エピローグ 元勇者様の緊急事態
タマやんからの依頼は終了した。
テイムの相手にリーザを選んだけど『頑張って生きろ』としか僕には言えない。
次の仕事はエリアスさんからの依頼。
昔、僕が作ったオリハルコン製の細剣の修復が依頼内容となる。
銀色だった剣は色が濁り刃こぼれも酷い。
どんな実験に使われたのやら…
作った人間としては溜息が出るが修復した。
細剣の修復完了を伝えると受け取りに来るとのことだ。
受け取りに来るまで時間が少しあるので気分転換のため外に出ることにする。
店を出ると遠くからクルスが悲しげにコッチを見ていることに気づく。
ストーカーっぽくて嫌だな~と感じるも、この世界には規制する法律が無かった。
仕方なくクルスに何をしているのか聞くことにする。
「クルス、何しているんだい?」
「レイナに会えないから…」
「まさか!レイナに何かしたのか!!」
「ち、違う…お前が2週間近づくなって…」
「?近づくな??…あっ」
そういえば、そんなことを言った記憶がある。
「『あ』って何だ!」
「なんでもない」
「お前、忘れて…」
「2週間近づいちゃダメだよ♪ じゃっ」
「おいっ!」
その場を離れながら…(たった2週間だ。頑張れクルス!)
僕は心の中でクルスにエールを送った。
…暇だ
クルスとの会話のあと、しばらく散歩をしてみた。
でも、することが全くない。
僕の店はスクエイドの街でも外れの方にあり娯楽施設のような物もない。
作ろうと思えば施設ぐらいなんとかなるけど騒がしくなるのはな~。
しかも今から転移方陣で繁華街に行っても時間的に中途半端だ。
仕事でもするか…イヤ、働いたら負けな気が…でも暇だし…
僕は心の中で正体不明の葛藤を繰り広げながら歩き続けた。
その結果、僕はとんでもない事態に陥る。
その事態というのは………迷った…
やっちまった~~~!!
僕の脳裏に迷子になったとバレたときの家族の反応がよぎる。
レイナ 『フフン(鼻で笑っている)』
残念女神 『ぷぷ ユウさん、その歳で迷子ですか?』
ティナ 『ユウ君。あまり遠くに行っちゃダメだよ』
エリー 『ユウ、ごはん~』
エリーは…まあ、良いとして…
ティナの義弟扱いが深刻化しかねないのが問題だ。
義弟扱いから子ども扱いになりかねん!
そうなったら恋愛から、ますます遠ざかるぞ。
周囲には見たことが無い建物が沢山建っている。
えっドコここ?という感じの僕が全く知らない場所だ。
周辺に知り合いがいないか探してみると…いた。
そういえば僕のことを毎日監視している諜報員が3人ついて来ていたな。
………
……
…
僕は親切な諜報員の方たちに店まで案内してもらい無事に帰れた。
監視させてあげている諜報員も、たまには役に立つんだね♪
店に帰りしばらくするとエリアスさんが細剣を受け取りに来た。
ファリアに僕の居場所を伝えないように言ってから細剣は渡した。
なんか返答をエリアスさんは笑ってごまかしていたんだけど…
エリアスさん…本当に勘弁して下さい。
イヤ…マジで。




