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街はずれの錬金術師は元勇者様  作者: 穂麦
真章2 元勇者様の宅配便
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元勇者様の宅配便 7 ランダー

※残酷描写あります(モンスターの)苦手な方は注意

僕は全力で洞窟内を逃げている。

風魔法と土魔法を使いながら。


僕は追いかけてくる2匹の恐竜から全力で逃げている状況だ。

でも囮だから、ただ逃げるだけというわけにはいかない。


僕は洞窟の外まで恐竜を引きつけるのが仕事だ。



恐竜はランダー。

5m程の大きさにした感じのデイノニクスという恐竜だ。

ちなみに足には鎌みたいなのが付いていて灰色の身体。


デイノニクスに興味があれば検索してね♪


と、余裕をもって走れる状況ではなかった。


僕は目の前に迫る岩や段差を飛び越える。

曲がりきれない壁は足で蹴り方向を変える。

こうして僕は必死に走り続けている状況だ。


そんな僕にランダーはよだれをまきちらしながら迫ってきている。

ランダーは洞窟内の行動に慣れており段差やカーブが障害にならない。

またぐだけで段差などは超えてカーブの曲がりはズムーズだ。


僕は魔法を使って移動しているけど魔物も魔力で身体能力を高められる。

魔物には人間程複雑な魔法を使える個体は少ない。

でも元々身体能力が高いので魔力による強化だけで十分に脅威だ。


当然、僕と同様にランダーも身体能力が強化されている。

だから凄いスピードの追いかけっこ状態だ。


しかし魔法を使っているとはいえ体力は消耗する。

このため体力の問題で追いかけっこは魔物よりも人間の方が不利だ。


すでに息切れ一つしないランダー達に対し僕は息切れをしていた。


「GUGAAAAAaaaaaaaa」


ランダーは叫ぶ余裕がまだある。

一方で僕は必死で走り続けるしかない…キツイ


僕は薄暗い洞窟内に用意した魔法の明りを頼りに洞窟を走り抜け続ける。


………


……



でも息切れする僕と怒り狂うランダーの追いかけっこは終了を迎える。


薄暗い洞窟に明るい光が差してきた!

僕は出口まで走り切った。


そして僕を追いかけていた2匹の恐竜も外に飛び出す。


洞窟の外に出た僕の視界の先。

砂漠の広がる光景の真ん中に深い紫色の影が見える…リーザだ。


「…結界」


リーザは僕を追うランダー2匹の足に結界を張り固定する。

するとランダーの1匹はバランスを崩し横に倒れかけて…


「はあぁぁぁぁぁっ」


クルスが岩影から槍を構えて飛び出す。

そして倒れるランダーの眉間に『穿通せんつう』という槍技を放った。


槍をランダーの眉間に突き刺した瞬間に槍の先から光の刃が放たれる!

次の瞬間、光の刃はランダーの頭部を貫き命を奪っていた。



それにしても、さすがリーザ…揚げ足取りがうまい!


クルスの活躍を横目に見事な揚げ足取りに感動していると炎球が飛んできた。

炎球は僕の髪を少し焼いてもう一匹のランダーに命中。


(リーザ…なんてコントロールだ。でも君は鬼だ!)


絶対にリーザは疲れた僕がギリギリ避けられる場所を狙ってきた。

…けどリーザのおかげでランダーが怯んでいる。


走り続けて疲労困憊となった体に鞭打って僕はランダーに攻撃を仕掛けた。

僕は長刀をアイテムBOXから取り出し強く握りしめる。


そしてランダーにアゴの下から長刀を突き刺し脳を貫いた。



………



……





僕を追いかけていたのは、つがいのランダーだ。

討伐依頼の対象は、つがいのランダーと雛が5匹。


あとはランダーの雛が5匹。

僕達は無抵抗な雛にゲスな事をするために洞窟の奥へ戻る。


これから何をするか?

それは気分が悪くなるだけだから考えない方が良いと思う。


「行くか」


「…うん」


「わかった」


2人も自分が、これからすることを分かっているので軽口は叩かない。

どんな言葉も行いの前では言い訳にすぎないことを知っているから…


「仕上げ…か」


「そうだな」


この数十分後、僕達は依頼を達成した。

神気は時間制限つきです(使い方次第で増減するのですが)このため乱用して本当に必要な時に使えないのを防ぐためユウは時々しか神気を使いません。

ちなみに神気はスピードだけでなく攻撃力や体力など色々な物に影響を与えます。

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