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街はずれの錬金術師は元勇者様  作者: 穂麦
第三章-A 元勇者様と獣人の少女
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元勇者様と白髪の獣人少女

今回は人間に対して少し残酷なシーンがあります。苦手な方は注意。

急速な発展を遂げるスクエイドの街。

多くの人間が行き交い活気に溢れている。


だが多くの人間が行き交えば人の暗い部分も行き交うものだ。



「よお、兄ちゃん」


「はい?」


白髪で線の細い少年がタチの悪そうなグループに囲まれた。


少年を囲んでいるのは6人の男女。

彼らはスクエイドの街に流れ着いた冒険者崩れのならず者だった。


「少し、金を貸してくれねーか?」


お約束のセリフを言うボキャブラリーの少なさは三下さんしたの証と言うべきか…


「1日、10%の利息でお貸ししますよ」


「な~に、馬鹿言ってんだよ。テメエは財布を置いてきゃあいいんだ」


「それは、かつあげや追剥(おいはぎ)、強盗の類では?」


「お前が素直にしていれば…」


チンピラ風の男が話を終える前に少年は腕を軽く振った。


ドサッ


「はっ?…あ、ギャアアアァァァ」


男の叫びに周囲の仲間は困惑の表情を浮かべる。

だが、少しのをおいて彼らの顔は青ざめた。


叫びを上げた男が左腕の手首から先を失っていたからだ。


「安心して下さい。回復魔法を使って治しますので。もちろん有料ですが…」


少年は手にナイフを持ち微笑んでいる。

それは無邪気な笑顔だったが、この状況では周囲に恐怖しか感じさせない。


「テメエーー!」


少し太めの男性が恐怖を怒りで押し潰し声を張り上げる。

そして一本の剣を手に握り少年に襲いかかった。


「なっ…」


だが少年は笑顔のまま男の横を何事もなかったかのように通りすぎた。


通り過ぎた少年に気付いたとき、男は腹部に痛みを感じ倒れ込む。

倒れた男の服に赤い液体が広がっていた。


~~


「ヒッ!す、すまねえ」


少年は残った男の1人に歩いて近づく。

顔は邪気を一切感じさせない笑顔のままだ。


「お二人の治療費を払って頂ければありがたいのですが…」


「あ、ああ、払う!払うから見逃してくれ!」


「では、商談成立ということでよろしいですね」


少年は残った他の男女にも微笑みを向ける。

微笑みを向けられた者達は壊れた人形のように首を上下させるだけだった。


~~


少年は切り落とした男の手を回復魔法で治療していた。

すでに腹部を切った男は治療を終えている。


「まあ、こんなものかな?」


少年は男達を切った時と変わらない笑顔のままだ。

だが状況が変わり少年の笑顔は恐怖を与えるものではなくなっている。

絡んだ相手には恐怖しか感じようがないのだが…


「じゃあ、代金は約束通り払って下さいね」


「馬鹿な事を考えてもいいですよ。でも失敗したら慰謝料を頂きますからね」


少年は、このような言葉を残して消えた。


………

……


~1時間後~

少年は、ある家の玄関前に真剣な面持おももちで立っている。

その少年は…いや少女は深呼吸をし心を落ち着けているようだ。


少女の名はミスティ

白い髪をしており服装や短い髪の為、少年だと勘違いされがちな獣人。

だがナイフや短剣を中心に扱う優秀な戦士でもある。


少女は狼のような獣耳をピクピク動かしている。

これは彼女が緊張している時に見せるクセ。


少女は再び息を深く吸い吐き出し自分を落ち着ける。

そして自身に言い聞かせるように小声で『よしっ』と言った。


覚悟を決めたかのような瞳を家に向け…


「ご、ごめんくだひゃ~い」


少し噛んだ。

ミスティの見た目は13~14歳程度です。

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