第4話 あなたはアリス。
うっわー。やっとこさ不思議の国。
短めです。今回。
っていうかコメントきてた!!有難う!!
あなたは、捻くれ者ね。
―――え?
あなたは、アリスになる資格なんて無い。
―――誰?どうして私は、アリスになっちゃいけないの?
あなたは、チェシャ猫。狂った、キチガイ。それで十分。
―――私は、キチガイ?
―――――私は、キチガイなんだ………。
やぁやぁこんにちわ。読者さん。
私は今日も元気、ちょっぴり現在コスプレイヤーっぽい有素るりちゃんだ。
黒目黒髪、捻くれ者で博識で、絵を描くのが大得意なるりちゃんだゾ☆
よし、自己紹介終わり。自分のことが思い出せるなら問題ナッシング。多分。
自分にちゃん付けとか、所々発言がイタイのは気にしちゃぁ駄目さ。HAHAHA☆
そんな感じで、私の思考がもうそろそろ壊れそうなときに誰かの声が聞こえた。
「大丈夫ですかー?」
何がじゃ。頭か?今の状況か?
どっちも大丈夫じゃねえよ。本に吸い込まれそうになって、挙句の上に吸引力の変わらない掃除機のCMが頭の中をぐるぐるしていて、しかも自分のことをちゃん付けとかもう駄目だ、私は末期だ。
「起きませんねー。頭でも打ったのかな。もう死んだのかな。」
おいおいおいおいおい。何気に物騒なこと言ってくれるぜ。コイツ。
仕方無い…わけでも無いけれど、私は頭を押さえながら起き上がった。
「う、うう…。大丈夫…です。」
「そうですか、なら良かったです!!」
瞳をあけると、光が入ってきて眩しい。私は、目の前に居るひとを見ようと、視線を移動させる。
でも、視線を移動させて見た彼は…、アイツだった。
「……白、兎。」
口から独り言が零れ落ちる。
そう、目の前にいたのは私が不思議なあの図書館に行くキッカケをつくった彼だった。
白い髪に真っ赤な瞳。アルビノだろうか。肌も抜けるように白い。
頭の両側から垂れ下がる耳は、やっぱり真っ白。片方には真っ赤なハートのピアス。
優しげな微笑を浮かべて、私のことを見ている。
見た目からすると、きっと十八歳くらい?私よりも年上だけど、お兄さんってカンジの年齢だ。
「よく分かりましたね。僕は白兎。ハートの女王の城に使える者です。」
にっこり。そんな擬音がしそうな笑みで彼は言った。
「はーとの、じょおうの…しろ。」
私は普段聞きなれないその単語を口のなかで繰り返す。
「ええ。ここ、不思議の国を統べる女王様です。」
不思議の、国。じゃあ、やっぱりここは。この場所は。
「ここは…、不思議の国、なんですか。」
「はい。そうですよ。」
ああ。やっぱり本に吸い込まれたんだから当然か。
絵本の中の世界なのか、ここは。
信じられないような出来事に、一瞬息が止まりかける。そんな私に、白兎
「あなたのお名前は?何故このような場所で倒れていたのですか?」
名前、ね。それなら答えられるさ。けれど倒れていた理由なんて自分だって知らない。
「わたしの名前…ゆうもと、るりです。」
なんだか自分の名前をいうだけなのに、心細い気分だ。なんでだろう。
私の答えを聞くと、目の前にいる白兎はその赤い目を少しだけ見開いた。日の光を透かす眩しい赤の瞳の奥で、瞳孔が細くなる。そして、その驚いた表情は、見る間にとろけるような熱っぽい微笑みにとってかわった。
彼は、緊張したような、けれどとても嬉しそうな声で言った。
「そうですか――――ようこそ、新しいアリス=リデル。」
もう、戻れないよ。帰り道なんて無かったから。