31 四次元からの挑戦(1)天才魔法使い マグドリア
すっかり元気になって地球に帰って来たプリンセスは、またシャトーと学校での楽しい日々を送っていた。
妹のマーガレットもシャトーがとても気に入っていたし、学校生活やボランティア活動に充実した日々を過ごしていた。
ある日二人がシャトーのコミュニケーションルームで窓から見える湖の中の様子を楽しみながら紅茶を飲み、談笑していると、そこにモンちゃんがニコニコしてやって来た。
「プリンセス、マーガレット様、爺が新しいコパンを作ってくれました。さあ、部屋に入って」
そこにのそのそと恥ずかしそうに入って来たのはハリネズミ型コパンであった。
「ボク、ハリネズミ型コパンのハリちゃん、ボクきっと役に立つから期待していてね」
ハリちゃんはとっても可愛いので、プリンセスもマーガレットも目を細めた。
その頃二人が通う学園の校庭の一角で、不思議な光が幾重にも重なって段々大きくなり、身長165cmくらいの人間の形をしたものが光の奥底から現れた。髪の長い、若くて美しい少女だ。
「私はマグドリア。四次元の世界からやって来たのだ。私はまだ17才だけど、魔法の天才と言われている。
私は天才魔法使いだから誰にも負けたことがないし、これからも決して負けることはない。
でも私は嫌われ者で、友達は一人もいなくていつもひとりぼっち。だから友達と仲良くしたり、笑顔で楽しそうな人を見るとイライラして意地悪したくなっちゃうの」
マグドリアが校庭をぶらぶらしていると、昼休みなので、ある女子生徒が花壇のバラの花に水をあげているのが見えた。
「わあ、きれいなバラが咲いたわ。毎日お水をあげてバラ用の肥料をあげた甲斐があったわ。うれしい」
マグドリアは意地悪な顔つきになると、
「笑顔より泣き顔を見せてよ」
左手から魔法光線をその花に向けて照射した。バラの花はあっという間に枯れてしまった。
「うえーん。どうして急に枯れちゃうの」
女子生徒は泣きじゃくった。
「うははは、これは愉快だ」
既にこの様子を見ていたパピヨンちゃんからの連絡を受けて、プリンセスが駆けつけていた。
プリンセスはいきりたって
「どうしてこんなひどいことをするの?」
「おまえも魔法使いのようだな。天才魔法使いの私に勝てたら教えてあげてもいいよ」
「では勝負しましょう」
「私の魔法光線をかわすことができたら、あんたの勝ちということにしてあげる。どうせ無理に決まってるけどね」
するとマグドリアの体全体から薄紫の魔法光線が放出された。プリンセスは自信を持ってフラワーバリアーを張り巡らしたが、マグドリアの魔法光線は強力で、何とプリンセスのフラワーバリアーを溶かしながら進み、プリンセスに近づいてきたのだ。
「えっ、嘘でしょ。バリアーが破られていく。パワーが違いすぎるわ。もうこれ以上は持ちこたえられないわ」




