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第14話 夜明けの城と林檎の香り

コメントくれた方々!!感謝激励!!

閲覧して下さった方々も!!オッス!!


 今回は新キャラは出ません…少しシリアス入ります。

 っていうか三月兎って…、あー、どっかで雑学知識を読んだ気がするんだけど…、


 あ、思い出した!!


 そう、確か原作のルイス・キャロルの作った三月兎は、ことわざを擬人化したキャラクターなんだ。

 そのことわざは、『三月の兎のように狂ってる』じゃなかったっけ。確か。

 どういう意味かというと…うん、そのまんま。狂っているヒトを表す例え。


 そのことわざの成り立ちも知っている。えーと、三月は兎の発情期だから、兎が凄く興奮している。その興奮してる様子が、人間の目にはさながら狂っているように見えたから、こんなことわざが生まれたらしい…っと。


 ……うん。でも、三月兎が毎日発情してる特異体質だったとしても私を襲っても良い理由にはならないし。犯罪だし。


「ううー…アリス、酷いよぅ。すっごく痛いんだけど!!」

「襲おうとするからです!!」


 涙目の訴えは無視。どっちかっていうと被害者は私だしな。

 

「でもー、ちょっと挨拶しただけで蹴るなんて酷いと思う…。」


 挨拶か。オマエにとっては、今のは「ハロー!!」ってな挨拶感覚なのか。キチガイだな。


 っていうか蹴られたからって文句言うな。ヒトはそれを自業自得というんだぞ!?

・・・いや、コイツって人間と兎、どっちの分類なんだ? まぁいいや。


「初対面で相手を襲うほうが酷いですよ!!」


 私の最もな反論。


「え〜?だってアリス可愛いし…、仕方無いじゃん?」


最もな反論、玉砕。ここでは、正論かどうかより、押しの強さのほうが大事らしい…はー。


 そして、彼は、立ち上がって窓へと歩み寄る。


「じゃね!! アリス。痛かったけど楽しかったよ〜!!」


 そう言って、爽やかに私に手を振り、窓に手を掛けて出ていった。

 ……現れたときと同じく、私に発言の隙を与えない奴だな。



  はぁ疲れた。寝直すか……。





 ん?





 何か窓の外が、うっすらと明るいような…?





 ……これは…!!




「私の睡眠時間を返せェェェェェェェ!!」




 夜明けになってるじゃねえか!! 畜生!! 覚えてろ三月兎!!








 






 ひたひた。まだ暗いお城の廊下に私の足音がわずかに響く。


 三月兎に時間を取られて、夜明けになっちゃったもん。寝直す気にもならないし、お城探検でもしてみようかなー、と思ったのだ。


ちなみに現在の装備は、スタンガン。あとネグリジェと、スケッチブック、筆箱。


 スタンガンは、まぁ当然だよね! ここ変態…じゃなかった。不思議の国だし!

スケッチブックと筆箱は、まぁメルヘンな所だし、絵の題材になるようなモノも多いかな、と思って持って来た。アイディアが浮かんだら、すぐメモしないとね。


 っていうか着替えてから来るんだったな…。ネグリジェはヒラッヒラで結構動きにくい。

まぁ、姉さんから貰ったエプロンドレスもヒラッヒラだけどさ。


っていうか、廊下だけで長いなー。流石お城。

 心細くなるぐらいに、大きい。うう、ホント何か怖いなぁ…。帰ろうかな?


『さぁ。じゃあ行きましょう。大丈夫、慣れれば良い所です。』


 確か白兎が言っていた。


『はぐれてしまったら、どんな目に遭うかわかりません。』


 とかも言っていた。…どうしよう。まだ全然このお城に慣れてないのに、一人で探検しようなんて無謀だったかなぁ…。



 あ〜、今になってその説明を思い出すって…探検を開始する前に思い出してくれ…私の脳みそ。



「か、帰ろうかな…。」


心 細い。怖い。どうしてこんなコト始めちゃったかな。自分。


 くるっとUターンでもしようと思って、後ろを振り向いた時、私は凍り付いた。


 後ろには、枝分かれした幾本もの廊下。考え事をしながら通っていたため、分かれ道に気が付かず、適当に道を選んで通ってきてしまったようだ。



 どうしよう。帰り道が分からない。




なんてベッタベタな展開、ベタすぎる。


 けどコレ現実でやると、ホント冷や汗モノだ。どうしよう。ホントに帰り道ワカンナイ。


 このでっかい城で、私の人生はバッドエンド!?マジですか。

 絵本の中で死ぬのは嫌だ。うう。どうしたらいいんだ…。


 仕方無い。先に進もう!!

帰り道は分からない。でも道は続いてる。ならば先に進もうではないかー!!


 もうポジティブ思考だ。それしか無い。誰かに運良く出会って、案内してもらうしか無い。


 ヤケクソ9割、ポジティブ思考1割で、行ってみよー!!HAHAHA☆







 はい。そんなに世の中甘く無かった。事態は泥沼化しつつあります。


 現在、もうホントによく分からない所に来てます。木がたくさん生えてるから、中庭なのかな。回りはお城の高い城壁に囲まれてるし。

 結構綺麗に手入れしてあって、花と木が、バランス良く植えられてる。…お城の装飾といいこの中庭っぽい場所といい、みんなこの国のヒトは良い仕事してるね。うんうん。


 ・・・じゃなくって。どうしよう。この場所でくたばるのは嫌だ。せめて成人してから死にたいよ。


 ふー、さっきよりも空が明るくなってきた。誰か来てくれないかなぁ…。


「あれー?アリスじゃん。こんなところでどうしたの?」


あらあら。なんて偶然!なんてご都合主義!!誰かが声かけてくれたよ。ラッキー!!


 声を掛けてくれた人を探し、キョロキョロと回りを見渡す。だけど、誰も居ない…?


「ここだよ、ここ。アリス、上見て。」

「え?」


その声に、上を見上げると、ニヤニヤ笑いのピンクと紫のボーダー猫がいた。


「ちぇ、チェシャ猫さん…!!」


木の上に座って、ピンクと紫の尻尾をぷらぷらと揺らしながら私を見下ろしてくる。ワインレッドの瞳が、夜明けの淡い光に輝いた。


「クスクス。もしかして迷ってたの?」


笑いながら彼は木から軽やかに飛び降りる。人間っぽいけど猫っぽいなぁ。


「は、はい。帰り道が分からなくなって…。」


思わず赤面しながら言った。だってこの前この人の前で泣き出しちゃったし…。恥ずかしい。


「そうなのー?もし良かったら、案内してあげようか?アリス」


おう、それは有り難い。そうしてもらおうかな。


「ぜ、是非ともお願いしますっ!!チェシャ猫さんっ!!」


 わーいやったー!!これでバッドエンドじゃないぜ!!イエーイ!!

 私がかなりハイテンションになって狂気乱舞していると、チェシャ猫はいきなり私を横抱きにした。


「ひ、にゃっ!?」


 思わず驚いて変な声が出た。不覚だ。

 でも仕方ないよね!!いきなり横抱きですよ!!別名お姫様抱っこですよ!?


 と、混乱している私を尻目に、チェシャ猫は歩く。平気そうな顔してるけどお姫様抱っこは恐ろしい負担が腕に掛かるんじゃあ無かったか?え?コイツ何気に筋肉あるの?マジで?


「あの…普通に案内して頂くだけで宜しいのですが…。」


うん、歩かなくって良いし、ぶっちゃけ楽な姿勢だけどさ、正直落ち着かない。


「え〜?いいじゃん。俺はアリスが大好きなんだから。」


そういう問題じゃないって。と、突っ込もうとした時、甘い香りが私の鼻に届いた。


 ・・・なんだろう。甘くて、爽やかな香り。


それに、この香り嗅いだ事がある。懐かしい香り。大昔のようで、最近…いつ?


 あ。この匂いって…!!



 この絵本の中の、不思議の国に来る前にいた夢図書館二階で嗅いだ匂い…!





『螺旋階段を上ると、古い本の匂いに混じって懐かしい香りがした。


「なんだろ…、この匂い。」


思い出せないけれど、とっても懐かしくて。』




そう、あの時嗅いだ、懐かしい香り。

 あの時は一瞬しか嗅げなかった。けど今ははっきりとチェシャ猫から漂ってくる。



    これは林檎の香りだ。




 甘く揺れるピンク色の液体。そう、可愛い小壜に入っていて。あの子が笑顔で付けていた。粉っぽい林檎のコロン。だからいつもあの子の周りには、良い匂いが漂っていた。

 哀しそうなあの子。揺れる林檎の香り。

 狂っていくあの子。セピア色の絵。



「どうしたの?アリス。」


チェシャ猫の声で私は我に返る。

 今のは何?私の記憶?


分からない、解らない、ワカラナイ―――――・・・。


「アリス、着いたよ君の部屋。あっという間でしょ?」


「ふはぁ?あ、はい!!有難う御座いました!!」


物思いに深けると、反応が鈍くなる。私はまたもや変な声を出してしまった。

 クスクスとチェシャ猫が笑い、私を降ろす。なんかコイツの前では恥ずかしい反応ばっかしてるよ私…。


「じゃあねアリス。ばいばーい。」

「はい…。」


たたっと軽快な足音をさせて彼は走って行った…。と、思ったら、いきなり消えた。


「え!?消えた…。」


え、なにこのマジカル。でもチェシャ猫だし、当然といえば当然なのかな。


 ホラ。原作でも、いきなり消えたり体の一部を消したりと、とてつもなく器用なことをやって、アリスや女王様、王様を翻弄していた気がする。

 この国でも、そーいう役回りなのか?彼は。



なんていうか…、摩訶不思議な国だなぁ…今更だけど。


















 フワリと香る、林檎の香り。どうしてあの子を忘れていたのかしら。


やあやあコンニチワ!!今日はコメント返信をするよ!


 ではでは、まず、毎度お馴染み、コメントをくれる私にとっての心のオアシス!!チェシャ猫好きの私の同志!!アイリス・ローズ様への返信です。

 今回は我等が主人公、有素さんにやってもらいます。どうぞッ!!


「へ?私?あ、こんな話を見捨てないでくれて有難う御座います!!凄く不運な有素です!!ホンット私って可愛そうですよね!え?襲われてるけど逆に考えればモテモテ?…その発想は無かった。プラス思考バンザーイ!!

 次回が楽しみ、と言って頂けて、作者も狂気乱舞しております!!有難う御座いました!!感謝!」


はい!ホント感謝です!ではではお次は…。


白国雪亜先生から!現在絶賛更新中の『夕凪の国のアリス』に、『+*☆メルヘンにアリス☆*+』、そして完結済みの『水鏡の国のアリス』等など、様々なアリスモチーフを書いていらっしゃる先生です!!


アリスパロだから興味があって読んでくれた、そして感想までくれました!!う〜、流石はアリスモチーフ作者!!

 コメディ調で面白い…ははは!それはコメディしか私が書けないからですYO!っていうか寧ろ先生の作品の和やかコメディを見習いたい。


 そして最後の『これからもお互いがんばりましょうね///』のお言葉に感動。頑張って下さい先生!!


 お二人様から貰ったコメント!!大切にします!!




あ、追伸です。コメントに、キャラへの質問などが書いてあったら、ネタバレにならない程度でお答えすることがあるかも。だから感想、アドバイス、質問、なんでも送ってください!!待ってまーす!!


 ではでは〜。

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