お金持ちになりたいな2
数ある小説の中から選んでいただき、ありがとうございます。
前作【お金持ちになりたいな】の続きですが、単体でもなんとか読めます。
でも、よかったら前作も読んで下さい。
「わあ!何、何これ!」
朝起きたら、枕の横に赤茶色い物体があって飛び起きた。
赤茶色で、ツヤツヤしてて、バナナみたいな形。
まるでう○こ!
何これ、どうやって個室に入ったの、まさか私が出したの?
昨日寝る前は、何もなかったよね。昼間はいろいろあって、仕事場近くのカプセルホテルに泊まることになったけど。コンビニ弁当買って食べて、ニュース見て寝たよね。お酒はビール1本飲んだだけだし。
夜中に誰か個室に入った?
急いで持ち物を確認したが、盗まれてる物はなかった。
ここはカプセルホテル、狭い個室。鍵はかけれないから、女性なら誰でも入れるけど、わざわざ個室奥の枕元に、赤茶色の物体だけを置く人いる?いないよね?
25歳で初めてカプセルホテルに泊まってまで、こんな不可思議な事が起こったって事は、私に関係あるよね。
私よ。本当に寝てる間に出してしまったのか?おい、しっかりしろよ私。
じーと観察してみる。
形はう○こだが、臭いは無い。赤茶色だがツヤツヤしているので、本物のう○こでないと思いたい。でも色がねー赤茶色、リアルにありえるんだよねー。
「・・・触ってみようかな」
手で直接触るのには勇気がいる、かといって布団の上にこのままにしておくわけにもいかない。何か掴める物はないかと、周りを見たら、コンビニ袋が目にとまった。
コンビニ袋を手に装着して、突いてみる、 ”こんこん” レンガみたいに固い。
コンビニ袋を手に装着して、転がしてみる、 ”ころんころん” 布団の上を転がった。布団に汚れは付いていない。
コンビニ袋を手に装着したまま、持ち上げてみる、冷たいし、重い。1kgくらいありそうだ。
持ってみた感じ、夜中に私が出した物じゃないと思いたい。こんなに硬くて重い物体を出したら病気だ。
その前に、肛門が無事なわけない。
ん-どうしよう。このままカプセルホテルに放置するのも、気が引ける。
何日か、このカプセルホテルにお世話になる可能性が高いので、悪い印象は残したくない。
手に持ったまま、考えていたら、なんだか赤茶色のツヤツヤ感が増したように感じた。
「・・・紅のう○こ」
”ジリジリジリジリ” チェックアウト間近に鳴るようにセットしたタイマーが激しく音をたてた。
「やばい、チャックアウトに間に合わなくなる!!!これどうしよう!ん-仕方ない。持っていこう」
何があるかわからないから、大量のティッシュを紅のう○こを包むように入れ、コンビニ袋の口を堅く結んで、バックへしまった。
私は超特急で身支度をして、チェックアウトした。
私は現在、新しい新居に引っ越し1年が過ぎた。
ここは新築1LDK5階建てアパート、2階の角部屋。オートロックがあり、不法侵入の心配が少ない事、田舎だし、田んぼも多いけど、最寄りのJRまで徒歩で10分。以前の住居に比べると会社から遠く、通勤は大変だけど、行政が提示した新住居候補の中から、安全面を考慮して選んだ場所だ。
その同じアパートの5階に、同じ会社だが部署が違う彼氏が住んでいる。彼も行政からの住居立ち退き指示により、このアパートに引っ越して来た人だ。彼とは付き合って3か月になるラブラブだ。中肉中背、ザ・モブ顔の彼だが、やさしく、細かいことを気にしないし、一緒にいて安心できる。しかも料理上手。休みの日は、お互いの家を行き来し、まったり過ごすのが定番だ。
今日は彼が、半日勤務だったため、私の家で夕食を作って待っていてくれる。はっきり言って最&高だ。私にはもったいな彼氏である。
「あーなんか。ピーマンの肉詰め、ひき肉足りない気がするな。何か嵩増しできる食材無いか」
彼が冷蔵庫の中を漁っていると、奥の方にタッパーに入った赤茶色の物体を見つけた。
「これ何だ」
タッパーを開けてみる、中にはジップロックに入った赤茶色の物体が入っている。
「え!う○こ?いやいや、いくらなんでも、う○こを冷蔵庫に入れないでしょ」
おそるおそるジップロックを開けて中の赤茶色の物体を取り出してみると、硬くて、重くて、食べられる食材には見えない。
「何だこれ、レンガ?何で冷蔵庫に入ってるんだ、一旦冷蔵庫から出して、彼女が帰ってきたら、聞いてみよう、今日はピーマンの肉詰めがメインだけど、量が足りないから、後1品副菜を作ろうかな」
彼は紅のう○こをキッチンの片隅に置き、料理を再開した。
紅のう○こに、ピーマンの種が付着していることも知らずに・・・。
彼と楽しい夕食デートから数日後、私はキッチンの片隅で、茫然と立ち尽くしていた。
なんと、ジップロックと、タッパーに入って冷蔵庫の中にあるはずの紅のう○こが、キッチンラックの下に落ちてる。しかも、そこから芽が出ている!何の芽かわからないけど!こわ!怖い!
何でそこに落ちてるの、何で芽が出てるの、勝手に動いた、いや、いや。そんなことは無い。無いはず。
そうだ、彼か、彼が置いたのか?電話、電話しよう。
「もしもし、今、時間いい?」
「いいよ、どうした慌てて?」
「この前、夕食作ってくれて、私の家で食べたじゃない。その時、冷蔵庫から、紅の・・・赤茶色の物体を取り出した?」
「ん?あーあれ、取り出したよ、冷蔵庫の奥に仕舞われてたやつね。ひき肉が足りなくて嵩増し食材探してた時に見つけて。中身見たけど、食べ物ぽくなかったし、レンガぽかったから、キッチンの隅に置いたよ。そういえば言ってなかった。ごめん、大切な物だった?」
「うんん、大切な物じゃないけど、その時、何か変わったことはなかった?」
「何もなかったよ、何で?」
「ん-。何でもない。ごめんね忙しい時間に、また連絡するね」
ハ~よかった。彼が取り出したんだ、勝手に動いたわけじゃない。でも、芽は何?何の芽?。
そうだ、GoogIe植物写真検索アプリで調べてみよう。
検察した結果、【ピーマンの芽】だった。
ハ~よかった。はらはらさせるなよ。得体のしれない物かと思った。なーんだ。紅のう○こは、ただの土だったんだー。
初めからわかってたら、冷蔵庫で1年も保管しなかったのに。これどうしよう。せっかく芽が出たんだから、育ててみようかな。
私は100円ショップで、小さい植木鉢と、腐葉土を買って、紅のう○こ+ピーマンの芽を植え、ベランダの室外機の上に置いた。
その植木鉢を、塀の上で、近所の紅の猫が狙っていることも知らずに・・・。
次の日の昼下がり「ウーウー」「ピーポーピーポー」「ウーウー」「ピーポーピーポー」パトカー、救急車両が複数、会社の前を通り過ぎる。
「どこかで、事件か、事故があったんですかね。救急車両がいっぱい出動してますね」
「え!テレビ見てないの、○○市の住宅から、高層マンション並みの大木が生えたんだって、しかも2メートル越えのピーマンみいたいな実がなってるって大騒ぎよ。日本は食品受給率が低くて、海外に依存しているから、巨大な食材は、日本にとってありがたいけど、大木が生えた近くの住民はたまったもんじゃないだろうね。今後、政府の研究機関が入るだろうし、極秘研究施設が建設されるんじゃない。もう住めないだろうね」
「テレビで中継されてるはずだよ、見てみなよ」
テレビを見てみれば、そこはまさしく、私が住んでいるアパート。アパートを押し潰し高層マンション並みの大木が鎮座していた。レポーターやキャスター、評論家が「奇跡だ、日本の救世主だ」と熱弁している。
私は、仕事を早退して、彼と一緒にアパートに向かったが、立ち入り規制がされており、アパートに近づけなかった。仕方なく、彼の実家に身をよせた。
どうしてこうなった、私のせい、あの紅のう○このせい、いいや、そんなことは無い。私のせいじゃない。だって紅のう○こが、巨大な大木になるなんて思わないじゃない。でも、それしか考えられないよね。
は~。これからどうしよう。アパート全壊したから政府から補助金でるよね、でないと生活できなよ~。考えてもしょうがない、今日は疲れたから寝よう。明日、彼と一緒に考えよう。おやすみなさい。
翌朝、
「わあ!何、何これ!」
朝起きたら、枕の横に、だいだい色の物体があって飛び起きた。
だいだい色で、ツヤツヤしてて、バナナみたいな形。
まるでう○こ!
何これ、どうやって部屋に入ったの、まさか私が出したの?
今回は主人公、食品王の道を逃してしまいました残念。
紅の猫(神の使い?)が、室外機の上に置いた植木鉢を倒した拍子に、ぽろんと、紅のう○こが、地面に接触しました。
番外編で、2メートル越えの巨大ピーマンの行く末も書く予定です。こうご期待。




