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プロローグ
自己紹介するならば僕は佐々木恵一。
どこにでもいる十六歳の高校一年生だ。僕は童顔で背が低く、女の子に間違われることもしばしばあった。
「おーい、恵一!早く支度しないと学校おくれるぞ!」
この声の主は僕の兄裕介だ。兄は今年大学にはいったばかりだ。兄は大学生だから朝はそんなに早くなくてもいい。だけど兄は早起きでいつも僕を起こしてくれる。
「ふわぁ〜い。今起きま〜す。」
僕は眠そうに返事をして支度をはじめた。着替えて下におりると、そこでは兄が既に朝ご飯を食べていた。
「おはよう!恵一。相変わらず遅いなぁ(笑)」
「どうも低血圧でね…。朝は苦手だよ。」
そう兄に返事を返すと僕は冷蔵庫を開け、牛乳を取り出した。そして牛乳を一気に飲み干した。
「ん…?この牛乳色は牛乳だけどへんな味がする…。これ絶対に牛乳じゃないよ!なんなの?」
そう兄に問うと兄は首をかしげて
「さあなぁ、俺もわからん。どうせ父さんがどっかから仕入れてきたんじゃないのか?」
僕のお父さんはたまに変な物を仕入れてくる。
その液体はその時は何も身体に異常はなかったので気にせず学校に向かうことにした。