分からないよ。

でも何でも良いや、死ぬよりかはましだもんね。


「分かりました。プリン一年分用意させていただきますから、助けてください」

「ならよし」


その後、僕は何とか絶体絶命の窮地から脱する事ができました。



*************



コンコン。保健室のドアをノックする。


「失礼します」

「どうぞ〜」


中から保険の先生の伸びた声が聞こえてきたので、僕はドアを開けて中に入る。


「失礼します」


薬の匂いがする。

でも僕はこの匂いが嫌いと言うわけではない。


「二年C組の浅野輝です」

「うん。理事長から貴方の事は聞いてるわ。どうしたの?緊張して具合でも悪くなった?」

「そんな所です?まるで殴られたみたいに頭が頭痛を訴えているんです。さらに腕が筋肉痛のように痛いんです。さらに言うと僕の心がひびが入ったように痛みます」

「・・・・・・」

「どうかしましたか?」

「ねえねえ・・・・・・・・・パット入れてみる?」

「何故に!?」


女性用の制服を着て女装。それは外面だけに止まらず、果てには下着まで着用。この状況でも色々な物がギリギリ限界だと言うのにパットまで入れたら・・・・・・何かが終わる。


「冗談よ。そんなに声を殺してさめざめと泣かないで」

「僕もう、お婿にいけない」


保健の先生まで僕をいじめるんだ。

イーんだいーんだ。僕はどうせ女顔だい。


「なんだか気分が悪いのでベッド借ります」

「いいけど、右側のを使ってね。そっちは寝てる人いるから」

「病人ですか?」

「仮病でしょう。起きると煩いから静かにしてね」


仮病か。ホントにそんな事するやつが居たんだな。

前の学校ではそんなことなかったのに。

僕は仮病じゃないよ。

だって実際頭が痛いんだ。

内面も外面も。



???「さて、次話で俺の正体が明るみになるらしい。待ち遠しい限りだな」


輝「いや。もういいよ。新キャラなんて面倒くさいよ。シークレットキャラで十分じゃん」


???「ばか者め!!俺無くして貴様の不幸は盛り上がらん!!」


輝「出てくるな!!」


???「次回『旧友に会った場合の対処法』」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ