32 四次元からの挑戦(2)プリンセスの苦戦とハリちゃんの活躍
間一髪でプリンセスは魔法光線を避け、魔法光線は壁に当たって弾けた。するとそこに妹のマーガレットが現れた。
姉のプリンセスが防御的魔法を使うのに対して、妹のマーガレットは攻撃的な魔法を使うのだ。マーガレットは右手からマグドリアに向かって魔法光線を発した。
「私の大切なお姉さまになんてことするの!」
しかしその魔法光線はマグドリアには全く歯がたたなかった。
「ヒャハハハ、こんなの片手で十分だ」
マグドリアはマーガレットの魔法光線をいとも簡単に片手で軽く受け流した。プリンセスは困惑していた。
「このままでは、あの少女が暴走してしまう。被害も広まってしまう。どうしたらいいの?
そうだ、アルテミス星のサナトリウムでの療養中に暇に任せて読んでいた書物で学んだ魔法があったわ。一か八かやってみるしかないわ!
ただあの魔法はちょっと複雑で少々時間がかかるわ。マグドリアの注意を逸らして少々時間を稼ぐ必要があるわ。どうしたらいいかしら。
そうだ、確かハリネズミのハリちゃんがこの近くにいるはずだわ。ハリちゃん、出ておいで」
「はい、プリンセス。ボクはやる気十分です。何でも申しつけてください」
「ハリちゃん、何とかあの少女の気を引いてちょうだい」
「分かりました。ボクの実力を見せる時が来たみたいですね」
するとハリちゃんはマグドリアに近づき、話しかけた。
「ボク、ハリちゃん。ねえ、お姉さん、そんな恐い顔してないでボクと遊ぼうよ」
そう言うとハリちゃんは素早くジグザグに動き始めた。
「お姉さん、見て!こんなこともできちゃうよ!どう!」
するとそれまで恐い顔をしていたマグドリアの表情がみるみるうちに緩み、笑顔に変わったのだ。
「かわゆーい。こんなかわゆい生き物って四次元の世界にはいないわ」
目がハリちゃんに釘づけになっていることを確認したプリンセスは
「天才的な魔法使いとは言ってもやっぱり女の子ね。かわいいものが好きなのね。今だわ」
プリンセスは空に向かって両手を上げると叫んだ。
「Le Monde Fleuri (花咲く世界)!」
するとプリンセスの周囲が様々な色の光に満ち溢れ、カラフルな蝶たちが舞い始め、更にプリンセスが回転しているかのように、何人もいるかのように見え始めた。
そして次に大きな眩い光が輝いたと思われた瞬間、プリンセスとマグドリアはこれまでとは全く違った空間、様々な花が咲き乱れる特殊な魔法空間に存在していたのだ。
するとマグドリアはいきなり魔法光線を発したが、それはいとも簡単にプリンセスの右の掌に吸い込まれてしまった。
「花の咲き乱れるこの魔法空間では、私の魔法パワーは7倍になるはずよ。だからこんなのは片手で十分だわ」




