36 女の子はアンドロイド(2)
プリンセスがいる建物には常にコパンのパピヨンちゃんがパトロールしている。ある日転校生の堀田がいるクラスで体育の授業があるので生徒たちは着替えていた。
男女共学ならもちろん男女別に着替えるのだが、女子だけなので教室で着替えている。男子がいないとその点は気楽だ。
体操服は上が水色のシャツで下は同じく水色の短パンだ。一昔前は女子はブルマーというぴっちりとしたものを穿いていたが、高校生にもなると体型が大人の女性に近くなって来るので、ぴっちりしたブルマーは総じて女子に嫌われていた。
中にはその上にジャージのズボンを穿いて校庭に行き、先生がズボンを脱ぐように言っても抵抗してなかなか脱がなくて揉めたりすることもあったが、現在は短パンであり、体型が浮き彫りにならないので生徒は安心といった感じだった。
上に着るTシャツ風のシャツも以前は白だったので下着が微妙に透けてしまって男子の目が気になったものだが、今はブルーなのでこちらも透けることがなく安心だ。
生徒たちはジャケットを脱ぐと次にブラウスのボタンを外し、ブラジャーの格好になった後すぐにシャツを着る。
スカートは女子同士でも恥ずかしいらしく、スカートを穿いたまま短パンを穿き、それからスカートを外している。
たまたまこの部屋にパピヨンちゃんが来ている。パピヨンちゃんは小さくても超高性能なアンドロイドだ。
全体を見渡していると転校生の堀田が視野に入った。いつの間に着替えたのか誰よりも早く体操服姿になっていたが、校庭に出ないで立ったままだ。パピヨンちゃんがそちらを凝視すると、堀田の両眼が一定の間隔で光っているのだ。
一体何をやっているのか、そもそも人間なのに目が光るというのはどういうことなのか。
プリンセスがシャトーに戻ってミルクティーを飲んでいると信号音が鳴り、パピヨンちゃんの声が聞こえてきた。
「プリンセスお嬢様、この度の転校生が不審な行動をしていましたので、その画像を送ります」
「パピヨンちゃん、ありがとう」
プリンセスが椅子についている赤いボタンを押すと、モニターにその画像が映し出された。転校生の堀田の両眼が一定の間隔で光っている。
「モンちゃん、この動画を分析してちょうだい」
しばらくするとモンちゃんがやって来た。
「プリンセスお嬢様、恐らくこの転校生は人間ではなくアンドロイドだと思われます。パピヨンちゃんも生体反応が無いと報告しております」
「えっ、やっぱりあの時感じた違和感はそういうことだったのね。それにしても何度も両眼が光っているのはどういうことかしら」
「恐らく写真を撮っているのではないかと思われます」
「写真って何の?まさか生徒たちの着替えの様子を写真に撮っているっていうの?何のために?」
「さあ、それは分かりませんが」
「それじゃ、引き続きパピヨンちゃんに監視してもらいましょう」




