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中編

アレ?伏せ字がいっぱいの話になってしまいました…。またしても一部ノンフィクション。うちの相方が色んなツテを持っていまして。変な情報入れてくるんですよね…。後編はまた考えます。いえ、オチは考えてあるんです。大丈夫だぞ?

「ルールールー。お嬢、おいで〜怖くないヨーたけるたん、噛まないよ〜刺さないよ(刃物は)〜絶対殴らないヨー。みっこに誓うよ〜愛でたり撫でたり舐めたりしゃぶったりするだけだヨ〜!」




 そう言って、美青年イケメンが微笑んでお他所の組の構成員の皆さんをゲシゲシとリズミカルに踏みつけながら、格闘ゲームの挑発かジャッキーチェンしかしないであろう仕草で私を手招きをする。



「それで『わ〜い』と無邪気に胸に飛び込む女が居るか‼︎呼ばれたキタキツネだって手袋買わずに雪道ドリフトして逃げるわ!ボケェ‼︎」

「うわあ、流石お嬢ーひと昔のドラマと有名な童話が絶妙に混ざってるヨー。

 大丈夫だってー!狂犬も犬の内、ちゃんとご主人には絶対服従だしー、毒は身内を避けて吐く、八つ当たりはどうでもいい奴等を噛むよぉ。お腹晒すからナデナデ撫でてぇ。その勢いで違うもんも撫でてぇ」


 屍の山に転がって服をチラチラと捲り、見事な腹筋を見せつけるたける


「噛むのなら私の名前をご主人表記で発表しないで!後、胸毛も腹毛も生えてなさそうな日本原産のイケメンのクセにもふもふを自称しないで!」


 御曹司風インテリヤクザなイケメンに朝勃ちまで容赦なく突っ込まれておきながら全く免疫のつかない灯里あかりは鼻血が出ない様に片手で鼻を押さえている。


「え?俺のギャランドゥーの有無を確認したいの?目視!目視ならオッケー‼︎ホラ見て見て〜今日のパンツ、ドルガバー!」

「オノレは表連載けんぜんの限界に挑戦したいんか⁉︎ナニその故・西○ヒデキ感激!いいからもう、行くよワンコ〜その服に飛んだ血飛沫無視して連れて行かれてやるから、この惨劇サスペンス会場から連れ出してえ〜。血臭除去の為に生クリームの乗ったパンケーキでも奢れぇ〜‼︎」




 と、言う訳で洒落乙なビルの中の横文字なお店で案外素直に連れて来てくれたイケメンと向かい合ってワタシ、ハワイアンパンケーキ食っとります。


「ふふふ、お嬢カワイイ。クリーム付いてる」


 イケメンはとっとと同じビルのスリー・ドッツを扱っているお店で一式コーディネートすると試着室でとっとと着替えて青褪めた店員さんに元の服を処分させてた。


「うわー鉄板いやんネタで余りにも甘酸しょっぺぇ…イヤ、そんなんいいからー。尊君、アレ何だったの?」

「呼び捨てして〜お嬢」

「イヤや」

「何で関西弁?」

「イヤばい」

「…えーとー、タケルたんでもいいよ?」

「タケルたん、説明を求む」

「え?【たん】呼びはすんなりオッケー?寧ろそっちがビックリなんですけど」


 私の口の端についた生クリームをすっと指で掬って、ナチュラルに舐めしゃぶりながら目を見張るイケメンに、あからさまに肩を落として見せるとナイフとフォークを置いて大きく溜息を吐きながら紅茶を啜った。


「あの姐さん、タケルたんがいきなり躊躇いもなく全力でぶん殴るから超怯えてたじゃん…」

「え?アレ?ああ、海堂組の若頭の娘のクセに根性無いよね〜」

「いや、そちら稼業のヒトってのは見るからに分かりましたが、それでも女を殴る…ってせめて平手で…:(;゜'ω゜'):お願いしますよ。で、何か跳んだよね?アレ多分、いや間違いなく歯だったよね?しかも正体分かった上で背景バック考えないで殴ったの?注射打ってきて!獣医さんに行こう‼︎私、お金出すから‼︎」


 いやあ!コレ紛う事なき狂犬だ!隆浩たかひろさん(パグ好き元凶ジジイ・ヤクザの御大)、どうして敢えて対抗勢力用に躾しなかった病気のイヌを、大型犬の散歩させたら確実にご近所中引き摺り回されるタイプ女子ジョシィに託して手綱持たせようとするの!バカバカ‼︎


「え〜、俺【注射】は打たれるより寧ろ打ちたいタイプ〜。飲むならドーピングで若さに必要ないブースト掛けの為、特製バイ○グラ仕込んで勃ちっぱなしで3日くらい入れっぱ「もう黙りぇええ〜ええぇえッ‼︎」」


 真っ赤になった私が両手で美青年の口を押さえ込み、遅刻した女子高生の如くパンケーキを齧りながら店を飛び出したのを誰が責められるというのだ!


「あ、待って!お嬢ォ〜」




 ギャギャギャギャブォーンッ!




 だが、タケルたんの制止の声と共に飛び出した私の側を掠る様に黒塗りの高級車が走り抜けていく。

 追い付いたイケメンが襟をちょいと引っ張ってくれなかったら…。


「い、…やあああアァッ!」

「危なかったネー、お嬢。かあいそうに〜もうタケルたんの傍、離れたらダメだよ〜?若も御大も居ない時は特にね〜」


 おお、ヨシヨシと心底愛おしそうに腕の中でガクブルな私を抱き込んだ尊青年はそっと建物の死角に身を隠した。


「ヤバいねー。誰がお嬢の情報を流したのかな〜?おっかしいなァー【パグの会】経由でも速過ぎるんだよ」

「ヤバいよヤバいよウルトラまずいよォ‼︎命狙われてるう私!やめてよまだ映画オズラ○ド観に行ってないよ!福岡のスペースワー○ドでエ○ベックスタレントを呼んで人寄せとしたイベントに熊本の三井グリー○ランドが対抗して「そうだ!人に慣れたゾウを呼ぼう‼︎」と地方ならではの、でっかいモノは珍しいから一回見とけ的な真理を巧みに突いて勝利した象イベントが実写化しているのか確かめなくては死ねないよう!」

「お嬢、いい具合に錯乱してるね〜思った事垂れ流しでしかも長い」

「タケルたん、死にたくない!」

「おお、要約したネー」



 そこへスマホの着信音がした。



「はい」

『─────灯里、【犬】の散歩は楽しかったか?』


 四角いあんちきしょうから妖気と色気ダダ漏れのイケメンの声がしますた。


「ひ、秀嗣ひてつぐさん…はわわわ」

『灯里どうした?を怖がっているんだ?俺なら大丈夫だぞ?爺さんの子飼の犬がじゃれついた位で怒る様な器の小さい男じゃない 。

 ただ、黙って外に出るのは感心しなかったな。心配したんだぞ?』


 いっそ優しげな声がオソロシかった…!


「ふにゃひにゃああぐ、ぐぉめんなさいィイイ‼︎」

『その卑屈な処は嫌いじゃない。いや、むしろ好きだ』


 私は権力と暴力と金銭に分かりやすくおもねる女だ。

 え?そんなのなろうヒロインじゃ無いって?黙らっしゃいおバカ!

 リアルにああいう稼業の方と触れ合ってご覧なさい?3分前まで笑顔だった人の良いおっちゃん兄ちゃんが一瞬で人を殴るよ?何なら笑顔で物理的に潰しにかかるよ?しかもこのスマホ、私のじゃ無いよ?バックのチャック付きポケットに隠してあったよ?いつ?


 最悪で埋立地、最善で快楽漬け…いやマテどちらも詰んでる気がする。


『──────で?今から迎えに行けば良いのか?」


 え?GPS?


 何処に仕掛けているの?


「え…む、迎えって、場所…」

『品山の吉祥ビル前だろ?』


 靴底か?


「…はい」

『ん、そうか。灯里、駄犬に爺さんとこまで連れて行かせなさい。どうせ待ってやしないだろうしな』


 後、代わって。って言われたのでスマホを渡すと、尊たんはゲラゲラと体を折って笑いながら『了解っす』と通話を切った。


「お、お嬢、車回させるから御大んとこ行こ」


 まだ笑いの衝動を抑えながら、

「若が『灯里がわたわたと身動いでいたら教えてやれ』って、────『仕掛けが一つ(・・)だなんて誰も言ってないだろう』だって。

 それと俺は『射精管理出来るまで躾ける』って‼︎怖え〜!」


 怖え〜、じゃねぇよ⁉︎

 何だよ、その表連載では有り得ない単語!ハム作品は表ですら18歳未満お断りしなくてはならないのか⁉︎

 ええ教育的に頭悪いですeテレの方角(どっち?)に向かって謝って下さい。はい、すみませんでしたー‼︎(心より土下座)_| ̄|○


 いや、ヤクザ出てる段階でもう充分だよ。


 脳内ツッコミがきた。

 …だってストライプのスーツ着てる地方ヤクザなんて昭和映画史に残る金字塔じゃね?そんなん平成に残ってる史実が世界遺産じゃね?何か違う意味で18禁だよ。目に痛かったよ。秀嗣さんのスタイリッシュでノーブルな雰囲気とは違う意味で光を放ってたよ。神だよ。光あれ。


 て、言ってたら車来た。


 それが滑り込む一瞬、油断した。




 ぱん!




 何も考えてなかった。

 ホントに。

 アレだ。ほら、殺人犯とかが何故か子供を庇って車道に飛び出して死んじゃう話とかあるじゃん。都市伝説的な。

 乾いた音がした瞬間、どうしてだろう?反応して私の前に出るタケルたんの背を押し退けて、



 手を広げて出てしまった。



 凄い衝撃と硝煙の匂い。倒れる自身の体。尊青年が何か叫んでる。アスファルトの匂いが近い…ぢみに地面に頭、打ったからか腹部を襲うそれと違う別の痛みが逆に私の意識を辛うじて繋ぎ止めていた。



 おお、灯里よ!死んでしまうとは情けない‼︎



 やめてよ神父様。私、浄土真宗よ。

 何ゴールド払えば復活できますか?

 仏様、まだこの人生において猫を存分にモフッていません。



「あははは!凄えお嬢‼︎俺を、俺を庇ったね?護られるしか取り柄のないゴミ屑みたいに弱っちい癖にィ〜この俺を!」



 狂った様に笑い続けるイケメンの声。同時に乾いた音が続いた。襲撃?え?尊たん?



「いやあ惚れるぅこれは惚れる一択でしょう⁉︎ビクビクで物陰にマッハで隠れて、小リスが首を傾げてるイメージのお嬢が!俺を!鬼強え俺を!庇った!愛ッ──────‼︎」




 いや、違うから。




 誰かに革張りのシートの上に放り出され、車の匂いを感じながら私はとうとう気を失ってしまった。


.

観に行かれた方だけが真実を知る…!

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