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街はずれの錬金術師は元勇者様  作者: 穂麦
真章3 元勇者様と緋色の騎士
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元勇者様と緋色の騎士

シュナーフスの森に足を踏み入れる時が来た。


森への侵入直前にシュメルさんが僕達に魔法をかける。

彼のかけた魔法は『魔法状態異常耐性向上』の魔法。

この魔法は名前のとおり魔法による状態異常への耐性を高めるという物だ。


金属化現象は魔法的な状態異常。

だからシュメルさんは、この魔法を使った。



シュメルさんの魔法をかけられ全員の耐性が向上した。

準備が整い、僕達はシュナーフスの森へと侵入する。


森の出入り口は緑色の木や草が多い茂っていた。

しばらく進むと結界を張る為の水晶と兵士と魔導士達が木々の向こうにいる。

彼等は金属化現象の進行を抑えている部隊だった。


シュメルさんが兵士の1人に話しかける。

話しかけられた人物は兵士をまとめる騎士なのだろう。


「シュメル様!」


騎士はシュメルさんに敬礼をする。

魔法でしか戦わないのに魔法戦士と言い張るシュメル。

彼は騎士団の中でも相当偉い立場にあるらしい。


「ご苦労」


「はっ!」


騎士の目は輝いている。

シュメルさんは他の騎士から尊敬されているらしい。


何故、『らしい』と先程からついているのかというと…

アレフ君から情報を聞いたことがあるだけだから。


街中で働く僕と城で働くシュメルさんとでは接点などあるはずもない。


他の一緒に旅したメンバー同士は結構、会っているみたいだけど。

あれ?…ティナは他のメンバーとよく合っていると聞いた気が。


…ひょっとして、ハブられている?


一瞬、嫌な想像が浮かんだ。

でも想像は頭の片隅に追いやり、シュメルさんのやり取りを見ることにする。


「連絡は入っていると思うが、この先に進みたい」


「準備は出来ております!コチラへ」


僕達は騎士たちに案内され左右が水晶に挟まれた場所に移動する。

ここは結界を部分的に弱めることが出来る場所だ。


全体的に結界を弱めれば金属化により結界を破られかねない。

だから結界の一部分のみを弱める準備をしたようだ。


「ご苦労」


「はっ お気をつけて」


シュメルさんは僕達の方を向き結界を素通りできるように魔法をかける。

そして僕達は結界の弱められた部分を通り森の奥へと侵入した。



しばらく森を進むと木や草が銀色の金属となった場所に出た。

更に進むと土や岩も銀色へと変わっていく。


ときおり金属で作られた動物の像があった。

ときおり全身を鎧で包んだ人間の像も見られる。


いずれも製作者はいない。

森の中で見られる動物や人間の像は金属化現象の被害者だ。



被害者の像が見られる場所に入ってから少し風景に変化があった。

木々や被害者の像から刃のような金属の結晶が生えている。


刃のような金属結晶は森の奥に入るにつれ大きくなっていった。

そして被害者の像を包み込む程の結晶すら見られるようになる。


ココで力尽きたら僕達も、ああなるのか…嫌な想像が頭をよぎった。


だが、その想像は集中力を乱す雑念にすぎない。

僕は目の前のことに意識を向けようと思考を切り替える。



僕達は金属となった森を進み続け夜を迎えた。


ここまで何も起こらなかったことに不気味さを感じながら夜を迎える。

アルマに結界石は無いのかと聞かれ僕は結界石を使い結界を張った。


でも使った後で経費に含まれないと言われ僕は涙目になる。

なんでも『使ってくれ』とは頼んでいないそうだ。


アルマの顔はニヤついていた。

経費を浮かせたいのではなく僕を苛めたいが故の行動だと確信した。



日の出とともに僕達は再び森を進む。

結界石の件は無事に戻ってから考えることにする。

余計な事を考えながら進むのは危険すぎるからね。


すでに金属のみとなった森を進み続けると明らかな変化に気付く。

周囲の木々や地面が溶けた様になっていた。


熱によって溶けたかのような金属。

木々だった物は途中で溶け、地面には穴が空いている。


人為的な何かがあったとしか思えない光景だった。


僕達が慎重に森を進んでいると…


「避けろ!」


タマやんの声が周囲に響く。

咄嗟とっさに僕達は反応し周囲に散る。


僕達が散った瞬間に轟音が森に響き大地を揺らす。


ドグオォォォォォォォン


金属となった森には音が良く響く。

そして木々を揺らし、あちこちで金属となった枝が落ちる音もまた響く。


………

……


僕達の居た場所には赤い影が拳を地面に突き立てていた。


「来たぜ…ヤツが魔神だ」


タマやんの声に反応するかのように赤い影…緋色の騎士は立ち上がった。

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