両親に…初対面っ!
僕と兄はお父さんとお母さんに相談するために下に向かった。
はぁ… うまく信じてくれるかなぁ。
居間にいくと両親がくつろいでいた。今日はたまたま両親は仕事が休みだったのだ。
兄が
「俺が先に行って説明するよ」
といって先に行った。
おお、なんと頼りになる兄なんだ!
と思ったのもつかの間、兄は何を考えているのか、いきなり
「父さん、母さん。恵一が女の子になったぞ!」
前言撤回。もっと説明の仕方ってものがあるだろ!
両親は案の定口をあんぐり開けて固まっている。
自分で説明したほうがマシだったよ…。
僕は恥ずかしくなり、兄の後ろに隠れる。
「そいつが本当に恵一か?」と親父が聞く。
「ああ、間違いねーよ。俺も確認したけどこのこは恵一だ。」
「あんたがそこまでいうなら信じてあげるわ!それに顔が少し似てるしね。」
割とすんなり信じてくれた。ていうか家の親って…。そんなことを思っているとお父さんが近づいてきて、
「可愛いじゃねーか!!」といって抱きしめられた。
「キャアアアア!なにするの!」
僕は突然の事に驚いて女の子みたいな声を出してしまった。
何するんだこの変態ドスケベ糞親父は。
「何するんだよ親父!恵一を抱きしめていいのはおれだけだ!」
いや、あんたも何いってんだよ!
母がおもむろに父に近づいていき
「実の娘に手をだすなんてね。覚悟はいいかしら?」
般若の面のごとき形相でお父さんを隣の部屋につれていった。お父さんは顔が真っ青で膝がガクガク震えていた。その部屋から断末魔の叫び声が聞こえてきたのは言うまでもない…。
こわっ!
「さあて、まずは服ね!早速お買い物行きましょう。あんた兄なんだから荷物持ちとして一緒にきて」
お母さんが隣の部屋からでてきてそういった。
「はい…」
兄は逆らえるはずもなく、一緒にいくことになった。僕は
いいよ、今あるやつを着るよ、と言おうとしたけど今の光景をみていると逆らえない…。
こうして早速買い物にいくことになった。