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39 宅配便泥棒(2)カスハラに苦闘

カラス君は気が効くしマメなので、車が停まっている時は建物の脇の方へ飛んでいき、配達員が階段を昇ったり降りたり、玄関のピンポンを鳴らして出てきた人に荷物を渡したり、時には留守らしくややがっかりした感じで再び荷物を抱えて車に戻る様子がよく分かった。


すると一緒に見ているモンちゃんが、

「留守で持ち帰った荷物はまた日時を変えて再配達するってことでしょうか?」


「そうだと思うわ。再配達なんて大変ね」

途中でプリンセスは大好物のシュークリームを頬張った。


「この惑星のシュークリームって本当に美味しいわね。お口の中に幸せが広がっていくわ」


そうして見ていると、ある赤い屋根の玄関で、何やらその家の主婦と思われる女と配達員がもめているように見えた。プリンセスはボリュームを上げた。


「あんたね、配達が遅すぎるんだよ。何やってんだよ」

「いつも不在でいらしたのでもう今日で4回目なんですけど」


「いつどこへ出かけようとこっちの勝手でしょ」

「でもご不在の場合は黄色いカードをポストに入れてありますので、そちらに電話でもスマホでもご連絡いただければすぐに対応できたのですが」


「ああ、確かに黄色い紙が入ってたけど、とっくに捨てちゃったよ。めんどくさいからね」


それを聴いていたモンちゃんは

「結局あのおばさんがすぐに連絡を取っていればよかったというだけのことですよね。配達員さんは何度も同じ場所に出かけて徒労に終わり、しかも一方的に文句を言われてかわいそうですね」


「そうね。私だったら嫌になっちゃうかも。でもそれで仕事辞めちゃうってわけにはいかないから我慢しなきゃ、ということかしら」


配達員がガミガミ言われているのに同情しつつ、何となく宅配車の方に目を移すと、何と茶色いサングラスをかけた男が歩いてきて運転席を覗いたと思った瞬間、運転席に座り、ドアを閉めるとそのまま走り出してしまったのだ。


モンちゃんが懸念していたことが起きてしまったのだ。するとやっとガミガミおばさんから解放された配達員がそこに戻ってきて、車が走り去るのを見て、驚いて車を追いかけ始めた。


「待って!その車は会社の車だし、まだ届けなきゃいけない荷物がたくさん載っているの。だから返して!」


配達員は必死になって追いかけたが、車と彼女の間の距離はみるみるうちに広がっていく。


それを見ていたプリンセスは、残りのシュークリームを口に入れると

「大変!あれじゃ彼女が困るだけでなく、配達を待っている人たちへの品物が届かないことになり、多くの送り主及ぶ受取人が被害を受けることになるわ。


何とかしなきゃ。そうだ、カラス君は引き続きあの車を追ってちょうだい。パピヨンちゃんはあの配達員とすぐ連絡が取れるようにしていてちょうだい。さあ、私もとりあえず街の方へ行ってカラス君からの連絡を待ちましょう」

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