いざ学校に!
僕は目覚ましの音で目を覚ました。時刻は7時。
元に…
もどってない…。
僕は気付いた。今日から学校だよ。
お母さんが色々手続きしてくれて何とか通えるようになった。
制服はお母さんが買ってきてくれた。
「恵ちゃん、起きてるの?学校の制服着て早くいきなさい。」お母さんがそう言った。
最近みんなは僕の事を恵一から一文字取って恵と呼んでいる。「分かったよ。お母さん。」
僕はそう返事をして急いで着替え、下に向かった。
下に行くともうみんなは起きていて朝ごはんを食べていた。
「おはよう!女子の制服いいじゃないか!。」
お父さんはそんな事を言っている。
もうお父さん変態だよ…。僕も早速ご飯を食べた。トーストに目玉焼きに牛乳。一般的な朝食だ。
食べ終わり、支度は済んでいたので
「行ってきます。」そう挨拶をして、玄関に向かった。
玄関に行く途中お父さんが
「いってらっしゃい!!!」と体育会さながらの挨拶をするのですごくびっくりしてしまった。
そうして僕は家を出た。しばらく歩いて学校がみえてきた。
「あの子すっげー可愛くね?」
「ホントだ!超可愛い!」
そんな話し声が聞こえる。煩悩丸出しだなぁ。
僕は聞こえないふりをしてさっさと校長室に向かった。
お母さんが校長先生に色々事情を説明してくれて、僕はこのまま学校に通う事が出来るみたいだ。校長室には担任の先生もいた。
「お前が女になった佐々木恵一か。これから大変だろうけど頑張れよ!」
そう担任の先生が言ってくれた。一通り校長先生と担任の先生への挨拶も終わり、僕と先生は教室に向かった。
いよいよだなぁ。緊張するなあ…。、担任の先生が先に教室に入る。
「おーい 静かにして席に着け〜。転校生みたいのがくるぞー。」
いや、曖昧すぎでしょ!このあとやりづらいよ…。
そう思いながら教室に入る。
一応女の子らしい歩き方をしなきゃいけない。お母さんからの言い付けでもあるしね。
僕は深呼吸をして自己紹介を始める。
「佐々木恵一です。何の因果か知りませんが女の子になってしまいました。再びよろしくお願いします。」
そう丁寧に自己紹介をした。
クラスメートはというと…
「……………。」
「ええーーー!!」
一瞬静まり返った後、みんなが異口同音に驚きの言葉を発した。
「ホントに佐々木君なの!?可愛いじゃない!!」
という女子もいれば、
男子が僕の前に来て
「元男だって関係ない!!付き合ってくれ!!」
とか
「やらせてくれ!!」
という下品な言葉まで混じってる。
僕は困ってると
「うるさいんだよ、狼ども!とりあえずホームルーム始めるから席付け!」
と先生が助けてくれたそして約10分のホームルームが終わり、次の授業の担任が来るまで少々時間がある。
僕はみんなから質問攻めを受けられた。
「何でそんな姿になっちゃったの!?」
「付き合って下さい!」
「結婚して下さい!」
等。
結婚して下さいって何だよ!
と心の中でツッコミながらも質問に答える事にする。
「何故だかわかりません…気付いたらこんな姿になっちゃって。ごめんなさい、お友達からお願いします。すいません、結婚はちょっと…。」
と丁寧に質問に答えた。
そんなこんなで先生が来て授業が始まった。一時間目は現国だ。退屈だぁ。そして昼休みとなった。
「おーい彰吾、ごはん食べに行こうよ。」
僕は友人の彰吾を誘った。
「おう!屋上いこうぜ!」僕と彰吾は弁当を持って屋上に向かった。
屋上に座って弁当を食べる。僕は正座して座っていた。
「しかしお前本当に女になっちまったな。」
彰吾が口を開く。
「うん、ホントは嫌だけど…」
「可愛いからいいじゃん!」
親友を口説いてるよ…。
「可愛いとか余り言わないでよ…。」
僕は褒められると照れてしまう。
「悪い。そんなに照れるとは思わなくてさ。」
なんかぎこちない…。
男と女だからだろうか。
僕たちは弁当を食べ終わり、次の授業に向かった。次は体育。
水泳だ。
水泳だ…。
はぁ。
僕の前にはスクール水着が用意されている。
「私達が用意したから!今日はこれを着ける事!」
嫌だよ…。
「嫌だよ…。これだけは…。」
そう、これだけは…。
「はい、ごちゃごちゃ言わずに着る!みんな、腕押さえて!」
「や、やめて…。いやぁぁ…。」
なんか男のプライドを失った気がする。
そうして僕はプールサイドに向かった。
僕の学校は男子とプールが一緒なのだ。
僕は恥ずかしくて、少し前屈みになり、手で前を隠している。
そして男子はというと…
固まってる。そしてしばらくして騒ぎ始めた。
「うぉぉぉ!すっげぇぇぇぇ!」
「生きててよかったぁぁぁ!」
など。
大袈裟に騒ぎすぎだね、うん。
そのあとも泳いでたんだけど男子の視線が痛い。
「ちょっと!そんなに見ないでよ!」
僕は勇気を出してそう叫んだ。
「ツンデレさいこーぉう!!」
ダメだ。この人達には何いっても無駄だ。
「犯してぇ。」
等と危ないことを言ってる人もいる。
怖い…。まさか本当にやったりしないだろうな…。
すっごく疲れて恥ずかしかった体育でした。