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世界を取り巻く現状

 地球人。それは、アルヘインとは異なる世界、地球と呼ばれる世界よりやってきた存在だった。初めて確認されたのは、十年前になる。自らを地球人と名乗ったことにより、その名は一気に広まった。

 彼らは一様に強力な力を持っており、そしてその殆どが戦いを知らずに育っていた。さらには望まれて呼ばれたわけではなく、偶然に、なんの理由もなく呼ばれていた。

 身寄りなく、財力もない。そんな状況から生き抜く術など持ち合わせていない。しかし強力な力は持っている。

 そんな存在を各国は危険視すると同時に、軍事利用しようと画策。

 強い軍事力を誇る、聖国シャリぜ、帝国オーゼ、魔導共和国ザックインといった大国は領地内にいる地球人を保護することを大々的に報じ、何人もの地球人が国内に留まっている。

 逆に軍事力に乏しい小国は地球人が暴れた場合も手がつけられないとして、何も知らない地球人たち拷問や洗脳によって傀儡化が多発。俗に【地球人狩り】と呼ばれる悪行が横行した。


 その結果、一部の地球人たちが暴走し、それを抑え込むために軍部との衝突が発生。最終的に自体を重く見た各国が軍事介入するも、3つの国が落とされ、途方も無い数の戦死者を出した。

 現在でも落とされた3つの国はそれぞれ強固な結界に守られ、中の状況はどのような手段を用いても一切観測できず、また交流も完全に絶たれてしまった。元々住んでいた住人たちの安否も同時に不明となった。

 それ以降も一部地球人たちの暴走は度々起こり、鎮圧しようにも対処できるのは同じ地球人か、同等の強さを持った強者だけ。


 そんな難題に対処できる一つが、ヴァルガンヘイム傭兵団だった。


 元々はフリーで魔物討伐などをしていた者たちに対し、効率よく仕事を斡旋の目的で作られた会社のような存在である。国家によって運用されているギルドとは違い、ヴァンヘルと呼ばれる個人と複数人の幹部によって運営されている。

 ギルドは所属すれば様々なメリットがあるものの、休日の申請や戦争時の参加義務、特別依頼の参加義務など成約も多い。

 ヴァルガンヘイム傭兵団は成約は少ないものの、ギルドと違い保証面は少ない。そのため、ギルドに縛られたくない実力者が集まっていた。


 その実力者たちの中でも特に強い力を持つ傭兵団内でも上位に位置する団員には、日夜地球人が引き起こした討伐依頼が引切なりに舞い込んでいた。

 本来は仕事上仲が悪いはずのギルドからも、対処しきれなくなった案件が秘密裏に依頼される始末。


 地球人の出現により混沌度合いを増す現状に、歯止めをかけられるものはいなかった。

 たった一人、ある地球人が召喚されるまでは。

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