1話
3/12 1から書き直しました。
僕の名前はブラン。まだ歳は8つで髪はお父さんと同じ茶髪だ。
僕の住んでいる村はそこまで大きくない。
村の人は50人程度しか居ないし畑も村の人が食べられる量が採れる程度の大きさ。
村は『竜』に襲われないよう大人ふたり分くらいの壁で囲われているからきっとこれからも大きくならないと思う。
そんな村で僕のお父さんは狩人をしている。
村の中でも3人しかいなくていつも『兎竜』や『鳥竜』を狩って村にお肉を分けている。
危険な『狼竜』が出ても狩って村の安全を守る自慢のお父さんだ。
でも少し前にもう1人狩人が居たんだけど運が悪くて死んじゃったって話を聞いてからお父さんが狩りに出るって聞くととても不安で怖くて仕方なくなった。
でも、帰ってきて自慢げに獲物を見せてくるところを見るとやっぱすごいって思うんだ。
僕も怖いけど大きくなったら狩人になってお父さんが死なないように一緒に狩りに行くんだ。
「すごいんだよ!牙は僕の手より大きいし鱗は力を入れても全然曲がらないんだ!」
僕はお父さんが昨日狩ってきて解体していた『狼竜』の牙や鱗を触らせてもらって分かったことを歳が近くの友達に自慢していた。
「いいなー!前に狩ってきた『狼竜』よりも大きいんだよね。僕も触りたいなー!」
僕のことを羨まし気にしているのは青い髪をしていて僕よりも1つ年上のデントだ。
僕の隣の家で畑仕事をしていて仲が良い。僕もよく畑仕事の手伝いに行っている。
「私、竜を運んでるの見かけたけど怖かったよ…。すごいよね、お父さんもすごいって言ってたよ。」
少し怖がった顔をしているのが黒い髪を後ろでまとめている1つ年下のリーン。僕たちにとっては妹みたいな存在だ。
村長の家の子で親から溺愛されてるからいつも「何かあったら命に代えても守れよ!」って僕たちは村長から強く言い聞かされている。
そんなこと言われなくても僕たちは守ろうと思ってるけどね。
僕たちはお父さんが昨日狩ってきた『狼竜』について盛り上がり僕の家に行って『狼竜』を見に行くことになった。
「おおー!すげー!」
「すごく大きいけどこれで噛みつかれたらって思うと怖いよね…。」
デントは『狼竜』の牙を触って興奮していたがリーンは襲われた時のことを想像して怖がっていた。
「触ってもいいけど先っぽには注意しろよ。尖ってて簡単に刺さっちゃうからな。」
お父さんは今回の狩りで『狼竜』だけでなく『兎竜』も数匹狩ってきて多くの肉を手に入れることができたため今日はお休みだ。
消費した矢を補充したり武器を手入れしながらゆっくりしていた。
「ろーりゅー!」
デントが牙を2本口元に当てて『狼竜』を模そうとしている。が、牙の向きが横向きになっていた。
「ははは、それじゃあ噛みつけないぞ。」
それを見てみんなが笑いデントは照れ笑いをしている。
「そろそろお夕飯にしましょー。デントとリーンも食べていく?」
「食べてく食べてくー!」
「すいません、頂きます。」
芋を潰してからまとめて焼いたものと干し肉を炙ったものが木皿に載って運ばれてくる。
決して裕福なわけではないがとても幸せな時間だった。
しかし、幸せは簡単に崩れるものなんだってこの時知った。
ドンドンドンッ!!
ドアが思い切り強く叩かれる。
お父さんは素早い動きでドアを開けに行った。
「どうした!何かあったのか!」
「じゅ、『獣王竜』だ!獣王竜の群れが村の近くに来た!」
『獣王竜』。それは竜の中でも災害危険種に指定される大型の危険種であった。
『兎竜』・・・基本的に兎と変わらないが鋭い牙と足に鱗があり攻撃性と俊敏性が強化されている。
『鳥竜』・・・竜と化した小型の鳥の総称。首から背中へまばらに鱗が生えているため未熟な狩人が鱗に矢が防がれて悔しい思いをすることが多い。
『狼竜』・・・大型犬に近い大きさで堅い毛皮に覆われている。犬が竜と化して進化した。手足に鱗が生えており強化された足で押さえながら鋭い牙で止めを刺すのが主な仕留め方。
『獣王竜』・・・ライオンが竜と化して進化した。2メートル程の高さを持ち鋭い牙と爪を持ち軽々と木々を切り裂く威力を持つ。手足や尾が竜と化しており強化された脚力で空を蹴ることができる。餌が無くなること以外で縄張りを変えることはない。群れにオスはただ一頭のみ。