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街はずれの錬金術師は元勇者様  作者: 穂麦
真章3 元勇者様と緋色の騎士
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元勇者様は猫に従った

金属化現象の解決…これが今回の依頼。


~現状~


シュナーフスの森で起こった金属化現象は結界を張りかろうじて抑えている状態だ。

でも少しずつ結界が押し返されているらしい。


森の岩や地面も金属化しているといわれている。

このため結界が破られたら森以外にも被害が出ると考えられるだろう。


~情報~


準備を整え調査に入ったのは32人。

内、3人は体の大半を金属に変えながらも情報を持ちかえる。

しかし情報を伝え死亡した。


3人が持ちかえった大きな情報は2つ。

1.森の中心部分は木のみならず岩や地面、生物など全てが金属となっていたこと。

2.森の中心付近で『緋色の鎧を着た騎士風の存在』に襲われたこと。


この現象のキーパーソンとなったのはタマやんだ。

タマやんは研究所と僕達と出会う前から関わり合いがあったらしい。


情報を提供しながら深く入り込んだようだ。

このことを言わなかったお仕置きはリーザがしてくれると思う。


そのタマやんは金属化現象には魔神が関わっていると言っている。

金属化現象は魔神が魂を集めた結果だとも…


なぜ魔神が魂を集めるかは教えてくれなかったけど…

原因となった緋色の騎士を倒せば金属化が広がりは収まると言っていた。


今回の金属化現象を解決するために僕が参加することになった。

対価は金銭と国に素材集めに必要な許可を優先的に出すように働きかけることだ。


正当な方法で許可を得られるのはありがたい。

今までは裏から色々としてもらっていたから…アレフ君に。



~森に突入するメンバー~


今回の金属化現象では魔法的な状態異常への耐性が必要だ。

それも、相当高いレベルの耐性が…


このため、森の中心へは限られた人材で向かうことになった。


~メンバー~

アルマ

タマやん

ユウ


他にも国が用意したメンバーがいるそうだけど駐屯所で落ち合う予定だ。


タマやんは魔神の位置が分かるらしいので参加させられた。

アルマも僕ほどではないが魔法関連の状態異常耐性が高いらしい。

裏に属する人間だから色々と耐性が高そうなイメージはあるから納得だ。


クルスとリーザは別行動だ。

研究所の存在が知られないように芝居を打つそうだ。

僕の仕事と危険度が全く違うのには不満がある。


…これで報酬額が同じということは無いよね?



僕達は現在、シュナーフスの森近くの駐屯地にいる。


テントがいくつか用意されていおり見張りの兵士が鋭い目で見回りをしている。

シュナーフスの森も見えるけど結界のおかげか金属化した部分は見えない。


僕、アルマ、タマやんは一際大きなテントへ入る。

そこには数人の騎士と白いマントを着た男性がいた。


「久しぶりだな…今はユウだったか?」


「お久しぶりです。シュメルさん」


彼の名前はシュメル。

シュメルさんとは魔王討伐で一緒に戦った。


髪は灰色で瞳は黒に近い灰色

白いマントの下には鎧を着ている。


結界魔法や補助魔法を得意とする魔法戦士…と、言い張っている。

彼は魔法を使っている所しか見たことが無いので本当は魔法使いだと思う。


「ユウ、俺は魔法戦士だからな」


「ええ」


否定するのは面倒なので適当に相槌だけした。

それにしても僕は心がよく読まれる…顔に出やすいのだろうか?


「それにしても…」


シュメルさんがアルマを見て嫌そうな顔をする。

国の人間には研究所をよく思わない人も多い。

もちろん研究所側も同じように嫌っている。


アルマは笑顔でシュメルさんに近づき…


「フン 仕事の間だけの付き合いだ。すぐ終わる」


「そうだな。短い付き合いだが、よろしく頼む」


「ああ、お互い足を引っ張らないようにしよう」


「お互いに気を付けよう」


「「フフフ」」


社交辞令を終えて2人は乾いた笑いを響かせている。

面倒だ…非常に面倒だ。このままでは僕が色々と気を使うことになる。


面倒な大人の相手など絶対に嫌だ!

僕が気落ちしていると…


「おい、仕事を始めたらどうだ?」


タマやん(三毛猫)がリーダーシップを発揮してくれた。

今回は、この猫に僕は従おうと思う。


「そうだな」


「現状を教えてくれ」



その後…

タマやんがいがみ合う2人をまとめる。

アルマとシュメルさんが話し合う。

僕はボ~ッとしている。


こういう役割で話し合いは進んでいった。


………

……


耐性の問題もあり、この4人(猫を含む)で森に侵入。

『緋色の騎士』を倒せるのなら倒す。

倒せないのなら脱出し情報を持ちかえる。


作戦は、この方針に決定した。


~メンバー~

シュメル

アルマ

タマやん


できれば、もう少しメンバーが欲しかった。

4人で大規模災害の現場に侵入するってありえないだろ…


高い耐性を持つ人間は集めるのに時間がかかる。

でも現在進行形で金属化は進んでいるから打てる手は打っておきたいそうだ。


「ユウ」


「うん?」


「良いことを教えてやる」


タマやんがニヤけた表情で話しかけてきた。

(猫の表情は分からないけど、多分ニヤけているのだと思う)


「なに?」


「魔神は魔王を目指して作られた」


「!」


「魔王に攻撃が通らなかったんじゃないか?」


「それって…」


「お前が魔王を殺したのか?」


「…」


「殺していないのなら逃げ方を考えておけ。殺したのなら同じ方法を使え」


「……」


「俺は適当な所で逃げるがな。クックック」



魔王を殺した方法…か…


僕は魔王との戦いを思い出していた。

魔王を倒す為に使った手段は思い出しただけでも気が重い。


僕は溜息を吐いたあと部屋を出て行くメンバーを追った。

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