37 女の子はアンドロイド(3)
翌日の放課後、堀田は合宿所の2Fの畳の部屋にいた。合宿が行われるのは夏休み、冬休み、春休みなどであり、学期中は合宿は無いのだが、吹奏楽部が1Fで毎日のように練習するので玄関は開いているというわけだ。
堀田は誰にも見られたくないので誰もいない2Fに来ているらしい。堀田は部屋に入ると素早く戸を閉め、
「これから写真データを電波で送ります。これで大儲けできますね」
堀田は額にかかっている髪をたくしあげた。すると額には赤いランプがあり、それが点滅を始めた。「データ送ります」
その瞬間部屋の片隅にあった扇子が浮き上がり、扇子の元の部分を前にしてものすごい速度で前方から飛んできて、額のランプに激突した。
「あっ」
額の赤いビームランプが大破し、更に衝撃のショックで、ランプの奥にあったメモリーチップが飛び出して畳の上に落ちた。
次の瞬間メモリーチップは急に空中に浮き上がり、四方から崩れるようにして粉々になってしまった。
「誰だ!」
そこにはいつの間にかプリンセスが立っていた。
「女子の着替えの写真を何者かに送り、ネットに拡散して儲けるつもりだったのね。何て卑劣なことを」
「クソっ、もうちょっとでデータを送れるところだったのに。しかもデータの入ったメモリーを破壊してしまうとは。絶対に許せん。くらえ」
堀田の両手から赤い導線のようなものが伸びてあっという間にプリンセスの両足に絡みついた。
「ふふふ。こんなもので私を倒せると思ってるの。甘いわね」
「甘いのはそっちだよ。私の体を流れる電流を一瞬だけ集めて、全てその導線を通じてお前に放出するのさ。それは5万ボルトだ。おまえが何かの魔法が使えるようだが、所詮は生身の体だ。
一瞬にして黒焦げになるが、どんなに謝ってももう遅い。覚悟しろ」
「ふふふ。面白くなってきたわね。できるものならやってみなさい」
「なに?5万ボルトが怖くないのか?それとも5万ボルトの意味がわからないお馬鹿さんということか。かわいそうなお嬢さんだ。
余計なことをしなければ青春の真っ盛り、恋に友情にとキラキラの日々が過ごせたのにね。さあ、カウントダウンだ。5、4、3」
その時既にプリンセスの体の周りには透明のフラワーバリアーが張り巡らされていた。透明なので相手には見えない。
「2、1、それっ!」
堀田の全身の電流が集まり、5万ボルトとなって導線を流れたが、透明のフラワーバリアーが光り、それと共に導線がバリアーによって切断されてしまっていた。従って電流はそこでストップしてしまった。
また、堀田は瞬間的とは言っても全身の電流を流してしまったので、体内の電流はゼロになってしまい、動けなくなってその場に倒れこんでしまった。
その頃黒いスーツの男は喫茶店でパソコンを覗き込んで画像データが送られてくるのを心待ちにしていたが、データが送られてこないばかりかアンドロイドからの通信が途絶えてしまったので愕然とした。
「クソっ、またしてもあの魔女女め」




