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街はずれの錬金術師は元勇者様  作者: 穂麦
第三章-A 元勇者様と獣人の少女
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元勇者様と銀髪の獣人少女

~数年前の話~


ある研究所の執務室で1杯のコーヒーを飲む少女がいた。


彼女の名はアルマ…かつてユウと敵対した研究所に所属している。

戦士としても確かな腕を持ち勇者トワと対等に渡り合った経験を持つ。



「苦いな…」


想像よりも苦かったコーヒーを飲みながらアルマは部屋の窓から外を眺めていた。


~~


彼女は、かつて戦ったトワについて思い出していた。


かつてトワと戦ったとき全てを出し尽くしても決着を付けられなかった。

自分に倒せない相手がいると教えられたようで強い衝撃を受けたのを覚えている。


アルマは決して弱くはない。


むしろ強すぎるといえる戦士だ。

敵対した者は5分と持たず全て死を迎える。


自分を最強だという程、自惚うぬぼれてはいない。

だが戦いを作業と呼べるほど刺激の無い物になっていたのは確かだった。


そんな彼女にとってトワとの戦いは特別な物となる。

同時にトワに対し特別な感情も抱いた。


だが…


あるとき、研究所はユウという少年に乗っ取られる。

(正確にはアレフという青年によりユウに献上されたのだが…)


その後、調べて分かったことだがユウとはトワと同一人物だった。


よってトワは味方となってしまったことを意味し…

本気で命のやり取りが出来る可能性は0に等しくなった。


ガシャン!


コーヒーカップを落とし割ってしまった。

アルマは無意識のうちにコーヒーカップの取っ手を握りつぶしていたのだ。


…ユウ!!


アルマの瞳には再戦の可能性を潰したユウに対し怒り…いや情念が宿っていた。



「アルマ様!」


そこへやってきたのはミスティという少女。

執務室の外にまで響いたコーヒーカップが割れた音を聞き駆け付けたようだ。


「ああ、カップを落としただけだ」


「そうですか」


アルマは平静を装いカップを落としたのだと説明した。

その説明にホッとしたような表情を見せるミスティ。


平静を装ったことで少し冷静になったのだろう…

ユウに対しての怒りが残っていた彼女の脳は一つの嫌がらせを思いつく。


~~


ミスティが指示しアルマの落としたカップは片づけられた。


「失礼いたします」


ミスティが上司であるアルマに職務に戻る旨を伝えた時…


「少し、昔の話を聞いてくれないか?」


「私でよろしければ」


………

……


こうしてミスティの中に最悪の変態 ユウが誕生した。

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