第4話
「おにいちゃんは私がいなくなってからどう、だった?」
「どんな感じ?って言われてもな。なんというか、、、つまらなかったよ。」
「ふ〜ん、そうなんだ。」
凛は心なしか笑っているようだった。
充実していない俺の人生を馬鹿にしているのだろう。
「そういえば今でもニーハイを履いてるんだな。
昔俺がゲームのキャラにハマって凛に真似させたんだっけ。」
「い、今はおにいちゃんの影響で履いてる訳じゃないからっ!ただ、私の好みよ!」
「ならよかったよ。俺にとってはただの黒歴史でしたかないからな。」
凛は顔を赤らめていた。
正直恥ずかしいのは俺の方なのに。
そうこうしている内に授業が始まるチャイムが鳴った。
凛は席に戻り、俺は真面目に授業受けた。
それから俺は凛に声をかけるタイミングを逃し続けていた。
なぜなら凛は授業中も休み時間もほとんど寝ていたからだ。
「これはおにいちゃんとして指導が必要だな。」
4時間目が終わると昼休みに入る。
「よぉ、飯一緒に食おうぜ!星崎!」
隣の石神は俺をご飯に誘いながら机をくっつけた。
俺はまだ返事をしていないのに。
「ああ、もちろんだ。」
昼ご飯を食べ始めると石神が、
「凛ちゃんは昔どんな子だったんだ?
この学校に凛ちゃんの過去を知ってる奴がいなくてよ〜。教えてくれ!」
「仕方ないな。簡潔に言うならおにいちゃん大好きっ子だな!あの時の凛は可愛かったなぁ。それにずっと一緒に遊んでたな。」
聞き耳を立てていた他の男子が集まってくる。
「まじか、羨ましいぜ。」
「彼女は内気だから俺たち男子とは全然話してくれねーんだよ。」
「なら、とっておきの方法を教えてやろう!
それは、、、」
「ちょっと変なこと言わないでよ!?ゆう兄ぃ。」
突然凛が叫んだ。ちょうど七川や桃原とご飯を食べていたところだったようだ。
授業とホームルームが終わり、放課後を迎えた。
「星崎くん、ちょっといいかしら。」
「どうしましたか、村雨先生。何か用があるとか。」
「それはね、、、」
概要はこうだ。
学級委員は男女1名ずつ任命される。
このクラスでは学級委員長に誰も立候補せず、女子はじゃんけんに負けた凛が務めることになった。
しかし、凛と男子がつるむのを嫌がった凛過激派が男子の立候補を許さず、男子は空席のままらしい。
そこで、元義兄の俺に学級委員長になってほしいそうだ。
「凛ちゃん1人だけではクラスをまとめるのは負担が大きいでしょう?」
元義兄妹のあなたたちならなんとか助け合えるはずだから。」
俺は返事に悩むことはなかった。
こんなチャンスを逃すわけにはいかない。
「わかりました、いえ、俺にやらせてください!」
「そう言ってくれると信じてたわ。」
要件が済み俺は教室を出た。
廊下には明るい太陽が照らしており、窓からは部活動に励む生徒たちが見える。
俺としては凛が帰りを待ってくれることを期待したが、その願いは儚く散った。
学校の玄関に着くとある集団がいた。
「なあ、知ってるか?凛ちゃんのバイト先。」
「あのメイド喫茶の『乙女のルミナ』だろ?一回行ったけどやばかったぜ!」
転校初日から寄り道をすることになるとは思わなかったな。




