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街はずれの錬金術師は元勇者様  作者: 穂麦
真章3 元勇者様と緋色の騎士
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元勇者様と緋色の騎士 2

金属となった大地に拳を突き立てる赤い魔神。

魔神は僕達の方に視線を向けた後、ゆっくりと立ち上がった。


全身が赤い金属で覆われており全身鎧を着た騎士を彷彿させる。

体長は2m50cmと言ったところか。


僕は、あの赤い色を知っている。

あの色は『ヒヒイロガネ』と呼ばれる金属だ。

ヒヒイロガネはオリハルコンと並び世界最硬度の金属と称される金属でもある。


素奔すばしっこいな」


赤い鎧の奥から低く声が響いた。


「気を付けな、ヤツは見た目と違い速いぞ」


タマやんは忠告をしてくれたが…先程の攻撃で理解している。

ヤツの奇襲はタマやんが教えてくれなければヤバかった。

すなわち、奇襲を可能とするスピードを持っているということだ。


「ヤツの名は、ディブロス。ヒヒイロガネの外皮を持つ魔神だ」


ディブロス…それが緋色の魔神が持つ名前らしい。

タマやんという名前とは大違いの威厳がある…僕が命名したんだけど。

そんな馬鹿な事を考えていると、ディブロスはタマやんに話しかけてきた。


「ほう、出来そこないが寝返ったか」


「フンッ 最初からテメーらの仲間になった覚えはねーよ」


タマやんは憎まれ口を叩いている。

いや、気を引いて攻撃のチャンスを作ろうとしてくれているのか…


僕とアルマは目で合図をして、少しずつ左右にお互いの距離を広げていく。

シュメルさんは盾を構えディブロスの攻撃に備えている。


先程のディブロスの攻撃は金属と化した地面に大穴を空けた。

だがシュメルさんの守りは魔王相手にも通用するレベルだ。

簡単に突破されることは無いだろう。



ゆっくりと僕とアルマは左右に広がっていきディブロスを囲む形になる。



そして再び目を合わせ…一斉にディブロスへと襲いかかった。


アルマは2本の剣を手にしてディブロスの首を狙う。

僕は長刀を持ちディブロスの脇腹を狙った。


だが!


ディブロスは猛スピードで前方へと体当たりを仕掛けてきた。

まさか、僕とアルマを同時に対処しようとするとは…


アルマはディブロスの肩を蹴り、反動を利用し後ろへと下がる。

僕は体当たりを避けるため姿勢を低くした後、大地を蹴り後方へと跳んだ。


ディブロスの正面に立つシュメルさんは盾を構えていた。


ディブロスの体当たりが盾に当たる直前!

シュメルさんは魔法で緑色に輝く盾を前方に作り出す。


そして迫るディブロスの巨体を受け止めようとする。


「うおおぉぉぉぉぉぉぉ」


シュメルさんの雄叫おたけびが周囲に響く。

雄叫びはディブロスの巨体と緑色に輝く盾が衝突する音をも飲み込む程だった。


雄叫びが響き渡る中、ぶつかり合う巨体と盾…

シュメルさんの盾は体当たりを完全に防ぎディブロスの勢いを完全に殺した。


体当たりを防がれたディブロスは動きを完全に止めている…ここで確実に倒す!!


(神気!)


ディブロスと距離を置いた僕は神気を発動させた。

背後からヒヒイロガネの隙間から刀を通し首を落とすために。


僕は一瞬でディブロスとの距離を詰め首元に長刀を振り下ろした。


………

……


カアァァァァン


金属に弾かれた音ではない。

響いたのは金属の甲高い音ではなく、もっと乾いた音。


僕は弾かれた長刀の感触を手にしながらタマやんの言葉を思い出した。


『魔王に攻撃が通らなかったんじゃないか?』


『お前が魔王を殺したのか?』


『殺していないのなら逃げ方を考えておけ。殺したのなら同じ方法を使え』


僕の攻撃を弾いた音は魔王との戦いで聞いた物と同じだった。

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