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街はずれの錬金術師は元勇者様  作者: 穂麦
第三章-C 元勇者様の???紀行
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元勇者様と赤いドラゴン

僕は小型の恐竜に鞍を付けて紫色の大地を走っていた。


この小型恐竜はグランデという名前。

魔力で作った疑似的な肉体を持ったモンスターだ。


見た目はティラノザウルスが小さくなった感じの魔物だと思って欲しい。


呪いのアイテムによって、僕はおかしな場所に飛ばされた。

現在、情報収集のために人を探していた。


「……泣きたい」


僕の口から意図せず零れた言葉。

これは間違いなく本心だった。


クレスのラブソングのせいで散々に振り回された。

ミスティと会うことになって変態扱いされまくったし。

真祖のヴァンパイアであるエリーとも戦う寸前だった。

現在は訳の分からない場所を放浪中だ。


まずは現状を何とか生き延びないと……

僕は頭を切り替えてグランデを走らせた。



しかし、ココはどこなんだろう?


紫色の大地なんて、今まで見たことがないんだけど。

どうやら魔力が変な感じになって変色しているみたいだ。


僕は考えながらグランデに乗り走っていた。

すると遠くから悲鳴が聞こえた気がする。


……多分、気のせいだ。


僕は悲鳴を気のせいだと思い込んで通りすぎようとした。

と、思ったら紫色の大地の遥か遠くから……凄いスピードで飛んできているような?


「えっ」


僕は驚きの声を漏らしたと同時に逃げることを決断した。


(これ以上、面倒事に関わるのはごめんだ!!)


僕は全力でグランデを走らせた。

絶対に追いつかれるわけにはいかない。


なぜなら凄いスピードで向かって来ていたのは……ドラゴンだったから。


現在は神気を使えないためドラゴン相手に戦うのは嫌だ。

だから必死に僕は逃げる。


それでもドラゴンのスピードは凄まじく僕に追いついてきた。


「……て」


なんかドラゴンから人の声が聞こえた気がする。


「……めて」


きっと気のせいだ。


「止めて~~!!」


絶対に嫌だ。


ドラゴンの背から変な声が聞こえている。

背中に人が乗っているなんて気のせいだ。気のせいだ。気のせいだ。


僕は必死にグランデを走らせた。


………

……


ドラゴンとの追いかけっこは終わった。


なぜか一度も転んだことのないグランデが転んだ。

そして転ぶグランデから投げ出された僕は、なぜか体が麻痺していた。


この結果、僕は赤いドラゴンに咥えられている。


障壁で身を守っているのでドラゴンの牙は刺さっていない。

ちなみに僕が乗っていたグランデはドラゴンのお腹に入った。


「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」


先程から1人の少年が僕に謝っている。

彼の名前はルーファンス。


金色の髪に緑色の瞳をした少年で鎧を着ている。

ドラゴンに乗って戦う騎士、ドラグーンだ。


ドラグーンが乗っているのなら、このドラゴンは軍隊の所有物ということだ。

そんな生物を傷つけたら面倒なことになるから僕は下手に手を出せずにいた。


「はぁ~ 降ろしてもらえないかな?」

「ごめんなさい。僕の命令を聞かないもので……」


先程、僕を追って来たのは勝手にドラゴンが動いたためらしい。

ルーファンスは見習いのドラグーンだが強力なドラゴンに気に入られたそうだ。

そのため乗る練習をしていたのだがドラゴンは勝手に動き出したらしい。


僕はドラゴンに咥えられたまま彼に話しかけた。


「このドラゴン、感電させていいかな?」

「ダ、ダダダ、ダメです!」

「このまま、君の国にお持ち帰りされたくないんだけど」

「……お持ち帰りってなんです?」


そういえば、この世界にファーストフード店とかなかったな。

だからお持ち帰りなんて言葉もあるハズが……今は、そんな話ではなかった。


「降ろして」

「ごめんなさい!無理なんです」

「じゃあ、感電させて」

「ダ、ダメですよ~」

「降ろして」

「ごめんなさい!無理なんです」

「じゃあ、感電させて」

「ダ、ダメですよ~」

「降ろして」

「ごめんなさい!無理なんです」

「じゃあ、感電させて」

「ダ、ダメですよ~」

「降ろして」

「ごめんなさい!無理なんです」

「じゃあ、感電させて」

「ダ、ダメですよ~」

「………(ぷつん)」


僕の中で何かが切れた。


「そう……」

「えっ……あの…? ア、アレ?空に……」


僕は極大魔法を発動させていた。

空には赤い色で巨大な魔方陣が描かれている。


「……」

「あの……?」

「当たらないように気を付けてね」

「えっ?」

「雷よ」


周囲に無数の雷撃が落ちた。

一発でも当たればドラゴンとてタダでは済まない。

かつて魔人の軍勢に落として壊滅的なダメージを与えた魔法だ。


「ギャ~~~」

「Gyaaaaaa」


周囲に落ちる雷にルーファンスもドラゴンも驚いている。

僕はドラゴンが驚いて口を開いた瞬間に脱出した。


これ以上、変な人と関わりたくないので逃走する。

予備のコアをアイテムBOXから取り出して全力でその場を立ち去った。


………

……


今回のことは災難だったけど、ルーファンスのおかげで場所が分かった。

ドラゴンに咥えられた状態で彼から情報を収集したんだよ。


カーリアス王国に僕は飛ばされたようだ。

この国はシェルファ王国から少し離れている。


でも帰れない距離ではない。

呪いのアイテムが悪さをしなければ……

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