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5_ローデシアの話_1

 ローデシア、この街はアッチノヤマダンジョンと共に発展した都市だ。

 ダンジョンに潜る冒険者や、ドワーフが街路(がいろ)の屋台で吞んだくれている。


 ここで列車に乗り、幾つかの駅を乗り換えると聖都に着く。

 後、数か月でエライコ様に会う事が出来る。


 ...... 


 ただ、まだ油断は出来ない。


 スチルを壊すと何かがおかしくなる。運命は未だティナさんを殺そうとしているのだろう。

 その証拠に、街の関所を通る時もひと悶着あり、危うくティナさんは死にかけた。



「ヨイドレ氏、ちょっといいかお?」



 前方を行くデッブとティナさんの周りには多くの護衛が歩く。

 それは物々しい感じで。


 俺はその一団からちょいと離れる。



「ギルドにいくお!」

「あーそうでしたね。ティナさん達の用事を済ませたら見に行きましょうか」



 街の喧騒、道を歩く人たちは前方を行くデップの一団に視線がゆくだろう。

 秘密の話をするには、都合が良さそうだ。



「オタ先輩。聞きたい事があるんですけど」

「なんだお?」


「オタ先輩が直接攻撃すると、管理者を呼ばれる? って言っていたじゃないですか」

「ああ、そうだお」


「クッコロ先輩は魔物とか、アンデッドを大量に狩ってましたよ?」

「ああ、メインルート外なら問題ないお」



 メインルート。

 過去に師匠から聞いたことがある。


 なんでも、エライコ様が死ぬ運命、それがこの世界のメインルートと呼ばれるものだと。

 そして、エライコ様が死ぬ要因となる人物や出来事に対して、師匠や先輩達が介入する事は出来ないらしい。

 

 それに介入すると、災害が起こると聞いた。



「メインルートかどうかって、どうやって判断してるんですか?」

「勘だお」


 え、まじかよ。

 この人達、災害が起きるかどうかを勘で決めているのか?


「おいらみたいな経験者になれば、ひとめ見ただけでそれが分かるお。お約束ってやつだお」


 本当か? ちょっと怪しいぞ。


「まあ、直接介入しなければ問題ないお」

 

 なるほど。

 オタ先輩の箱を盾代わりに使ったりするのは問題無いみたいだ。


「管理者っていうのは何ですか?」

「メインルートが影響受けたり、スチルを壊すと、それはシステム上で意図した挙動をしなくなるお。

 その結果、バグが再帰的に増えて、災害が起きる。

 それを修正する為の修正プログラムが走って、それでも修正できなければ管理者が...... 

 ごめんだお、おいら説明下手だお。システム屋の性だお」


 正直、オタ先輩が言ってる事がよく分からない。


「神の使徒が来るっていう解釈で良いんですか?」

「うーん。まあ、そう言う事だお。

 来るときにはアラートが鳴るから、鳴ったらすぐに逃げないといけないお」


 アラート?


「ああ、アラートが分からないのかお...... 鐘! 鐘が鳴るんだお!」


 なるほど。


「あと、ピエリデスって名前、何か心当たりありますか?」

「ぴえりです? なんだおそれ。美味しいのかお?」


 マリウスと話したとき、この人も一緒に居たはずだが......


 さては、何も聞いていなかったな。


 あと、聞きたい事と言えば...... 何かあるだろうか。


 ......そう言えば、俺はオタ先輩に小指の呪の事を聞いたことが無い。


「オタ先輩、この小指。何か知っていたりしますか?」

「うん? ......ああ、話せないけど、見せる事はできるお」


 オタ先輩は外套(がいとう)の袖を(まく)る。

 そうして、右手の黒い手袋を取って俺に見せる。


 オタ先輩の小指には、俺と同様の痣があった。



 ♦♦♦♦♦♢♦♦♦♦♦



「ブレア枢機卿! よくぞいらしてくれました」


 教会に到着すると、司祭はデッブに対して深々と頭を下げ、ティナさんには丁寧な言葉で挨拶をする。

 その様子からして、デッブとティナさんの身分は高いみたいだ。


「ささ、どうぞこちらへ」


 司祭はそう言って二人を小部屋へ案内する。



 デッブとティナさんが話している間、しばらくは時間が空きそうだ。

 オタ先輩を連れてギルドにでも行くか。

 もしかしたら、何か手紙もあるかもしれない。


 傍に居たグレイに声を掛けようとすると、デッブが声を掛けてきた。


「お前も入れ。あと、グレイ。お前もだ」


 デッブはそれだけを告げて部屋へと入る。


 俺とグレイ。

 心当たりがあるとすれば、アッチノヤマダンジョンでの事だ



 グレイが肘で小突いて来た。



「ヨイドレ。分かってるよな?」

「アンデッドの事ですよね」


「ああ。俺の勇姿、ちゃんと伝えろよ? 礼はするからさ」


 おお、やった。


「マジですか。......グレイさん、お高い肉食いてえなあ。なんか、俺腹減ってきました」

「任せとけ。きっとお礼金的なやつがあるだろ? 

 それで高けえ肉食っちゃう訳よ。そんで夜は...... 今夜は洒落込むぜ」

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