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第6話 目覚ましはバイオレンス

ばさり。

 最後に一回、大きな音を立てて羽ばたくと、私たちは無事地上へ降りたっていた。

「さー、到着したよ。アリス。」

「あ、はい。有難う御座いました!グリフォンさん!!」


私はグリフォンのうっすい肩から手を離し、なんとか背中から降りる。


「うー、眠い…。日向ぼっこしながら昼寝してるから白兎がきたら起こして…。」


グリフォンがそう言って、ふらふらとしゃがみ込み、目を閉じる。

そして、すぐに小さな寝息が聞こえ始めた。

 早ッ!?何か3秒と掛からなかった気がするぞ今の!!


「あー。暇だなぁ。」


私は話し相手も居ないし、かなーり暇人な状態だったのでお城の観察を始めた。



 今私たちがいる城門の前からだと、お城自体はあんまり見えない。だからお城の城門から観察だ。


うーむ。大きい。第一印象はそれかな。

 門だけでも凄く大きいから、開けるだけで一苦労だな。きっと。

よく見ると、大きな城門の端っこのほうに、小さな木戸のような物がある。ドアについてる猫用の道みたいな感じかなー。

 多分普段はここを使ったり、裏口とかを使ったりするんじゃないかな。裏口とかがあるかどうかは知らないけど、こういうお城には大抵あるものだと思う。

 だから、この大きくて立派な城門は、国を上げてのお祭りとか、そんな感じの特別なときにしか使わないんじゃないかなぁ?

 それにしても、大きいだけじゃなくてお洒落な門だと思う。

 流石は絵本の中の不思議の国。すっげえメルヘン。

赤いハートの模様がいっぱいセンスよく並んでいて、可愛らしい。


 さーて、次はお城をぐるっと囲む塀を見てみよう!!

 塀、じゃなくて砦っていうのかなあ。とにかくお城をぐるっと囲んでそびえたつそれは、やっぱりハートの模様が描かれていた。

 

 お城の観察もしたいなー。楽しみだ。


ふと横を見ると、グリフォンはさっきと同じ姿勢で眠っていた。

 全く同じ姿勢だ。凄い。コイツこんなやる気無さそうな顔して実は凄いってタイプか!?


「むにゃむにゃぁー…。」


ん?寝言か。何だろう。


「もう眠いよー、面倒臭い…。」


コイツ…、寝ながら眠いとか言っちゃってマスヨ!?しかも面倒臭いとか呟いてマスヨ!?

 何処まで無気力人間…いや、グリフォンか。


私がそう言いながら、グリフォンを見詰めていると、ぽんっと肩に手が置かれた。


「アリス。お待たせ致しました。お城の中へ行きましょう。」


後ろからいきなり声が掛かる。びっくりして振り向いたら、優しそうな微笑を浮かべたイケメン白兎がいた。


「あ…。はい!!」


慌てて頷いて、眠っている無気力生物グリフォンを起こす。

「グリフォンさーん…、白兎さんが来ましたよ。」


どういう風に起こしたら良いのか検討が付かなかったから、軽くゆさゆさと強請って…ゲフンゲフン、揺すってみる。


それでもグリフォンは起きない。元の姿勢を保ったまま、グースカ寝てやがる。

「どいて下さいアリス。グリフォンを起こすくらい僕がやりますよ。」


そう言って、白兎がやんわりと私を押し、グリフォンの前に立つ。


「アリスが起きろっつってんのが分からんのか、この鳥頭。」


え。今なんか物凄い暴言が聞こえた気がするんですが。しかも超低音。笑顔で。目ェ笑ってないけど。国とか地域によってはピーって音が入りそうなんですが。怖。


 それでもスヤスヤ楽勝で眠るグリフォンに、乾杯と完敗。

そんなグリフォンを見ると、白兎は仕方なさそうに溜息をつき、ポケットに手を入れゴソゴソと探る。


 チャキッ。


え?ちゃき?


 ばきゅーん!!


うああああああああああああ!?この人…兎?撃ったあああああ!?


「うるさいなぁ…、なあに白兎…?」


グリフォンはふあっと欠伸を一つしてから言った。っていうかうるさいなぁぐらいで済むんだ!?反応薄くね!?


「貴方が起きないから起こしてあげたんでしょう。」


いやいや。一歩間違えたら永眠ですよ。永い眠りにつきますよ。


「ええー。アリスに起こしてって言ったんだよ?白兎じゃあ無いよ。」


いやいやいや。そこじゃあ無くてまずはスプラッタでバイオレンスな起こし方を突っ込もうぜ。


「アリスの声で起きなかったのは誰だと思っているんですか。全く。」

「えー、知らないけど。」


知らないって…、文脈的に考えようぜ。そうすればアンタだって分かるよな!?ハッ、これはまさか有名なKYを意識した反応!?そーなんですか!!


「とにかく。お仕事は終わり。昼寝に戻るからぁー。」


そう言うと、グリフォンは青空に散って…、じゃない。飛んでいった。

 っていうかお前のいうことって昼寝ばっかじゃん!!


「さぁて…。行きましょう、アリス。」

「は、はひぃ…。」


ちょっぴりバイオレンスなイケメン白兎についていって、大丈夫なんだろうか、自分。

 自分の身が心配だ…。














こんなの、そんなに凄いことじゃあ無かった。

 これくらいの事、私の中で非常識だったことは、この国だったら当たり前のことだった。


 でも、私はまだこの時には気づいてなかったんだよ。


こ、今回はギャグばっかりですね…。

 つまらなかったら、すみません。


っていうか読んでくれてる人、有難う!!

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